あく(明(他動詞))

日本国語大辞典
辞書 品詞 解説 例文 漢字
広辞苑 他動詞 (アカ(明・赤)と同源で、ものを明るみに出す意)
①境・仕切り・おおいなどで内・外の通いを閉ざしているものを除き、通れるようにする。開く。
万葉集12「朝戸―・くれば見ゆる霧かも」。
源氏物語蜻蛉「泣く泣くこの文を―・けたれば」。
「窓を―・ける」「鍵を―・ける」「金庫を―・ける」
明く・開く・空く
②場所をふさいでいるものをどけて、はいる場所をつくる。そこをからにする。そこに隙間をつくる。間を離す。 源氏物語蜻蛉「心なし。道―・け侍りなんよ」。
宇治拾遺物語10「刀のさきして、みそかに穴を―・けて」。
「部屋を―・ける」「グラスを―・ける」「水を―・ける」
③器物の中の物をほかに移す。 浮世風呂2「ハイハイトくみきたり、とめ桶へ―・ける」。
「瓶の半分をコップに―・ける」
④留守にする。また、外泊する。 「家を―・ける」
⑤仕事などの、禁制・束縛などを解き、何かに使える状態にする。暇な時間をつくる。 日葡辞書「ヒマヲアクル」。
「手を―・ける」
⑥(閉ざした扉をあける意で)営業などを開始する。 「商売の口を―・ける」「店を―・ける前に客が押しかける」
⑦包み隠しをなくす。打ち明けて話す。
⑧(「らちを―・ける」の形で)事態解決の手順や方法を見つける。 日葡辞書「ラチヲアクル」
大言海 他動詞 前條ノ語ノ他動(附く、つくる。(カヅ)く、かづくる)〕
(一){押シ開ク。
伊勢物語、二十四段「此戶、あけタマヘト、叩キケレド」
拾遺集、二、夏「夏ノ夜ハ、浦島ノ子ガ、箱ナレヤ、ハカナクあけテ、クヤシカルラム」
(二)あける(明)ノ條ヲ見ヨ。
あける
(一)他動下二段活用ノ、あく(明)ノ口語。(ヒラ)ク。
(二)穿ツ。 「穴ヲあける」
(三)隔ツル。 (アヒダ)ヲあける」 文書 (カキモノ)ノ一行あける」
(四)始ムル。 「芝居ヲあける」
(五)(ヒマ)ニス。 「手ヲあける」
(六)空シクス。(カラ)ニス。一空 「家ヲあけワタス」路ヲあけテ(トホ)ス」 入物 (イレモノ)ヲあける」
動詞活用表
未然形 あけ ず、らゆ、らる、む、じ、さす、しむ、まほし
連用形 あけ たり、き、つ、ぬ、つつ、たし、ても
終止形 あく べし、らし、らむ、ましじ、まじ
連体形 あくる も、かも、こと、とき
已然形 あくれ ども
命令形 あけよ

日国は同じ見出し語の扱い。「あく(明(自動詞イ))」を参照。

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附箋:下二段 他動詞

最終更新:2025年02月23日 21:36