辞書
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品詞
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解説
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例文
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漢字
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日本国語大辞典
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名詞
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① 天。空。あま。⇔地(つち)。
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※古事記(712)下・歌謡「雲雀は 阿米(アメ)にかける」 ※万葉(8C後)一七・三九〇六「御園生の百木(ももき)の梅の散る花の安米(アメ)に飛び上り雪と降りけむ」
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天
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② 天つ神のいる処。高天原。また、神のいると信じられた天上界。
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※古事記(712)上・歌謡「阿米(アメ)なるや おとたなばたの うながせる たまのみすまる」 ※源氏(1001‐14頃)乙女「あめにますとよをかびめの宮人も我が志すしめを忘るな」
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③ 日本神話に登場する、高天原に属する神やものの美称をつくる。「あめ…」「あめの…」の形で用いる。「あめ金機(かなばた)」「あめの香具山(かぐやま)」など。
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④ 宮殿の屋根のあたり。
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※万葉(8C後)一九・四二七四「天(あめ)にはも五百(いほ)つ綱延(は)ふ万代に国知らさむと五百つ綱延ふ」
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[補注]複合語をつくる場合「あま」の形となることが多い。
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広辞苑
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名詞
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①てん。大空。天空。
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古事記下「雲雀は―に
翔
る」
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天
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②天つ神、造物主のすむ所。
高天原
。
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大言海
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名詞
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〔橘守部ノ說ニ、あめハ、
上
邊
ノ約、
底國
ヲ
下
邊
ト云フニ對スト云フ、イカガアルベキ、凡ソ、此ノ如キ原始語ノ語原ヲ說カムハ、不可能ノ事ナリ、外ニ語原說、尙、種種アレド、皆、附會ナリ、此語ヲ、あまトモ云フハ、熟語ニ冠シタル時ノ音轉ナリ、
爪
、つま
先
。
目
、ま
蓋
ナドノ例ナリ、
雨
ヲ、あま雲、あま水、あま夜ナド云フモ同ジ、天津ト云フ、つハ、(津ハ借字)古キ
辭
ニテ、
之
ノ義ナリ、倭訓栞「天ノ字ハ、多クあまト
訓
メリ、古事記ニ、あめト云フニハ註セズ、あまト唱フベキハ註アリ、サレバ、あめハ本語、あまハ轉語ナルベシ」あめの、あまのハ、萬葉假名ニテ書キタルアルハ、區別ニ論ナケレド、漢字ニテ、
天
トノミ書キテアリテ、何レトモ知ラレヌハ、各書ノ舊旁訓ニ從ヘルモアリ、各條ヲ見ヨ、あまのトアルニ、一切、あめのト改訓スルハ、妄ナリト思フ、好古叢誌ノ卷二ニ、飯田武鄕ノ、あまの、あめのノ區別說アリ。
天
、
天
、又ハ、連體詞トナリテ、
天
の、
天
の、天津、ト云フニ、種種ノ意義アリ〕 (一)
頭上
ヲ仰ゲバ、
蒼蒼
トシテ、極メテ高ク、廣大、無邊ニ見エ、日月、星辰ノカカルトコロ。アマ。オホゾラ。ソラ。
天
。
虛
空
。
空
。
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古事記、下(仁德)
十
「
雲雀
ハ、
阿米
ニ
翔
ル」 同卷(允恭)
廿二
「
阿麻
飛ブ、鳥モ
使
ゾ」 「
天
ノ火」
|
天
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(二)天ノ神ノマシマストコロ。高天原。天原 。
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古事記、上
廿四
「八百
萬神
、於
二
天安
河原
一
、
神集
集
而
」 「天津國」天津神」 倭訓栞、あめ「隋書ニ、日本國王、姓、阿每、ト云ヘルハ、天ノ義ナリ」 合類節用、二、乾坤門「阿每國、唐書、日本者、
直
二
新羅東南
一
、在
二
海中島
一
、其王、姓、阿每氏、又見
二
隋書
一
」誤傳ナルコト、勿論ナレドモ、皇祖、皇宗ノ御名稱ニ、多ク天ノ字ヲ冠スレバ、斯ク見タルナルベシ、我ガ皇家ニ、姓ハオマシマサズ、開闢ヨリ皇統一系ナレバ、姓ヲ設ケテ、他ト識別セシメラルベキ要ナケレバナリ、崇敬セザルベケムヤ。
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(三)高天原ニ關スル事物ニ云フ語。
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「
天
ノ岩屋」
天
磐船
」
天之
瓊矛
」天津磐境」天津罪」
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(四)天津神ニ關スル事物ニ云フ語。
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「天津位」天津
御祖
」天津御子」天津日嗣」天津
璽
」
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(五)高天原ヨリ、國土ニ傳ヘタル事物、又、ソレニ傚ヒテ作レル事物ニ云フ語。
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「
天
之眞鹿兒弓」
天詔
琴
」
天
逆桙」
天
逆手」
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(六)神事ニ關スル事物ニ云フ語。
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「天津
祝詞
」天津
菅麻
」天津
金木
」
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(七)
朝廷
、又ハ、
御殿
ヲ
崇
メテ云フ語。
神神
シク仰ギ奉ルナリ。
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萬葉集、十九
四十四
新嘗祭、肆宴「
天
ニハモ、
五百津
綱延
フ、萬世ニ、國知ラサムト、五百津綱延フ」(此ノ天ハ、大嘗宮ヲ云フナリ、尙、あまのはらノ條ノ(三)ヲ見ヨ) 同、二
三十三
長歌「久堅ノ、天津御門ヲ、
恐
クモ、定メタマヒテ」(同、十三
廿七
長歌「仕ヘ
來
シ、君ノ御門ヲ、天ノ
如
、仰ギテ見ツツ」) 同、二十
五十四
「安米ノ
朝廷
」 「阿摩ノ
八十
蔭
」
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(八)尊ビ
稱
ヘテ云フ語。
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「
天
ノ
益人
」
天羽車
」
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