あら(嗟)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 感動詞 物事に驚いたり、感動したりした時に発することば。現代では主として女性が用いる。あらあ。→あああなえっ ※落窪(10C後)一「あらことごとし」
※謡曲・班女(1435頃)「あら恨めしの人心や」
※雪国(1935‐47)〈川端康成〉「あら。来ないわよ。なにしに来るの?」
[語誌](1)従来の感動詞「あな」に交替する形で使用された。近世前期までは詠嘆表現を以下に続ける形を基本としており、特に形容詞類に助詞「や」を下接する形式や、「あらうたての殿や」のように「評価語+の+評価の対象+や」の形式を後続させることが多かったが、男女を問わず使われていた。
(2)特に下接表現に制約もなくなり、女性が用いる感動詞として使用されるようになるのは、近代以降である。
広辞苑 感動詞 (女性が)驚いたり不審に思ったりする時に発する声。 「―、本当かしら」
大言海 感動詞 〔あなニ通ズ、(つなぬく、つらぬく。せせなぎ、せせらぎ)あらあらト云フハ、重ネテ意ヲ强ムルニテ、ああらハ、ソノ(ツヅマ)レルナリ、(いやいや、いいや)あれトモ云フ〕
何事ニモアレ、(セツ)ニ感ズル時、發スル聲ニ云フ語。アナあらあらああら
榮花物語、八、初花「 餘所 (ヨソ)ノ人目ニ、あら(ウラヤマ)シ」
宇治拾遺、十三、十四條「あら悲シ、我レヲ助ケタマヘ」
明惠上人傳記、上「あら 無慙 (ムザン)ヤ」
宇治拾遺、九、第八條「鬼、サラバ、スフスフト云フ時ニ、聟、顏ヲカカヘテ、あらあらト云ヒテ、伏シマロブ」
松風村雨束帶鑑(元祿、近松作)三「ああら戀ヒシノ行平サマヤ」
「ああら不思議ヤナ」あらあら、荒馬ガ駈ケテ來ル」

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最終更新:2024年05月06日 20:00