あな(嗟)

辞書 品詞 解説 例文 漢字
日本国語大辞典 感動詞 何ごとかに感動したり驚いたりしたときに発する言葉。あああれ ※古事記(712)上「阿那(アナ)邇夜志愛袁登古袁(にやしえをとこを)」
※源氏(1001‐14頃)須磨「あな、かたはや。〈略〉まさに、かく怪しき山賤(やまがつ)を、心とどめ給ひてんや」
※読本・雨月物語(1776)吉備津の釜「あな哀れ。わかき御許(おもと)のかく気疎(けうと)きあら野にさまよひ給ふよ」
[語誌]中古には「あなおぼえず」〔宇津保‐蔵開中〕、「あな痴(し)れや」〔宇津保‐国譲下〕、「あなはらはら」〔源氏‐空蝉〕、「あなむもれや」〔源氏‐横笛〕などの特異な呼応例もあるが、一般には状態性を含む体言・準体言、形容詞・形容動詞の語幹と呼応する。この呼応形式は中世以後に擬古文化し、代わって感動詞としては「あら」が進出する。
広辞苑 感動詞 喜怒哀楽を感じて思わず発する声。あら。→あなに 「―にく」「―うれし」
大言海 感動詞 〔あモ、なモ、感動詞ナリ、あなやノ、やモ同ジ〕
(セツ)ニ思フ時ニ發スル聲。あなやアラ。(喜、怒、哀、樂、共ニ云フ)
古語拾遺「 阿那 (アナ) 於茂志呂 (オモシロ)、古語、事之甚切、皆稱阿那
字鏡 八十五 「可咲、見醜皃、阿奈、 乎加之 (ヲカシ)
神代紀「大醜、此云 鞅奈 (アナ) 瀰儞句 (ミニク)
萬葉集、六 四十四 (アナ) 𪫧怜 (アハレ)
同、十 五十七 「ワビ人ノ、(アナ)心無ト、思フラム」
字類抄「可憎、アナニクシ」
後撰集、十一、戀、三「あな戀シ、行キテヤ見マシ、津ノ國ノ、今モアリテフ、浦ノ初島」
伊勢物語、第六段「鬼、ハヤ一口ニ食ヒテケリ、あなやト言ヒケレド、(カミ)鳴ルサワギニ、得聞カザリケリ」
「あな(カシコ)」あな(タフト)

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最終更新:2024年05月06日 19:41