かがみ「もう一年になるのか・・・。」
カレンダーを見て、溜息をつく。
私は何のためにこの学校に入学したのだろう・・・。
実家からは遠く、学校以外は何もない山奥にある大学・・・。
かがみ「こなたのバカ・・・。」
この一年で口癖になった言葉・・・。
いや、バカは私だ・・・。
いくらこなたと離れたくなかったからって、大学まで一緒にしようとしなくてもいいじゃない。
こんな事になると分かっていれば、こんな大学絶対来なかったのに・・・。
一年前―――――。
かがみ「高校も今日が最後だと思うと寂しいわね。」
こなた「卒業式もイベントなかったね・・・最後の最後まで私達は・・・。」
かがみ「悲しくなるからもうその話は止めないか?」
こなた「ところでかがみは結局どこの大学行くの?色々迷ってたよね。」
かがみ「・・・・・・山奥大学よ。・・・・・・悪い?」
こなた「え・・・?それってもしかして私が行くから?かがみの成績ならもっと上の学校目指せたよね?」
かがみ「バ、バカ!アンタなんて関係ある訳ないでしょ!!私はただ・・・・・・。」
こなた「・・・・・・ごめん。かがみ。私、大学は行かない。」
かがみ「え・・・。」
こなた「私東京へ行って歌手になるんだ!!」
言ってる意味がわからない・・・。
どういう事? 東京? 歌手?
私全然聞いてないよ・・・。
私はアンタとずっと一緒にいたいから、志望校下げたのよ?
私はそれだけアンタの事必要だったのに、
アンタにとっての私はそんな大事な事も相談してくれないほどちっぽけな存在だったの?
ヒドイよ・・・。こなた。
私も普段なら芸能界の厳しさなどをこなたに説明して、止めるように説得しただろうけど、
あまりにもショックが大きすぎて、私はその帰り道、何も話すことが出来なかった。
後からつかさから聞いた話によると、こなたのバイトの店の常連がその道の大物だったらしく、
コスプレ喫茶ながらもファンを集める力と萌えブームに後押しされ、スカウトされたらしい。
それから毎日、こなたから電話があった。けど、私は出なかった。
携帯は着信拒否して、家電も全てつかさに任せた。
そして、結局私はこなたと仲直りせずに一年を過ごした。
この一年は最悪の年だった・・・。
私の大学はそれほど偏差値が高い学校ではない。
この学校で唯一偏差値がまともな学科―――それが私の所属する法学部。
法学部と言うだけで他の学部の人から敬遠される。
まぁ、あんな目的意識もなく大学来てる人とは上手くやっていけそうもないけど・・・。
私は自分自身が人間関係を築くのは上手くはないのを知っていた。
けど、今まで友達に不自由した事はなかった。
だから大学でも簡単に友達が出来て、楽しい大学生活が送れる。
そう思っていた・・・。
けど、
―――――怖い。
仲良くなってもまた裏切られるかもしれない・・・。
どっかに行っちゃうかもしれない・・・。
こなたでさえ私を裏切って離れて行った・・・。
そう考えると、私は人と接するのが怖くなった。
最初が肝心な大学生活において、そんな私に気を使ってくれる人もおらず、気付けば私は一人だった・・・。
寂しいし辛い・・・。けどその悩みを相談する相手も私にはいなかった。
その一方でやっぱりこなたの事は気になった。
デビューシングルがそこそこヒットし、深夜ラジオのパーソナリティーに抜擢された。
私もリリースされたCDは全て買い、ラジオも毎回聞いていた。
そして、それは突然だった。
こなた「今日はみんなに報告があります。私、泉こなたは来月から、一切の芸能活動を無期限休止する事になりました。」
事実上の引退宣言。私はまたどうせこなたの気まぐれだろうと思うと同時に怒りが沸いた。
私よりそっちを選んだのに、デビューから一年もしないうちに引退だなんて・・・。
心底腹が立ったし、見損なった。
数日後・・・。
いつものように大学の図書館に自習に行くと、なにやら騒がしい・・・。
そうか、今日は
合格発表の日だったんだ・・・。
喜びを爆発させる人にその場で泣きじゃくる人。色々な人がいる・・・。
かがみ「――っ!?」
あれは・・・。
他の受験生より二周りも小さい体に青い長髪、そしてトレードマークのアホ毛。
間違いなくこなただ。
無意識のうちに私はこなたの元に走り、抱きしめていた。
こなた「あれ・・・え、嘘、・・・か、かがみ?」
かがみ「こなた・・・。ごめん。ごめんなさい。」
涙が止まらない。
こなた「かがみがなんで謝るのさ。悪いのは私じゃん・・・。」
「やっぱり、私かがみがいないとだめだったよ。どんなに仕事が上手く行ってもかがみ無しじゃつまらないよ・・・。」
かがみ「私もよ。こなた。」
空白の一年を埋めるように私とこなたは抱きあって、涙をながした。
そしてこれからの大学生活も、この出来の悪い後輩とずっと一緒に送って行くのだろう・・・。
終わり
最終更新:2008年03月17日 01:10