私はカガミ・ヒイラギ。一国の姫だ。
訳あって今は地球からはるか離れた上空・・・とある人工衛星内にいる。もう3日目だ。
衛星内部は大人10人も入ればギュウギュウいになる小さな空間だがここには私一人しかいない。
コナタ『おはようございます。かがみ様』
この声は地上に残してきた私の世話係のコナタである。同じ年で小さい頃からずっと一緒だった。
カガミ「おはよう。もう朝? いい加減地上に戻りたいわね」
コナタ『とんでもない。日に日に戦火が酷くなっています。』
カガミ「・・・そう・・・」
コナタ『でもご安心下さい。いよいよ同盟国が動き出しました。明日か遅くとも2日以内に状況も逆転すると思われます。』
カガミ「わかったわ。」
コナタ『退屈でしょうが暫くご辛抱下さい』
カガミ「まったくヒマで死にそうよ。」
コナタ『あはは。生命維持装置がガンガンに働いているから死にたくても死ねませんよ。でもあと数日のご辛抱ですから・・・』
カガミ「ありがとう。みんなにもよろしく伝えといて」
コナタ『了解です。ではまた明日・・・』
翌目
コナタ『おはようございますカガミ様』
カガミ「コナタ~!もう私ダメだよ。耐えられないよ!」
コナタ『しかし・・・』
カガミ「死んでもいいから降ろしてよ!ミユキ博士に言ってよ。私このまま戻れないんじゃないかと気が狂いそうなの」
コナタ『もう少し、もう少しお待ち下さい。援軍がそこまで来ているんです。国王ももう暫く我慢してくれと』
カガミ「もういや!」
コナタ『わかりました。』
カガミ「え?」
コナタ『国王に内緒で博士を説得してみます』
カガミ「おねがい! 1分でも1秒でも早くして欲しいの」
コナタ『明日までになんとかしてみます』
カガミ「明日? ・・・・わかったわ我慢するわ。父達はなんていうかわからないけど・・・」
コナタ『お任せ下さい。きっと。。。大好きなカガミ様のためですから』
カガミ「え?」
コナタ『私だって早く戻ってきて欲しいんです。カガミさま好きですから・・・』
カガミ「わ、私もよコナタ!一人だから辛いんじゃないの!アンタがいないから辛いの!!地球に戻ったら真っ先にあんたに会いたい!絶対よ!」
コナタ『私もです。では早速ミユキ博士のところに行きます』
カガミ「たのんだわよ」
あとはカガミの泣き声だけが室内に響いた。
最後の交信から数時間後、再度コナタの声が響いた。
時計は無いが24時間かかっていないのがわかる。
コナタ『カガミ様、起きてますか?』
カガミ「コナタ!早かったじゃない!」
ミユキ『カガミ様、ミユキです。お話は聞かせていただきました』
カガミ「ミユキ博士!? お願い!私帰りたいの地球に!! 誰が何と言おうと帰して!!」
ミユキ『大丈夫です。もともとプログラムは状況関係無しに10日で自動返還する予定でしたが手動で今すぐ帰還の軌道に乗せるようプログラム変えますから。』
カガミ「ちょっ、10日もいる予定だったのかよ・・・」
コナタ『あ、ところで今日はもう一人ゲストがおりますよ』
カガミ「ん? 誰?」
ツカサ『お姉ちゃん久しぶり~』
カガミ「その声は、ツカサ!? 元気? 無事?」
ツカサ『お姉ちゃん退屈だったでしょう。可愛そうに・・・。こっちは同盟国の支援もあってなんとか大丈夫よ。』
カガミ「それはよかった! もう一人でこんなトコに3日もいらんないわ。昨日の時点で気が狂いそうになったもの」
ツカサ『ふっ。3日でイヤになっちゃったんだ。どんだけ~』
カガミ「何笑っているのよ!あんただってこんなとこいたら・・・」
ツカサ『3日で気が狂いそうになったなら、1年とか10年とかだとどうなるのかな~』
カガミ「ちょっと、ツカサ、怖いこといわないでよ! 帰ったら許さな」
ツカサ『あはははは、バーカ。』
カガミ「え?」
コナタ『ちょっとツカサ様何を!? うげっ』
ミユキ『きゃあ!』
コナタ『ぐヮ、あわわ』
プツッッ
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
カガミ「な、なに? なんの冗談なの?? 」
カガミ「ちょっと、ふざけないでよ。そっちは冗談でやっててもこっちは精神が崩壊しそうなんだ」
カガミ「コナタ!! ミユキ!! ツカサ!! なんか喋って!! ねぇ!!」
カガミ「ホントに怒るぞ! 許さないぞ! コナタ!!!! お願い喋ってよぉぉぉ!!!」
しかし返事は無かった
そして2時間後。
コナタ『カ、カガミさ・・・ま・・・』
カガミ「こなた? こなたなの? どうしたのさっきは!?」
コナタ『何でもありません・・・カガミさま・・・。今プログラム修正いたしました。』
カガミ「ほんと?」
コナタ『衛星が帰還軌道に乗るまで時間かかると思いますがそれだけ我慢してください』
カガミ「それくらいならいいわ。どれくらい?」
コナタ『長くて半日、、、いや1日かな? もしかしたら2日かも・・・』
カガミ「OK! ねぇそれなら降りるまで喋らない? 」
コナタ『ダメです。この通信をキャッチされたらカガミさまの衛星が打ち落とされる危険性があります!』
カガミ「そう・・・」
コナタ『すぐですから・・・。交信は暫く我慢してください』
カガミ「わかったわ」
コナタ『本当にすぐ・・・忘れた頃に帰還できると思いますから本当に我慢しててくださいね』
カガミ「仕方ない、我慢するよ。あ、そういえば、ツカサは?」
コナタ『ではまた・・・』
カガミ「え?もう?・・・・・・」
コナタ『・・・・・・・』
カガミ「え?何?聞こえない?」
コナタ『カガミ・ヒイラギ殿、愛しておりました・・・』
カガミ「何を言っているのよ、こんな時にもう。バカ。わ、わ、私もよ!」
あれから何時間が過ぎただろう。いまだ変化が無い。
まぁ長くて1~2日かかるとも言ってたしな。
多分24時間以上過ぎたが未だに変化なし。いい加減不安になってきた。
コナタ『おはようございます、いとしのカガミ様』
カガミ「おーいコナター。なんか時間かかるわね~」
コナタ『はい。もう少しですよ。』
カガミ「そうか。」
コナタ『では、傍受されないよう交信を中断します』
カガミ「うん・・・」
そう答えるといつものように交信が途絶える。
プツッ
カガミ「・・・・・・・」
そして更に1日が過ぎた。
コナタ『おはようございます、いとしのカガミ様』
カガミ「ねぇ。こなた~・・・まだかな~」
コナタ『はい。もう少しですよ。』
カガミ「昨日もそう言ったよね。」
コナタ『では、傍受されないよう交信を中断します』
カガミ「ちょっ、待って!」
プツッ
翌日
コナタ『おはようございます、いとしのカガミ様』
カガミ「・・・・・・ねぇ、コナタ、今日の天気教えてよ・・・」
コナタ『はい。もう少しですよ。』
カガミ「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!あんた、ホントにコナ」
コナタ『では、傍受されないよう交信を中断します』
カガミ「コナタァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
私はついに発狂した。
生の声じゃなかったのだ。
壁を泣き喚きながら叩きまくった。もちろんビクともしないが。
カガミ「一体そこでで何が起きたのぉ? ねぇ!! コナタ!!ツカサは? 博士・・・ミユキは?」
プツ
次の日も、その次の日もコナタは同じことを繰り返すばかりだった。
舌を何度も噛み切った。
しかし生命維持装置が働いているので何度試してもキズがすぐ塞がってしまう。
そしてこの装置は太陽がある限り永遠に働き続けるらしい。
つまり私は、この狭い空間に、未来永劫ひとりぼっちで生き続けなければならない・・・
×××日後
コナタ『おはようございます、いとしのカガミ様』
カガミ「おう。いとしのコナタ。なんかオススメの本はないか~?」
コナタ『はい。もう少しですよ。』
カガミ「そうか。楽しみにしてるよ。」
コナタ『では、傍受されないよう交信を中断します』
カガミ「また明日な」
おわり
最終更新:2008年05月03日 21:30