by保育園児(東京都)
「おーっす、ひいらぎぃ~。久しぶりー。」
耳に残る独特の声で呼び止められた。
今日は高校のクラスの同窓会だ。こなたもつかさもみゆきも来ていない。
でもその方が良かった。彼女たちの幸せな姿―結婚したり、子供を育てたり、
仕事に励んだり・・・・そんな姿は見たくなかったから。
高校時代、いつも彼女たちのクラスに行ってたから実のところ自分のクラスには
あまり思い入れがない。まぁ、今の自分の現状からして、そっちの方が
下手に気を煩うことがなくて良いのだけれども。26歳で私はまだ受験生なんか
やっているのだから
さて、呼び止められたはいいけど、誰だっけ?
かがみ「あ、えっと・・・・」
みさお「あー、柊ってヴぁ、私のことわすれてんじゃないのー?あやの~、やっぱ柊は冷たいよぉ・・・」
あやの「まあまあ、みさちゃんも泣かないで。柊ちゃんも久しぶりに会ったからねぇ」
ああ思い出した。高校時代にずっとクラスが一緒だった二人だ。結構仲はよかったけど、あの頃は
つかさやみゆき、それにこなたと過ごす時間のほうが多かったから、そっちの方が記憶に残ってるのだ。
かがみ「峰岸・・・・、と日下部?だったわよね?」
みさお「何で疑問形なのー?やっぱひどいよぉー。
あ、それにあやのはもう峰岸じゃないよ。結婚したからねー」
かがみ「へ、そうなの?峰岸?・・・・あっ違ったか」
よくよく見ると確かに薬指に指輪が光っていた。
みさお「うちのにーちゃんと無事結婚できてね、今じゃ二人とも晴れて日下部って苗字なんだゼ!」
かがみ「今まで聞いたことなかったけど、峰岸・・・違った、あやのの付き合ってた人って日下部のお兄ちゃんだったのね」
みさお「うー、何で私だけ苗字で呼ばれるの・・・?」
あやの「みさちゃんもいい年なんだから、泣かないの」
みさお「いい年って言うなぁ!」
この二人は相変わらずそうな感じだ。晴れて義理の姉妹になったのだし、昔より仲が良さそうに見える。
みさお「そういえヴぁ、ひいらぎぃ。お前と仲の良かった・・・ほら、あのちびっ子って今何やってんの?」
かがみ「あ、ああ・・・・こなたのことね。今度結婚するらしいわよ。式は挙げないらしいけどね。」
みさお「ちびっ子も結婚かぁ・・・。ううう・・・あんなのに先を越されるなんて・・・・。
そういう柊の方こそどうなのよさ?」
かがみ「あたしは彼氏とかいないから・・・・」
みさお「そうかー、お互い寂しい同士なんだな!まぁ折角だし飲もうゼ!おーい生2つ追加ねー。」
そういえば居酒屋に来て人と飲むのも久しぶりだ。というか人と飲むの自体も久しぶりな気がする。
最近は一緒にお酒を飲む相手もいなかったから。日下部に彼氏がいないということは、私の彼女
に対する警戒心をだいぶ緩めた。
結局同窓会が解散した後、峰岸、じゃないあやのは先に帰ってしまったので、
私は日下部と二軒はしごした。
二軒目の飲み屋から出たら二人ともだいぶ酔いが回ってた。
みさお「うう・・・、なんで小学校の先生って周りにいい男がいないんだろうなぁ
男といえば、既婚者の同僚か12歳以下のガキンチョしかいないし・・・」
かがみ「いっそ、生徒に手を出したらー?」
みさお「そこまで落ちぶれてないってヴぁ!」
かがみ「あははははwそれもそうねー。生徒に手を出したら犯罪だもん」
久しぶりに気分が良かった。
かがみ「あっ・・・。」
どうも飲みすぎたらしい。よろけて日下部の肩にもたれ掛かってしまった。
みさお「うー、ひいらぎぃ~。あんた重いんだってヴぁ」
かがみ「なによぉー、しつれいねぇー」
女の子っていい匂いがする。そんなことを酔った頭の中で考えていた。
みさお「柊、電車大丈夫なの?結構遅いけどまだ終電ある?」
かがみ「あ、そうだった・・・」
時計を見てみると0時を回っていた。もうこの時間だと終電は終わっている。
みさお「もう、柊は駄目だなー。よし、私のうちならまだ帰れるから、今日は泊まってけ!」
かがみ「不本意だけどそうするわ・・・」
みさお「というか、重いから自分で歩けよぉ!ひいらぎぃ」
かがみ「ごめんごめん・・・歩きたくても足が言うことを聞かなくて」
日下部に肩を貸してもらいながら、私たちはなんとか彼女の部屋にたどり着いた。
まだまだ二人とも上機嫌だったから、コンビニでお酒を買ったりしながら。
なんとか着いたときにはもう2時前だった。さすがに彼女の家の周りは静まり返っていた。
みさお「ぷはー、やっと着いたぁ!柊って私の方に体重かけすぎなんだってヴぁ!」
かがみ「ごめんごめん・・・」
みさお「というか柊汗だくだなぁ。良かったらシャワー貸そうか?そのまんまじゃ私の部屋が汗臭くなるし・・・」
かがみ「おいおい、失礼なやつだな・・・。でも確かに汗かいちゃったからシャワー貸してもらえるなら借りるわ」
夜とはいえ、季節は夏でそれに今年は例年に増して暑い年。それに酒を飲んだあとだったから
確かに私は大量の汗をかいていた。
みさお「色々話したけど、司法試験ってのも大変なんだなぁ。あっ、タオルとパジャマそこにあるから」
かがみ「サンキュー」
シャワーを浴び終わって貸してもらったパジャマに着替えて、風呂場からでると、既に日下部は買ってきた
お酒を開けていた。その後の話も飲み屋で話したことと大差はなかったが、とにかく話は続いた。
結婚は縁遠いらしいけど、日下部も新米教師としてがんばっているらしい。
また小学校の教師というのは男には縁のない職場なのだろうか。日下部はそれを愚痴っていた。
あと、峰岸・・・じゃなくてあやのが自分の兄と結婚したから、なんとなく実家に
居場所がないとも。
みさお「まさか小学校の教師にあんなに出会いがないなんて思わなかったんだってヴぁ!
分かってたらもう少し別の道を選んでたのにぃ~」
かがみ「はいはい、まぁあんたもいい加減あきらめなさいよ・・・。あ、ちょっと水もらえる?
結構回ってるわ」
みさお「はいはいー。」
威勢よく返事をしたものの、日下部も酔いが回っていたのだろう。台所から戻ってくる
途中で威勢よく彼女は転んでコップの水を盛大に自分にぶちまけた。
みさお「きゅう~。びしょ濡れだぁ・・・・」
かがみ「あんた何やってんの?もう仕方ないわねぇ・・・。ほら、風邪引くからさっさと服脱いで」
みさお「柊は優しいなぁ・・・、なんかもう私女の子でもいい気がしてきたわ・・・」
気がついたら、私は彼女をベッドに組み臥していた。
みさお「へ・・・?ちょ、ちょっと冗談だってヴぁ!本気にしないでよ!」
私は無言で彼女の服を脱がせにかかる。
みさお「ちょ、ちょっと!柊、酔ってんのぉ?案外酒に弱いんだなぁ」
当然だ、酔ってなかったらこんなことするはずがない。こなたにもつかさにもみゆきにも自分の人生
を一緒に過ごせる相手がいて、どうして私にだけはいないのだろうか?どうして私にだけは・・・・。
みさお「や、やめろってヴぁ!ほら、私女の子相手にこんなことしたことないから・・・」
私は男相手にもこんなことしたことないな。そんなことを考えながら作業を進める。最初は笑っていた
日下部の表情が徐々に強張る。
みさお「ちょ、柊!いい加減にしないと・・・んぐ・・・」
あんまり煩いので口を口で塞いでやった。んーんーと日下部は必死に抵抗するのだが、
彼女自身も酒を飲みすぎたらしい。現職体育教師の体力も発揮できなければ意味がない。
みさお「・・・ぷはぁ」
息をさせてからもう一度口を塞ぐ。人の体って温かいんだ。そんなことを思いながら。
大学を卒業してから何年かたったけど、自分には彼氏ができなかった。そもそも作る気が
なかったからかもしれない。けれども一人ぼっちは寂しかった。ひたすら寂しかった。
高校時代、あの頃は恋愛感情と友情の区別なんかつかなかった。ただ一緒にいれれば、
それでよかった。それだけで幸せだった。だから、こんな思いは彼女には伝えられなかった。
でもその娘も、今は自分の人生のパートナーを見つけて、二人で新しい道を歩こうとしている。
そのパートナーは私ではない。それが悲しいけれども、彼女はきっと幸せになるのだろう。
高校時代にあの娘にどうしてもいえなかった言葉。それは・・・。
今目の前にいる娘は彼女の代わりなのだろうか?そうだとしても、今はこの衝動に身を任せたかった。
抵抗する日下部の力もだんだんと弱くなってきた。目の焦点が合わなくなってきている。
彼女も寂しいのだと思う。私も彼女と一緒に傷を癒したい。
みさお「ひいらぎぃ・・・」
まだ夜は長い
最終更新:2007年09月11日 00:46