by自宅生(京都府)
「ただいまー」
「お帰り、お姉ちゃん」
帰宅した私を、いつものようにつかさが出迎える。
「よかったぁ、もうちょっとで始まっちゃうとこだよ」
「ごめんごめん、今日は最後の講義がちょっと延長してさー」
時刻はまだ16:20。
大学生の帰宅時間としては随分と早い。
高校の頃だって、もう少し遅い日もあったように思う。
あの頃は、一緒に帰る友達がいて、ついつい寄り道してしまうことなんて日常茶飯事だったから。
部屋着に着替えて居間に行くと、つかさがいつもの定位置で待っていた。
私の席には座布団が敷かれており、ちゃぶ台の上にはお茶も用意されていた。
「相変わらず準備がいいわね」
「えへへ…」
二人並んでテレビに向かう。
待つこと数十秒、少し古めかしい画風のアニメが始まった。
小学生の頃、私たちが二人で見ていたアニメの再放送だ。
あの時もそうだった。
私とつかさは、このアニメがある日には、学校が終わると一直線に家に帰った。
ランドセルを部屋に放り投げて、二人でこのテレビの前に並んだ。
あれから何年経ったのだろう。
今も私は、つかさと二人であの時と同じアニメを見ている。
正直に言うと、アニメの内容自体はどうでもよかった。
所詮は子供向けの番組、期待に胸を膨らませたあの頃とは違う。
それでも私は、このアニメをつかさと二人で見ているときだけは、辛い現実を忘れることが出来た。
朝起きて、大学に行って、一人で講義を受けて、一人で昼食を取って、また一人で講義を受けて、家に帰る。
そんな孤独な日常の中で、つかさと過ごす時間だけが、私に光を与えてくれる。
アニメが終わってからも、私とつかさはずっと一緒に居る。
高校の頃によくしたような、どうでもいいようなことばかり話している。
毎日早々に帰って来ては、ずっと二人で一緒に居る私達を、家族も最初は心配そうに見ていた。
でも最近は、もう何も言われなくなった。
ようやくわかってくれたのだろう。
私にとってもつかさにとっても、互いが互いの唯一の
居場所だということに。
ねえつかさ。
これからもずっと一緒にいようね。
私達生まれてからずっと、こうやって過ごして来たんだもんね。
だからこれからも、ずっとずっと、一緒に居ようね。
約束だよ?
完
最終更新:2007年09月21日 16:59