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かがみんとタバコ

by今日もメール着信0(宮城県)



机の上には、一箱のタバコがある。
もちろん私が買ったのだけど、別にタバコ吸ってみようかなとか、そういう考えで買ったんじゃない。
タバコが体に悪いことくらいは知ってる。
でも、毎日大学行って、誰とも話さず勉強して、家に帰ってきて、家事をして寝るのは、ちょっと疲れちゃった。
そんな時に、大学の喫煙スペースでタバコ吸ってる女の人を見かけて……その人は楽しそうだった。
周りに友達もたくさんいたし、笑ってたし。
そりゃあ見た時は、勉強もしないで!将来苦労するわよ!なんて思ったけど、後から思い出すと、やっぱりちょっと羨ましかった。
別に、彼女みたいになりたかったわけじゃないけど、そのタバコが、何か印象に残ってて、気付くと帰宅途中の自販機でタバコを買っていた。
銘柄とかは考えなかった。自販機に並んでる中で一番安いやつを買った。
そして家に帰ってきて、今は机の上にタバコが乗っているというわけだ。
……くわえるぐらいなら、別に害は無いわよね。
買ってきて置いておくだけというのも面白くない。
体に悪いというのは知っているから、火はつけない。でも、くわえるくらいなら、別に――
箱を開けて、詰まったタバコが表に出た時のふわっとした苦みのある匂いが少しだけ罪悪感を呼ぶ。
それでも私は一本引き抜いて、口にくわえた。
タバコを吸うときは外で吸うもの、というイメージがあったからだろうか、私は火のついてないタバコをくわえたまま、ベランダに出た。
桟に肘を乗せて夜の空を見ていると、楽しかったころを思い出す。
こなた……つかさ……みゆき……今何してるんだろう……私は…………
不意に目からポロっと涙がこぼれた。
「……っ!?」
それと同時に口がちょっと開いてしまって、くわえていたタバコも外へ落としてしまった。
何だか恥ずかしくなって、涙をぬぐってから部屋へ戻り、箱からもう一本タバコを抜き出した。
不意に涙が出たせいか、なんだか少し頭がぼうっとしていた。
今度はタバコに火をつけてみようなどと考えてしまったのも、そのせいかもしれない。
マッチは無かったし、ライターも無い。仕方ないのでコンロで火をつけた。
火がついたままのタバコを手に持って再びベランダへ出る。
おそるおそるくわえてみる。何ともないのでそのまま吸ってみる。
「…ッ!?ゲホッ!ゴホッゲホッ!」
ひどく咳き込む。そういえば漫画とかでも初めてタバコを吸ったキャラはこんな感じだったわねなどと、咳をしながら思う。
タバコはまだ手に持っていた。
もう一度、今度は注意して。
すぅっと吸うと、まだ違和感は消えないものの、先ほどよりは大分マシだった。
そのままふぅっと吐くと、もやっとした灰色の煙が夜の空に溶けていく。
消える煙を見ていると、自分の中のなんともいえない寂しさも一緒に消えていくようで、少しだけ良い気分になった。

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最終更新:2007年09月21日 17:07
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