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かがみんの誕生日(幸せver)

by発教育学部→再々履修中(千葉県)

「…んん~…ぅ~ん…ダメだ、眠れないや…」

別に寝苦しいわけじゃない…疲れてないわけでも…
いつものように勉強して、お風呂に入って、それから、つかさにおやすみを言って…

……

ううん、理由は分かってる
今日、講義が終わった後に言われた言葉がずっと頭の中に残ってる


『柊って友達いるの?』

「…」
『なあ?』
(なんなのコイツいきなり)
「ぃ、いるわよ友達くらい!!」
『ホントかよ?お前いつも一人じゃん、メシんときも一人だし』
「う、うるさいわね、一人で食べるのが好きなんだから、いいでしょ!」
『いやまぁ別にいいんだけどさ~、な~んかお前、一人で居て寂しそうだからさ~』
「…」
『だから友達になってやろうと思ってさ~、やべっ!!オレ優しすぎ?』
(なんて無神経な奴…)

「べ、別にアンタにそんな事心配される筋合い無いわよ、
わたしにだって友達くらい…、高校の時からずっと一緒でね
ま、まぁちょっとオタクなんだけどね、根はイイ奴なのよ
ったくアイツったらいっつも宿題写させて~とかゲマズ寄っていこ~とか
そんな事ばっか言って、あ!そうだ!アイツにゲーム貸しっぱなしなのよ、
もう本当にわたしが居ないとダメなんだから…あ!そうそう修学旅行の日なんか――」

『ふーん、 そんなに仲イイんだ?
じゃ今度そいつ紹介してよ!合コンやろうぜ合コン!!』
「え?」
『4対4で合コンだよ、ちょうど女の人数足んなかったんだよねー助かったぜ』
「え?ちょっと…」
『日時と場所はまた改めて話すわ、んじゃな~柊~』
「ちょ、待っ…」


―――なんでこんな事になったんだろ…



(柊って友達いるの?)




ドキっとした…心臓が止まるかとおもった…
だって…いつも気にしてた事…あんなにはっきり言われて…
学校に行ったら嫌でも感じなくちゃいけない事…友達が居ないこと…
こんな事、家族には…つかさには言えない…寂しいなんて…

――『お姉ちゃん、お友達できた?』
「ん~?つかさ~あんたはどうなのよ?」
『えへへ~、できたよ、あのねルリちゃんっていってね~すっごく優しくてカワイイんだよ~』
「へ~」
『この前ね、学校の中で迷子になっちゃってね……ほ、ほら!大学ってすごい広いでしょ?
それにまだ慣れてないし…』
「あっはは、つかさらしいわね、それで?」
『それでね、ルリちゃんが教室まで案内してくれたの~、こんどケーキバイキング行く約束も
してるんだ~』
「へ~、よかったじゃない」
『うん!それでね――』


「そういえばつかさ、日曜日にこなたと映画行ったんでしょ?」
『うん、すごく面白かったよ~、お姉ちゃんも来られればよかったのにね』
「まぁしょうがないわよ、最近レポートとか色々忙しくて、あいつともなかなか顔合わせ
る機会がないわね」

「あいつ…なんかわたしの事言ってた…?」
『え?…ん~、とくにはなにも』
「ふ~ん…そっか…」



―――…あぁー今日は眠れない…かな…ラノベでも読もっかな…



――『おい、柊ーお前ホント合コン出れるわけー?』
「え?う、う~ん…」
『う~ん、ってお前毎回生返事でばっかでよー、友達呼べるんのかどうかも分かんねえでよー
ちゃんと連絡とれてんのかよ?』
「う、うん…あいつ忙しいのかな…」
『あー?お前とりあえず電話してみろよ!オレがいま話つけてやっからよー』
「ダメよそんなの!!」
『あ、なんでよ?』
「だ、だって今忙しいかもしれないし…それに、なんか…色々…都合があるかもしれないし…ごにょごにょ…」
『はぁ~…もういいよ、別の奴誘うから…、ったくお前なんかに頼むんじゃなかったよ』
「はー?なにそれ!そもそもあんたが勝手に話し進め…、ってちょっと!待ちなさい…よ」


「……もう!!」


~帰り道~

(もってい~け~ さいごに わらっちゃう~のは あたしの は~ず~
 せ~ら~ ふく だか~ら~で~す け~つろ~ん)

…そういえばこの曲、4人でよく歌ったわよね…ふふ、つかさったらいっつも音程はずしまくってて、
みゆきは…案外勇ましいのよね…、あいつは…もういっつもワケわかんない曲ばっか歌って…ついていけないって
感じだけど………でも楽しかったな~………ずっとこんな日常が続けばいいのにって思ってて……


ツツ―――…ポトッ―――…


「…や、やだな~……な、なに泣いてるんだろわたしってば!…は、はずかしいな…もう!」


~帰り道(公園ベンチ)~


「ぐしゅ……うぅ……やっととまった…かな……」


……


(わたしにだって友達くらい…、高校の時からずっと一緒でね、ま、まぁちょっとオタクなんだけどね――)


…友達くらい…


……


(お前とりあえず電話してみろよ!オレがいま話つけてやっからよー)


……


(ダメよそんなの!!)


…電話なんて…できるわけないじゃない……もうこなたとは何年電話してないんだろう…
それにあんな事言っちゃったけど……本当は……もう…全然会ってないのに…

―――高校を卒業してから当たり前だけど毎朝、みんなと顔を合わせる事は無くなった
それでもちょっとした事で電話したり、用事を作ってみたり、週末とかにも結構な頻度で会っていた
けどそんな時間も長くは続かなかった…こなたとはタイミングが悪くてすれ違う日が多くなっていって
それと同じ事を辿る様につかさとも―――

(みんなと距離を感じる様になったのは…いつから…だっけ…)


つかさ…みゆき…

こなた……

みんなはツライ時、どうしてるのかな…?
みんなも泣いたり…してるのかな……こなた…あんたも泣いたりするの…?

みんなと一緒だったとき、こんな事は無かった
そりゃ落ち込むこと、悲しいことはあったけど
朝、つかさにおはようって言って、学校でこなたのばかな話し聞いて、みゆきとおしゃべりして
一緒にお弁当たべたり、そんな…たわいもない事してる内に自然にツライ事、悲しい事、忘れてた…


(わたし…こんなに弱かったんだ……)



―ガチャ―

「ただいま…」

『あ!お姉ちゃんお帰り~、あのね~今日すっごいおもしろい事があったん――』
「ごめんつかさ~今日疲れてるんだ…ちょっと部屋で寝るから…」
『う、うん…』


どさっ

~ベット~

……


(……今日はなにも…したくない……)


……


むにゃ……う、う~ん……


ちらっ


7時……そっか…いつのまにか寝ちゃってたんだ……


柊母『かがみーご飯よー』


……


柊母『かがみー?』


はぁ……食べたくないな~……でも食べないとみんな心配とかするかな…?


「うん、いま行く~」


~食事~

まつり『お~すき焼きじゃん、めずらし~』
つかさ『わ~い、すき焼きだ~』
柊母『いっぱいあるからね』
柊父『たくさんたべろよ』

――もぐもぐもぐ――


つかさ『それでこなちゃんがね―――でね~すごかったんだよ~』
柊父『ん、そうかそうか』
柊母『…かがみ?あんまり箸がすすんでないみたいだけど、どうしたの?あまりおいしくなかった?』
ちらっ
まつり『どうせダイエットでもしてるんじゃないのー?ったく、かがみは何回失敗しても分からないんだからー』
柊母『そうなの、かがみ?』
まつり『それともお菓子つまみ食いしすぎたんじゃないのー?くしし』
「そんなことないよ、このお肉すごくおいしい~  (全然食欲ない……)」

柊父『ところで最近、大学のほうはどうなんだい?うまくやれてるのかな?』
「まあ、ぼちぼちね、この前の課題も良かったって先生に誉められたわ  (自分がなに喋ってるのか…よく分からない……)」
まつり『かがみすごいー、わたしなんて勉強しなかったら全然だめだったもん』
いのり『こら、威張って言うことじゃないでしょー』
『あはははははははは』

柊母『かがみはその前の課題もね―――』
「うん、そうだね  (………………)」
『―――でね――…それがすごいくさくてね―――』
「まあね   (…………………)」
『あははははははははは』
「…………」

(会話が…頭の中に全然入らない………)


~お風呂~


ブクブクブクブク


…今日はなにもかもうまくいかない…最悪…だったな…
ううん、それは別に今日に限った事じゃなくて……毎日同じ電車、通学路、見知った教室
…それは高校の時もそうだったかもしれないけどその時は周りにみんながいてくれて、わたしを照らしてくれた
うまくいえないけど…みんなにちゃんと触れてた気がして、いつもの光景も変わって見えた
いま、わたしは何も見てない、触れてない、感じてない…
だってわたしは、いつも一人ぼっち…だから…

朝、つかさが楽しそうに『いってきま~す』…って出ていくのを見ると
どうしようもない気持ちになる…比べちゃいけないのは分かってる…
分かってるのに…つかさを見送ってから出て行く自分の姿があまりにも…
こんな風にしか見れなくなっちゃったのは………こんな気持ち、つかさには見せられないよ。

家族はこんなわたしの事、どう思ってるんだろう…?
…きっと優等生で友達がいっぱいいて学校でもなにも問題ないって思ってるんだろうな…

(――あんた、私たち以外にリアルの友達作ったことあるの?)
…ははは…なに言っちゃってるんだか、わたしってば…
もしつかさとわたしが姉妹じゃなかったら、口もきいてくれないよね?
お父さんもお母さんもお姉ちゃんもみんな…

…それでもわたしが一言、ツライっていえばみんなは助けてくれるかもしれない
でもその一言がどうしても言えない………だってみんなに心配かけたくないから


……


…違う、本当は知ってる…自分が傷つくのが怖いんだ…
心をさらすのが、見せるのが……それで、もし受け入れてくれなかったら……?
ほんの少し、たったの一歩だけ、でもすごく遠い一歩…その一歩がどうしても踏み出せない…
いっそわたしの事なんか、みんな嫌ってくれたらいいのに…
そしたらわたしもみんなの事、おもいっきり嫌い返せる、最初っから何も期待なんかしない、
一人で生きていく決心が出来る……なのに家族が、わたしにどうしようもなく優しいから……
やさしすぎるから…そのやさしさがすごく痛い…


うぅ……わたし、もうどうしたらいいか…わからないよ………


~お風呂後~

『そっか~……うん……や~っぱかわいいよね~ズングリしててコロコロしてて
あのカエルさんみたいな外見がね~……そうそう、うん――』

つかさ――電話か…相手はこなたかな…?

つかさとこなたは高校を卒業した今でもこうやって頻繁に連絡を取り合って遊びにも行ってるらしい
最初の内は電話を代わってくれたり当たり前の様に一緒に遊んでた日も今は昔――もう誘われる事すらない
でもそんな事なんか、なんとも思ってないかの様に…つかさにも自分にも嘘ついて寂しくないフリ――
つかさ…こなた…手を伸ばせばすぐ届く距離に居る…こんなに近くにいるのに、いるのに…
二人が見てる景色にわたしは居ない…二人の会話にわたしは入れない…その輪の中にわたしの姿は…ないんだ…
そしてたぶんそれは、これからもずっと……

ゴクッ…

「つ……つかさー、い、いいいいま…こなたと話してるんでしょ…?
ちょっ、ちょっと…代わってくれない……?」

『それでね――あ、ゴメンこなちゃんちょっと待って、な~に~お姉ちゃん?』

「なななな、なんでもないわよ!!…いつまでも長電話してないでお風呂入っちゃいなさい?冷めるから…」

『う、うんそうだね』

(もうこなたとは普通に電話することも叶わないのかな……こんな事に
なっちゃったのはいつから…もうあいつの声も、忘れちゃいそうだよ…)


――「あ、もしもしこなた?」
『おー、かがみー、どったの?』
「あんた明日暇?暇だったら一緒に――」
『ごめーん、かがみ、明日ゲーム買いに行くから遊べないよー』
「ふーん…ゲーム?なんの?私も知ってるやつ?」
『陵辱××××の××だよ』
「……?……え?…なんて…?」
『だからー陵辱××××の――』
「あー分かったもういい…みなまで言うな……、あのーこなたさん?つかぬ事を伺いますがそのゲームは…」
『いやいやーわたしも18歳になったしねーこれで堂々とギャルゲーを買っても問題ないのだよかがみん!ふふん!!』
「あーそうかー…よかったなー…(でもこいつの場合、確実に年齢確認はされるんじゃないのか…?)」

――こなた『もしもしー、あ、つかさ?かがみ居る?』
つかさ『あ、こなちゃん、お姉ちゃんなら今出かけちゃっていないんだ~』
こなた『あ、そうなんだ…』
つかさ『それよりこなちゃん明日暇かな~?暇なら――』

――あ~ダメだ…また迷った…こっから先、どうやっても進めないのよねー
っていうかこのゲーム難しくない!?……うーん、どうしよ…やっぱりこういう時はこなたに聞こう…かな?
でも最近いつもタイミング悪いからなー…またすれ違ったりとか…やだなー…どうしよっかな…

……

い、いいや!電話しちゃお!

プルルルルプルルルル

『もしもし、泉ですが――』
「あ、おじさんこんにちわ、こなた居ますか?」
『あ、かがみちゃん?ゴメンねーこなたのやつサークルの友達とどこか行ったみたいなんだ』
「そうですか…」
『それよりも、また二人で家泊まりに来てよー、いやーもう、娘が増えたみたいでああいうシチュエーションはなかなか――』
「あはは…そうですねー…」


(こなた、わたし…わたしね…)



~日曜日~

つかさ『それじゃ~いってきま~す!』

柊母『あまり遅くなっちゃダメよー』

つかさ『は~い!!』

(つかさ…友達と遊びに行くんだ……休みの日、いつもだもんね…
い、いい事じゃない!つかさはわたしなんかが居なくてもちゃんと
やっていける…小さい時からずっと後ろをトコトコついてきた頃とは
違うんだから……さっ、勉強しなくちゃ!!)


~部屋~


(この規則において……十七条が…ぺらっ……この場合は……)


……


はぁ……ダメだ…ぜっんぜん集中できない……10:55分か…
気分転換にちょっと出かけてこようかな…


――――


…ちょっと出かけるだけのつもりだったのに、結局こんなとこまで来ちゃった…
別に用事があるわけじゃない、買い物したいわけでもないのに休日になるといつも
こんな所に来てしまう……なんでなのかは自分が一番よく分かってる…
ここは学校帰りによくこなたと一緒に来たところ…なんだ…
ポイントが欲しいからって無理に買い物させられたり…そんなあいつにしょうがないなぁ
なんて…そんなこと一つ一つ思い出しながら歩いてると、どうしようもなく切なくなる…
それと同時に家に着いたとき、ひどい虚しさを感じる…あの時が楽しければ楽しいほど
もう戻れない時間だって事を痛いほど突きつけてくる…
それでもここに居れば、あいつのこと…アニメショップに居るところを偶然を装って
「おっす、久しぶりー」なんて、言ったりできないかな…なんて甘い期待もしたけど
そんな偶然なんてあるわけもなくて………ううん一度だけあったんだ…でも…無理だった…

―――「あ、このCD、そういえばあいつよく聞いてたなー
あ、このゲームこなたに借りたっけ……ふふ、一緒に来たときあいつってば――」

(―――!!?…え?あれってこなた…!?…や、やばい!ど、どうしよどうしよ!?)

……

ハァハァハァハァハァハァ…
な、なんで逃げてんだろわたし、これじゃまるでこなたを避けてるみたいじゃない…
こうやって偶然に会える事…自分が望んでた筈だったのに…
わたし、あいつに会ったらなんて言えば…どんな顔して話せばいいのか…いまでも自然
に話せるのか分からない…分からないよ…こなた……―――


思い出をいつまでもひきずってるのは、わたしだけ…か

……

「もういいや…帰ろ……」



ガチャ


柊母『あ、かがみおかえり』

「うん…」


~部屋~


(………………)


………


……勉強…しなくちゃ……わたしには、それしか…ないんだから……


(ぺらっ……第六条……の権利…………に関して………)


ウッウッ…こなた、みゆき、つかさ…うぅぅ……


―――We……love…… Kagami……つらい時にいつも見てたプリクラ、
修学旅行最後の日に撮っていつも目につく所に貼っておいた大切な宝物、みんなとの
輝いてた瞬間を閉じ込めたもの、みんなとの友情を唯一形にしたもの、いくら見ても
慰めてなんかくれない、自分で勝手に納得して終わり、でも今日は……―――

「みんな、もう……無理だよ」


………


(今日で…終わりにしようかな…)

(そうだ、今日で終わりにしよう……)

最後の日…か……わたしは何がしたいんだろう…?
いっぱいお菓子を食べて、本を読んで、テレビを見て……くす、普段の日常とあまり変わりないのかも
それから…それから……日付が変わる前に…12時になる前に…手首を切って……

………ちらっ

3時…か……


~夕食後(午後9:35)~

まつり『ん?かがみ、どっかいくの?』
「…ちょっと、コンビニ…」
まつり『あー気をつけてねー』

ガチャ

(今日、もし誰かに話しかけられたら死ぬのもやめる…なんてね…)

~コンビニ~

「このお菓子と、あとはプリンも食べたいかな…あとは……カッター…か……
…ちょっと立ち読みしていこ」

(ぺらっ…ぺらっ……この主人公って………ちらっ…隣の人きれいだな
……話しかけてみようかな……あ、行っちゃった……)


(…別になにも怖がってない………なにも……もういいや)


『……が一点、120円が一点…』
(なにも期待なんかしてない…)
『250円が一点、124円が一点』
(怖がってなんかいない…)
『305円が一点』
(………………)
『合計1840円になります』
(……たすけて…誰か……)

『ありがとうございましたー』


ははは…家についちゃった…



―10:43―

…もぐもぐ、むぐむぐ、もぐ…
ぜんぶ、たべちゃった…

………

あと一時間くらいか……

――頭の中にたくさんのことが浮かんでは消えていく…――

(あのプリクラちゃんと貼ってる?――これフラグ立ったね――かがみん――
つかれたー少し休憩しようよー――かがみさん――子犬かわいいよね――
どっちか傘かして――そうですね――お誕生日プレゼントです――かがみー
――帰りにゲマズ寄っていこ――また同じクラスだね――顔近いって…――
九月になったのに暑いよね――浴衣似合うねー――少しくらい寄っていこうよー
――乗り過ごしてしまいまして――柊ー――こなちゃんの衣装かわいいよね――
恥ずかしがらずに言ってみなって――かがみ様ー――いやーかがみはこっちでしょ――
――素敵でしたね――みんなで一つの事やり遂げたいって――お姉ちゃん――
普段からマジメにやらないから――一緒に寝てもいい?――かがみ…――)

ウッウッ……ポタッ――ポトポト…ウッウッ…うぁぁぁぁあああぁぁああん!!
――なにもないつたわらないいつものようにじかんになってもそれだけだれでも
いいのにあのときそんなことしてればっていいわけじかんだけあいつのかおも
にげたいそんなことほしくないおそいってしにたくないなんであんなかおしてた
おかしかったのにわらってなくてそのまんまでもばかにしてむりだから
くれればよかったきらってたもうやだにたようなかんじいらないふりだから
みなければよかったみはなしてまだもっとってもどれたらおもってるだけしにたい
くないぬけだしたいたよろうとももうむりなんだねたいしてんきくだらない
いいわけみてたんだけどすきでもいやだぜんぶのみこんですこしだけっておもい
されていいたいせめてもおなじだったのにいつもいたかったのに――

(うあああぁぁああぁああぁ!!…ポタッ――ポトポト…うぁぁあああああぁぁあぁぁん!!)


―11:15―

ん…トイレ……

………

「――!…あ、つかさ…ど、どうしたの…?」
『う、うん…わたしもトイレに…』
「そう、じゃ、じゃーつかさ…おやすみ…」
(よかった…最後につかさにおやすみって言えて……)
『あ…ま、待ってお姉ちゃん!あ、あのね…ちょっと…お話し、しない…?』
「う、うん…別にいいけど…」
『うん、じゃー部屋で待っててね』

~部屋~

………

『………………』
「………………」
『………………』
「………………」

………

「………………」
『な、何か飲む?コーヒーでも入れてこよっか?』
「ううん…いらないから…」
『そっか…………お姉ちゃん最近、学校はどう?』
「ど、どうって別に普通よ…」
『そうなんだ………最近お姉ちゃん全然元気なかったでしょ?だからね………学校でなにか
あったんじゃないかって…すごく心配だったんだよ?』
(つかさ……)
『なにか悩み事があるなら言ってくれないかな…前は悩み事とか、なんでも話してくれたでしょ…?』
「そう…だっけ…」
『…わたしなんかじゃ頼りないかな…』
「別に悩み事なんて…」
『わたしには何も言ってくれないのかな…』
「つかさ……」
『そ、そうだよねお姉ちゃんは強いからわたしになんか言わなくても』
「…………」
『それともわたしのせいなのかな…?』
「な、なんでそこでつかさが出てくるのよ」
『わ、わたし!ばかだから…知らない内にお姉ちゃんの事怒らせてるんじゃないかって…わたしはいつもお姉ちゃんの事
困らせてばっかで…不安なの…お姉ちゃんはもうわたしの事なんか――』
「違うの…つかさ…ごめんね……ごめん……」
『な、なんでお姉ちゃんがあやまるの…?』
「ごめんね……つかさ……でも大丈夫だから…心配してくれてありがとう…明日になったら
また前みたいに笑顔でつかさに会える……会えるから…本当だよ?…だから……」


――明日…か…結局最後まで素直になることができないんだーわたしって…――

『本当に…大丈夫なの?』
「うん、大丈夫よ」
『そっか…………お姉ちゃんとこうやってちゃんとお話しするのも久しぶりだよね?』
「そう…だね」
『わたし……ずっとお姉ちゃんに頼りっぱなしだったよね…お姉ちゃんは子供の頃からなんでも一人で出来てたけど…
でもわたしはダメだったよ…甘えん坊でいっつもお姉ちゃんの事困らせてばっかりで…』
「…………」
『大学に入ったらそんな自分のこと変えたかったの…お姉ちゃんが居なくても一人でなんでも
出来るようにならなくちゃって…』
「…………」
『わたし、お姉ちゃんみたいに強くなりたいんだ……お姉ちゃんはわたしの、憧れだから』
「つかさ…」
(わたしはそんなんじゃない……強くなんか…)
『けど、そうやってる内にお姉ちゃんからすごく離れていってるみたいですごく寂しかったの』
「うん…」
『わたしお姉ちゃんといっぱい話したいことあるのに…いっぱい……』
「つかさ……わたしもつかさと話したい事いっぱいあるよ…」
『前みたいにお姉ちゃんと一緒にいたいの……迷惑とかいっぱいかけるかもしれないけど』
「ばか……迷惑なんてそんな事考えなくてもいいのに…わたしたち姉妹なんだから」
『………うん……ありがとうお姉ちゃん』

「うん………そろそろ……もう遅いよ、眠くない?」
『えへへ、ちょっと眠いかも』
「わたしも、もう寝るから…おやすみ、つかさ」
『うんそうだね、じゃ~ね、おやすみお姉ちゃん!』
(うん……おやすみ…)


―11:36―


………


あと30分…か……


(ダメだ……CDでも聴こう……)


――Pi


………


――わーたし ついていくよー どーんなつらい せかいのやみの なかでさえ きーっとー あなたは
 かがーやいて こえるみらいのはて よわさゆえに たましいこわされぬように――


(……………………)


――たのしくしてるー ことおもうと さみしくなって いっしょにみたシネマ ひとりきりでながす だいすーきなひとがとーおい
 とおすぎてなきたくなるのー あしたーめがさめたらー ほらきぼうがうまれるかも Good night!!――


(……………………)


――ミ・ミ・ミラクル♪ ミークルンルン♪ ミ・ミ・ミラクル♪ ミークルンルン♪――


(……ばかみたい……ひらの……あや……)


―11:58―

(ちらっ………58分か……そろそろ……)

――カチャ


「これでわたし………」

…………

(わたし、お姉ちゃんみたいに強くなりたいんだ……お姉ちゃんはわたしの、憧れだから――)

――――!?

(わたしお姉ちゃんといっぱい話したいことあるのに…いっぱい……――)

…つか…さ…

(お姉ちゃん♪―――お姉ちゃん?――――お姉ちゃん……)

「な、なんでこんな時に……」

…………

(か、関係ない……わたしには何も…か、関係ないんだから!)

―――カタカタカタカタ

(関係ないのに……なんでもないのに……震えが……つ、つかさ…ポタッ――ポトポト…ウゥ……つかさ…!!)

―――カチャ

(ウッ……つかさ……ゴメンね……ポタッ――つかさ…うぅ……ごめんね…つかさ……)

うぁぁぁぁあああぁぁああん……



―12:38―

(……12時……過ぎちゃった……どうしよう……)

「………………」



―02:43―

(………どうしよう)

「…………………」


―03:57―

(はは…………もうこんな時間……か……)

「……………寝よ」

――ガサゴソ

(…………………)

「こなた……こなた……こな…た……こなたはずっと…友達……だよね…?」




~数日後~

――プルルルルルル、プルルルルルル

「はい、もしもし」
『おーす、かがみん!久しぶりー』
「え…?その声は……も、もももしかして、こなた……?」
『そだよー、いやー久しぶりだねー五年ぶりの再会を果たした幼馴染の気分だよー――あ!ちょっと!
それわたしのから揚げ――!』
「………?誰かと居るの?後ろのほうがざわざわしてるけど」
『あーいまサークルの人たちと飲み会やってるんだ――あ!そーれあたしのケロロだってばぁー』
「あーアンタ酔ってるわね、さっきから全然呂律がまわってないわよ」
『そんなことないよー、ところでかがみんは飲んだらどうなるのー?脱いだりすんのかなーハァハァ…それとも――』
「あーはいはい、分かった分かったバカなこと言ってないで………それで?何か用なんでしょ?」

『いやいやー、用っていうかさーかがみんの声がきゅーーに聞きたくなっちゃってさーそしたらいてもたってもいられなくなった
わけよー!そいで電話してみたんだけどねー……………で!………かがみ明日ヒマかな?かな?』
「え…なんで?」
『かがみ、明日デートしよう?』
「デ、デデデデデ、デート!?」
『なにか用事とかある?』
「いや、別に用事はないんだけど…」
『じゃー決まりだね!明日11時に○○駅に集合ね?ぜったいだよ?』
がちゃ、ツーツーツー
「あ、ちょっ、ちょっと待っ…」


――こなたからの電話…何を話せばいいのか、こなたの声を聞いても普通に話せるのか…
あんなに不安で必死になって悩んでた事だったのに、身構える暇もない不意打ちの電話、
高校の時から何ひとつ変わってないやり取り、終わってみればあまりにあっけない事――


「……デー……ト…?」

え…?誰が…?……あー、わたしか……

ん…?誰と…?……こ、こなたと…!?

「え……夢……じゃないよね……でもアイツ酔ってたから明日になったら忘れてるとか………
電話した事すら覚えてなかったりして………い、いいや、そのときはそのときで……明日……か……
えっと…用意するものは……あ、明日何着ていこう」


~次の日(待ち合わせ)~

(ちらっ……11:20分か……遅いな…やっぱり、来ないのかな…?)

『ごめーんかがみ、待った?』
「おそーい!遅刻よ、ち・こ・く!もうアンタは、高校の時から全然変わってないんだから」
『ご、ごめんね、ちょっと準備に手間取っちゃってて…』
「…何よ?準備って」
『ん……うーん…ま、まぁそれは置いといて』
「何よ引っかかるわね……で?ドコに行くか決めてあるの?」
『デートっていったらやっぱり定番の遊園地でしょ!!』
「遊園地?またアンタはそんな子供っぽい所を…私らいくつだ?…ってゆーかこれ別にデートじゃないから」
『じゃ、かがみは他に行きたい所あるの?』
「いや、別にないんだけど…」
『んもー素直じゃないなーかがみんは!行きたいなら行きたいって言えばいいのに』
「言ってないってば!」
『そんじゃー行くよー!Let's Go!!』
「おーい、ちょっと待て――」

~遊園地~

「あっははははは!!すごーい面白かったー!!ねぇねぇねぇ次アレ乗ろうよ?」
『………』
「ねぇねぇ聞いてるこなたー?」
『…なんだよ、結局自分が一番ノリノリじゃん……それよりお腹空かない?なんか食べようよ』
「…そうね、来てからずっと乗りっぱなしだもんね、わたしもお腹空いちゃった」
『じゃーあそこの店にしよっか?おいしそうだよ』
「そうね」


「これおいし~い」
『そーだねー、あ、かがみのそれ一口ちょうだい』
「いいわよ、はい」
『ありがとー(もぐもぐ……ごくん…)、でもさー今日のかがみ、ちょっとはしゃぎすぎじゃない?』
「そ、そうかな…?」
『……なんかいつも遊んでる時のテンションと違うっていうか』
「うん…最近なんか…色々あって少し落ち込んでたの…かな?ははは…こんなに笑ったのも久しぶり…かも…
だからアンタがこうやって誘ってくれたのが……(すごく…嬉しかったの)」
『かがみ……よーし!今日はぶっ倒れるまで乗りまくっちゃおうね!目標は全乗り物制覇だよ!!』
「おー」


~夕方~

「…もうすぐ閉館の時間…だね」
『うん、そだね…』
「こなた…?」
『ねぇ、最後に観覧車乗ろうよ』
「うん、いいわね乗ろ乗ろ」


ガラガラガラ
『足元にお気をつけ下さーい』


………



「うわー地面がもうあんな遠いー、観覧車に乗るのなんて何年ぶりだろう」
『そだねー、でもやっぱ観覧車イベントは外せないよねー』
「え、なにが?」
『キスだよキ・ス!観覧車が頂上にきたとき…二人の視線が交差する…そしてどちらからともなく
ブチューーーー!!っと』
「ま、まぁよく聞くわよね」
『アニメとかだとさー観覧車が揺れたり邪魔者が入ったりして何故か未遂に終わる事が多いんだよね』
「やっぱりアニメと現実は違うんじゃないの?よく分かんないけど」

……………

『かがみ……………しよっか?』
「な――!?バ、バババババカ!!……なに言ってんのよ!冗談でも…怒るよ!」
『冗談じゃないんだけどな……かがみは…嫌?』
「ぺ、別に嫌とかそういうんじゃなくて…わ、わたしたち女の子同士だし、それになんかいろいろ…と…ごにょごにょ」


………


「……………」
『……………』
「……………」
『……………』
「……………」
『……………』


………



「……………もうすぐ…てっぺんだよ?どうするの……?」
『え……?』
「だから……その………キス……とか」
『え…い、いいの?かがみ』
「ちょっ、ちょっとだけだからね!唇に…触れるだけ…だからね!」
『うん』


………


『かがみ……』
「ん……ちょっ、こなた……息…荒いよ……もぅ…」
『あ、ゴ…ゴメンね』
「…んーん…」


――チュッ



………


「…もうすぐ一周しちゃうね…」
『うん、そうだね…』
「……今日は楽しかったね!うん!本当に……楽しかったよね!」
『………?うん……楽しかったけど……かがみ?……どうしたの?』
「…………」
『かがみ…?』
「本当はね、すごい不安だったの……アンタの前でどんな顔すればいいのか
ちゃんと喋れるのかって…ずっと会えなくなってからアンタは私の事なんか
忘れて楽しくやってるんじゃないかっ…――」
『あ!あのね?………今日はかがみに…コレ、渡したかったんだ』
「え…なに…」

――ガサゴソ


………

『誕生日おめでとう、かがみ』

………

「たん…じょう…び……?」

………

(誕生日……そうか…7月7日…今日はわたしの誕生日だったんだ…
すっかり忘れてた……そっか…それでこなたのやつ……)

『あれ?なにそのリアクション…もしかしてかがみ自分の誕生日なの忘れてた?
もーいいんだよ泣いても?おねえさんの胸にドーンと飛び込んできたまへ!』
「う、うるさいわね、だれも泣かないわよ!」
『あっれー?さっきまで涙ぐんでたくせに~、やーっぱかがみんはわたしが居ないと駄目かぁ~うんうん』
「だーうるさーい!!」


ガラガラガラ
『ありがとうございましたー足元お気をつけ下さい』


…………

『それじゃー、ここでお別れ』
「うん……」
『今日は、かがみと久々に会えてホントに楽しかったよ』
「う、うん…わたしも…」
『かがみ…?』
「……………」
『(かがみ……) …………ホントはね、ずっと前からこうしたかったんだ』
「え…?」
『ずっと会えなかったけどかがみのこと思ってたんだ…かがみにお祝いも言ってあげられなかったけど
毎年かがみのお祝いしてたんだよ………でもやっぱりかがみが側にいないと意味なくて……だからね、
今年は絶対一緒にって…かがみにおめでとうって言いたくて……』
「こなた…」
『来年もまた一緒にお祝いしよう?その次の年も…その次の年もずっーと………その時はかがみの
作ったケーキがいくらおいしくなくても全部食べきってみせるから!』
「ばか…」


………

「うん、そうだね!」
『また電話するから』
「うん、わたしも電話するね」
『じゃーねーかがみー!』
「またねーこなたー!!」


………


「そっか……誕生日か……ってことはつかさも誕生日なんだよね…ふふ、帰りにプレゼント買っていこう、
可愛いラッピングのお店がいいなー、プレゼントなんにしようかなー?ふふ」


………


――ガチャ


「ただいまー、つかさいる…――」

――パーンパーン

「―――!?」

(え…?なに……クラッカー…?)

みんな『誕生日おめでとうかがみ』

………

「…………」
まつり『ん?なにポーッとしてんの?今日はかがみの誕生日パーティーだよ、もっと喜べー!』
「誕生日パーティー……ってゆーかこんな年にもなって誕生会って」
柊父『まぁいいじゃないか、いくつになってもめでたいものはめでたいんだから、料理もいっぱい
用意してあるよ』
「うん、……ってなんで、つかさまでそっちでおめでとうとか言ってんのよ!あんたも祝われる側でしょうが!」
つかさ『えへへ~、おめでとうお姉ちゃん』
「えへへじゃないわよまったく…」
柊母『はやく料理食べましょう、今日はかがみとつかさの好きななものいっぱい作ったんだから!』
まつり『ほらほらー早く用意してー』
「あ、ちょっと…」
いのり『海老の蒸し焼きおいしそだよねー、から揚げはやくたべたい―――』
『……あれもいいよねー………でさー………約束したじゃーん―――』
(あーもー、この家族は…本当に、しょうがないなぁもう)

終わり

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最終更新:2007年11月07日 21:24
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