kairakunoza @ ウィキ

R(uckystar)-TYPE

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匿名ユーザー

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――それは、こなたとかがみとつかさがゲームセンターに行った時の事。

「お、懐かしい物があった」
軽く店内を見回っていると、こなたがあるゲームを見つけてそんな言葉を発した。
「え、どれどれ?どのゲームなの?」
「これだよ。『R-TYPE』っていうSTG」
つかさの質問に、一つのゲーム機を指してこなたが答えた。
「……あれ?こなたってシューティングはやらないんじゃなかったの?」
「んー、これだけは、というかアイレムのゲームに関しては別だよ。お父さんとお母さんの思い出のゲームだって言ってるし」
「なるほど。確かに親がやってた事ってなんとなく真似したくなるよね。……だからこなたもこんなディープなオタクに」
「辛辣な言葉をありがとう、かがみんや」
つかさが横で『お、お姉ちゃん』と汗を浮かべながら止めているにもかかわらず、かなりキツイ言葉を打ち込むかがみに、同じく頬に一筋の汗を垂らしながらこなたが答えた。
「んじゃ、軽く一週やりますか」
ゲーム機の前に座り、クレジットを投入。独特の音と共にゲームが始まった。

 チャ――――、ヂャララヂャララヂャララヂャララヂャーン♪

あの音楽と共に自機のR-9が登場し、ステージが始まった。
「あ、ほいほいほいっと」
すでに出現位置を覚えているのか、こなたのスティックさばきは華麗だ。
「うわ、さすがというかやりこんでるわねー」
「……かがみのサイヴァ・リビジョン、グルーオンノーミスクリアには及ばないけど。まあ、PCエンジンに移植された初代からずっとやってるからね」
さり気に凄い事を言っているこなたに、かがみは……
「グ、グルーオンはまぐれよまぐれ。無印じゃ出せるけどリビジョンだといっつもウィークボソン止まりだから……」
と俯いて呟いた。……そうこうしているうちに、こなたはどんどんステージをクリアしていく。
「お、ゴマちゃんだ」
ボス戦に突入した時のこなたの一言に、かがみ達は画面の方を見ると……
「うわっ」
「ど、どんだけぇ~……」
R中でもっともコードに引っかかりそうなボス、ゴマンダーがいた。
「何このグロいの……」
「ん?ゴマンダーっていうボスだよ。私はゴマちゃんって呼んでるけど」
「無意味に可愛い呼び方はやめないか……?」
ゴマンダーを倒し、その後にこなたがかがみ達の方に振り向いてこんな事を言った。
「知ってる?ゴマンダーって女の子のあの部分をモデルにしてるんだよ。……FINALじゃあインスルーとかアウトスルーとかの形が男の人のアレだったし」
「いや、皆まで言うな!さすがにそれは往来で言う言葉じゃないだろ!」

……とまあ、このような感じで面を進め、こなたは一周どころか二週目もクリアしてしまった。

「あんたも大概凄いわ……」
「そかな?」
ネームエントリー画面になり、格ゲーなどで使っているパターンで入力する。
「K、N、Tっと。……うおわっ!!?」
「どうしたのよ、こなぁっ!?」
「え?……うわぁ、こなちゃんすごいや」
ネームエントリー後に表示されたランキングは、何故か全てが『KNT』で埋まっていた。
「え、嘘!?私ここでは初プレイだったんだけど……」
「じゃ、じゃあ何なのよこのあんたのエントリーは!?」
「知らないよぉ……」
何故か急に恐ろしくなってしまい、その日は他に何もせずにそそくさと帰る事にした。

         ***   ***

翌日、再びあのゲーセンを訪れた三人は、意外な光景を目にする事になった。

「……これって、『彼女』だよな」
「ああ、死んだって聞いてたけど……このスコアは間違いない」
「でもさ、ちょうど盆の時期だし、もしかしたらこいつを出したのを見てふらりと寄ってやっていったんじゃないか?」

店員が混じった数人の男達……全員が子供やギリギリで孫がいそうな外見のだが……があの『R-TYPE』の機体の前でそんな事を話していた。
「……あの」
その様子が気になったので、かがみが彼らに話を聞いてみることに。
「すいません、『彼女』って誰なんですか?」
男達のうち、店員らしき男がかがみの質問に応じてくれた。
「ん?……ああ、いやね。このゲームは昔……といっても、君たちが生まれる前だが。その時に出していた基盤なんだよ。
 その当時、決まってこのゲームをする女の子がいてね。……当時はかなり難易度が高いと言われていたこのゲームをやりこんで、2ヶ月位で2週目を制覇するほどだったんだ。
 で、その記録は未だに塗り替えられてはいない。……彼女以外に記録を更新できる人間は、この近くにいなかったからさ。
 そして、昨日店を閉めるときにこのランキング画面を見て、恥ずかしながら腰を抜かしてしまったよ。……今まで記録を更新されていなかったのに、同じ名前で更新記録がランクインしていたんだ。
 それで、当時の知り合いを集めてこの画面を見せている、という訳さ」
「はー……」
かがみの横でこなたが呆けた顔をしている。
「あ、あの……もしかして、その女の子って……こんな感じですか?」
と、呆けたこなたを前に押す。
「……うおぉっ!!」
こなたを見て、店員が身を引いて驚いた。
「どうしたんすか、マスタ……おあっ!?」
「何を驚い、なぁっ!?」
他の人たちも同様に驚いている。
「……い、いやしかし、『彼女』はもう死んでいる、と聞いていたのだが……まさか、ここまでそっくりだとは……」
店員……他の人からの呼び名から察するにここの店長あたりだろう……の言葉に、なんとなくこなたは状況を理解した。
「こなた、多分この人たちの言ってる『彼女』って、あんたのお母さんの事じゃないの?」
すでに察していたかがみがそう言い、その言葉に男達がどよめく。
「何っ!?あんな小さな子に娘がいただと!?」
「……あのー。お母さん、私と同じで若く見られがちなんです。だから、ここに来ていた時にはもうお父さんと一緒に暮らしていた時だと……」
男達の一人が本気で驚愕していたので、すぐにこなたがフォローに入った。
「それに、この記録は私のものなんです。まさか、お母さんと同じパターンでエントリーしてるとは思わなかったもので……」
「な、なんだ……」
落胆したような表情で、男達はため息をついた。
「……まあ、しかし。これも何かの縁だな。あの『彼女』の娘が記録を塗り替えるとは」
「はい。私の両親にとってこのゲームは思い入れの強いゲームですから。お父さんもたまにこのシリーズの最新作をやってはお母さんの事を思い出してます」
こなたの言葉に、『そうかそうか』と頷きながら呟く男達を見て、かがみは『その思い出し方はどうなのよ』という突っ込みをこらえた。

         ***   ***

家に帰り、ふとこなたは父にこんな事を言ってみた。
「ねえ、お父さん。お母さんってゲームとかうまかった?」
「いや?割と苦手だったとは言っていたな。……ああでも、妙にうまいゲームもあったな」
父・そうじろうの話によると、たまに原稿の関係で遊べなくなってしまう時があり、その時はそうじろうの迷惑にならないように外に出かけていた、との事。
その時に頑張って練習したのよ、と言っていたらしい。……並のシューターも太刀打ちできないほどにうまくなっていて、『構ってやれなくてごめんな』と少し凹んでしまったそうだ。
「しかし、何で急にそんな話を?」
「うん、実は……」
こなたは今日起こった事を話し始めた。


――あら、私の記録を抜かれちゃいましたか。……こなたも大きくなったのね……


ふと、泉家のどこかでそんな声が聞こえた気がした。 


















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コメント:
  • 最後の怖!! -- 名無しさん (2013-01-15 02:12:57)
  • 最後の最後で萌え死に -- 名無しさん (2010-06-11 01:02:20)
  • ど、どんだけ~(;゜0゜) -- ユウ (2010-04-13 02:32:37)
  • きっとFINALでの愛機はR-9D3こと"レディ・ラヴ"だな。椎名へきるデザインの。 -- 名無しさん (2009-03-31 21:56:27)
  • かなたさんとこなたすげぇ! -- 名無しさん (2009-03-22 21:54:23)
  • これぞGODかなたさんww -- 九重龍太 (2008-08-30 06:23:56)
  • かなたさんすげぇ。 -- 名無しさん (2008-08-28 19:38:15)

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