• 従属節の時制

従属節とは格詞節と関係詞節のことで、それ以外は主節となる。

従属節の時制は主節との比較で行う。従属節の時間が主節と同じ時間なら、たとえ過去のことであっても従属節の時制は現在で良い。

逆に、従属節が主節より前の出来事なら従属節の時制は過去になる。つまり、主節を過去にして従属節も過去にするだけで大過去が作れる。過去完了を取る必要はない。このことは全ての節にいえることなので、関係詞節の場合も同様である。

[ ova ]
an se-e la ked-i (私は彼が帰ることを知っている)
an se-a la ked-i (私は彼が帰ることを知った) 帰ったのと知ったのは同じ時間。
an se-a la ked-a (私は彼が帰ったことを知った)帰ったのが知ったより更に過去。
an in-e tu im an ked-is ra (私は家に帰る時、それを見る)
an in-a tu im an ked-is ra (私は家に帰る時、それを見た)見たのと帰ったのは同時。
la se-e ei an ke-i (彼は私が行くところを知っている)
la se-a ei an ke-i (彼は私が行くところを知っていた)
la se-a ei an ke-a (彼は私が行ったところを知っていた)
la in-a kets en xa-i galt(彼は門のところにいる猫を見た)見たのと猫が居たのは同時。

但し、主節より従属節が先に来ると、この規則は崩れる。従属節は主節との対照ではなく、発話時点との対照になる。

[ ova ] an hak-o la ol la vast-i(彼が勝てば私は彼を褒めるだろう)
ol la vast-o,an hak-o la(同上)

後者の場合、ol節が主節の前に来ているため、時制が現在から未来に変わっている。このように、従属節が先に来ると対照相手がまだ見えないため、発話時点との対照になる。

また、主節が省略されるときは対照する相手がいなくなるので、従属節は発話時点と対照される。 ol la vast-o(もし彼が勝てば……)などが例である。

最終更新:2007年11月11日 22:45