最速兄貴は大変なバトルロワイアルを最速で駆け抜けていきました

「んん~…、気に食わん。全くもって気に食わん」

時刻は夜。周囲に明かりはなく、暗い闇を月だけが照らしている。
人工的な明かりに遮られることのない満天の星空は、宇宙の雄大さを伝えてくるかのようだ。
広大な雪原の中、片足をトントンと地面に打ちつけながらつぶやく一人の男がいた。
彼はマルチジャンルバトルロワイアルの書き手の一人、最速兄貴である。

「確かに自分は書き手としてさまざまなキャラにバトロワをさせてきた。しかし自分が、よりによって書き手の自分がバトロワに放り込まれるとは何たる不覚! いやいやしかし悠長に考えている暇はない。
 名前からして予測はしていたがこのストレイト・クーガーの姿で参加したからには、最速でこのロワでのスタンスを決める義務がある」

唐突に話し始めたかと思ったら怒涛の勢いで台詞が吐き出された。
この間実に15秒。なんとも老人の耳に優しくない早口である。
だがこの早口の中に重要な単語が出ていた。
スタンス。登場話から余りぶれることのない立ち位置としてのそれは非常に重要である。
慎重に決めるべきだが今の姿はストレイト・クーガー。何よりも速さを優先させるべきと考えた。

「ロワだから空気読んでマーダーとして活躍するか?主催に反感を抱いて対主催するか?」

バトルロワイアルという限定的な空間内だ。普通に思考すればそのどちらかだろう。
しかし彼はマルチロワでその投下速度の速さ、そしてスクライドキャラの扱いの上手さで
最速兄貴と称されるようになった男である。

「その安易な弱い考えに反逆する!」

反逆をテーマとするスクライドのキャラになったこの男が
素直にロワらしく動くはずがない!


「そう。俺はこの日本を模した会場内を、

 最速で観光する!」


当然彼とて勝手にこんな所に呼んだ主催者に、何の怒りも抱いていない訳ではない。
むしろ最速で主催ぶん殴って最速で脱出して最速で戻り、最速で予約を入れて最速で投下したいのは山々だ。
しかしそれ以上に気に食わないのは、こうして他人に運命を左右されている事だ。
どうしたって主催をぶん殴るには真面目に対主催をやらなければならない。
主催者にとっては、マーダーになるのも対主催するのも同価値にロワを行っていることになるというのは
書き手としてわかっているゆえに、その思惑にホイホイと乗りたくはない。

「他人に運命を左右されるとは意志を譲ったという事だ、
 意志無きものは文化無し。文化無くして俺は無し。俺無くして俺じゃ無いのは当たり前!!
 この姿なら最速で駆け抜けられるんだ。
 元の体じゃいけなかった場所を観光して回りたいと思って何が悪い!
 やりたいことがあるのなら即急即座即時即答!悩んでいる時間は無駄以外の何物でもない!
 ラディカル!グッド!スピィイイイイイイド!」

叫ぶが早いか雪原を駆け出していく。
アルター能力で強化された彼のスピードは視認出来ないほどに速く、舞い上がった雪煙だけが彼の存在を伝えている。
凄まじい速度で過ぎ去っていく景色を楽しみながら、最速兄貴はまだ見ぬ土地へ思いを馳せる。

この会場内はミニチュアとはいえれっきとした日本。
さまざまな観光地をめぐり、さまざまなロワの人と出会うこの旅は素晴らしいものとなるだろう。
各地の文化と触れ合うことでこの旅での経験は得がたい知識へと昇華する!
ああ、それはとても文化的な行為ではないか!
それに、自分以外にもマルチロワからの参加者はいるはずだ。その人たちと合流するのも悪くはない。
そう、たとえばあの人とかに。

「ハッハァ!さぁああああやってやりますか!!待っててくださいよ、とのさぁあああああん!!
でよかったかな?名前ぇ~!!!」

最速兄貴は爆走する。
名前を間違えていることに気付いているのかいないのか、大声で叫びながら。


【一日目 深夜 北海道】
【最速兄貴@マルチジャンルバトルロワイアル】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品1~3
【思考】
1:最速でこの会場内を観光する!
2:とのさ~ん!!この自分が最速で駆けつけますからね~!
【備考】
※とのさんとは、想いのとと@マルチジャンルバトルロワイアルのことです
※外見はストレイト・クーガー@マルチジャンルバトルロワイアルです

時系列順で読む


投下順で読む


最速兄貴 書き手ロワ・銀

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:
最終更新:2009年03月23日 20:24
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。