グラップラーゼフィエフ

男が歩いていた。
筋肉がくまなく骨格を覆う強靭なボディ。
赤銅色の髪がライオンの鬣のように逆立ち、圧倒的なオーラは見る者をすくませるのに充分だろう。

「……ぬるい」

苛立たしげに男は呟く。
彼は書き手だった。
そして怒っていた。
何に対して怒っているのか。

「ぬるすぎる……主催者め」

彼は主催者に対して怒っていたのだ。
ならば彼は対主催か。
いや、違う。

「真面目にロワを運営する気があるのか!?
 ルールを参加者にきちんと示せ! これから始まる殺し合いで生き残るしか道はないと参加者に心の底まで思い知らせろ!
 対主催などという幻想を打ち壊し、憎み合わせ、疑わせ合わせ、殺し合わせるために全力を尽くせ!
 マダ王だの、神崎だの、へたれ共の不手際など見たくもないッッ!!」

彼の外見は範馬勇次郎。
漫画ロワに登場するトップマーダーの姿。
ゆえに闘争は望むところ。
そして絶望、悲嘆、疑心暗鬼にくれる参加者を迫力充分に描くことに定評のある彼は、参加者に希望を持たせるような甘い話が大嫌いだった。
ゆえに主催者には反抗など無駄と思わせるような絶対的な力を示してもらわねば困るのだ。
悲壮な覚悟で「殺しあうしかない」と決意するマーダーは好きだ。
だが、主催者がへたれでは、そんな参加者がやたらと希望的観測をしてしまう。
自分が死ぬことを考慮に入れないのかと問われれば、彼は一転の曇りなく、皆殺しで優勝するつもりだから問題ないと答えるだろう。
もはや漫画ロワは完結しているのだから同胞殺しにも躊躇いはない。
どいつもこいつもなんのためにロワを書いているのか。
もがき、あがき、苦しみ、悲しみ、絶望を描きたいからロワを書くのではないのか。

「半端にgdgd悩む口だけマーダー! 真面目にロワに参加せず、漫才やいちゃつくだけの役立たず!
 マーダー補正には口やかましい分際で対主催びいきにはスルーなダブルスタンダード!
 原作どおりじゃないなどと、原作どおりじゃないシチュに放り込んでおきながら文句を抜かすキャラ厨な輩!
 どいつもこいつもロワというご馳走に蜂蜜をぶちまけるが如き、愚行ッッ!!」

彼の怒りは頂点に達しようとしていた。
もはや血を見ずには収まらないほどに。
彼はかつてライダーロワでとあるぶっちぎりが使用したカラオケマイクを手に取り、叫ぶ。

「そんな甘ったれた書き手はどいつもこいつもここに集まれ!!!!




 ――――――――俺が本当の闘争<<バトルロワイアル>>というものを教えてやるッッッッ!!!!」




【神奈川県 横浜 一日目 深夜】
【【暴流】ゼフィエフ (◆05fuEvC33.)@漫画ロワ】
【状態】健康。怒り頂点。
【装備】カラオケマイク
【道具】支給品一式、不明支給品0~2
【思考】基本:皆殺し。

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【暴流】ゼフィエフ デンジャラス・トライアングル

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最終更新:2009年03月20日 19:16
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