別にウル忍の宣伝してるわけじゃないぞ

その頃、「エースの一日の人」(以下、エースと呼称)は。

「ぐがー……」

やっぱり寝ていた……





「だぁからお前はアホなのだぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!」

すぱぁぁぁぁぁぁぁん!!と、心地よい音と共に、眠っていたエースの頭に衝撃が走った。
「ぐぇぇぇっ!!ひぃぃ、な、何をするでやんす!?」
「やかましいっ!あんたそうやって寝てばっかりで、いつまでもネタが持つと思ってんの!?」
目を覚ましたエースの前には、一人の青髪ツインテールの女子高生の姿。
あてもなく探索を続けていた所、彼女はこの民家を発見。
熟睡していたエースを文字通り叩き起こし、現在に至る……というわけだ。
「わけわかんないでやんすよ。ていうか、あんた誰?
 ……そもそもここはどこでやんすか?」
「はぁ……状況が把握できてないのね。
 とりあえず、あたしはスパロワ出身で『邪神』って呼ばれてる書き手よ」
「スパロワ?スパロボキャラバトルロワイアルのことでやんすか!?
 こりゃ驚いた!同じパロロワ書き手にリアルで会えるなんて思わなかったでやんす!」
「……は?」
「実はあっしも、昔ロワの書き手をちょっとだけやってたことがあったんでやんすよ。
 ボンボンロワっていって、まあすぐに消えちゃったんだけど。
 書いたのも単にウル忍のエースが寝てるだけの話だし」
「……は、はぁ……」
何か様子がおかしい。これは書き手ロワ、書き手達が集められて行われるロワだ。
なんで今さら他ロワの書き手に会ったくらいでそんなに驚くのか。
「おっと、あっしの自己紹介がまだだったでやんす!えーと、あっしは(自主規制)」
「ちょちょちょ、ちょい待ち!本名晒しちゃ駄目でしょ、あんた何考えてんの!?」
「え?一体何を言ってるでやんすか?」
「……あんた、今置かれてる状況理解できてる?」
「えーと……今の今まで寝てたから全然理解できてないでやんすねー。
 家の布団の中で寝てたはずなんだけど……ここはどこでやんすか?」
「……あんたまさか」
「それにしてもこの格好は何でやんすか?ウル忍のエースそのまんまだし。
 何故か口調までエースそっくりになってるでやんす」
「ああ……ここ、そういう場所なの。自分が書いたロワのキャラの姿や人格になるっていう」
「へぇー。よくわかんないけど面白い世界でやんすね!」
こめかみを押さえながら、『邪神』は察した。
(こいつ、自分がロワに巻き込まれてること自覚してないよ……めんどくさいなぁ……)

「ていうかさー、ウル忍って何だっけ?コロコロかボンボンかで連載されてたような……」
「そうでやんす!ボンボンに10年以上連載されてた長寿ギャグ漫画でやんすよ」
「そうなの?よく知らない。ウルトラマンがドラゴンボールやってるっていう奴?」
「そりゃ超闘士激伝のほうでやんすよ……まあ、同時期に連載されてたけど。
 そんでもって、あっしの姿はウル忍の無宿者・エースでやんす」
「はぁ……」
まずい。『邪神』は焦った。
こいつ、マイナーキャラだ。少なくともパロロワじゃ絶対メジャーじゃない。
今これを読んでいる方のどれだけが、ウル忍のエースを知っているだろうか。
キャラを把握していない、ただロワで寝てるだけの人だと思ってる方はかなりいると思われる。
となれば、この男と一緒にいるのは、危険だ。
把握できずに書き辛い、そういう参加者はロワでは放置されるか、または真っ先に間引かれやすいものだ。
そんなのと一緒にいると、自分もその巻き添えを食らう可能性は十分にある。
どうする、さっさと見限ってこの場で殺すか――?

……そんな『邪神』の気など知らず、エースは昔を懐かしむようにしみじみと語りだす。
「いやー、しかしパロロワかー……懐かしいでやんすねー。あっしはボンボンロワが落ちて以来、
 パロロワからずっと離れてたから……そうそう、スパロワといえば、デビルガンダム騒動とかまだやってる?」
「また古い話を……とっくの昔に終わったよ。そもそも、去年スパロワ完結したし」
「ええー!?あの凄まじい超展開が収拾ついたのー!?」
「うん。今となっちゃあれも超展開の序の口でしかなかったような気がする。
 最終決戦なんて、それこそ宇宙の一つや二つぶっ壊れてるんじゃないかって勢いで」
「ひぇ~、あれが序の口……さすがスパロワ、他に類を見ない超展開には定評があるでやんす」
「ていうか、今じゃ他ロワでもさらにぶっとんだスケールのでっかい展開も結構あるしね。
 あのデビルガンダムがきっかけだったのかな。ここ最近、パロロワでこういう超展開が急増したよねー。
 漫画とかアニロワ2とか……まあ前回の書き手2からして……」
「そうそう、アニロワなんてのもあったでやんすねー。
 物凄い勢いで投下が続いてるけど、ああいうのって最初だけなんだよねー。
 中盤あたりからだんだん書き辛くなって、過疎になるのがお約束でやんす」
「あのー……アニロワ、一年待たずに完結したけど。あの勢い、最後まで止まらないまま。
 その後アニロワ2ndも始まって、それもこないだ完結したし」
「マジで!?キャプテンの件とかで荒れて、絶対完結なんて難しいと思ってたのに!?
 まさかしばらく見ないうちに、そこまで話が進んでたとは!!」
「……知らなかったの?」
「いやー、パロロワ交流所のスレにもたまに覗いてたんだけど、いつも荒れてて。
 どこでみんな交流してたんでやんすか?」
(交流所がしたらばに移動したのも知らなかったんだ!?)

さすがに『邪神』も唖然とするほかなかった。
ここにいるエースという男、どうやらボンボンロワのスレが落ちたあたりで、パロロワの知識は止まってるらしい。
爆睡のあまり、時代にまで取り残されたというのかこの男は!?
(なんという……いや、待ってよ?)
『邪神』は考える。
したらば創設以前の知識で止まったままの、大昔の失敗ロワの書き手の生き残り……これは、希少なステータスだ。
(こいつ……上手く使えば、化けるかもしれない……!)
彼女は賭けに出ることを決意する。
即ち、このエースを書き手ロワで活躍させるという、危険な博打を。

となると……まずはこのエースというキャラをアピールさせる必要がある。
まず、ボンボンロワは1スレで、20話にも満たず終了したロワだ。はっきり言って、把握に時間はかからない。
そうすると、問題となるのは今の彼の原型となっている「ウルトラ忍法帖」のエースというキャラについてだ。
「とりあえずさ、あんたのこと教えてくれる?その、ウル忍のエースってキャラのことをさ」
「あ、もしかしてウル忍に興味を持ってくれた?嬉しいでやんすねー」
ウル忍に詳しいと思われるこのエース本人から、情報を引き出すことにする。

ウル忍の舞台・鶴亀の国の長屋に住みついている、貧乏な渡世人。「疾風」の4巻より登場。
貧乏だけど働くのは嫌いで、今で言う所のニートかもしれない。とにかく原作中でよく弄られる。
主人公のマン曰く「普段はただのアホな貧乏人」だが、本気を出せばマンとタメを張る実力者。
武器は刀。得意技は原作でもおなじみメタリウム光線に、剣術の無宿殺法バーチカル・ギロチン。
タクワンと梅干しが大好物。食事の時はどんな料理でもタクワンと梅干しを付けないと食べた気がしない。
ちなみに、エースの技はタクワンと梅干しがプラスされることで威力が十万倍になるらしい。
正確にはウル忍ではなく、アルバイト料(タクワン10本と梅干30個の現物支給)を貰っている協力者という立場。
一人称は「あっし」で台詞の語尾に「やんす」と付く。マンのことは「マンの兄ぃ」と呼んでいた。

(よし……大体把握できた!これだけ情報を引き出せば……!)

「ウルトラ忍法帖」は、たまに思い出したようにどシリアスになるが、ギャグ漫画だ。
キャラごとに深い設定など皆無。特にこのエースは、ただのアホという認識だけでも十分かもしれない。
まあ、詳細を知りたければ、ブックオフかどっかで単行本を探せば、一冊くらいは見つかるだろう。
パラパラと軽く読むだけでもキャラは容易に把握できる。
どうせ書き手ロワで本物のエース本人が参加してるわけじゃない、それくらいで十分だ。

「それじゃ、そろそろ行こうか、エースさん」
その後、『邪神』のほうからも簡単に自己紹介を済ませると、彼女は立ち上がった。
「え?どこへ行くんでやんすか?」
「この世界から脱出すんのよ。敵をやっつけつつ仲間と協力したりしながらね。これはそういうゲームなの」
あえて「殺し合い」という事実を隠して、説明する。話としては間違ってはいまい。
積極的マーダー路線に導く、という手段は元のエースのキャラを考えて、あえて取らなかった。
「ふーん……面白そうでやんすね。まあ、あっしも早く家に帰りたいでやんす。
 それじゃ、さっさとゲームクリアするでやんす!」
エースは袋の中にあった一本のビームサーベルを掲げる。どうやらこの剣が、彼の支給品らしい。
「どうやらあっし……というか、エース向きの武器のようでやんすね。これなら、戦えそうでやんす。
 よし、戦いはあっしに任せるでやんす。必ず守ってやるでやんすよ!」
「そう?ありがと。期待してるよ~♪」

(……ふぅ)
『邪神』は一息つく。最大限、彼のアピールはして見せた。
とはいえ、マイナーである以上どちらにしても危険な賭けではある。
したらば創設以前の書き手、という彼女の見出したポテンシャルも……ある意味、諸刃の剣だ。
それなりに昔からパロロワに接した書き手でないと、彼のキャラを深くは書けないだろう。
いや……そもそも寝てるだけの彼がこうして目覚めた時点で、彼の役目は終わったと考える者もいるかもしれない。
この後、すぐに間引かれてもおかしくない。いや、リレーされない可能性も十分すぎるほどありえる。
そしてそれに彼女自身巻き込まれるケースも。自分の命を賭けたも同然の博打だ。
だが、やり方次第で熱血展開にも無自覚マーダーにも、欝展開にも持っていけるはず。
そう、彼女はマーダーではない。いかにしてロワを煽動できるかが、彼女の基本方針なのだ。
(……ま、分の悪い賭けは嫌いじゃないってとこかな。スパロボ的にね)

【1日目早朝 愛媛県・とある民家の一室(畳張り)】
【エースの一日の人◆Y5spzXL3vI@ボンボンロワ】
【状態】正常
【装備】ゼットセイバー@ロボロワ
【道具】支給品一式(ちなみに支給されてる食料は全てタクワンと梅干し)、不明支給品0~2
【思考】基本:この世界から脱出するべく、仲間を集めゲームに乗る(ロワの趣旨を把握してません)
    1:『邪神』を守り、共に行動する
 ※外見はウルトラ忍法帖のエースの姿です。

【『邪神』@スパロワ】
【状態】健康
【装備】なし
【持物】基本支給品、宇宙刑事ギャバンの装備一式@特撮ロワ、不明支給品(『冥王』分)
【思考】
  基本:熱血対主催を装い、殺し合いを徹底的に煽る。
  1:エースをロワに積極的に参加させる
  2:スパロワの書き手は警戒。
 ※コンバットスーツ蒸着可能。ドルギランと、そこに搭載された兵器各種召喚可能。
 ※外見はスパロボのミオ・サスガ

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◇Y5spzXL3vIの一日 エースの一日の人 言ってるそばから二つ目発見
熱血で持ち上げてすぐ堕とす~狂気の女子高生ギャバン 『邪神』 言ってるそばから二つ目発見

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最終更新:2009年06月15日 21:08
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