どこに行くべきか。
考えたところで答えなど出ない。
ハーグが向かった場所は不明なので、追いかけるのは不可能。
まだ他には誰にも会っていないので、誰かを捜すにも手がかりなんかない。
ま、ってことは、よーするにだ。
「適当に動くしかないってことか」
和歌山県を構成していた岩々を飛び跳ねて移動する。
案外に破片が残っている。
これもまた、制限の仕業だ。憎らしい。
何回か跳んだ時、ふと我ながら面白い考えが浮かんだ。
制限してるからこそ、『主催は日本を破壊されるなんてありえない』と思い込んでいるのではないか?
おそらく、いや絶対にそうだ。
となれば、やるべきことは決まっている。
参加者と主催者だけでなく、開催地も完膚なきまでに破壊する。
アリアハン城すらも生ぬるいと思えるレベル、再構築不可能なほどの破壊。
思えば、先ほど和歌山県を破壊したトルネード螺旋は、完全に地面に向けた一撃ではない。
ハーグの背後にあった樹木に螺旋をぶち決めた余波が、和歌山県に及んだだけだ。
ならば、直接地面に叩き込めば――?
「ふ……くハハハ…………!」
ついつい声を漏らしてしまうが、仕方ない。
むしろ制御できないほうが、覚悟らしくなくていいかもしれん。
行き先は決まった。
まずは、四国である。
理由は、単なるウォーミングアップ。
制限下の俺が、全力のトルネード螺旋を地面に叩き込めばどうなるか。
それを確かめるのに、あの中途半端な大きさが丁度いい。
四国を消滅させたら、次は九州でいいか。
四国より大きくて本州よりも小さく、何より四国に近い。
かつて、五人殺しの舞台となった悲劇の地。
その地を、塵一つ残らず滅する。
弱肉強食をモットーにする人斬りにすら、不可能であった所業。
それをやってのけてやろう。
駄目だ、笑いが止まらない。
だが堪えろ。目的を言いはしない。
主催が予想するより早く、四国を破壊してやるのだ。
…………待てよ。
あえて着いてすぐに破壊せず、四国にいる参加者をこの姿を利用して結集。
巨大な対主催チームを作っておきながら、四国ごとチームを崩壊させるってのもいいかもしれん。
てか、それがいい。主催も驚く。参加者も驚く。俺喜ぶ。
うん、採用決定。
◇ ◇ ◇
故・和歌山の最先端。
最も四国に近い瓦礫の上に、ワンキューは立っている。
零式防衛術「水鳥の構え」を取ったワンキューは、一気に閉じていた双瞼を見開いて一喝。
「北斗剛掌波!!」
零式の奥義を使うと思った読者さんは、また裏切られたことになります。
ちなみにワンキューの剛掌波は、両手を使うケンシロウのものとは違う。片手で放つラオウの方。
拳王スタイルから射出された剛掌波は、海を抉り取るように飛来し――――剛掌波が消滅した時には海は割れていた。
一瞬で完成した覇道を、雄々しくワンキューは歩む。
四国を破壊するために。
度肝を抜いてやるために。
【一日目・黎明/和歌山県があった場所と徳島の間くらい】
【
【破転】ワンキュー ◆1qmjaShGfE@
漫画ロワ】
【状態】テンションだけじゃなくボルテージも上がってきた!!、全身打撲、ちょっと体に痺れ、疲労微、『 軽 症 』
【装備】なし
【道具】支給品一式、ミカン五十個以上
【思考】基本:『覚悟は熱血対主催』という予定調和を裏切る為に皆殺し。主催も殺す。
1:どっか行って、皆殺しだッ!!! 開催地もブッ壊すッ!!!
2:まずは四国で対主催チーム作って、四国ごとブッ壊すッ!!!
3:ハーグは、かーなーりー驚かして殺すッ!!!
【備考】
※外見は葉隠覚悟@
覚悟のススメです。
※【破転】漫画ロワ書き手に与えられた称号にして、彼らの『切り札』。
追い詰められなきゃ使用できないと思ってたか!? その予想を裏切るッ!!!
※学生服の上着は、引き千切りました。つまり半裸。
※ハーグの支給品の【ダーツの矢@漫画ロワ】は、消滅しました。
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最終更新:2009年06月13日 13:57