「書き手ロワか、よもや我がカオスロワ以外に参戦させられるとはな」
カオスロワ書き手の一人であるジャイアンの母書き手が驚きながらそう口にする。
しかし微塵も動揺した様子は見せない。
突然の殺し合いなどカオスロワでは最早普通の出来事だからだ。
「しかも普段の格好と違うとは、流石はKAKITEロワというべきか」
その言葉通り、母書き手の姿は贅肉たっぷりの熟女姿だった。
しかも全裸である。
つまりは、カオスロワにおけるジャイアンの母の姿になっていた。
おまけに口調までちょっと変わってしまっている。
母書き手は身体を動かしてみることで、普段と違う姿という事を強く実感する。
太ってしまった事で弱くなったという実感ではない。
母の姿を得て、母に近い身体能力を得たという実感だ。
「実際にOKAMIの身体になってみると恐ろしいKIを持っているという事を認識させられるな。
とはいえKAKITEロワにおいては大した事はないのだろうが」
書き手ロワの超展開ぶりは母書き手の耳にも届いていた。
やれ過去から増援やらやれ宇宙の破壊と創造やら、聞きかじっただけでもとんでもない事が分かる。
故に母書き手は自身の能力に過信をするつもりはなかった。
「しかし超展開、超展開か。カオスロワKAKITEとしてはカオスで負けるのは悔しいな。
ここはカオスロワKAKITEの意地を見せたいところだが」
母書き手はそう呟くと腕を組んで考える。
カオスロワ書き手として、この書き手ロワをどう生きるかを。
「並大抵の展開ではあそこを越える事は不可能だ。それにいくら理不尽なOKAMIの力を持つとはいえ我一人で為せるものか。
……やはり他のカオスロワKAKITEの力が必要かもしれん。いるかどうか分からんが探してみるべきだな。
まあ6/は当然のようにいるのだろうが」
母書き手は方針を定めると、早速足を動かし始める。
「とはいえいない可能性もあるし、接触する前に死ぬ可能性もある。その上手伝ってくれん可能性もあるからな。
有望そうな参加者とは手を組むのもいいだろう。小さなカオスからコツコツと、だ」
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「うわああああああああああああああ、助けてクレオパトラちゃん。エンドウ豆が襲ってくるよ！」
母書き手が動き始めて暫く後。
れんげから逃げてきたミスターレキシは未だに狂乱していた。
そんな状態だから母書き手がミスターレキシを発見するのは容易かった。
「おい、ZASSYU」
「誰かエンドウ豆を殺してえええええ、チンギス＝ハンでもゴッホでもこの際ハンニバルでもいいからあああぁぁぁあぁぁぁ！」
「おい貴様だ、そこの歴史ロワ出身と思われるZASSYU」
母書き手はミスターレキシの挙動から、エンドウ豆というカオス死因を産んだ歴史ロワ出身だと分かり声を掛ける。
勿論仲間に誘う為だ。
しかしそれほどまでにエンドウ豆が恐怖なのか、一向に気付く様子は無い。
「いやあああああああ、駄目だあああああぁぁぁああぁぁ、我輩の万有引力でも手も足も出ないいいいいいい！」
「……クレオパトラがエンドウ豆を口移しで食べさせてくれると言っているぞ」
「え？クレオパトラちゃんの口移し？食べれる！食べれるよエンドウ豆！
クレオパトラちゃんのエンドウ豆ならいくらでもペロペロカリカリするお！」
「やっと正気に戻ったかZASSYU」
じれったいので母書き手は禁断のワードでミスターレキシを治療して悪化させた。
ミスターレキシは助かったと軽く礼をし、自己紹介をする。
それに答えるように母書き手も名を名乗る。
「さて、私を助けた褒美として私の軍団に入れてやろう。勿論地位もつけてやろう」
「いいだろう」
正気に戻るや否や元の傲慢さを取り戻し、早速目的を果たそうと勧誘を再開する。
母書き手も、歴史ロワ書き手ならカオス展開の助けになるだろうと快諾する。
両者の利害は合致し、ここに新たなコンビが生まれる。
「では私の軍団を頼んだぞジャイアンの母書き手、貴様が新たな王となり軍団を広げていくのだ……」
「―――は？」
母書き手が疑問の声を上げた時には、既にミスターレキシは息絶えていた。
歴史ロワの全ての作品の力を有しているが故に、老衰に抗う事はできなかったのだろう。
コンビ結成期間、僅か5秒であった。
【一日目深夜/千葉県】
【ジャイアンの母書き手＠カオスロワ】
【状態】呆然、ミスターレキシの軍団の王
【装備】なし
【所持品】支給品一式、不明支給品２～６
【思考】
基本：カオスロワ書き手として、何処にも負けないカオス展開を作る。
１：同郷の者を誘う。有望な参加者も誘う。
２：ミスターレキシの軍団を作る？
※外見は全裸のジャイアンの母、口調はギルガメッシュとYOKODUNA交じりの口調
【ミスターレキシ＠歴史ロワ 死亡】
時系列順で読む
投下順で読む
最終更新：2009年03月26日 16:25
