ガチホモ2人に大阪城へ向かって引きずられていたムツ。
慌てたムツは今も自らの襟首を引っつかみ前を歩くやおいへと訴える。
兄貴はこいつを恩人で同好の志と慕っている。
なら、やおいを説得できれば兄貴もしぶしぶながらも従うのではないか。
そう考えての行動だったが、カオスロワ書き手に常識が通じるはずもなく。
お決まりの一言で一蹴される。
それどころか、ジッパーを二人して降ろしだす。
その瞬間、ムツの堪忍袋の緒が切れた。
「貴方も……俺の話を……聞いてくれないんだな……?」
ぞくり。
ガチホモたちのガチガチの息子が縮み兼ねないような声が響く。
「聞く気が……無いんだよな……?」
獲物だったはずの男が右目を赤くぎらつかせ刀を手にユラリと立ち上がっていた。
いや、立ち上がっただけではない。
一瞬で間合いを詰め、あろうことか兄貴の息子へと剣を突き出してくる!
「おわっと!」
が、流石についさっき大切な部分を焼き落とされたばかりの兄貴は警戒していたこともあり、すれすれで回避する。
その際に見えた剣士の髪は赤から金髪に変色していた。
「能力か!?」
外見だけでなく剣速と威圧感も別人だ。
こうなってしまっては阿部さんオーラで飲み込むのも一苦労だ。
とはいえ、肉体強化型にとって相性のいい人物が味方にいる以上、大した危機ではないと兄貴は判断する。
「ムツがパワーアップした!」
――でもそんなの関係ねえ!
言霊が響くと共にムツの全身に漲っていた青龍の力が消えていく。
そう、物事を一歩手前の状態へ戻すという【関係なき過去の事象(ハイ・オッパッピー) 】の前には肉体強化型の能力など意味が無い!
「おいたが過ぎるぜ、おい」
もとの姿に戻されたムツ相手にお仕置きとばかりに出しっぱなしだったいちもつで穿ちにかかる兄貴。
ノンケの人格が豹変したことにトラウマにもなっている先刻の悲劇を思い出し僅かにたじろいでしまったが、こうなってしまえば赤子も当然。
かくして兄貴の息子が再三ムツを
――貫くよりも速く、人一人飲み込んで余りある巨大な気弾がやおいを貫いた
「!?!?!?!?」
「金ぴか!?」
後ろに引いていた腕を前に降ろし悠々とこちらに向かってくるムツに朦朧とした意識の中やおいは舌を噛む。
解除したはずの強化形態が元通りになっている。
カオスロワ本編においても同様のピンチにやおいは直面したことがあった。
彼と同じく現実から無理やり参加させられたカオスロワ住民の692の手によってだ。
即ち
「二段、強化……」
「厳密には四段展開だがな」
万能に思えるハイ・オッパッピーにも弱点はある。
精密性はあまりなく、戻した状態から更には戻せない点だ。
692の言葉を借りるならいわばパソコンの文章ソフトのオプションタブに付属された一歩前に戻す(Ctrl+Z)と言った所か。
故に二重に強化を施されれば、そのうちの後の方しか解除できないのである。
四段となれば言うまでも無い。
「一瞬とはいえルガールを介して楓の力を発現させた甲斐はあったというものだ」
異能『神々』。
神々と書いて場面転換ごとにニャラルトポテプ、青龍、ルシファー、メタトロンという別の意味を与えた事実に由来する能力。
副題の神話の神霊たちが示すのは誰も彼もがアケロワで猛威を振るった人物。
というかニャラルトポテプことルガールにいたっては主催者だ。
書き手2ほどインフレしていない現在の書き手ロワでは十二分にチートといえるそれら4つの能力をローテーションで展開する異能、それが『神々』なのだ。
「さあ、今まで散々好きにしてくれたよな? 今度はこっちが蹂躙させてもらおうかああああああ!」
ハイ・オッパッピー対策に再度『神々』を三段階進める。
メタトロン。
大天使の名を冠した変身に伴い、ムツの背に輝く二枚の翼が構成される。
流石に命の危険を感じては致し方なしとイイ男を殺すことをためらっていた兄貴も己が得物を構える。
――されど、2人が交差することはなかった。
ムツ達から百メートル以上も離れた位置にある、高層ビルの屋上。
そこに弓を携えた少年が屹立していた。
「……『outbreak』」
つがえるは剣。ドリルを思わせる捻じれたツルギ。
只の一射で、強大な爆発を巻き起こした宝具。
『outbreak』の効果で投影の負担を軽減しつつ、痛みを耐え魔弾を解き放つ。
狙うは書き手ロワというフリーダムな地で不条理補正をこれでもかと受けそうなゲイ×2他。
あんなものを放っておけばギャルゲロワのみんなが、加えて自分の貞操が危ない。
投影を使うに充分値する相手だった。
威力がありすぎて相手の支給品も壊してしまうのはもったいなかったが、仕方がない。
「カラドボルグ―――――!!!」
紅く光り輝く魔剣。
弓兵と化したギャルゲロワの味方は強く弓を引き絞って、 天空から滅びの魔弾を撃ち放つ……!
血液言語版が放った渾身の一撃。
それは絶望的なまでに正確な軌道で、ムツ達の頭上へと降り注ぐ。
激突寸前だった二人が気付いた時にはもう遅い。
唯一事態を回避しえたやおいは夢の中だ。
カラドボルグの攻撃範囲から逃れ切る手段はない。
響き渡る爆音、巻き起こる爆発。
カラドボルグが地面へと着弾して、哀れな3人の犠牲者を焼き払った。
【やおい@カオスロワ 死亡】
【ガチムチの素敵な兄貴 @ニコロワ 死亡】
【ムツ◆CFbBJSZQHE@アケロワ 死亡】
【大阪府/高層ビル/1日目-早朝】
【
ネクロノミコン・血液言語版◆WAWBD2hzCI@ギャルゲロワ2nd】
【状態】健康、強い決意
【装備】維斗@ギャルゲロワ2nd
【道具】支給品一式×2、不明支給品1~5
【思考】
1:ギャルゲロワ2ndの人間を優勝させる
※ムツ達の支給品はデイパックごと灰になりました。
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最終更新:2009年05月24日 16:50