みちのく二人旅

「こ、これはいったい……」

ディフォアと共に富良野を訪れた最速兄貴は、唖然としていた。
それもそのはず。ここは極寒の地・北海道のど真ん中。
にもかかわらず、椰子の木は生い茂り、ハイビスカスは咲き乱れ、KONISHIKIは乱舞しているのだ。

「これでは……まるでハワイですね」
「団長もそう思いますか」

ディフォアの言葉に、最速兄貴は同意を示す。

「おそらくこの世界は、主催者によって作られたものでしょう。ですが、いくらなんでもこんなむちゃくちゃな気候を作り出すとは思えません。
 そうなると、参加者の誰かが自分の能力もしくは支給品でこの状況を作り上げたのでしょう」
「素晴らしい! これほどのことができる方なら、サーカスに入っても活躍してくれるでしょう!
 ぜひともスカウトしましょう!」
「確かにスカウトできれば役に立つでしょうが……。問題は張本人がまだこの辺りにいるかどうかです」
「探しましょう!」

ディフォアに促され、最速兄貴は周辺の捜索を始める。
一方、この状況を作り上げた張本人である花ざかりも、人の気配に気づく。

「ん? 誰か来た?」
「おや、人の声が……」

こうして、花ざかりは最速兄貴たちと対面を……

『なんだ、KONISHIKIか』

……果たさなかった。たまたま、両者の間にKONISHIKIが立っていたせいで。
結局しろがねサーカス団は、花ざかりの存在に気づかぬままその場をあとにしてしまったのであった。


【一日目・黎明 北海道・富良野あらためハワイ】
【花ざかりの筆師たちへ~カリスマ♂パラダイス@ライダーロワNEXT
状態:腕にちょっと怪我
装備:ドレイクグリップ&ドレイクゼクター
持物:ギターケース(基本支給品とメイクセット入り) 不明支給品0~1
思考:とりあえずあったまる
※カメラ目線で「アルティメット・メイクアップミ☆」と囁くと
 自慢の筆で現実を描き変えることができます。
※富良野はハワイになりました。
※歌うKONISHIKIの大群が発生中ですが無害です。


◇ ◇ ◇


その後しろがねサーカス団は、最速兄貴のラディカル・グッド・スピードによる「左足が沈む前に右足を(ry」戦法で津軽海峡を縦断。
青森に到着し、恐山にやってきたところで仮面ライダー零による放送を聞くことになる。

「聞きましたか、最速兄貴」
「もちろんです。男の魂がこもった放送、聞き逃すはずがありましょうか! 旅の扉は、埼玉にあり!」
「おそらく、この放送で埼玉に人が集まるはず。そこに向かえば、団員の確保も容易です。
 時間も決して余裕があるわけではありませんし、ここは急いで……」
「ええ、全速力で東北を観光しましょう! 一つ一つをゆっくり見られないのは残念ですが、この際贅沢は言ってられません!」
「え?」

一直線に埼玉へ向かうつもりだったディフォアは、最速兄貴の言葉にぽかんとした表情を浮かべる。
最速兄貴はそんな彼女に反論の余地も与えず、強引にその身体を背負う。

「さあ、飛ばしますよ! しっかり捕まっていてください、団長!」

こうして彼らは、恐山をあとにした。そこにある旅の扉にも、その前にいる情景の描き手にも気づかぬまま。


◇ ◇ ◇


秋田、岩手を超高速で巡ったしろがねサーカス団。彼らは、宮城県の松島にやってきていた。

「見てください、団長! ここが日本三景の一つに数えられる松島です!」
「素晴らしい景色ですね! 私、この絶景を見て一句思いついてしまいました」
「ほう、ぜひともお聞かせ願いたいですね」
「古池や 蛙飛び込む 水の音」
「まるパクリだー! しかもこの光景に1ミリもかすってねー!!」

こうしてミニコントを繰り広げた二人は、名残惜しさを感じながらも松島を立ち去ったのであった。
そして、その光景を偶然目撃した参加者が一人。

(おお、なんというナイスバディーな美女! 脱がせたい……。彼女を脱衣させたい……!
 よし、次の獲物は彼女に決定! 早速追いかけ……って、速ッ!)


【一日目・早朝 宮城県・松島】

南斗脱衣拳伝承者@らき☆ロワ】
【状態】ダメージ(中)
【装備】DMカード、六芒星の呪縛@ニコロワ
【道具】支給品一式、まふうじの杖@書き手ロワ2nd、不明支給品0~1
【思考】基本:お姉さん、人妻キャラの服を切り裂く。対象外はひっこんでろ。
1:巨乳美女(ディフォア)を追いかけ、脱がせる。
※外見は白髪のフェイトです
※南斗聖拳の一派、南斗脱衣拳を修得しています


◇ ◇ ◇


続いて二人は、名物であった伊達政宗像が移転したことを惜しみつつ仙台駅前を通過する。
その時、最速兄貴は何かを蹴飛ばしてしまった。

「はて、なんでしょう。確かに、足に何か当たった感触はあったんですが……」

軽く周囲を見渡してみる最速兄貴だが、自分が蹴飛ばしたと思わしき物体は見あたらない。
小石でも蹴ったのだろうと結論を出し、彼は再び全力で走り出した。
最速兄貴は気づかなかった。自分が蹴ったのが、透明マントをかぶったまま歩いていたココ・ジャンボであること。
蹴り飛ばされたその亀が、自分のデイパックのひも部分に引っかかったこと。
そして亀の中にいた空気王が、その衝撃で頭を打って気絶していたこと。


◇ ◇ ◇


宮城を出た二人は、山形を走破。いよいよ東北六県最後の一つ、福島に入る。

「団長、ここが若松城です。地元では鶴ヶ城と呼ばれているそうですが」
「なるほど。素敵なお城ですね」

堂々たる若松城の姿を見上げ、満足そうに呟くディフォア。だがそんな彼女を、突如として凶刃が襲った。

「危ない!」

最速兄貴の声に反応し、ディフォアはとっさに跳んだ。その直後に、1本のナイフが先程まで彼女が立っていた場所に突き刺さる。

「背後からの不意打ちをかわすとは……。クク、なかなかできるじゃないか」

警戒する二人の前に、幽鬼のごとき男が姿を現す。安価漫画ロワの書き手、這い寄る鬼面だ。

「やれやれ、こんな素晴らしき文化財の前で喧嘩をふっかけてくるとは、無粋なお方だ。
 ですが、まだ喧嘩を売るつもりがおありなら、買って差し上げましょう」

小刻みにステップを踏みながら、最速兄貴はファイティングポーズをとる。
一方ディフォアは地面に刺さったナイフを抜き取り、それをじっと見つめていた。

「このナイフを投げたのは、あなたで間違いありませんか?」
「ん? ああ、そうだが……」
「素晴らしい!」
『は?』

命を狙われたにもかかわらず、ディフォアが見せたのは笑顔。
その反応に、男二人は思わず首をかしげる。

「見間違えるはずもありません! このナイフはまさしく、ヴィルマのナイフ!
 これを使いこなすなんて、まさにあなたはナイフ投げのために生まれてきたような方!
 ぜひとも、我がしろがねサーカス団に加入を!
 しかし惜しいのは、なぜかアカギなのに髪が赤いということでしょうか!
 原作そのままのアカギだったら、銀髪なのに! 確かに赤毛のアカギって何だか語呂がいいですが!
 まあそれも些細なこと! 私が持っている生命の水さえ飲んでいただければ、万事解決です!
 さあ遠慮することはありません! こちらへ来てください!」

怒濤の勢いでまくし立てると、ディフォアは生命の水が入った瓶を取り出して這い寄る鬼面に向かって歩き出す。
しばらく呆然とその様子を見ていた最速兄貴だったが、ふと我に返り彼女を止める。

「いやいや、何を考えてるんですか団長! 確かに彼のナイフ投げはなかなかのものですよ?
 しかし彼は、我々の命を狙ってきたんです! 勧誘になんて応じてくれるわけがないでしょう!」
「問題ありません。ヴィルマだって最初は、勝の命を狙う刺客として登場したのです。
 でも最終的には、彼女は立派な仲町サーカスの一員になっていたじゃありませんか!」
「だから、何でもかんでもからくりを基準に考えないでください!」

敵意を持つ相手を目前にして、漫才のようなやりとりを繰り広げるディフォアと最速兄貴。
それを見せつけられ、這い寄る鬼面は静かに笑う。

「ククク……。おのれの命を狙う相手に出会って……まずやることが仲間への勧誘ッ……! 一も二もなく勧誘ッ……!
 まさしく狂気の沙汰ッ……! 正気とは思えぬ行動ッ……!
 面白い……実に面白いッ……! だが、それでも殺すッ……! 心変わりはないッ……!
 バトルロワイアルという場の中で、容赦など不要ッ……!」

口角をつり上げたまま、這い寄る鬼面は二本目のナイフを投擲する。
ナイフはまっすぐに、ディフォアの額へと進んでいく。だがディフォアは、恐るべきスピードでナイフを二本の指で挟んで止めて見せた。

「ほう……。やはり、常人離れした反応をしているな……」
「あなたこそ、素晴らしい狙いです。やはり、なんとしてもナイフ投げ芸人として我がサーカス団に!」
「命の危機を味わわされてもなお、勧誘をやめないか……。とことん面白い女だ……。
 いいだろう……。そちらの誘いに乗ってやろうじゃないか……」
「本当ですか!?」
「ただし……!」

目を輝かせるディフォアだが、這い寄る鬼面はそこに釘を刺す。

「俺を戦闘で打ち倒して見せろ……。それができたら、あんた達の味方になってやるよ……」
「なるほど、分かりました。ならば、容赦なくいかせてもらいます」

とたんに、ディフォアが纏う空気が変わる。ギャグ要素一切なしの、シリアスモードだ。
真剣な表情を浮かべるディフォアの美貌を長目ながら、這い寄る鬼面はやはり笑っていた。

(思った通り……。この女、視野が狭い……。こちらが餌を垂らせば、すぐにそれに食らいつく……。
 仲間になるという希望を与えておきながら、それを踏みにじる……。それもまた一興ッ……!
 まあ、まともにやったのでは俺に勝ち目はないだろうが……。まともにやる必要などない……。
 お前を絶望に叩き落とす方法など、いくらでもあるッ……!)


少女が見据えるのは希望。幽鬼が求めるのは絶望。
タイムリミットも迫る中、二人の激突はいかなる結果を生むのであろうか。


【1日目・早朝 福島県・若松城前】
【這い寄る鬼面@安価漫画ロワ】
【状態】健康、頬に一筋の切り傷、左肩に銃創
【装備】ヴィルマの投げナイフ@漫画ロワ(17/20)
【持ち物】基本支給品一式、不明支給品0~2
【思考】
基本:参加者達を絶望の淵へと落とし、殺す。
   最終的に、失意の担い手との決着を着ける。
1:ディフォアを絶望に叩き落とし、殺す。
※見た目は、赤髪をした19歳のアカギです。
※投げナイフは、服の袖口に隠し持っています。


【しろがねサーカス団】
担当:団長兼アクロバット
【【命熱】ディフォア ◆d4asqdtPw2@漫画ロワ】
【状態】健康
【装備】ヴィルマの投げナイフ@漫画ロワ(2/2)
【道具】支給品一式、生命の水(三人分)、不明支給品0~2
【思考】 基本:バトロワ? そんなことよりサーカスしましょう!
1:這い寄る鬼面を倒し、サーカス団に入れる。
2:最速兄貴の担当を決める。
2:団員を勧誘する。
【備考】
※外見は才賀エレオノール@からくりサーカスです
※しろがねサーカス団への入団条件は『銀髪であること』。銀髪の人を積極的に勧誘します。
 しかし銀髪でなくても、才能や熱意のあるものは『生命の水』で強制的に銀髪化することも……。


担当:石食い男(?)
【最速兄貴@マルチジャンルバトルロワイアル
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品1~3
【思考】 基本:やりましょうサーカス! ……ついでにこの会場内を観光する!
0:あれ? 私、微妙に空気ですか?
1:新人を勧誘して『石食い男』を押し付ける。
2:とのさ~ん!!貴方もサーカスにご招待しますからね~!
【備考】
※とのさんとは、想いのとと@マルチジャンルバトルロワイアルのことです
※外見はストレイト・クーガー@マルチジャンルバトルロワイアルです


杉田空気王@書き手ロワ2nd】
【状態】ダメージ(小)、疲労(中)、気絶、対主催モード、亀の中
【装備】クレイジーダイヤモンドのDISC@書き手ロワ2nd
【道具】支給品一式、透明マント@アニロワ1st、ココ・ジャンボ@ジョジョロワ1st
【思考】基本:対主催
0:(気絶中)
1:まずは現状を把握しませんと……
※女性の姿の時は対主催寄りの思考、男性の姿の時はマーダー寄りの思考になります。
 切り替わる条件はぶっちゃけ適当です。

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アルティメット・メイクアップで富良野滅亡 花ざかりの筆師たちへ~カリスマ♂パラダイス 今にも落ちてきそうな空の下で
余計なことすんなよ(読み手の心の声) 南斗脱衣拳伝承者 いい体をしている子はどんどん脱がしちゃおうねぇ♪
精神的に追い詰めることも、ロワの醍醐味の一つ。 這い寄る鬼面 狭い関東そんなに急いでどこへ行く
書き手ロワ・銀 【命熱】ディフォア 狭い関東そんなに急いでどこへ行く
書き手ロワ・銀 最速兄貴 狭い関東そんなに急いでどこへ行く
余計なことすんなよ(読み手の心の声) 杉田空気王 狭い関東そんなに急いでどこへ行く

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最終更新:2009年06月26日 00:25
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