「あれ?」
視界に入り込んできた光景に、六代目が赤みがかった両目を見開く。
周囲の景色が一変していたからでも、彼の立ち尽くす場所が墓地だからでもない。
彼と同行していた
脱力の救世主の姿がない為だ。
「共に旅の扉に入れば、次のマップでの初期位置は同じ地点なはずだけど……」
疑問を吐き捨てながら白い帽子の角度を直そうとして、六代目はいつのまにやら己が握っていた一枚の紙に気付いた。
慌てて一気に行を追い、六代目は納得したように笑みを浮かべた。
「なるほど。準備時間か」
そう、彼は放送のパーソナリティ。
ゆえにその用意のため、数分だけ他の参加者より先にこの地に降り立ったのだ。
僅かに焦りながら、六代目は支給品であるラジカセとCD数枚を取り出す。
コーナーを開始する度にBGMを流すのが、彼のスタイル。
普段の音楽ファイルは持ち合わせていないが、この際仕方がない。
曲名にざっと目を通して、一枚のCDをラジカセに突っ込む。
「む、もう時間か」
「お前、なぜ先に……もが!?」
光の中から出現した脱力の救世主を確認し、六代目は右手で何か言いかけてきた口を覆う。
残った左手をインカムにスイッチへ、続いてラジカセの再生ボタンへ。
軽く呼気を整えて、六代目は切り出した。
◇ ◇ ◇
――――ピッピッピッピー。
はい。どうもロワ開始から六時間が経過したワケでして、やってきたいと思います。
まあ、キチンとやった方がいいのかな? そういうなんていうか始まり、ってのも。
どうしよう。ま、久しぶりだしやっとこうか。
よしっ、それでは! 始めー……ます!
ぼんくらじお 書き手ロワ3rd編 第一回! ひとまず生き延びたぞ記念!
BGMは支給されてたラジカセを後ろで使ってるだけだから、音質も音量も保障しないよー。
手持ちのPCもないし、これで許してね。音がうまいこと入ってたらいいんだけど……テスト放送もできてないしね。
それでは、早速行ってみましょう。
最初にして最後、唯一のコーナーは! これまでの死者達ー!!
――――だっだんだん、だっだだだーん。
ということで、発表していく感じです。
多いなぁ! ちゃんとフリ仮名振ってあったけどさぁ、こりゃ噛むぜ。
まあね、そこは俺に文句言われても困りますよ。
こちとら雇われパーソナリティなんで、抗議はちゃんと主催へね。言ってくれれば、話せるの貸すんで。
ああ、そうか。
一応証拠を聞いてもらっとこうか。放送についての意見も聞きたいしね。
主催通話用と放送用のボタン一緒に押せば、何とかなるよな? ならなきゃごめん。ポチッとな。
…………む? あ、ダメだ。繋がんないね。
すいません、無理でした。七色の光線はやめてね。
それでは、今回の放送はこれまでと致しましょう。
俺が死ななければ、また六時間後に『ぼんくらじお』を放送できればいいなーと思います。
ではでは、また六時間後(仮)ー。
【一日目 朝 / グレイブエリア】
【FLASHの人 六代目◆FHFOUvdj5Q @アケロワ】
【状態】普通
【装備】放送用インカム(放送用、主催通話用の切り替えスイッチあり)、いつの間にか握っていた紙
【持物】基本支給品、ラジカセ、CD数枚
【思考】
基本:この書き手ロワをGAME OVERへと導く
1:疲れた。
※外見はニーギ・ゴージャスブルー@式神の城2ですが、男です。
※主催側の人間ですが、普通の参加者となんら差はありません。首輪もしています。
※放送を任されています、六代目の気分で放送の有無が変わります。
※六代目が殺害された場合「止めを刺した人間」に放送権が移ります。
【脱力の救世主@二次スパ】
【状態】健康。まだ辛さが舌に残ってるぞおい。
【装備】なし
【道具】支給品一式、コーヒーセット一式、
【思考】基本:検討中
1:どうするか。
【備考】
『修羅王』がゾフィーに変身できることを知りました。
※外見はパプテマス・シロッコ。
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最終更新:2009年10月12日 22:44