「あー、寒いわねー」
「それ言うの、もう10回目だぞ」
「うるさいうるさいうるさい! 下僕は黙ってなさいよ!」
(あーもう、仲間が死んで落ち込んでる余裕もねー……)
ここはスノーフォレストエリア。無事第二のフィールドにたどり着いたウィスクゥとヒーローは、クルーザーに乗ってこの地を走っていた。
ちなみに運転しているのはウィスクゥで、ヒーローはその後ろに乗っている。
さて、スノーフォレストエリアと言うからには寒いのは当たり前である。
しかも二人は、寄りによってついさっきまで南国にいた身。温度差のせいで余計に寒さがこたえる。
ヒーローに支給されていたミンクのコートをぶんどって着込んだウィスクゥだが、それでもまだ寒い。
こんな寒いところはさっさと抜けてしまおうとクルーザーを走らせたウィスクゥだが、ここで一つの誤算が生じた。
障害物、すなわち樹木があまりに多いため、クルーザーの全速力が出せないのだ。
結果、二人は超高性能バイクに乗っているのにもかかわらず、走るのよりはまし、という程度の速度でしか移動できていなかった。
え? そもそも雪道でスピード出したら危ないだろって? しらんがな。
その辺は仮面ライダーのバイクだからどうにでもなるんじゃね?
「それにしても本当に邪魔ね、この木。スーパー1にでも変身して、冷熱ハンドで焼き払おうかしら……。
あ、それよりもV3の火柱キックの方が……」
「いや、死ぬから! それ死ぬから! っていうか、前! 前ぇぇぇぇぇ!」
「ほえ?」
ヒーローの絶叫で、下を向いていた視線を前に戻すウィスクゥ。そして彼女は、自分たちの進行方向に人が立っていることに気づく。
「うわあっ!」
甲高い声を響かせながら、ウィスクゥは慌てて急ブレーキをかける。
もともとあまりスピードが出ていなかったことが幸いし、クルーザーは人影に激突する直前に停止した。
「ちょっとあんた、危ないじゃない! 何考えてるのよ!」
自分のよそ見運転は棚に上げ、ウィスクゥは目の前の男を厳しく責め立てた。
しかし男はまったく動じることなく、逆にウィスクゥに問いかける。
「お前たちは……強いのか?」
「質問を質問で返すなー!」
男の胸ぐらをつかむウィスクゥ。だが男はその手をすぐに外すと、ウィスクゥの顔に平手打ちを見舞う。
「いった~! 何するのよ!」
「
漫画ロワの因子か……。すでに取得しているな。必要ない」
烈火のごとく怒るウィスクゥだが、男の方はやはり彼女を気にすることなく独り言を呟いている。
「もう頭きた! ぼこぼこにしてあげるわ! 行きなさい、ヒーロー!」
「俺かよ!」
お決まりのツッコミを入れるヒーロー。
「戦闘の意志ありと判断……。こちらも戦闘準備に入る」
目の前のミニコントにはさしたる反応を見せず、男はやはり淡々と呟く。
そして、その姿を大きく変化させた。
「な……」
ウィスクゥは、男の姿を見て絶句していた。なぜなら、男の姿は彼女のよく知るものになっていたからだ。
拳王・ラオウ。その強さを、ウィスクゥはこれでもかというくらい理解していた。
「ななななななな何よ、そんなので私がビビると思った? ラオウぐらい、私が倒せない相手じゃ……」
「足震えまくってんじゃねえか……」
「ちちちがうわよ、これは武者震……へぶっ!」
ヒーローの指摘に反論しようとしたウィスクゥだが、その途中でラオウに変身した男の拳が彼女に炸裂する。
ウィスクゥは間抜けな声をあげて吹っ飛び、近くの木に激突して地面に落下した。
「だ、大丈夫かおい!」
「ふふ、このくらいどうってことないわ……。私を舐めてもらっては困るわね」
駆け寄ってきたヒーローに対し、ウィスクゥは鼻血を流しながら強がる。
「ここからが私の見せ場よ! 変身さえすれば、あんなやつ……って、ちょっとぉぉぉぉぉ!」
ウィスクゥは、驚愕に目を見開く。彼女が見たもの、それは……
クルーザーにまたがって突進してくるラオウの姿だった。
「こわっ! なんかこわっ!!」
「ちょっと待て! 置いていくなー!」
思わず逃げ出すウィスクゥと、慌ててそれを追いかけるヒーロー。
しかし、普通に考えてバイクで追いかけてくる相手から逃げ切れるわけがない。
「ちくしょう! これでどうだ!」
走りながら、ヒーローは右手と顔を背後に向けて銃を連射する。
しかし走りながらの上無理な体勢で撃っているため、狙いはろくに定まらない。
それでも、いくつかの弾丸は男に命中した。にもかかわらず、男はまったく止まる気配を見せない。
「どうなってんだよ、あいつは! 弾丸当たったら死ねよ、こら!」
「何言ってんのよ! 拳王がそれぐらいで死んだらキャラ崩壊もいいところじゃない!」
比較的一般人寄りのロワ出身であるヒーローにとって、銃で撃たれても死なないというのは大問題である。
だが漫画ロワ出身のウィスクゥにとって、そんなことは日常茶飯事だ。
「グダグダ言ってる暇があったら、逃げ切る方法を考えなさいよ!」
「だからそのために銃持ち出したんだろうが! ああもうー!!」
二人は、ひたすら逃げ続ける。果たして彼女たちは、無事追跡者から逃げ切ることができるのか。そもそも、戦うという選択肢はないのか。
続く!
【1日目・朝/スノーフォレストエリア】
【
【魂爆】ウィクスゥ ◆KaixaRMBIU@漫画ロワ】
【状態】ダメージ(小)
【装備】ミンクのコート@FFDQロワ
【道具】支給品一式、不明支給品0~2
【思考】基本:マーダー(自称)で書き手3rdを盛り上げる。
1:仲間と情報を集める。下僕を増やす。とりあえず十人。
2:追跡者から逃げ切る。
【備考】
※外見はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール@ゼロの使い魔です。
※JUDO@仮面ライダーSPIRITSに変身できますが、なぜか仮面ライダーZXくらいの能力です。
JUDOが変身した仮面ライダーにフォームチェンジができます。
【
さすらいのヒーロー◆7WJp/yel/Y@
パワプロクンポケットバトルロワイアル】
【状態】健康。強い戸惑い。ツッコミ疲れ。
【装備】ミスタの拳銃@ジョジョロワ
【道具】支給品一式、不明支給品0~1
【思考】基本:対主催。
1:なんで真央……? しかも髪赤いし。
2:追跡者から逃げ切る。
3:仲間を集め、主催を倒す。
【備考】
※変身後の外見はレッド@パワプロクンポケット7
変身解除後の外見はパワポケ9主人公の服装をした赤い髪の芹沢真央@パワプロクンポケット7です。
【クロススレ書き手@パロロワクロスネタ投下スレ】
【状態】ダメージ(大)、漫画ロワの因子取得
【装備】クルーザー@漫画ロワ
【道具】支給品一式、不明支給品0~2
【思考】
1:???
※他の書き手と接触することで、その書き手の所属ロワの参加者に変身できるようになります
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最終更新:2009年07月21日 19:03