「よりによってばらけてしまうんですか………」
パヤロワ断章は教会や聖堂が建つサンクチュアリエリアに飛ばされていた。
一緒に旅の扉を潜った剣客オボロ、
ギャルゲ写本、
コリジョン・ナンバーズは近くにいなかった。
特に同郷であるゆーちゃんとお気に入りでパヤパヤ要員だったコリジョンと離れたのは痛かった。
「う~ん、仕方ありませんね。コリジョンさんは後で探すとしましょうか。近くにいないと決まったわけでもありませんし…
いっそ新フィールドで新たなパヤパヤ要員を発掘するとしましょう!」
新たな決意を胸に秘めるパヤロワ断章。
放送で名を呼ばれた同郷書き手を軽く追悼し、彼女はパヤパヤを求めて歩き出す。
そして歩き出して数十分後…
「やあ、そこの君。
1人で堂々とエリアのど真ん中を歩いて大丈夫なのかい?」
ふいに話しかけられ振り向き相手を確認するパヤロワ。
声からして女性であることは確かだ。
そこには、白髪のフェイト・T・ハラオウンが立っていた。
「ロリっ子の次はリリなののフェイトちゃんですか。いきなり幸先いいですねえ♪」
「…何の話かな?」
「いいえこちらの話ですので気になさらず。
とりあえず自己紹介を。私はGR2のパヤロワ断章と申します」
「GR2か。私はらきロワで書き手をしている
南斗脱衣拳伝承者さ」
パヤロワ断章と南斗脱衣拳伝承者は互いに自己紹介をしてパヤロワ断章は自分のスタンスを教える。
コリジョンと違って脱衣拳はパヤパヤと聞いても「なるほどなるほど」と頷いていた。
(それにしても本当についてますね…うふふ)
心躍らせるパヤロワ断章。
理由は脱衣拳の姿がフェイトであることだ。
フェイトそしてパヤパヤとくればなのフェイという単語が頭に思い浮かぶ。
ということは脱衣拳はパヤパヤ要員としてはありきたりかつ有力な存在であることなのだ。
この際書き手ロワでなのは以外の女の子とパヤパヤさせてやろうか。
脳内であらゆる野望を展開するパヤロワ断章。
自然とニヤけてしまいそうな衝動を抑え、脱衣拳に話を切り出す。
「そういえば脱衣拳さんのスタンスは何ですか?
いきなり襲い掛かってこなかったことからマーダーではないようですが」
「ま、ANI2の言うとおりに殺し合うつもりはないよ。自衛とかはするけど。
そんなことより………」
脱衣拳は一呼吸おいて……
「君って魅力的だね」
「へ?」
突然の脱衣拳の告白にポカンと口を開けるパヤロワ断章。
そして頬を真っ赤に染める。
「わっ…私がです……かぁ?」
「というか君をずっと追っていたんだよねえ、ようやく見つけたよ」
パヤロワ断章の思考回路は本当にもうショート寸前だった。
女の子同士をパヤパヤさせて自分は第3者の立場からニヤニヤする予定であったがまさか自分がパヤパヤな目にあるとは。
この発想は無かったわ的な。
「ずっと探していた」というところからしてどこかで自分を見つけて一目ぼれでもしたんだろうか。
でもこれってパヤパヤじゃなくてもはや愛じゃ…それは行きすぎだっつーのwwwww
まぁ悪くないかwwwww
というようなことを妄想するパヤロワ断章。
そんな彼女の様子を気にすることもなく脱衣拳は口を開く。
「切り裂きたくなっちゃうくらいだよ」
優しい口調とはかけ離れた恐ろしい発言に妄想世界からひきずりだされる断章。
脱衣拳が自分に向かって手刀を振り下ろそうとしている姿が見えた。
上記のような言葉を考えると断章にはどう見ても自分を切り裂こうとしているふうにしか見えないわけで。
と言っても脱衣拳が切り裂きたいのは服なのだが。
(まさかこの人……好きな人を切り裂きたいとかそういうタイプ?)
「ごめんねぇ。君が魅力的なのが悪いんだからね♪」
脱衣拳の手が振るわれると同時に、断章は反射的に飛び退いた。
その瞬間に自分の頬に痛みが走る。
思わず手をやると、真っ赤な血がついていた。
「………!」
「勝手に動いちゃダメじゃない。顔を傷つけることはしたくはないというのに…それ」
再び脱衣拳の手が舞う。再び後に下がる断章。
すると今度は自分の上着が切り裂かれ、下着が露になる
「う~ん少し浅かったなぁ…」と呟く脱衣拳。
自分の胸が切り裂かれるのを断章は想像してぞっとする。
それからの行動は早い。
脱衣拳を危険人物と判断した断章はすぐにUターンして逃走する。
のだが―――
ビュンという音とともに風が吹き抜ける。
そして断章が逃げようとした先に脱衣拳の姿が。
「つれないね。楽しみはまだこれからなんだよ?」
逃げられない―――
断章はそう悟った。
抵抗するにも自分の能力は戦闘向けではないし、武器が支給されていたとしても戦闘能力の高いフェイトの姿をした書き手に敵う自信が無い。
そう考えるうちに愉悦の笑みを浮かべた脱衣拳が自分に近づいてくる。
(ああ、私はこんな変態的猟奇マーダーに殺されてしまうのか……まだパヤパヤを楽しんでないというのに……)
走馬灯が駆け巡りそうな断章に対し、脱衣拳は手刀を振り上げる。
その瞬間。
「待てぇぇい!!!」
突然何者かの声が響き渡った。
あまりにも大音量だったため、生を諦めかけていたパヤロワ断章も服を切り裂こうとしていた脱衣拳もハウリングが聞こえた方向へ視線を飛ばす。
そこにはコードギアスのスザクの姿をした男が立っていた。
騒音そしてスザク。書き手ロワ3を読んでいる賢明なる読者諸君ならこの二つで彼の正体が分かるだろう。
歩く拡声器のジンクス。オールロワ書き手のカラオケボックス……じゃねぇや
カラオケボイスだ。
カラオケボイスは断章の側へと駆け寄る。
「そこの君!早く逃げるんだ!」
「あの…貴方の名前は…」
「は や く 逃 げ る ん だ ! ! !」
「はっ…はいぃぃーっ!」
あまりにも凄い剣幕かつ大声だったため、パヤロワ断章はついKVの言うとおり走り出した。
何者かは分からないが結果的に助かったのだからとにかくよし!
【一日目・朝/サンクチュアリエリア】
【パヤロワ断章@ギャルゲロワ2nd】
【状態】健康 、上着がボロボロ
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品1~3、765プロ所属アイドル候補生用・ステージ衣装セット@THEIDOLM@STER
【思考】
1:新フィールドでパヤパヤ要員を探す
2:南斗脱衣拳伝承者から逃げる(彼女は好きな人を切り裂くのが趣味だと思っている)
3:コリジョン・ナンバーズを探してパヤパヤ展開を狙う
【備考】
※外見は音無小鳥@THEIDOLM@STERです。
■
パヤロワ断章が走り去った後、カラオケボイスと南斗脱衣拳伝承者は対峙していた。
「自分から死亡フラグ立てるなんて馬鹿じゃないかな?」
「生憎と私の能力自体が死亡フラグなのだからな。今更気にしないさ」
「どうしても…どくつもりはないんだね?」
「私は対主催なんでな。君があの子を狙う限り退くつもりは無い」
「ふふふふ、威勢のいい事言ってるけど……戦いになるのかなそれで?
あの子はいきなりの急展開に気付いていなかったみたいだけど」
脱衣拳はカラオケボイスの胸から腹にかけて切り裂かれたような傷を指差す。
かつて
悪魔のフラグ建築士の凶刃にかかってつけられたものだ。
その傷は深刻なものらしく、カラオケボイスの息は乱れ顔色もよくない。
実際カラオケボイスはこうやって立っているのもやっとな状態だった。
脱衣拳は余裕の笑みを浮かべてカラオケボイスに話を持ちかける。
「最後の警告だよ。貴方が邪魔しないと言うなら見逃してあげる
だけど私の邪魔をするのなら貴方には死んでもらうしかないかな」
「答えは……ノゥだ!」
宣戦布告と同時にカラオケボイスが足に力を入れる。
建築士につけられた胸の傷が痛むが彼は必死に堪えて宙に飛び上がる。
そしてまさに奇妙なフォームの跳び蹴りを放とうとする。
「傷を負いながらも戦うか。こういう熱血展開悪くは無いよねえ。
私の邪魔をしたことは許さないけどな!!」
命を賭しながらも自分の前に立ちふさがるカラオケボイスに感服し、
一方の南斗脱衣拳伝承者も跳びあがる。
そして彼女もまた飛び蹴りのポーズを取り、カラオケボイスへと向かっていく。
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
「喰らえ!南斗獄屠拳!!」
跳び蹴りを放つ2つの影が交差する。
その後着地した脱衣拳はスザクの跳び蹴りのダメージに顔を歪める。
そしてニヤリと笑みを浮かべる。
「勝った…」
後を振り向くとカラオケボイスが全身から血を噴出して倒れていた。
南斗獄屠拳。跳び蹴りを放ちすれ違い様に手刀で全身を切り裂くと言う南斗聖拳の奥義だ。
元々動くこと自体無理があったダメージにさらに獄屠拳による駄目押し。
漫画ロワ書き手で無い限り生きてはいまい。
「貴様も強敵(とも)だった……ケンシロウならそういうよね」
カラオケボイスを屠った南斗脱衣拳伝承者は彼に少し敬意を評する。
軽症とはいえ自分にダメージを与えたのだから。北斗の拳のキャラクターは大抵そうする。彼女もそうする。
そして脱衣拳カラオケボイスのデイバッグを回収する。
「フハハハハハハァー!我が脱衣道を阻む者なし!!」
高らかに勝利宣言をすると南斗脱衣拳伝承者はビュンという風を切る音と共にその姿を消した。
【一日目・朝/サンクチュアリエリア】
【南斗脱衣拳伝承者@らき☆ロワ】
【状態】ダメージ(小)、満足感
【装備】DMカード、六芒星の呪縛@
ニコロワ
【道具】支給品一式×2、まふうじの杖@書き手ロワ2nd、イヴのパンツ@ジャンプロワ、陵桜学園のスカート、不明支給品0~2
【思考】基本:ナイスバディーな女性の服を切り裂き脱衣KO。対象外はひっこんでろ。
1:パヤロワ断章を追いかけて脱がせる
2:邪魔する奴は指先一つでダウンさ~♪
※外見は白髪のフェイトです
※南斗聖拳の一派、南斗脱衣拳を修得しています
「生きているのか………」
血の池に沈む私はあれほどのダメージを受けながらも生きていた。
あくまでも辛うじてなのだが。
全身に力を入れても指一つまともに動かすことは出来ず、だんだんと視界もぼやけてくる。
このまま放っておいても自分が死ぬのは明らかだ。
「結局……私は何もできなかったと言うことか……」
私はは感じ取った。
この流れは自分が無駄死にする流れであると。
気になるのは今まで自分と行動していた断崖道のことだ。
恐山で『あんなこと』をされて行き先もバラバラにされて彼女はどうしているだろうか?
元気なことはまずありえない。自分がいなくなってしまえばすぐにでも自殺してしまうそうな少女だ。
大事な時に側にいない自分に腹が立つ。
断崖道を上回るだの完結に導くだの新しい道を見せてやるだの言ったのに……
結局口だけだった。
今だって体は動かず口だけしか動かせない。
ならば、せめて言いたいことだけでも叫ばせてもらおう。
どこにいるか分からない断崖道に届くように、そして私と志をともにして今もなお奮戦している対主催へ、殺し合いに乗るマーダーどもへ。
死にゆく対主催の最後の意地を見せてやる。
声の出力を最大にして叫ばせてもらうとしよう。
殺し合いを止めようとしたあの人のようにな!
「殺し合いは、やーめーろーーーーー!!!!!」
精一杯叫んだその時だった。私の意識が黒く塗りつぶされていったのは。
【カラオケボイス<◆KV/CyGfoz6>@オールロワ 死亡】
※拡声器顔負けのカラオケボイスの咆哮が響きました。どの範囲まで聞こえたかは後の書き手に任せます。
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最終更新:2009年06月29日 21:07