閃光

「グオオオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲヲ!」

血に染まった月を幻視してしまう程に紅き巨龍が咆哮と共に自らを染めるのと同じ色の衝撃波を放つ。
天地乖離す開闢の星《エヌマエリシュ》。
アニロワ2ndに端を発し、今やパロロワ界に知れ渡った英雄王ギルガメッシュの必殺技だ。
一繋がりだった世界を引き裂き、天と地を分かつたという伝説は伊達ではない。
渦巻く真紅の螺旋は、瞬く銀河のように。
そう、銀河。
まさに宙に煌く星のように赫き閃光は何条も何条も巨龍の口や新たに生やした翼の突起から撃ち出されていた。
拡散弾幕エアキャノンとでも称するべきか。
500年以上を生きた吸血鬼を魔力タンクとして抱え込んだ元四国はそれはもう惜しみなくエアをばら撒いている。
せめてもの救いはその巨体とぬいぐるみめいたフォルムゆえに首が短くあまり下向きに稼動しないことか。
要するに比較的広い足元に潜り込んでしまえば安全なのである。
だが、それを許すほどDG細胞は甘くは無かった。

「「ギギ、ギギギギ――」」

モケーレムレンベの足元に隙間なんて無かった。
埋め尽くされているからだ。
長さだけならドラゴンをも上回る数多もの蛇が。
いや、あれは果たして蛇なのだろうか?
有機的な機械でできたボディの頂点に座す頭部は蛇というよりもむしろ――蜂。
複眼に歪な光を浮べ、牙剥く少女の顔はLSロワに登場するQBそのものだった。
違いがあるとすれば本来魔界蟲ソウルビー族の統率者であり、女王蜂である彼女(?)が群れで使役される側に回っているくらいか。

「ギュaaaaアアアアアアアアアアアアアアアアッッッ」

森羅万象あらゆる存在を許さぬ破壊の光を口内から迸らせ、彼女達の女王が再度咆哮する。
真紅の悪魔竜四国。またの名をモケーレムレンベ。
空を制す破壊の弾幕と、地を這いずる暴虐の使徒。
その二つを従えたかの化け物は、まさに女王という名に相応しいだろう。
立ち向かおうにもちょっとやそっとの物語の登場人物では圧倒的な数と威力の暴力に飲み込まれるだけだったであろう。


――されど

「全く。ユーゼフォンを降臨させた私がたかがその程度のクロスオーバーに怯むとでも?」

足りない。

「ふざけんじゃないわよ! 見せてあげるわ、本家本元デビルガンダム初代登場ロワの力って奴を!」

余りにも、足りなさ過ぎる。
空がなんだ? 地がなんだ?
立ち向かうは天地どころか海も宇宙も平行世界すらお手の物のスパロワ書き手なのだ!
この程度の戦力、たかが知れている!!

「ティキリキヤンヤンリキヤンヤン ティキリキヤンヤンアンアンリキ……」

スパロワで最終決戦の幕を切り、今は啖呵を切った書き手、『邪神』が両の腕を広げる。
あろうことかコンバットスーツに包まれた手先を何も無いはずの宙に突っ込んだままでだ。
みしりみしりと空間が走り、あいた穴の中で渦巻く闇がモケーレムレンベ勢とスパロワ書き手達を引きずりこんでいく。
邪神が変身した姿の元ネタ、宇宙刑事ギャバンにおいて登場する亜空間。
怪人たちの能力を3倍に増幅する一種のブラックホール。
上げて落とす、彼女の得意な欝展開を形にしたようなどす黒い世界。
名を――

「魔空空間!」

ドッドオオオオーーン!
邪神の背後で無駄に生じる爆発。
ヒーローものではお馴染みの光景だ。
尚、魔空空間はギャバンの敵側の組織の技術によるものだという突っ込みはこの際無視である。

「悪魔、転生!!」

魔空空間へと誘われたのを確認し、
邪神に続いて修羅王もポーズを取る。
デッビイイイイイル!と叫ぶのが似合いそうなモーションだったが、違う。
正しくは悪魔王の名を冠した並行世界の番人、ディス・アストラナガンが銃神の心臓を解放する時の仕草だ!

「ディスレヴ、オーバードライブッ! 回れ、インフィニティーシリンダー!」

上空に赤き魔方陣が展開され、光が修羅王へと降り注ぐ。
時間にも、空間にも干渉できるティプラー・シリンダーが繋ぐは平行世界。
フォルカを模したその姿に一瞬ガンダムフェイスのキングジェイダーが重なり

―――――――――修羅王、ここに転生を果たす。


「換装、『修羅王』二次スパフォオオオオッム! 名付けて、覚醒の『修羅王』ッ!!」

光の晴れた後には赤かった髪を青く染めたフォルカの姿が。
そう、彼修羅王はスパロワだけでなく二次スパにおいても数多の名作を投下しているのだ!
書き手紹介よりも後の僅かな期間で、かってスパロワに降り立った時のように二次スパの終盤に颯爽と現れた様はまさに再動。
否、覚醒!

「工程一部ショートカット……行くぞ、『世界を止めて』ッ!」

スパロワと同じトリで書いていたことが幸いして使えるようになった二次スパの力を発動させる修羅王。
タイトルが紡がれるが否や再び空中のある一点が罅割れる。
また全てを吸い込む前兆か?
違うっ!
逆だ、逆なのだ!

『GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!』

開いた次元断層がいくつもの異形を吐き出していく。
獣のような鋭い爪と牙。だが決まった形を持たず、一体一体が共通性を見いだせない形。
一匹だけではない。二匹、三匹……亀裂を押し広げ、後から後から湧いてくる。
あっという間もなく、魔空空間を覆い尽くすほどにまで増殖した。
インベーダー……それは全ての生命の敵。ゲッター線を憎み、全ての存在を破壊する宇宙生命体。
それ以外は分からない――対話などできない。ある世界の人類を、絶滅の淵にまで追いやったもの。
そのインベーダーが、言葉の通じない生ある者を無差別に襲うだけの化け物が

「行け、インベーダー達! 敵は蜂頭蛇尾の化け物だ!」

修羅王の命令に忠実に従っていた。
指令を皮切りに動きだしはしたものの、身近にいる邪神達には一切の手出しをしない。
ただただQBヘッドへと突っ込んでいく!!

『GOAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAHHHHHHHHH!!!!』
『疑義疑義ギギギギシャーーーーーーーッッ!!!!』

長身をくねらせ尾と牙で我が身を蝕む蝿どもを押しのけようとするQBヘッド。
だがインベーダー達は膨大な相手の数をも上回る無限と思しき戦力で押し込みにかかる。
加えて邪神が張った魔空空間で戦う以上、スパロワ書き手とその召喚兵器の戦闘力は3倍に底上げされるのだ。
LSパワーが主体のQBヘッドが勝てるわけがない!

「ううぅうぅうぅうぅぅぅぅぅーー☆」

徐々に押されて行く手下の不甲斐なさに不気味なのか間が抜けているのか分からない奇声を上げるモケーレムベンベ。
戦況を立て直さんと無数の弾幕を射出し出すがもう遅い。

「喚くな、DGもどきが。いや……違うか」

発射したエアの光が万物の侵入を阻む弾幕となるよりも速くその男が戦場を突き抜けて来ていたのだから。

「最終回で住人どもを阿鼻叫喚に陥れたあの男への手向けだ。
 もっと、もっと、盛大に悲鳴を上げろおおおおおおおおッ!!」

ロワ界広しといえど質・執筆速度・超展開の三拍子の揃い具合でこの男に勝てるものはいないだろうとさえ称される男、『超神』
そのトリ◆ncKvmqq0Bsがスパロワ内で公に初めて使用された作品こそが、奇しくもデビルガンダムとの最終決戦!

「チャージ、全ての人の魂の戦い(2) ……」

ゼストのボディが揺らぎマジンカイザーへと姿を変え発光し出す。
胸から頭へ、腕へ、脚へ、全身へ。

魔神皇帝の身体を覆った光はそれでも足りないとばかりに天へと昇りいく柱となる。
その極光が放つ熱量たるやすさまじく、モケーレムレンベが振り下ろした大剣が一瞬にして蒸発した程だ。
それ程の威力ですら下準備。
全てを滅する一撃はここから始まる!

「全ての人の魂の戦い(3)………さぁ……」

この時、モケーレムベンベが体勢を建て直し、魔空空間へ攻撃をしようとしていた。
固有結界をも穿ちぬくエアの一撃なら魔空空間を解除し、逃走を容易くすることも難しくはなかっただろう。
しかし、

「やらせない!」

電子聖獣ドルがスクリューアタックを仕掛け、そのまま口内に栓をする形でエア発射口へと突っ込む。
出て行く先を失ったエヌマエリシュのエネルギーが体内で駆け巡りドルごとモケーレムベンベの頭部を吹っ飛ばす。
急ぎ再生するも、無駄だ。
エヌマエリシュとは比べ物にならない破壊の奔流が迫ってきていたのだから!

「……虚無に!還れ!とどめぇ―――!!」

時間逆行を引き起こすことによって、目標物の時空連続体を破壊し、その存在を抹消する時空間兵器、アイン・ソフ・オウル。
フルチャージした光子力を上乗せした閃光が赤き龍に向かって飛ぶ。
言うに及ばずただでさえ強力なこの攻撃までもがその途中で3倍へと膨れ上がった。

「ぎゃあああああおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
 たああああああああべええええちゃあああああぁあぁあうぅうぅうぅうぅぅぅぅぅ
 ぞおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」

それでも生を諦めきれぬのか、はたまた今まで散々ネタにされ続けた恨みからか。
四国のなれの果ては己が言葉通りに巨大な口を開けアイン・オフ・ソウルを取り込もうとする。
DG細胞の特性上可能性はゼロではないが、正直無謀な行動だった。
開いた大口から撃ち出したエアで僅かに威力を削ぎ、瞬殺は逃れたモケーレムレンベ。
しかし、再生するよりも速く、吸収するよりも速く、消滅の光が龍の全身を蹂躙していき。




そのとき、『時』が来た。





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スパロワだよ! 全員集合! 『邪神』 超重次元戦奏曲
スパロワだよ! 全員集合! 『超神』 超重次元戦奏曲
スパロワだよ! 全員集合! 『修羅王』 超重次元戦奏曲
その名はモケーレムベンベ 【破転】ワンキュー 超重次元戦奏曲

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最終更新:2009年07月22日 17:32
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