スパロワだよ! 全員集合!

ツインテールの少女とディフォルメ体型のウルトラマンが息を切らせながら走っていく。
彼らの背後には鳴動しながら形を変えていく巨大な島が見える。
それは四国をミニチュア化した島だ。
だがミニチュアといっても大きさは数キロほどもある。
それは今、背後の大地に垂直に突き立ち雲をつきぬけ、頂点は霞んで見えない。
それほどまでに巨大だということだ。
そこに更なる轟音が響いた。
走る二人はその音に身をすくめ、そして何事かと後ろを振り返る。

「な、なんでやんすかー!?」
「あれ……乖離剣!?」

二人のうち、少女の名は邪神。スパロワ書き手であり、その中で活躍したミオ・サスガの姿をしている。
もう一人のウル忍エースはボンボンロワ書き手であった。
見れば凄まじいエネルギーの渦が四国を破壊し、それによって全長数キロの岩塊が真っ二つに砕け折れる。
その上側の破片が地面に激突。
その度に激しい地響きが邪神たちを襲う。

「うわわわわわあわわわわ死ぬ死ぬ死ぬでやんすぅぅぅぅ!!」
「うっさいとにかく走れ!」

パニックの極地といった具合のエースよりは、邪神はまだ冷静であった。
だがこの局面で何が出来るかは別。今はとにかく逃げの一手だ。


「――ッッ!?」


首筋に悪寒が走る。
エースに檄を飛ばし自らも走り出そうとした刹那、邪神の直感におぞましい感覚が湧き上がった。
背後の崩れかけた四国を見やる。

「今の……」

スパロワにおいてデビルガンダムのコアとなったミオの姿ゆえか。
すさまじく恐ろしい気配がする。
このままにしておけば何か致命的なことがおきてしまうような……。
まさか――、

「おい! お前、ミオか! ミオ・サスガか!?」

相変わらずの断続的な地響きの音を裂いて、一つの叫びがミオの耳に届いたのはその直後だった。
その方向へと振り返ると、そこには赤い髪の青年がいた。
目つきの鋭い男と共にこちらを見ている。

「フォルカ!? ってことはうちの書き手さん!」
「やっぱりそうか! 俺は修羅王! スパロワ書き手だ! はやく逃げないとデビルガンダムが暴れだすぞ!!」

デビルガンダム――その言葉を聞いて邪神の表情が凍りつく。

「ちょっと待ってよ!? まだ第一放送直後だってのに何でそんなぶっちぎりクライマックスになってんのよ!
 つーか誰よあんなデカブツのフラグおったてた馬鹿は!?」
「フラグを……立てた!?」

えらい剣幕で修羅王にむかって怒鳴る邪神の言葉に、なぜか横の男が反応した。
黒髪をオールバックにした目つきの悪い男。るろうに剣心の斉藤一だ。

ジャンプロワの書き手だろうか。それとも剣客か?
あそこに斉藤いたっけ?

「お、おい、何をそんなに怒ってるんだ? とにかくここは危険だからひとまず逃げよう!」
「そ、そうでやんす! あっしは瓦礫に潰されて死ぬのはいやでやんす!」

エースの人と修羅王がたじたじになりながらも反論するが知ったことではない。
邪神はその言葉を無視して、ずい、と険のありまくるその顔を近づけた。

「そんなモン、アンタが打ち返せばいいでしょフォルカなんだから。で、原因はどうせDG細胞だろうけど、そんなもんアレにぶち込んだのは、だ・れ・よ?」
「い、いや……俺の支給品なんだが……あれを投げたのは俺じゃない、俺じゃないぞ!」
「じゃあ、誰ッッ!?」
「こ、こいつだ……」

修羅王がKを指差した。
斉藤一の姿をしたそいつはなにやら青ざめた顔でぶつぶつと呟いているが知ったことか。

「ちょっとアンタ、どーゆーつもりよ! 馬鹿か、ばーか、ばっかじゃないの!? またはアホかぁっ!!」
「俺が……フラグを立てた……!?」
「そーよ、あんたのせーよ! あんたの投げたアレのせいで、あいつはどんどん色んなものを取り込んでロワも何もめちゃくちゃになるわ!
 うちのロワがあれをどうにかするのにどんだけ苦労したと思ってんのよボケナス!」
「そんな……俺が……」

いくら怒鳴りつけても要領を得ないKをいい加減ぶん殴ってやろうかと邪神が考えたその時、修羅王が横から割って入ってきた。

「ま、まってくれ。そいつはそんなつもりではなくてだな。四国がこのままじゃ倒れそうになるからそのフラグを折るために……」
「そんなもん倒れただけでせいぜい参加者が数人潰れるだけでしょうが! あの化け物、下手したら他の書き手やら支給品やら吸収してえらいことになるわよ!?
 凄まじい広範囲を巻き込みまくって立つフラグは一つや二つじゃきかないわ! スパロワ書き手ならよっく分かってんでしょうが!!」

スパロワにおいて、かつてDGは五十キロ四方のエリアを一つ丸ごと占拠するほどの大きさとなって一大決戦の中心となったことがある。
その巨大さゆえに、戦う相手は一体だけだというのに、複数の書き手に別々のパートに分かれて予約されるほどであった。
しかもそれを収拾することになる書き手の苦労は尋常ではない。
その証拠に誰もあのパートに手をつけることが出来ず、スパロワ自体が停滞した。
そしてのちにロワのトップ書き手が全身全霊を込めて書き上げた大決戦SSは、当時のパロロワにおいては桁外れの超大作だった。
さらにそこまでした後にはぺんぺん草すら生えない焼け野原がのこっただけ。
死人は多く出たが、一歩間違えればロワが崩壊しかねないピンチだった。
最後までバトルロワイアルを進行することを信条とする邪神にとっては、こんな序盤であんなモノを引っ張り出すなど百害あって一利なしという他ない。
あくまで参加者同士の殺し合いこそがバトロワだ。百歩譲って主催者まで。
次から次へと余計な要素を継ぎ足してスケールだけ無駄に大きくなったところで、完結には一向に近づくことはできないのだ。

「言ってるそばからえらいことになってるでやんすよー! 邪神ちゃん、あっしらも逃げるでやんすー!」
「俺が……俺はフラグを折ろうと……」
「折るつもりなら四国丸ごと叩き折りなさいよまったく……ま、予想通り向こうはえらい事になってるねえ」

エースの人の言葉に振り返ってみれば、デビル四国は予想通りに愉快なことになっているようだ。
ここらで何とかしなければスパロワの二の舞になることは避けられない。
ステルスとしてもうしばらく楽をしたかったが、どうやらそういうわけにはいかないらしい。
邪神は一つの決意を固めた。

「私がアレぶっ倒してくるわ。フォルカは付き合いなさい。あとエースさん、早く逃げたほうがいいよ。あとそこのアンタも」
「……へ?」
「ほら、アンタもスパロワ書き手の端くれならしっかりしてよ。フォルカなんだから山一つ吹っ飛ばすことぐらいはできるでしょ?」
「さりげなく無茶苦茶いってるでやんすー!?」

エースの人の突っ込みは普通なら当然だが、スパロワには当てはまらない。
施設やエリア丸ごとどころか地形そのものを吹っ飛ばしてナンボのロワである。

関東地方が丸ごと納まるほどの巨大な会場では戦術級核爆弾など序の口。
全長20キロの巨大戦艦が墜落してもロワにはなんの支障もない。

「エースさんはそこの斉藤さん連れて逃げて。ほら、フォルカ。ぼさっとすんな」
「お、俺の名前は修羅王だ!」
「ああ、そういえば自己紹介してなかったわ。あたしは邪神」
「あんたがあの……しかしミオは生身では一般人レベルのはずだが……」

心配そうな顔でこちらを見る修羅王。
邪神はそれを見て、ふむ、と頷いてからそれに答えた。

「書き手ロワでは外見なんてあてにならないわ。見せてあげる――――」

右腕を大きく振り上げるように回し、腰だめにした左腕へ。
そこから左腕を前に突き出し、右手は左手首に添える。
腰をひねって身をかがめ、そこから力強く天空へ向かって右手を突き上げた。
叫ぶ。
その、力ある言葉を!




「――――蒸着!!」




刹那、ミオの姿が光の粒子に包まれたかと思うと、そこには白銀と黒のコンバットスーツを纏った戦士の姿があった。
宇宙刑事ギャバンの雄姿だ。
違いがあるとすればそのヘルメット。
その両脇からミオのトレードマークというべき青い髪のツインテールがなびく。
よく見れば小ぶりながらもしっかり胸に二つのふくらみが見てとれ、ウェストからヒップにかけての女性らしいラインもぴっちりしたスーツが浮き立たせている。
宇宙刑事というよりは甲冑姿の女騎士といった風情だった。

「ま、メタルヒロインジャシンちゃんってとこかな?」
「な、なんと……」

あっけにとられる修羅王とエースの人。そしてフラグを立ててしまったことにショックを受けていたKすらも驚愕の表情だった。
宇宙刑事ギャバンがコンバットスーツを蒸着するタイムは、わずか0.05秒に過ぎない。
そして邪神のそれも同様。ゆえに変身は一瞬だ。
よって、読み手の皆さんにも良くわかるように、蒸着プロセスをもう一度見てみよう!


【>●REPEAT】


「――――蒸着!!」


言葉と共に、次元の狭間から超次元光速機ドルギランがその信号を受け、コンバットスーツを即座に転送する。
ここではミオの上空に出現し、まばゆく青白い光の粒子となって降り注いだ。
それを浴びた邪神の服が解けるようにして消えていく。
目を瞑った少女は何かの大いなる力に身を任せるかのように力を抜いている。
少女の肢体はゆっくりくるくると宙を舞う。
そこはすでに現実ではない、光がキラキラと明滅するよくわからない世界である。
輝きに包まれたシルエット。
ほっそりとした首。
決して大きくはないが柔らかな曲線が描くふくらみがその胸に二つ。
その先端にある小さな突起はつんと上を向く。

くびれた腰回りから下、小さいが形のよい丸みを帯びたヒップから更に下。
すらりと伸びた細い脚の更にその先まで、くまなく煌く光に包まれる。
やがて光の粒子は集合し、少女の姿を隠すほどに輝き、やがて白銀の装甲へと変化した。


【>●REPEAT終了】


「さーて、んじゃいくよー! サイバリアァ――ン!!」


邪神の叫びと同時、その上空に亜空間の入り口が開き、その向こうから真紅のサイドカーが舞い降りた。
いや、よく見ればサイドカーにあるべき側車がない。

「さ、修羅王はそこに乗って!」

側車のあるべき位置には座席も何もなく、ただの平らな台座らしきものがあるだけだった。
邪神は少女らしからぬ膂力で修羅王の襟首を掴み、その台座に乗せた。

「え、ちょっと、おい待って……」
「んじゃしゅっぱーつ!!」
「おい、待てって……ぎゃあああああああああああ、落ちるううううううううううう!!」

かろうじて台座の端に掴まった修羅王の絶叫とともに、サイバリアンは邪神のハンドルさばきに従って空中へと飛び出した。
バイクが宙を飛ぶなんておかしい?
飛ぶどころか異次元までかっとびますが何か?

「デビルガンダム……あんなのにはさっさとご退場願おうかしら、ね!」

あんなものはロワの進行には必要ない。
鬱々としたバトルロワイアルの進行を目指すため、邪神は邪魔者の排除を開始する。
すでに進化を始めたデビル四国は、見れば自立移動を始めそうな勢いだ。
まずは足止めか。これ以上広範囲を巻き込めば収拾は更に困難になる。

「電子聖獣ドル――――――――ッッ!!」

掛け声と共に亜空間から召喚されたのは全長300メートルもの大きさを誇る、メカで出来た青の竜。
自立意識を持った電子聖獣ドルだ。

「ドルファイヤー!!」

邪神がターゲットに向かって指を向け叫ぶと同時、竜の口から放たれる爆炎。
無数の触手を焼き払い、元はそこが四国であったことを示す森やビルの残骸を灼熱の空間に包む。
だがこんなのはまだまだ表面だけを焼いたに過ぎない。
本番はこれからだ。

「さあ、修羅王! あんたもやっちゃいなさーい!」
「こうなりゃ自棄だああああああああ!! ――轟覇ッッ!! 機神けぇぇぇぇぇぇぇぇぇん!!!!」

修羅王が拳を振るう。
現れたるは光の龍。
その顎は雲を貫き、遥か彼方の敵を噛み砕く竜砲。
轟音と共に炸裂したエネルギーが爆ぜ、四国が揺れる。
そこへさらにもう一撃。

それは邪神も修羅王も予期せぬ、彼らのさらに上空からの一撃。
それは光。
だがただの光ではない。
あまりに眩く、そして激しく、そこに込められたエネルギーの密度はそれが四国に炸裂した瞬間、明らかになった。
轟音。
だがそれは後から来た。
つまりそれが音を超えた一撃であることを意味する。
灼熱。
邪神と修羅王が離れて見ているだけで肌を焼く熱量。
直撃を受けた四国の五分の一ほどが爆発を起こし、そして焼けただれ落ちる。

「あれは……!!」

邪神は光が放たれた上空、見上げた先にソレを見た。
自分自身の作品が誕生させ、それからリレーの末に圧倒的なカリスマと絶対的な力を身につけた。
パロロワ最強のラスボスといわれた究極カオスなクロスオーバーの結晶。


「超神……!!」


生き残ったスパロワ書き手の全てがここに揃った。



【一日目 朝/バトルフィールドエリア】

『邪神』@スパロワ】
【状態】健康、蒸着状態
【装備】サイバリアン、電子聖獣ドル
【道具】基本支給品、宇宙刑事ギャバンの装備一式@特撮ロワ、不明支給品(『冥王』分)
【思考】 基本:熱血対主催を装い、殺し合いを徹底的に煽る。
1:ロワ進行のため、邪魔な四国を倒す
2:エースをロワに積極的に参加させる
3:スパロワの書き手は警戒。
※コンバットスーツ蒸着可能。ドルギランと、そこに搭載された兵器各種召喚可能。
※外見はスパロボのミオ・サスガ



『超神』@スパロワ】
【状態】:健康、テンション最高潮、絶好調、若干の感傷
【装備】:なし
【持物】:基本支給品(水一本消費)、不明支給品1~3
【思考・行動】
基本思考:ゲームに乗って輝く。輝ければ正直なんでもいい。
1:全開バトル!
2:とりあえずマーダー
【備考】
※CPSの状態に関しては不明。
※『全ての人の魂の戦い』によるDG触手変身は(1)とあるよう小出しした結果です。
  全開で使えばどうなるかは分かりません。
血神ニェノチギャルゲロワ2ndを吸収したため能力が上がっています。
 ニェノチは一応生きているようです

『修羅王』@スパロワ】
【状態】健康。ゾフィーへの激しい憎悪
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品0~2
【思考】基本:対主催。同時に、ゾフィーの登場・活躍フラグを叩き折る。
    0:こうなりゃ自棄だ!
    1:デビル四国を倒す
【備考】※外見はフォルカ・アルバーグ@スパロボです
    ※ゾフィーと同化しました。思考も『修羅王』とゾフィーのものが溶け合い、一つになりました。
     同化によりゾフィー変身後の能力が大幅アップ
     また本人の意思以外ではゾフィーと『修羅王』を引き離すことは不可能です。
     ただしゾフィーの意思は書き手ロワ3中において、二度と表出することはありません。



【K◆kOZX7S8gY.@ジャンプロワ】
【状態】健康、強いショック
【装備】勇者スポポロスの剣@オリ
【道具】支給品一式×2、エリクサー@FFDQ、不明0~4
【思考】基本:旗・即・折。ゾフィーのフラグを折る。
    0:俺がフラグを立てた……
    1:デビル四国から全速力で離れる
【顔】:るろ剣斉藤



エースの一日の人@ボンボンロワ】
【状態】健康
【装備】ゼットセイバー@ロボロワ
【道具】支給品一式(ちなみに支給されてる食料は全てタクワンと梅干し)
【思考】基本:この世界から脱出するべく、仲間を集めゲームに乗る(ロワの趣旨を把握してません)
1:とりあえず、四国を持ち上げる人(ワンキュー)から逃げる
2:『邪神』を守り、共に行動する
※外見はウルトラ忍法帖のエースの姿です。
※タタミカーは四国に吸収されました。

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四国は武器であると同時に施設にもなりました 『邪神』 閃光
『超神』 『超神』 閃光
フラグクラッシャーが本気を出したようです 『修羅王』 閃光
フラグクラッシャーが本気を出したようです K 亜空の軽トラ むっつり・ラナルータ
四国は武器であると同時に施設にもなりました エースの一日の人 亜空の軽トラ むっつり・ラナルータ

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最終更新:2009年07月19日 14:29
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