79 :名無しの紳士提督:2015/02/14(土) 14:43:25 ID:Wi/UTRqY
バレンタインネタ投下します
※
アニメを見たながもんの続き
※非エロ
※多分大丈夫だろうけど、一応アニメのネタバレ注意
提督のアニメ感想
第一話
「建造ドックって鎮守府の外にあるのか」
「棲姫系がいるような海域、完成直後の
駆逐艦をいきなり投入、それを主力の後ろにちょこんと配置、あっ…(察し)」
「吹雪の怯えた表情がレイプ直前にしか見えないのは私の心が汚れているからですかそうですか」
第二話
「安定の赤城」
「一日訓練しただけで走れるようになった四コマ吹雪が優秀なのかアニメ吹雪がポンコツなのか」
「あんなきれいなスクワットできる足腰で艤装が重いとか、戦艦級は北斗の拳みたいな体してるんですね分かりたくないです」
第三話
「大変だ、死亡フラグのバーゲンセールだ」
「こんなの三式弾じゃないわ!ただのロ号弾よ!」
「生還を期せず一矢報いた爆撃機は敵ながら天晴れ。ただ如月提督は泣いていい」
第四話
「よし!金剛抱きついた!さあ長門ぐぬぬってしろ!ぐぬぬってしろ!ぐぬぬって…しなかったよちくしょーめ」
「みんな丸太は持ったな!!行くぞォ!!」
「戦艦は北斗の拳レベルと言ったな。あれはガチだ(二指真空把的な意味で)」
第五話
「吹雪の胃だけを殺す艦隊かよ!」
「おまえそれRJの前でも同じこと言えんの?」
「次回はカレーか。うん?何か忘れて……はっ!」
80 :名無しの紳士提督:2015/02/14(土) 14:46:27 ID:Wi/UTRqY
そして
「ふふん。どうだ提督、かっこいい私の雄姿は」
「ぐぬぬ」
得意げな長門と小さくなっている提督。
賭けは長門の勝ちだった。
「賭けは私の勝ちだな。早速願い事を聞いてもらおうか」
そう言って長門は一枚の紙を差し出す。
アニメの長門が第五話までにながもん化するか否か、この賭けに勝ったら願い事を叶えられる。
その願いが書かれた紙を差し出したわけだが、受け取った提督の目が点になる。
「どうした提督?」
「いや……ごめん。これは引く」
真人間かと問われれば胸を張ってそうだとは言えないと思っている提督であったが、長門の前では聖人君子であると胸を張って言える。
「何と言うか……お前との付き合い方を本気で考え直すレベルに引く」
「なっ!?そこまで言わなくてもいいじゃないか!提督だってよく似たようなこと言うし」
「言わねえよ!俺はまだここまで重症じゃねえよ!!」
問答の末に長門からため息が一つ。
「仕方ない。なら甲案はなしだ。こっちの乙案でいい」
そう言ってもう一枚の紙を差し出す。
心なしか、甲案を出す時より恥じらっている。
「まあ、こっちなら別にいいが」
「本当か!?良かった!」
提督の答えにぱっと長門の顔が明るくなる。
「本当なら甲案を蹴った時点で『これだけはやめて下さい!何でもしますから!』→『ん?』でより鬼畜な丙案を出すつもりだったが、乙案飲んでくれたし良しとしよう」
そんな事を言いながら早速準備に取り掛かる長門。
紙には『手料理の実験台』と書かれていた。
81 :名無しの紳士提督:2015/02/14(土) 14:49:30 ID:Wi/UTRqY
「えっと、まず湯を沸かしてその間に……、いや野菜を切る方が先か」
台所で悪戦苦闘する長門。
『艦娘として以外は壊滅的』という汚名を返上すべく台所に立ったはいいが、不慣れというものは如何ともしがたい。
「これが終わったら次は……、あっ鍋が!!」
絶賛吹きこぼれ中。
「手ごろなサイズに切って……痛っ!」
左手人差し指小破
「うぅ……あっ、具材に血が……火を通せば大丈夫か。なんかヤンデレっぽくていいかもしれん」
衛生面中破
倫理観大破
「なんかイメージと違うが……これで完成だな」
完成した料理を提督のもとに運んでいく。
「さあ出来たぞ!食べてくれ!」
「えーと…これは?」
目の前に並べられた料理にひきつった笑みを浮かべる提督。
白米、味噌汁、冷奴、ここまでは分かる。他に見間違いようのないメニューだ。
肝心なのはその中央に鎮座する謎の皿。
狂気じみていて冒涜的な煮物のような物。
ここからブラックホールが生まれると物理学会に発表しても一定の支持は得られそうなほどの混沌が広がっている。
「これはって……肉じゃがだ」
(これ……食えるのか?)
生唾をのむ提督。見た目はE敗北確定。
「その…ちょっとな……見た目はあれだけど…、味は、味は悪くない筈だぞ……多分」
取り繕うような長門の言葉を聞きながら、提督は覚悟を決める。
(やれる。やれるはずだ。磯風も比叡も耐えた俺ならやれる!)
「…いただきます」
意を決し、名状しがたい肉じゃがのようなものを口に運ぶ。
「……」
「……」
二人の間を沈黙が支配する。
「……ど、どうだ?」
「うん……。美味い」
意外にも見た目のインパクトの割に味は普通だった。
純粋に味だけでいえば少し薄口過ぎる気もするが、見た目とのギャップによってそんな些末なことは気にならない。
「良かった」
不安そうだった長門の顔が無邪気な笑顔に変わる。
頬をほんのり赤らめたその笑顔は、仮に見た目通りの味であってもそれを見るために完食する価値が十分にあった。
82 :名無しの紳士提督:2015/02/14(土) 14:51:41 ID:Wi/UTRqY
「ご馳走様」
「まだデザートもあるぞ」
全て完食した提督に、コーヒーを淹れながらもう一皿進める。
茶菓子用の小さな皿には、一口大のチョコレートがいくつか載っている。
「チョコレートか」
「ああ。今日はその……世間で言う、バレンタイン…だろ?だからその……わ、私も作ってみたんだが……、
買ってきたやつを溶かしただけだから……味に間違いはない…筈だぞ」
恥ずかしそうにもじもじしながらそう言う長門。
「そうか、今日バレンタインか」
提督も少し恥ずかしそうに目を伏せるが、すぐに元に戻る。
恥ずかしがっては駄目だ。折角長門が自分の意思を示してくれたのだ。
「ありがとう」
そう言って、チョコレートを口に入れる。
硬くてもっさりとして油っぽい。溶かすだけと言っても、その溶かすのが難しいというお手本のようなチョコだが、そんな些末なことは気にならない。
チョコが失敗でも、まだ新しい傷や火傷の跡があるその手を見ただけで十分だ。
この日から提督は考えを改めた。
彼の長門は『艦娘として以外は壊滅的』なのではなく『艦娘として以外は若干壊滅的。だが愛おしい』と。
+
|
後書き |
83 :名無しの紳士提督:2015/02/14(土) 14:55:20 ID:Wi/UTRqY
以上スレ汚し失礼しました。
長門で書いたけど伊勢さんのバレンタインボイスが吐血するレベルで可愛い
|
これが気に入ったら……\(`・ω・´)ゞビシッ!! と/
最終更新:2015年05月14日 11:00