人の生む所なり。古の神聖母は、天に感じ而して子を生む。故に天子を称す。女に从い生に从う。生はまた声なり。(説文解字)
姓は、生なり。人が天気を稟ける所、生者の所以なり。律を吹きて姓を定む。故に姓は百を有す。(白虎通)
天子は徳(有徳者)を(諸侯に)建て、生まれに因って以って姓を賜う。これに土を胙い、而してこれに氏を命ず。諸侯は字を以って諡を為し、因って以って族を為す。官、世功有れば、即ち官、族を有す。邑もまたかくの如し。(春秋左氏伝隠公八年)
『春秋左氏伝』や『白虎通』は、古代、聖人や天子が有徳の者に姓を賜ったとする。
漢魏の頃の伝統的な解釈では、人が姓を有するのは、近親者への恩愛を崇ぶ故だという。
親々に厚い愛情を向け、禽獣のような恩義を知らぬ者を遠ざけ、婚姻を別にするために、姓を用いて世に類別をもうけ、生きては相互に愛し、死しては相互に哀し、同姓は娶ることを禁じることによって、みなが人倫を重じるようになる。同族(
宗族)を重んじ倫理観の中心とする当時の観念がここでも貫かれている。
姓は生であり、人が天の気を
稟けて生まれる所以であるとされた。つまり姓は、人の出生によって備わるものであった。
「姓」は、「声(聲)」に通じるものとされた。その人に相応しい姓を求めるには、
五行説が用いられた。人は
五常を含んで生まれ、音もまた
五音(宮、商、角、徴、羽)を有する。古代には、
聖人が
律(竹製の調律楽器)を吹き、その音階を精察して五音×五音で二十五、さらに
四時(四季)を掛けて百とする技法が存在したという。これが
百姓の所以という。
参考文献
『春秋左氏伝』
『白虎通』
「吹律定姓」について : 中國古代姓氏制に關 する一問題(尾形勇)
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最終更新:2016年02月28日 23:04