偽神の書

ゴドーワード
作品名:空の境界
使用者:ゴドーワード・メイデイ = 玄霧 皐月
別呼称:統一言語師(マスター・オブ・バベル)

奈須きのこ作品空の境界に登場する術技。
魔術の一つ。
統一言語を使い、世界全てを知り、世界そのものに催眠をかける




術技についての詳細

統一言語師

  • 言語から全ての人種、民族、思想、信仰、原理を知る
    • 知り得ない人種も語れない言葉も存在しない。
 ゴドーワードの魔術はね、文字通りその言葉にあ
る。彼は現存する全ての人種、部族の言語を把握し
ている。話せるのではなく、その言語が生まれた背
景や信仰、原理から思想の全てを理解している。彼
に語れない言葉はなく、彼が知りえない人種は存在
しない。だが、これは彼が各国を巡礼して学んだ知
識ではないんだ。ゴドーワードは、たった一種類の
言語を学び、その結果として全ての人種の言語を理
解したにすぎない。

言語絶対

  • 世界そのものに言い聞かせることができる
    • 言ったことが真実になる。
    • 世界に存在している者はこの言い聞かせ=催眠に抗えない。
「ただの言語ならそうさ。だが彼のは違う。彼は岩
や獣に自分の意思を言い聞かせる。けれど話しかけ
ている対象は岩や獣ではなく、この世界そのものな
んだ。存在論的なヒエラルキーとして、私個人とい
う物の上に、世界に存在する蒼崎橙子というものが
ある。こちらに話しかけられては、私個人の意思で
はどうしても抗えない。それを否定する事は、つま
り世界に存在する事を拒否するという事だからだ。
言語絶対。彼の言葉はそのまま真実となってしま
う。ゴドーワードというヤツは、万物に共通する最
高の催眠術師なんだよ。

根源接続

  • 世界が記録しているものを引きずり出せる
    • 忘却した個人の記憶=記録など世界が記録しているものを読みとく。
 記憶には人間そのものが記憶している物とは別
に、世界そのものが記録している物がある。アカシ
ックレコードの概念に近いが、あれよりは下位の波
動現象だな。それを理解する方法の一つが統一言語
だ。ゴドーワード……玄霧皐月が忘却した記憶を採
集できるのはそれだ。ヤツは本人の脳が忘れている
記憶からではなく、世界が記録している過去を引き
出す。世界が律儀に録音している様々な過去を聞き
出せるのは、現代ではあの男だけだろうよ。流石は
封印指定を受けた魔術師という所か」


使用者との関連性

変異的な遺伝体質の能力

  • 魔術師の家系でないのに唐突に使えるようになった魔術
    • たった十五歳で統一言語の使い手となり、魔術を覚えて十年で根源に到達したとされる。
      • 妖精の呪い(後述)で失った記憶を取り戻すために統一言語が使えるようにアトラス院に入った。
「まさか。ゴドーワードは何もしない。噂が本当な
ら、彼は決して他人を傷つけない。そもそも彼は魔
術師じゃない。彼には魔術の才能はまったくないん
だ。祖先や両親が魔術師だったわけではなく、鮮花
のような変異的な遺伝体質者さ。鮮花が燃やす事以
外できないように、彼は言語を口にする事しかでき
ない。だが───この手の遺伝体質者は限られた能
力だからこそ、私達のように積み重ねられた血統に
はない領域にまで踏みこめる。ゴドーワードは、そ
の領域にわずか十年で達した怪物だ。(以下略)

妖精の呪い

  • 妖精を皆殺しにしたことで記憶の銘記・記録・保存・再認のうち、再認だけができない呪いを受けた
    • 他人の属性を単語で記録し、情報から他人を認識する。
      • 同じ特徴を持った人間を誤認したり、髪型が変わるだけでその人を認識できなくなる。
「───先生は、妖精に拐かされたんじゃなくて
──」
「ええ。彼らを皆殺しにしたようですね。
 ですが、それがいけなかった。代わりに玄霧皐月
は彼らから呪いを受け取ってしまったんです。
 私はべつに、記憶を忘れてしまったわけじゃな
い。
 玄霧皐月はね、その時から自分の記憶が自分の物
なのかわからなくなっただけなんです。
  • 根源の渦と接続して自分の記録を手に入れようと魔術を学んだ
      • 魔術師の最終目標が使用者にとってはただの通過点。
      • 手にいれたところで自分のものと認められず、アラヤに接続したことで人の心の闇を知り、心を病んだ。
 けれどそれは無意味だった。結局、記憶を取り戻
したところでそれを自分のものと認識できなければ
意味がない。彼の行為は徒労だった。
 そうして目的は変わってしまった。
 わたし達の忘却を巡っているうちに、この人物は
様々な闇を見てきた。十歳のままで止まっている子
供にとって、それはどんな恐怖だっただろう。


元ネタ

偽神(ゴドー)
鋼の大地に登場する人物。銃神、偽神という渾名を持つ。
また「ゴドーを待ちながら」という戯曲があり、名前のみ言及されている
ゴドー(Godot)は神のことを指しているとも解釈される。


関連項目

偽神の書で使用する言語。

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最終更新:2023年08月26日 17:24