+ | 国津21神獣 |
アポストルスの脅威より人類の窮地を救った「絶海の八部神」を含めた各神格獣の内、「世界規模で影響力を保有する」柱達を指す。
時として派閥関係である事、人類にとって友好的な者もいれば危険因子となり得る者も存在する。 歴史上にて破壊と再生が生じる事態に顕現し、人々からの畏怖・崇拝が信仰となり伝承物と変化した経緯を持つ。 それ故か占い事・宗教関連の書物に各神格獣達が記される様になり、周知される存在となった。大半は名称のみ伝えられ、実態は殆ど解明されていないのが現実である。 下記以外の神格獣・上位奇獣は勿論存在するが、世に姿を見せぬ者もいれば敢えて神格獣である事を隠し人間社会に溶け込む者も存在している。 21番目に関しては、その姿すら存在するか不明であり古代文書による伝承しか情報が無いのだと謂う。
フール・アルルカン
「九務前線の長にして【雷帝】の名を兼ねる人馬は儂の事!儂を畏れるか?そうするかは貴様らの勝手ぞ!カカカッ!」
「このド田舎でどうやってSNSをやってるじゃと?ほれ、こうやって電流を流せばチョチョイのチョイじゃ。」
アポストルスの襲撃から人類を救い、今尚も組織頭目として大陸復興を掲げる神格獣。
10代前半の銀髪青肌、派手な服装と喪服調のドレスを好む快楽主義者。 老年男性の様な口調で組織の殆どは部下に任せっきり、そして街を散策しては遊び惚けている。 本来の姿は雷を纏った巨大な黒馬で悪魔と思わせる程の風格を持ち合わせる。 遥か古代、一匹の飢えた馬が奇獣を喰らい本能のままに破壊を尽くした末に「畏怖」という形で信仰が生じ神格化を果たした。 部族・民間人が掲げる文化を鎮守する他、各地に出現する上位奇獣を監視し各公安組織に討伐依頼・自ら出陣する。 500年前に顕現して以来、人類の文化を愛し続け復興の道筋を作ってきた事で他神格獣達からは「道化者」と蔑称されている。 些細な事は全く気にしない、何事も突発的な神格らしい性格であり、時折人類を試そうとする事が多い。 少女の姿は当時自らを恐れずに懐いてきた貴族の娘で、不治の病で亡くなるまで看取ったらしい。 彼女を深く愛するあまり、人間体を彼女そのものにした。「この愛を一つにする」悲願は達成したとの事。 本領発揮した事は無い為、どれ程の戦力であるかは計り知れない。 由来:フール→フルフル(ソロモン72柱)・愚者、馬鹿者(アルカナ)、アルルカン→道化師
クシティ・スヴァー
「嫌じゃ嫌じゃ!儂は働きとうない!そんなモン村の眷属共にやらせれば良いんじゃあ!え?眷属じゃない?あ、はい。」
「悲しいのぉ、人も木々も生死を受けるのは分かっておる。じゃが別れは毎度毎度寂しいものじゃのぉ。」
地元の者達から「山神様」と呼ばれ度々お供え物を貰い、普段はそれを食い繋いで生きている堕落神格獣。
元々は御伽噺の題材とされた「流れ神」と呼ばれる異端神。各地を転々と移り、多国の文化・歴史を本能がままに知り尽くそうとしていた。 大戦後、フールの頼みから荒廃化問題のあったフォルトゥナ州に自然帰化を施しながら山奥に棲み付く事となった。 ディーヴィ村の者達から山神様と親しまれてからは、調子に乗って彼らの親切心に付け込んで気紛れに降りてきては小屋を自らの住処にしている。 村人達からは「顔が良い」と言われており、本人も言葉に乗せられ時折農業の手伝い等をしている。 生活力も自立心もそこまで無い上に自己肯定感の薄い神格で、そこまでメンタルも強くない。 本来の姿は樹木のみで構成された大鹿の姿。その身体から零れ落ちた枝や種は土壌を豊かにし、本来の自然環境に戻す程の力を持つ。 豊穣の力を持つが故、過去に利用の限りを尽くされ多く騙された事があり悲嘆に暮れる事が多かったがそのお人好しは治っていない。 彼に代々付き従う一族が居たが、一番可愛がっていた子の事故死を切っ掛けに一方的に関係を切っている。 例え彼を軽蔑する人類殲滅派の神格獣といえど、誰とでも対等に立つ彼に対し友人として接する者は少なくない。 由来:クシティ→クシティガルバ(菩薩)、スヴァー→薩婆訶(ソワカ)
インベルタ・アグラット
「魔女なんて呼ばれ方、私は嫌いじゃないわよ?」
「興味は無いけど、小動物が居ない森ってつまらないでしょ?だから少しは残しておきたいの、愚かなヒューマーを。」
アラムニス諸島の伝承にて語られる「魔女の女王」の元となった神格獣。
青黒い肌、エメラルドに輝く髪色の妖艶な女性の姿をしており、神格らしく人間の道理など通用しない性格をしている。 気紛れで快楽主義者、攻撃・破壊的な一面を持ち人類を「欲を晴らす手段」としか考えていない。 神格獣の中では数少ない「形態が人型のみ」の珍しい個体で、古来は魔女として数々の悪行を残してきた。 多くの上位奇獣を眷属とし、普段は彼女なりに面白可笑しく過ごしている。 気が向いた際に人に紛れて街へ彷徨い、男を誘惑しては欲望を晴らす事がある。 悪性の神格獣と分類されてはいるが、自らのテリトリーを侵害される際に暴虐を尽くす事から誤解される事が多い。 アポストルス襲撃や戦争が生じた際には気紛れに鎮圧を掛けたりなど、不本意ながら人類を救済したりする。 フールとは折り合いが悪く「少女一人にプライドをへし折られたロリコン」と蔑み、見下している。 由来:インペルタ→インペリアル(最上位、高尚)、アグラット→アグラト(ユダヤ神話に登場する悪魔)
神機母神ヲミナ
「殿下、貴方は貴方の思う平和を望みなさい。その為に私という機能が備わっているのです。」
「イカヅチ、殿下の悪戯にそう憤慨してはなりませんよ。あの子も寂しいのですから。」
「人工知能」の概念が生まれた当初から存在する、機会仕掛けの女性機体が神格化した姿。
文明発展に貢献した初期型人工知能の唯一残存している機体であり、彼女のデータを元に機人種やデュナミスのオリジナルが造られた。 当初は結論を導き出す為の機能のみだったが、神格化に伴い人以上の感情を持ちながら高度知能を兼ね備える事となった。 慈悲深く、古来より継承されている政王の血筋を死守するが為世界の均衡保持を最優先事項と結論している。 自らの導き出した結論が間違いであろうと、政王・人類の存亡に貢献出来るならば多少の犠牲を厭わぬ姿勢を持つ。 神機群雄達の頂点として彼らを使役しており、時代に伴い減っていく眷属達を想う時間が以前より増えている。 生き残った6体の神機群雄達を我が子の様に大切に想っており、一度破壊されれば戻らぬ魂に悲嘆する。 いずれ来る「竜」に備え、人類に尽力している。 由来:母神→地母神・女神、ヲミナ→女性の別呼称
大陸躰のルイン
一つの大陸を制していた自然調和の象徴。
アポストルス襲撃時、「竜」に匹敵する個体と対峙し死闘の末に人類存亡に導いた「救神」と英雄視に近い恩恵を受ける神格獣。 自らが愛してやまない大陸が滅んでしまった事を嘆き、同胞達に全てを託して自らの身体を大陸として永劫の眠りについた。 やがてルインは身体を大陸の土壌として、屍は自然界にとって命の泉として星の快復に貢献する事となった。 身体を放棄した事で彼自身は死んだとされているが、大陸に命が宿っている事を神格獣達は感じ取っておりメルゴール大陸自体が「ルインの心臓」と呼称される。 彼が愛した大陸を見届ける為、フールはこの地の自然保護を目的に九務前線を設立させた。ルインとの悲願を果たす為に。 由来:ルイン→破滅
錬金怪異アルケミア
「この身は我が総力を以て創造した最高傑作の機構だ、お主らと一緒にされては困る!」
「ホムンクルス、また献血をサボっているな?数少ないコラプサー因子の検体だ、フールに止められねば全く・・・。」
現世界の文化発展の要となった古代技術「錬金術」が伝承の誇大化・信仰を経て神格化が為された結果、身体を得て顕現する事が叶った神格獣。
元の身体は水銀の集合体であり、当人の意思で姿形を変えれるものだった。 現在は機人種用の素体を神機群雄同等の性能に向上させた規格外の代物であり、一見すると魅惑的な長身女性の素体で頭上には天使の輪の様な形状で水銀が浮いている。 以前は素性を隠してヌーフの医療者を扮し、コラプサーと密謀してアニムス適性の非常に高いヒューマーの生産を行っていたが「レガトゥス兵開発」が実行されてからは彼と袂を分かった。 自らの望んだ研究が行えないと分かると、当時ロウテツに所属していたナキと協力し咢の開発を実施。不本意であるが大戦時にはレジスタンス達を勝利に導いた。 自らの利益の為ならば、敵味方特に気にしない神格獣らしい考え方であり利用価値が無いと判断すると切り捨てる非情さを持つ。 人体実験を非常に好むが、治療や検査となれば最的確に医療を提供する為、尊敬される事は少ないが信頼はされている様だ。 フール達人類擁護派の神格獣達に念入りに痛く咎められた為、現在は裏切る予定は無いらしい。 由来:アルケミア→錬金術
塞神・禍豊ノ主
「私達の邪魔はしないでね、住処が壊されるなら抗うけど。愛の巣は兄さんも気に入ってるのよ?」
「あんな馬鹿神様、崇拝してる人間達は愚かね。どうせ裏切る癖に。」
歪な鎧を纏った戦士、妖艶な姿をした少女で二体一対の神格獣。
伝承によると、生贄文化の根深い領地の禍豊ノ里に塞神が発生し同時に里は滅んだとされる。 結ばれぬ筈の恋人二人が禁忌を侵し、里ごと犠牲にして神格化を為した事が原因である。 元々は道祖神を造る為の儀式であったが、術式を反転させ神力全ては二人の物となった。 以降は各国を放浪し、上位奇獣を食料としながら人類も含め外敵は全て排除し回っている。 神格獣の事は人間時代から熟知しており、決して干渉しない様に警戒している。 唯一、クシティだけは偶然拉致されていた彼を救う経緯から知り合っており、無難に生きる術を教え込まれている。 男は会話機能は無いが、比較的平和主義で子供などは無条件で助ける事もある。 女は会話可能だが、冷徹な性格をしており人類に対し憎悪を抱えている。 男は気弱な所為か逆らう事は全くなく、女の言いなりである。 由来:塞神→災厄より守る道祖伸より
戦神・黒淵ノ主
「星を蝕むヒトも奇怪な機械共も、滅ぶべきだったのだ。」
「クシティよ、何故ヒトなぞに媚を売るのだ・・・!」
元は原生林に住む猪であったが、界忌種の襲撃で群れを壊滅されながらも復讐心を燃やし神格化した黒淵大国の守護神。
界忌種の死骸を貪り神格化を経た説もあり、捕食本能ではなく「生存本能」に伴う行動が由来とも云われている。 クシティに拾われて彼に付き従っていた頃もあったが、人類を擁護する彼に憤慨し関係を絶った経緯がある。 各地転々とし、数多くのアポストルスを殲滅しまわった事で他神格獣達から一目置かれている。 フールなどの人類擁護派を非難しているが、自然環境保全に働いている事は称賛しており時折協力する事もある。 黒淵大国にて近代化に伴う自然破壊を切っ掛けに大国民との冷戦状態が続いている。 由来:猪→神使
ディエーヴ
「お前達も気の毒だ、神格獣共の価値観は各々で全く違う。我々同士で幾度無く戦争をしたのだ、察しろ。」
「何故だぁ…アイドルの真似事したらメディア共が押し寄せてくる…。おいヴェールハルト!ど”う”に”か”し”ろ”!」
古来より人類擁護派を謡っている、善性に満ちた神格獣。
神格獣信仰の要であり、陰ながら人類達の脅威から身を挺して守護していた。 近年まで決して姿は見せる事は無い事から目撃情報もおろか認知される事も少なく知名度は低い。 神格獣達の中では知名度は非常に高く、古株である事から彼女を頼る者達が多い。 大戦では自らの治療術を最大限に活用し、被災者達の救援、襲撃者達の撃退で死力を尽くした。 信仰者の多い共和国が壊滅状態であった事から仕方なく「聖女様」として顕現し、奇跡を使って多くの者達を救う功績を持つ。 教祖を務めていたヴェールハルトに無茶ぶりを繰り出し難民保護団体設立、孤児院設立を老人に鞭打つ勢いで組織改革を行わせ現在に至る。 表向きは聖女様として広報活動や教会の管理やシスターの育成に励んでおり、フール等の表舞台に立っている神格獣達と会食と称した情報共有を度々行っている。 実力はアグラットに勝るらしいが、当の柱は過激な平和主義者。 人類殲滅派の神格獣達とは勿論険悪な関係であり、過去に幾度無く死闘を繰り広げた事も。 由来:某民間宗教運動
深海の管理者エンティ
男性二人分程の体躯を持つ海蛇に近しい姿をした神格獣。
古来、人類殲滅派で既に骸となった海龍神の肉片から生まれ、バラエナが親代わりとして育てられた。 以前より姿は人類より確認されていたが、観光地として繁栄していたアラムニス諸島の「青鱗の海蛇」と称され度々遭難した船や溺れている者を救ったりしている。 「機構島展開事件」にて海域を荒らされた事を危惧し、バラエナの頼みを受け機構島の周辺に蔓延る純アポストルスの殲滅を図っている。 言葉は発せずとも人類に非常に協力的で共同前線を張り純アポストルス群と対立する。 普段は水棲生物達の言葉全てを理解し交流を深める心穏やかな性格。その為か水棲生物達からの信仰心を受け、「龍神の赤子」と讃えられる。 生まれ元である海龍神は島一つを覆い尽くす程の巨躯であり、災害そのものを扱う他神格獣達も恐れる存在だったが雨神・多岐津に「深淵者」として封印される。 その悲嘆の末に自死し骸を豊穣の要にしたという。 自らも崩壊因子を持つ「蛇神」である事から、竜化する事を非常に恐れている。 由来:エンティ→エンティティ(構成体、存在)より
信託の使者ギズモ
電海支部が活動の要である到達目標である「電子空間」に住まう神格獣の概念から逸脱した一柱。
電子空間よりマナニクスの生成は実施されている説が唱えられており、ギズモの居場所自体は神格獣達も解ってないらしい。 フールによると「マナニクスの産出元であり、だからこそ悟られない事が一番相応しい。コラプサーに奪われるよりはマシだがな。」との事。 万象工学機構の異名を持つマナニクスは神格獣誕生時から存在していた事から、当時からエネルギーの一つとして活用されていた事が証明されている。 これにより人類の文化発展の要となった事から、いつしか「概念」として存在し始めたのではないかと云われている。 伝承では「妖精」と称されているが何故妖精と呼称されたかは不明であり、当時の干渉者達の発言から記されたかさえも考察でしかない。 電海支部局長のエリコは干渉に成功したらしいが、どうやら妖精としう概念からかけ離れているらしい。 機構島深部に存在する心臓部にマナニクスが関連されているらしいが、高等技術によって稼働維持されている事が判明している。 由来:グレムリンより
コリーダ・ナンディ
「燃え尽きよ、愚かな人類共。貴様らは肥料にも餌にもならん、焦土の一部にしてやろう。」
「・・・おい、道化。貴様今私の事をデカブツと呼んだな?」
外見は赤髪の壮麗な女性ながら筋肉質な体躯を持つ、神格獣屈指の戦闘狂。
業火を纏い、巨大な馬頭の巨人幻影を召喚し、全てを焦土と化す力を持つ。 古来より神格獣の神力を利用していた人類と対立し、幾度無く領地単位で殲滅し回った事で擁護派とも衝突してきた過去を持つ。 その事からフールとは領地争い時代から幾度無く死闘を繰り広げており、未だに一色触発の関係である。 「大戦」ではレガトゥス兵殲滅の為進軍しており、目的はあくまで生物群への脅威一掃である事から人類の救済は行っていない。 「神の代行」を自称し、廃墟都市を奇獣達の住処にして力無き生物達の守護者に成り代っている。 擁護派の神格獣達を忌み嫌い、またマディス連邦の軍事庁からは討伐対象とされており過去に衝突した事もあるがいずれも軍事庁の大敗で終わっている。 偏った正義に溺れている事を非難されているが、その事を自覚しており自らの所業を「神域の平定」と信じている。 アポストルス発生時に汚染した雌牛が奇獣化を経て神格を得た姿であり、フールと同じく成り上がり世代である。 由来:コリーダ→闘牛より
メガロ
黒い髪に青黒い肌、赤目で周囲を威圧させる外見を持つ男性人格。
もう一つの姿は現在は既に絶滅されたと云われる「鮫」を思わせる体躯。その身に痛々しい傷痕を残している。 一説によれば深淵者達に棲処を追われ、または捕食対象とされたか不明だが彼らの様に神格獣によって滅んだ生物は少なくはないらしい。 各海域の自然循環を保護しようと奔走しており、彼の思想に賛同した海洋上位奇獣を付き従えている。 彼の正体は機構島で製造された「人工神格獣」であり、最後の生き残りだった鮫の死骸から採取した遺伝子データより各神格獣、コラプサーの遺伝子を組み込んだ末に生まれた。 その事からコラプサー同様に危険因子と扱われていたが、その人格に汚染される事無く「鮫神」として生物達の救済に貢献し続けている。 深淵者達の居場所特定を目的に造られた為、海底への干渉は可能だが勿論忌み嫌っている事から未だに関わった事は無い。 「大戦」にてコラプサーが失踪し、彼に干渉されぬ日々に安堵している。 自らを救った雨神・蛇伎津を崇拝しており、雨神の思想を尊重している。 中立的な立ち位置である事から、他神格獣達とは度々情報交換しており人類と神格獣の衝突を未然に防ぐなど平和的思考を持つ。 由来:メガロ→鮫より
禍神・白九里ノ主
元は山の麓に存在する里を守る山神の一種。渓谷の洞穴に住んでいる。
神格獣程の力は無かったが、山のみならず里の者達の守り神として長年崇拝され続けていた存在。 外見は巨大な百足であれど、白銀に輝く美しい色白に人々は忌避する事は無かった。 非常に温厚な性格をしており、子供に悪戯されても決して怒る事無く迷子がいれば里まで送り届ける等もしていた。 黒淵ノ主も彼の領地に決して触れる事無く、また彼の脅威となる存在は排除する程慕われていた。 領地をも蝕む「超妖力-呪い-生成機構【匣】」が発生した時、充分な神力を持たぬ谷神は匣に絡みつき呪いの伝播を防ぐ事に成功した。 代償に、その身を犠牲にした事で自らも全ての呪いを受ける事となり「禍神」へと変異した。 変異後は決して暴走する事も無く匣に封印を縫い、そのまま眠り続けている。 匣を破壊する為、倭ノ國研究機関と電海支部、天秤の操り手が共同研究を行い解明を続けている。 不毛の地となった山や里を追われた白九里の者達は隣里に移住しているが、再び戻れる事を願っている。 由来:禍神→災厄の神、百足→毘沙門天の百足より
秘境の体躯バラエナ
海そのものが存在していた頃より生きている、伝承でしか確認されていない「概念の鯨」。
巨大島群「バラエナ諸島」がバラエナの一部とされており、巨大故に解明出来ておらず未だに研究中である。 無限に生じる恵まれた自然環境は、バラエナによる恩恵と云われており島民達による「鯨信仰」が浸透している。 「大戦」による星の半分程度の自然破壊が生じた状況下でも、バラエナ諸島はその影響を受ける事は無かった。 過去に大海嘯が発生した事があり、研究によると規則的な発生・決まった周期に予兆も見られる事から呼吸によるものかと考察されている。 現存する神格獣達でバラエナの事は伝承でしか知らぬらしく、ルインと同様に自然化した神格獣とも称されている。 由来:バラエナ→ホッキョククジラより
堕落の巨人ルクス
領土争い時代にフール率いる擁護派に打ち負かされ、以来フールの側近として暴れ回っていた神格獣。
人類を目に留める事は無く、ただ破壊の限りを尽くす事を糧としている。 古代「神の一部」と称される程に平定維持に貢献した神格獣だったが、幾度無い戦争を目の当たりにして環境変異に伴い破壊神へと転身した。 人格は既に崩壊しており、善意の欠片も無い恐ろしい存在となっている。 「大戦」にて深淵者達が来訪区にいる事を知り、フールの制止を振り払い単身で来訪区へと移動し消息を絶った。 外見は神話の巨人族を思わせ、身体を分裂して集団戦闘も可能だが人間サイズに収縮し本来の力そのものを奮う事も可能。 自らの力を極める事以外に一切の興味を持たず、目的の為ならば他神格獣も破壊対象となる危険神格獣。 由来:ルクス→ラテン語で光より
真神・大口ノ主
神格獣の死骸を捕食した生物はアニムス供給に耐えきれず死に至るが、その中で自らの力とし神格化を果たした狼。
領土争い時代に神格化した事で数々の神格獣達に敵視され、死闘の日々を繰り広げフール達と共に平定を為した過去を持つ。 当時は何もかも敵と認識していたが、当時の大口ノ主に後継者を頼まれ山神としての役目を務める。 山神の務めは退屈であったが、里の者達からの崇拝や交流を深め次第に人類擁護の感情を持ち合わせる様になった。 「大戦」でトルテンタンツに拉致された事で前線に出る事となり、エルジナ共和国防衛戦にて民間人を死守し絶命した。 自らの咒核や骸を利用しアセナの武器として人々の救済に貢献している。 大口ノ主の代行者はフールの眷属が務めており、後継者を探している最中である。 近年、上位奇獣となった災厄獣ウィルが蔓延っている最中、大口ノ主に似た気配も確認されている。 由来:真神、大口→狼神より
雨神・蛇伎津
古来、星の脅威となる神格獣達を封印し平定を為した伝説を持つ神格獣。
深淵者となった者達は来訪区へと到達し、亜種誕生の切っ掛けを作る事となった。 所在は神格獣の中でも少数しか知らず、生存しているかさえも不明である。 起きた時には星単位で災厄が招かれ、バラエナ覚醒よりも最悪な状況が予想される。 「管理者」の候補であった事から、竜化を阻止出来ない場合も考えなければならない。 由来:古事記-タギツヒメより
マーナガルム
由来:北欧神話の月を追う狼より
舞神・反閇ノ主
「何故私がお前達の起こした面倒事まで承らねばならんのだ。」
「カーッ!やっぱ汚らしい店で飲む酒は違うのぉ!」
古来、伝承でしか語られなかった不実体上位者を討伐できる数少ない神格獣。
容姿は夜叉を思わせる威圧的な装具を纏うが、壮麗な顔つきで倭ノ美人に並ぶ程。背中に骨のみとなった翼が右側に残存している。 不実体上位者とは、人類が生み出す負の感情が複雑に交差する事で生じる奇獣とは違う概念であり、上位奇獣以上に厄介な存在である。 それらを専門として討伐できるのが、幾度無く死を繰り返した神鳥である彼女である。 彼女が得意とする術は古来に存在していた咒術師が邪気を払い除く為、呪文を唱え大地を踏みしめ千鳥足に歩む咒法。 ヌーフ及びマディス連邦に邪気が蔓延した事で、不本意であるが箱街で産直市場の看板娘として住み着く事となる。 人類は基本的に嫌いであるが、無欲な人間は邪険にせず子供にはめっぽう弱い。時折お菓子をあげる様子が見られる。 ディエーヴの様に素性は明かさず、自由気ままに過ごしている。 由来:反閇→陰陽師が扱う呪術、夜叉→護法善神より
朽果の魔女ベラドンナ
とある大陸に存在する巨大樹木そのものが神格化を果たした自然発生で唯一の神格獣。
神格獣同士の領地争いから焦土と化した事で大規模な飢饉が生じ、辺境地では多くの口減らしが問題化する程だった。 その子供達の魂魄を干渉した事で神格化を施され、能力として子供の姿を得た。 各地を渡り、多くの神格獣達を自然と同化させていき平定へと導いた事から神格獣ほか人類からも周知される様になった。 アポストルス襲撃では応戦し、大地を揺るがし多くのアポストルスを殲滅した。 その後、ルインと共に自らの御神体を土壌の一部としメルゴール大陸再生に貢献した。 今尚も彼女の面影が残っている大樹木はベルナーゼ高原の桜園に存在している。 由来:ベラドンナ→多年草(美しい女性を意味する)より
星喰
来訪区はどの様にして生まれたか。
何故存在するのか。
何故神はこの星を去ったのか。
星だけが知っている。
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