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魑魅魍魎 美食の宴_プロローグ2

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KARASU(2006-10-13)

魑魅魍魎 美食の宴≫プロローグ

遅くなりましたが一応できました。


その日は世界の始まりのような気持ちのよい朝だった。
定食屋「ぎょぎょぎょのぎょ」の主、夜行は、店の前を掃き清めていた。
ざっざっという音だけが響く。
暫し上機嫌で鼻歌(ルビーの指輪)をかましていた夜行だったが、不意に不穏な気配を感じ、西の空を見た。

「嫌な気配がするのう・・・」

ぽつりと呟き、「定休日」の札を下げて店内兼自宅に入り、鍵を掛けた。
そして出してあった食材を全て片付け、一服点てる。
薄暗い店内に差し込む朝日、茶を点てる音。
しかしその落ち着いた朝は無残に破られた。

「オハヨウゴザイマス」

鍵を掛けた筈の店内に、いない筈の妖怪の声がした。

「貴様か」
「お久しぶりですねぇ・・・」

夜行は声のする方に目玉を動かす。

「噂は聞いているぞ。妖怪料理界を引っ掻き回す算段をしておるそうじゃな?」
「さすが、お耳の早い事です」
「まだ若い妖怪に遅れは取らんよ」

ふふふふ、と笑い声。

「そこまでご存知なら話は早い。どうです。店は畳んで、こちらに来ませんか?あなたのような方がこんな所で燻って終わるなんて、勿体無いとは思いませんか」
「断る。ワシはここで満足しておる」
「かつて百鬼夜行とまで言われたあなたが、何て様です」
「ふん、何とでも言うがいいわ。ワシはここで楽隠居しとる方が性に合っとるんじゃよ」
「落ちたものですね」
「貴様こそ、」

夜行はずずずと茶を啜る。

「何が目的でそこまで落ちた。三凶がそこまで憎いか?」
「まさか。私の目的はそんな所にはありません。彼等は目障りですが・・・正直言って、どうでもいい。そんな事より、今はあなたです」
「ふん、だから手元に置いておこうという腹か。浅いな、若造」
「これは手厳しい」
「ワシはこの生活を気に入っておると言ったろう。それに、ワシは博打は嫌いじゃ」
「・・・わかりました。仕方ありませんね。もし・・・気が変わったらいつでも歓迎致します。ですが・・・後悔だけは、なさらないよう・・・」

意味深な言葉を残して、それきり声はしなくなった。
夜行は表に塩を撒き、どこかに電話を掛けた。


謎の広告が出たのは、その翌日だった。


ちょびっと削って載せました。
ああ意味不明。


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