shion(2006-10-14)
≪魑魅魍魎 美食の宴≫プロローグ
妖怪料理界にもたらされた衝撃は、黒塚亭の女将も、風の噂で、・・・いや、風の神の噂で聞き知っていた。
「ふぅむ、誰の策略かねぇ・・・。
二、三の心当たりはあるが・・・おそらく、この間のと同じ類の輩だろうよ・・・」
二、三の心当たりはあるが・・・おそらく、この間のと同じ類の輩だろうよ・・・」
鬼婆はいつものように包丁を研いでいる。
その姿は、これから起こるであろう事態を予測し、武器を研ぎ澄ましているかのようでもあった。
その姿は、これから起こるであろう事態を予測し、武器を研ぎ澄ましているかのようでもあった。
「大きな嵐が来そうだねぇ・・・リウマチが痛む気がするよ・・・。
それにしても今度の奴は、どのくらい掻き乱してくれるんだい?
暇つぶしには、なるんだろうねぇ?」
それにしても今度の奴は、どのくらい掻き乱してくれるんだい?
暇つぶしには、なるんだろうねぇ?」
外では、番犬のケルベロスが低く唸り声を立てていた。
「こういう時の為に子飼いにしておいた奴等を、そろそろ呼び戻してみようかね・・・」
女将は、たった今情報を伝えてくれた風の神を横目で見ながら、あんかけにしようかと思案を巡らせるのだった。