KARASU(2006-11-25)
≪魑魅魍魎 美食の宴≫ 第二章 天狐
そして狐達は、金色の油揚げを食べていた。
木陰に隠れた伝吉は、策を練っていた。
元元、力よりも策謀で認められている伝吉である。
古今の策謀の十や二十はあっという間に思い付く。
その中から一番良さそうなものを選んで、女に化けた。
元元、力よりも策謀で認められている伝吉である。
古今の策謀の十や二十はあっという間に思い付く。
その中から一番良さそうなものを選んで、女に化けた。
先頭は見送り、最後尾に程近い狐の前に倒れ掛かる。
「おい、どうした!?」
「気分が悪く・・・。相済みませんが、家まで送って頂けませんか・・・」
「気分が悪く・・・。相済みませんが、家まで送って頂けませんか・・・」
狐が仕事と親切を天秤にかけて困惑した瞬間、伝吉は手刀を首に落とした。
狐はころりと気絶する。
狐はころりと気絶する。
「もし、どうなさいました!?」
殊更大きな声で言うと、どやどやと狐達が集まってくる。
隊の、約半分。
その中には銀次組のナンバー2、灰児もいる。
隊の、約半分。
その中には銀次組のナンバー2、灰児もいる。
「女、どうした?」
「私がこの方に倒れ掛かってしまい、打ち所が悪かったのか気を失ってしまわれました」
「情けねえな!」
「私がこの方に倒れ掛かってしまい、打ち所が悪かったのか気を失ってしまわれました」
「情けねえな!」
口口に言いながらも、一様に心配している。
伝吉は気化する眠り薬を撒いて、介抱する振りをして薬を吸わないように屈んだ。
ぱたぱたと狐達が倒れていく。
あと半分、と伝吉はほくそ笑む。
ぱたぱたと狐達が倒れていく。
あと半分、と伝吉はほくそ笑む。
「おい、灰児達どうした?」
銀次はふと組員が減っているのに気付いた。
「あれ、そういや・・・」
隊が戸惑いながら止まる。
と、後ろから女(つまり伝吉)が追い掛けて来た。
と、後ろから女(つまり伝吉)が追い掛けて来た。
「銀次組の銀次さんとお見受け致します」
「そうだが、何の用だ!」
「そう大声を出さないでおくんなまし。貴方様の隊の方が、転んでお怪我をなさいましたので我が家で介抱しております」
「そうだが、何の用だ!」
「そう大声を出さないでおくんなまし。貴方様の隊の方が、転んでお怪我をなさいましたので我が家で介抱しております」
それを聞いて銀次は身体の力を抜いた。
その瞬間、伝吉は直に眠り薬を嗅がして銀次を眠らせる。
頭が崩れてしまえば後は簡単で、銀次組は全滅した。
その瞬間、伝吉は直に眠り薬を嗅がして銀次を眠らせる。
頭が崩れてしまえば後は簡単で、銀次組は全滅した。
朝、銀次組の面々が目覚めると、呪塚の駅の構内に、ホームレスよろしく寝転がっていた。
財布など金目の物は盗られていて、帰るのにも金が無くて警察のお世話になる事になった。
財布など金目の物は盗られていて、帰るのにも金が無くて警察のお世話になる事になった。