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燃料生産地 - (2007/05/06 (日) 00:04:45) のソース
#contents() *燃料生産地 名称:・燃料生産地(施設) 要点:・油田・精錬所 周辺環境:・人里はなれた自然 評価:- 特殊:なし ・毎ターン燃料+15万tされる。 →次のアイドレス:燃料精錬所(施設)、海軍兵站システム(技術)、燃料気化爆弾(技術) **イラスト #ref(燃料.jpg) #ref(mogura.gif) #ref(IMG_000079.jpg) **文章 その日、キノウツン首脳会議は紛糾していた。 現在の国の資産問題が浮き彫りになっていたのだ。 ほとんどの資産が少ない中、特出して減る一方の物があった。 そう、燃料である。 「ねえ、なんとかならないの、浅田?」 ツンが尋ねると、複数の作業をこなしていた、お付きのメイド兼摂政(なったばかり)の浅田はあわてふためいて答えた。 「どどどどうしましょツン様ー!」 浅田は他の作業に終われて手一杯だった。 摂政になったばかりで、まだ仕事に慣れていないのである。 その横で浅田の手伝いをしつつ、お茶を啜る男が一人。 ダメな方の摂政、アシタスナオである。 「ほらほら浅田ちゃん、ここはこうだよー。 それにしてもあわててるのも可愛いね、どう、今度夜明けのコーヒーでも(以下略」 わなわなと拳を振るわせるツン。 「セクハラしてる場合があったら、さっさとなんとかしなさーい!」 「ギャースガガッガー!」 ツンに可愛らしいパンチでたたき出され、 作業着と発掘道具を渡されたアシタスナオは、しぶしぶ燃料探しに行くのであった。 「さて、そうはいっても、どうしたものか・・・」 キノウツンの城壁内は、すでにあらかた探しつくした。 こうなると、人の住まない城壁の外しかないではないか。 ならば、城壁の外、広大な自然である砂漠を掘ってみる事としよう。 それならば、とアシタスナオは自室から怪しげなものを取り出してきた。 「ファーファーファー、これこそは私の最新発明。その名も「モール8号」! コレさえあれば、この砂漠を掘り進む事も容易なのだよ!」 そういって、モグラのきぐるみをきたアシタスナオが現れた。 早速電源を入れて砂漠を掘り始める。 「スイッチオン!」軽快なペースで掘り進むアシタスナオ。 「わははは、この調子ならすぐに(プスン)・・・あれ?」 きぐるみが急停止したと思ったら、今度は急発進で潜り始めたでは無いか。 「あばばばば、だれか助けてー、ヒャー」 その日、アシタスナオは帰ってこなかった。 ~その頃~ 「アシタさん、かえって来ませんね・・・」仕事が片付いた浅田がつぶやく。 「ちょっと遅いわねぇ・・・ち、違うんだからね! 心配なんかじゃないんだからね!?」 照れ隠しをするツンを、浅田はうっとりと見つめていた。 その三日後、砂漠に大きな水柱があがった。 調べに行くと、そこには目を回したアシタスナオが居た。 話を聞けば、三日間装置が止まらず掘り続けたら、油田を掘り当てたという。 この油はとても透き通った透明で、油田横に作られた精錬所で精錬すると、その色を変えた。 精錬の仕方にもよるが、白色になった油は、汚れを落とす効果もあったという。 ツンはこの油を、「ライゲツ油」となづけた。通称ライ油である。(ラー油ではない) なお、掘り続けてくたくたになったアシタスナオは、 医務室のベッドに横たわっていたところを、浅田に襲撃されていた。 セクハラのうらみとは怖いものである。 結局その晩、アシタスナオは浅田にたっぷりと(痛い)御奉仕をされ、入院が長引く事となった。 ぴとん、ぴとん、と一滴一滴黒い雫が垂れている。 ライゲツ油を精錬する時に出る不純物の塊である。 精錬所の施設で一滴一滴落ちる雫を見ながらキノウ=ツンは考えていた。 長く続くこの戦争で多くの民衆が疲弊している。表面上は皆明るく振舞っていてもいつ終わるとも判らない戦いへの緊張が心や体を蝕んでいる。 何故、誰も彼も戦いを続けるのだろう。どうして戦いは終わらないのだろう。 この油田から産出される燃料だって本来なら燃料の不足している地域を救えるのに、まず戦闘のために使わなければなければならない 戦うから終わらないのか、終わらせるために戦うのではいけないのか。答えの出ない問答がぐるぐると頭の中を回る。 そして皮肉な事に、彼女自身キノウツン藩国を率いて国民を守るために戦っている身なのだ。 一体オーマだとか地べた摺りだとかに何の違いがあるのだろう。この油みたいに最初は同じものだったのかもしれないのに。 ふと、壁にかかっている時計を見る。もうすぐここを出て政庁に戻らなければならない時間だ。 浅田やアシタが仕事を抱えて待っているだろう。 キノウ=ツンは椅子から立ち上がると振り返らずに部屋を出て行った。 雫は落ち続ける。時間も止まることなく動いていく。 イラスト(庄津K太郎)(KATZE)(キノウ=ツン) 文章(アシタスナオ)(高原鋼一郎)