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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある2人の放課後喫茶店/Part01 - (2012/02/06 (月) 23:52:33) の1つ前との変更点
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#navi(上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある二人の放課後喫茶店)
日常編
「いらっしゃいませ~」
まだまだ残暑厳しい9月初旬、平日の午後。
ここは第7学区の表通りに面した瀟洒な喫茶店。
その窓際のいつもの席。
「すまん、待たせたか?」
と遅れてきた少年、上条当麻。
「少しね。だから今日はアンタの奢りってことでよろしく」
さも待ちくたびれたかのように、グラスのジュースをストローで飲む御坂美琴。
いつの頃からか、2人は時々こうしてこの店のこの席で待ち合わせるようになった。
「げっ……マジで?」
そう言って一瞬固まった上条。
その顔をちらりと見て、にやりとする美琴。
「マジで! それとも何? また罰ゲー……」
「わかりましたっ! お願いだからそれ以上言わないで」
そう言って椅子にへたり込んだ上条は、近づいてきた店員に「アイスコーヒー」とだけ伝えると、そのままテーブルに突っ伏した。
「何へばってるのよ」
「また朝からいつもの不幸続きって言うか、トラブル続きでさ。今日はほんと、呑まず食わずなんだよ」
「ふうん……」
「で、今日は5時にタイムセールだから、それまでの時間つぶしだぞ」
ふうっとため息をついて、お腹をさすっている上条。
その姿を横目に、いつものように柔らかな笑みを浮かべる美琴。
「でもアンタ、それでアイスコーヒーだけって、お腹空かないの?」
「しゃあねえよ。貧乏な上条さんは一番安いメニューしか頼めませんのことよ? はぁ、腹減った……」
上条のその言葉に、少し逡巡していたような表情の美琴が、やがて意を決したように、おずおずと切り出した。
「――ねえ。だったら今から晩御飯作ってあげよっか? ここの奢りのお礼ってことで」
「え? でもお前、料理出来たの?」
「あたりまえじゃない! 心配なら実際に食べてみなさいよ。――じゃこの後、食材買い出しに行くからね!」
「っていうか、お前が料理するのって決定なのか?」
「いいの! わ、私の料理の練習だと思って、付き合いなさいよ。あの子の分も含めて試食付き、食材費負担無しってことでオッケー?」
「それでもなあ。なんか気が引けるっていうか……」
「――ダメ?」
「――ダメじゃないです……」
美琴から上目遣いに迫られて、上条はあっさり陥落する。
テーブルの下でグッとガッツポーズを決めた美琴だった。
「それじゃ、今日のセールの目玉を教えなさいよ」
「えっ? お前、そっちも行ってくれるのか?」
本当に? と何かを期待するような表情の上条。
そんな彼の気持ちを見透かしたかのように、美琴はさも当然と言った顔をする。
「当然じゃない。アンタもどうせ、今日のセールでメニューを考えるんでしょ?」
「まあそうなんだけどさ。――今日は鶏もも肉おひとり様2パック限り150円と、キャベツ1個限り78円。それと卵1パックで68円だな」
「2人で行けば余分に買えるわよね? メニューは……、卵と鶏肉なら親子丼といきたいところだけど、キャベツがあるから、鶏のから揚げでどうかしら?」
「異存ございません。ていうか、お前、セールなんて初めてじゃないのか?」
「だからそっちはアンタに任せるわよ。私はそれ以外の買い物をするから。揚げ油とか、から揚げ粉とかもいるでしょ? それにあの子のおやつだって」
「――俺、今週、ホントに金、無いんだよ……」
ため息と共に、がっくり肩を落とす上条。
そんな彼を慰めるかのように、美琴が声をかけた。
「気にしないで。今日の買い物代ぐらい私が出すわよ。追加したってそう変わらないんだし。それよりアンタは黙って食べてさえくれればいいのっ!」
「でもやっぱりなぁ。ちょっと気が引けるというか……。でもまあ、お前がそこまで言うのならいいか」
「なによ。私の料理じゃ不満なわけ?」
「いや違うって。あーわかったからそんなにビリビリすんじゃねえ!」
「ふんっ。なんならアンタの分、全部あの子にあげちゃってもいいんだけどぉ?」
「お奉行さまーー! お慈悲ーー! はらぺこのままで寝るのはご勘弁ーー!」
そんな上条のリアクションに、くすっと笑う美琴。
彼女のいつもの笑顔に、つられた上条の顔にも笑顔が浮かぶ。
「そんなに気が引けるんだったら、今度の休みの日にちょっと付き合ってよ」
「ほほう。ミコっちゃんは上条さんにカラダで返せと?」
「っ!? カッ、カカ、カラダでってアンタっ! ばっ、馬鹿なこと言ってんじゃないわよっ!! それにミコっちゃん言うな!!」
上条の言葉に、真っ赤になる美琴。
そんな彼女を見て、にやにやとする上条。
「わははは。ま、ご飯のお礼に、どこへでもお供しますよ、わんわん!」
「わんわん、じゃないわよ。アンタは桃太郎の家来かっての、まったく。――もう、人の気も知らないで……」
「ん? なんか言ったか?」
「言ってませーん。それはそうと、そろそろ行かないと間に合わなくなるわよ?」
「んだな。じゃ、そろそろ行くとしますか」
わいわいと言いながら、肩を並べて店を出て行く上条と美琴。
「ありがとうございましたー」
そこは2人の馴染みの喫茶店。
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