とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/未来からの来訪者/Part02

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~1st day かみことしょ~


スーパーで買い物を済ませた三人は無事に―――訂正、不幸体質で食材をダメにしかけたのを美琴が
フォローしたりしながら、何とか上条の寮までたどり着いた。
食欲魔神もとい、白い修道女のことを考えて材料は多めに買ってある。

「ただいま」

「おかえり、とうま。みこともいらっしゃいなんだよ」

「おじゃまします」

玄関ドアを開けると真っ白な修道服を身に纏ったインデックスが笑顔で出迎える。
そんな様子の彼女を見て昨日の今日で強いなと美琴は思う。
インデックスも上条のことを男性として好きだった一人だ。
しかし、彼女は上条自身も昨日まで気付かなかった上条の中にあった美琴への思いにいち早く気付き、
また真っ直ぐな美琴を好きになり、二人の進む幸せな未来を見たいと思った。
そしてそれこそが自分の幸せなのだと。
心から好きだった少年を自分に託す。
辛くないことはないはずなのに、普段通りの態度に美琴は感謝した。

「とうま」

不意にインデックスの顔が曇る。
上条と美琴の後ろにいる麻琴を見てから視線を上条に向けた。
目を細め、ガチガチと白い歯を噛み合わせ臨戦態勢だ。

「イ、インデックスさん? なぜにそんなに不機嫌なんでせう?」

引きつった顔で上条がじりじりと後退する。
これは間違いなく噛み付かれる。
上条の本能がそう叫んでいる。

「昨日、とうまはみことと一緒に幸せになるって、一生共に歩むって誓ったのに……舌の根も乾かな
いうちに他の女連れ込むなんて信じられないんだよ!!」

「ま、待てインデックス。話せばわかる、話せbぎゃぁぁぁぁぁぁ、不幸だーーーー!」

その後、美琴と麻琴が事情を説明し終わるまで上条は噛み付かれたままだった。
話を聞いてくれたっていいじゃないか、不幸だ。などと上条が言っていたが、この際気にしないでお
こう。

「とうまとみことの子供だなんてびっくりなんだよ。でも、まことには悪いけど時間を行き来する術
なんて私も知らないんだよ」

インデックスがしゅんとうつむいてしまう。
せっかく頼ってもらえたのに役に立てなかったことが申し訳ないのだろう。

「まぁ、そんなにあっさりと解決するとは思ってなかったしね。気にしないで」

慰めるように麻琴が笑顔で答える。
麻琴の優しさに、インデックスも笑顔を返した。
これが麻琴の中の何かを刺激した。

「それにしても……小さいインデックスさんかわいい~!」

突然、インデックスに後ろからがばっと抱きつき、瞳をきらきら輝かせながら撫で回したり頬擦りし
たりしている。
一瞬驚きに身を強張らせたインデックスだったが、すぐに我を取り戻しそれに抗うように手足をばた
つかせ、麻琴の抱きつきから逃れようとしている。
このあまりにも突然の出来事に上条と美琴は反応が遅れてしまう。

「ちょっ…まこと離してほしいんだよ! 私はぬいぐるみじゃないんだよ! とうま、みこと見てな
いで助けてほしいかも!」

「いや~。あの綺麗で厳かなまさにシスターな感じのインデックスさんが、ちっちゃくて反応が面白
かわぃ~!」

インデックスの抗議の声も無視して、麻琴はきゃあきゃあ言いながら愛でるのをやめない。
助けを求められた上条はと言えば、どう対処したらいいのかわからず立ち尽くしているだけだった。
役に立たない父親(予定)だ。
そんな未来の娘の暴走を止めたのは母親(予定)の美琴だった。
ペシっと軽く麻琴の頭をはたく。

「あぅ」

「ったく。インデックス嫌がってるでしょ。いい加減やめなさい」

「ふぇっ! ご、ごめんインデックスさん。あたしの時代とのギャップが凄くて我を失ってたわ……」

今の一撃で我を取り戻した麻琴が、あわててインデックスを解放する。
麻琴の魔の手から逃れたインデックスは精神的な疲労のためか、ぐったりとしていた。


「さてと、そろそろカレー作らないとね」

「カレー!? 今日は豪勢なんだよ!!」

美琴の発言にぐたっとしていたインデックスが勢いよく身を起こした。
先ほどまでの疲労感を湛えた雰囲気はどこ吹く風か、やたらとハイテンションで目を輝かせている。
そんな様子に苦笑を浮かべつつ、美琴はキッチンに向かう。
普段は上条が愛用しているエプロンを身に付けると、てきぱきと準備をはじめる。
上条が普段使っているものを自分が身に付けているからか、なんだか彼に包まれているようで美琴の
幸せ指数が跳ね上がる。
少しふにゃっとなりそうだったが、どうにか堪えた。
こんな所でふにゃるわけにはいかない。
なぜならば、彼に自分の手料理を食べさせると言うビッグイベントが待ち構えているからだ。
ふにゃって出来損ないのものを食べさせるわけにはいかない。
愛情をたっぷりと注ぎ込んだ、最高の一品を作らねばならないのだ。
ペシっと両手で頬を打ち、気合を入れる。
彼女の調理と言う名の戦いが始まった。

(う~む。エプロン装備の美琴。いいな)

そんなことを考えながら上条は美琴が調理する様子をじっと眺めていた。
いつもは自分がしているエプロンを制服の上から身につけ、手際よく調理を進める愛しの彼女。
真剣で、でもどこか楽しそうにしている美琴を見ると、心が満たされてくるような感覚に襲われる。
近い将来、自分が美琴と結婚したら……いや、その前に同棲を始めることが出来たら、毎日このよう
に自分に食事を作ってもらえたら。
それは、どんなことよりも最高に幸せなことではないだろうか。
今まで受けてきた不幸など霞んで見えなくなってしまうくらいに。
そして、彼女を後ろからそっと抱きしめると『もぅ、包丁持ってるのに危ないじゃない、ばか』なん
て可愛く言ってきて、『美琴、晩飯よりお前をたb――――

「とうま……にやにやして気持ち悪いかも」

この一言で現実に戻された。
じとーっとした目でにらみつけてくる白いシスターと未来の愛娘。

「お父さん。だらしない顔で鼻の下伸ばして……」

「な、何を言ってらっしゃるのかな娘さんたちは。上条さんは紳士ですのことよ。別に美琴と新婚プ
レ―――いやいや、何も考えてません、何も考えていませんよ」

どうにか誤魔化そうと試みるが、焦りからか言い訳できそうにもない単語が口から漏れてくる。
目の前の二人はなんとなく察してしまったようで『うわぁ』とドン引きしているようだった。
まぁ、年頃の娘さんたちの前でそんなこと言えば引かれるのも当然だろう。

「あははは。終わった。上条さん終了のお知らせですね、こんちくしょう。すまん、未来の俺。戻っ
てきた娘から軽蔑されるかもしれないが自業自得だったと諦めてくれ……」

がっくりと机に突っ伏して、力なく笑う。

「あー。お父さん、ドンマイ。未来でもそんな感じだし気にしない気にしない」

さすがにその様子を哀れに思ったのか、件の娘は軽蔑することもなく、ペシペシと上条の肩を叩きな
がらフォローを入れる。
よく出来た娘さんである。
ただ、内容的にフォローなのかトドメなのかよくわからないものだったが。

「何やってんのよアンタら」

そんな中、後はしばらく煮込むだけとなって、手が空いた美琴が戻ってくる。
グテっとしている上条に、なにやら元気付けようとしている麻琴、相変わらずジト目で上条を見つめ
ているインデックス。
調理に追われて先ほどのやり取りを見ていない美琴からすればさっぱり意味がわからない。

「お父さんが、お母さんのことを可愛いって言ってたのよ」

「ふぇっ!?」

「ちょ、お前!」

「別に間違ってないでしょ~。それともお父さんが新k「いやいや、そうですよ、エプロンつけた美琴
が凄く可愛いくて惚れ直しちまうってな!」」

爆弾発言をしようとする娘の言葉を遮って、上条が最初のフォローに乗る。
何も考えずに反射的に。
こんなことを面と向かって言われた美琴がどんな反応をするのかをすっかり頭の隅に追いやって。

「(と、当麻が可愛いって、私のこと可愛いって、えへ、えへへへへ)ふにゃ~」

「だぁっ! 美琴、気をしっかり!! 家電が、上条さんちの家電がぁぁぁあああぁっ!!」

嬉しさと恥ずかしさで、バチバチと漏電して倒れそうになった美琴を見て叫ぶ。
右手を出し、倒れる美琴の身体を抱きとめるように滑り込んだ。
間一髪で上条の手が届き、漏電した電撃が家電を破壊することも、美琴が倒れて怪我をするようなこと
もなかった。
ただ、美琴の意識はすでにどこかに散歩に出かけてしまったようだったが。
気を失った美琴の顔はにへら~っと緩んでおり、きっといい夢を見ているのだろう。


――――


「ふにゅ。あれ、私、どうしたんだっけ?」

あれからしばらくして美琴が目を覚ました。
誰かの顔が覗き込んでいるようだが、視界がぼやけてよく見えない。
後頭部に感じる温かさと、心が落ち着くような、包まれているような居心地の良さになんだか眠くな
りそうだ。

「お~。ようやく起きたか、美琴」

「ふぇ?」

目の前から愛しい人の声が聞こえてくる。
ぼやけた視界を晴らすために、ぐしぐしと顔をぬぐう。
徐々に晴れてきた視界に写ったのは、大好きな彼がほっとしたように安堵の表情で上から覗き込んで
いる姿だった。
後頭部に感じる温もり、上から覗き込まれている自分。
つまり今、自分は彼に膝枕をされて――――
それを理解した瞬間、美琴の顔が真っ赤に染まる。

「ご、ごごごごめん、今起きるかr―――」

「へっ、ちょっ! 慌てr―――」

『ゴッ』という鈍い音が部屋に響く。
美琴が急に起き上がろうとしたため、覗き込んでいた上条に頭突きをするはめになってしまった。
かなり強烈だったようで、お互いに額を押さえて痛みを堪える。

「いってぇ~。お前、急に起き上がろうとすんなよ」

「ごめん。でも、膝枕されてると思ったら恥ずかしくて……」

痛かったからか、恥ずかしかったからか、目じりに涙をためて潤んだ瞳で見つめてくる。
真っ赤な顔で、ややうつむいていたため上目遣いで。
そんな反則的な表情に上条の心は射抜かれる。
鼓動が早くなり顔がみるみるうちに赤らんでくるのが自分でもわかる。

「そ、そそそうだ美琴、ぶつけたとこ大丈夫か?」

気恥ずかしさを誤魔化すように、上条が美琴の額に手をやり前髪をかきあげる。
凄い音が鳴りはしたが痕にはなってないようだ。
目線を少し下げると、頬を真っ赤に染め、瞳を潤ませた美琴の顔。
二人の視線が絡み合う。
そして、更に視線を下げていくと、ぷっくりとした柔らかそうな唇。

「とう……ま」

「美琴……」

ごくりと唾を飲み込む。
心臓が早鐘を打ち、どくんどくんと部屋に響いているようだった。
二人の距離が徐々に近づいていく。
美琴がすっと目を閉じ、二人の唇が触れ合う―――

「おぉぉ、もうちょっと、もうちょっとなんだよ!」

寸前に横からそんな声が聞こえてきた。
顔をそのままに視線を声のした方に向ける。
そこにいたのは、手で顔を隠しながらも明らかに指の間からこちらを見ている真っ白シスター。
その目は、好奇心に爛々と輝いている。
その横にいるのは、慣れているからか『またやってるよこのバカップル』とでも言いたげな、あきれ
た表情の娘。
カチコチと静かな部屋に時計の音だけが響く。
上条と美琴の顔が、しゅぽっと煙でも噴出しそうな勢いで殊更真っ赤に染まり、まるで空間移動能力
者(テレポーター)かと思ってしまうほどの一瞬で、部屋の対角線上の隅に離れる。

「あぁ。もうちょっとだったのに何でやめちゃうのかな」

「あんな爛々とした目で見られてちゃ、さすがにバカップルとはいえ、まだ初心な二人には無理よ」

残念そうに言うインデックスに、ため息を吐きながら答える麻琴だった。

しばらくしてこの空気を打破したのはインデックスだった。
正確に言うならばインデックスのお腹の虫。
グゥゥという鳴き声が原因だった。

「お腹すいたんだよ……」

「そ、そうね。もういい頃だし、食べましょうか」

「食器も出さないとなっ!」

若干ギクシャクした動きで美琴がキッチンに向かう。
それを追う様に上条も続く。
どちらも、この空気から逃げ出すタイミングを待っていたようだ。
美琴はカレーに最後の仕上げを。
上条は必要な食器を揃え、机に並べていく。
数分後、そこに並べられたのは、非常に食欲をそそるスパイシーな香りを放つカレーだった。
なぜだかキラキラと輝いて見えるような気がする。
明らかに上条が作る料理よりも数ランク上の出来に喉が鳴る。
見ただけでも、絶対にうまい、と断言できそうだ。

「それじゃぁ」

「「「「いただきます」」」」

それぞれ思い思いにカレーを口に運ぶ。
美琴は出来に満足したように微笑み、麻琴はどうすればこんなに美味くできるんだろうとぼやいてお
り、インデックスはまさに一心不乱にかきこんでいる。
上条がカレーを口に入れた瞬間、彼の何かのメーターは振り切れた。

「う、うめぇぇぇええぇっ!! なんだこれ、なんだこれ!? こんな美味いカレー食ったことない
ぞ!!」

「そっか、おいしいのか。よかった。えへへ」

ガツガツとスプーンを口に運ぶ上条に、美琴が本当に嬉しそうな笑みを浮かべる。
美琴の手料理を食べさせると言う戦いは、彼女に軍配が上がったようだ。

「みこと、おかわりなんだよ!」

「はいはい、ちょっと待っててね」

すでにインデックスは三度目のおかわりだ。
この小さな身体のどこに入っているのか、本当に謎である。
美琴からおかわりを受け取ると、かぶりつくように食べ始める。

「そういえば麻琴。アンタこれからどうするの?」

「これから?」

スプーンを置いて食事を一時中断する。

「そう、これから。どうやって未来に帰るのかとか、それまでどこに泊まるのかとか」

「未来への帰り方は……何とかなるんじゃない。過去でこうして出会ってるなら未来のお父さんと
お母さんも知ってるはずなのに、何も気にしてないみたいだったから、たぶん戻れること分かって
たんだと思うのよ。だから、その内時間が解決してくれるかなぁと」

「いいの、そんな適当で……」

麻琴のいい加減とも思えるような答えに、美琴が脱力する。
まぁ、だからと言って、どうすればいいのかなんてことは誰にもわからないのだが。

「いいのいいの。それで、泊まる所は……とりあえず、お父さんのとこにしばらく泊めてよ」

「う、うちにか!?」

「だって、お母さんのとこ寮じゃない。さすがにお母さんの親戚とか嘘ついたとしても何日も泊まれ
るわけでもないし。お父さんのとこならインデックスさんもいるから大丈夫でしょ」

こともなげに言う麻琴に、上条はどうしてこうなったんでせうと頭を抱える。
こういう有無を言わせず話を進めるのは、さすが美琴の血筋ということなのか。
しかし、おそらくこれが最善の策だろう。
この時代で麻琴の頼れる人物は肉親である自分たちだけだ。
見知らぬ時代に一人ぼっちでは寂しいのだろう。
ここは親として、父として、娘を守るべきじゃないか。

「あ~。わかったよ。寝床はインデックスと一緒にベッドを使ってくれ。お前らなら二人でも十分寝
られるだろ」

「当麻。信じてるけど、もし麻琴に何か変なことしたら……」

「するか! 実の娘に手を出すほど上条さんは鬼畜じゃねぇよ!」

「冗談よ、冗談。当麻がそんな奴じゃないってことは私が一番知ってるもの」

あははと美琴が笑い飛ばす。
上条はしょうがねぇなと美琴に軽くでこぴんをする。
他愛もないじゃれあい。
だけどそれがなんかおかしくて小さな笑いがこぼれる。

「ところでお父さん。後でなんか上に着る物、貸して。下は短パンはいてるからいいんだけど。この
まま制服で寝るわけにもいかないし」

「あぁ、Yシャツでよければそれ着てくれ。後で出しといてやるから」

「当麻のYシャツ……私だって着たことないのに、麻琴ずるい……」

美琴がなにやら小声で言っているが、気にしないことにする。
これに反応したら負けだと上条の第六感が告げていた。
実際、この上条の勘は正しかった。
もし、ここで反応してしまっていたら、美琴の中で何かが壊れ、やれ、私もお泊りするだの、当麻と
一緒に寝るだの言い出しかねなかったからだ。
そうなってしまっては上条の鉄壁の理性が木っ端微塵に砕かれるのは、想像するまでもないだろう。
そんな親子三人の会話が続く中、食の魔神様は人知れず牙をむいていた。

「ふぅ、おしいかったんだよ。お腹いっぱい食べれて満足かも」

そう、ブラックホールを体内に持つという噂のある、白い修道女インデックス。
いつの間にか彼女はキッチンにおり、カレーが入っていたはずの空になった鍋と、同じように空にな
った炊飯器が、満足そうにしている彼女の横に転がっていた。

「嘘……明日の朝も食べれるように多めに作ってあったのに」

美琴の失敗。
それはインデックスの底のない食欲を計り損ねたことだった。

誰もいない部屋で麻琴はごろんと大の字に寝そべる。
食事が終わり、食器が洗い終わる頃には美琴の寮の門限間近だった。
美琴を寮まで送って行くと言って上条も今は外に出ている。
インデックスは風呂だ。

(さて、どうしたものかしらね)

ぼ~っと天井を見ながら思考を巡らせる。
自分が本来存在しない時代。
ルームメイトでクラスメイトで幼馴染で親友のあの子もいない。
誰もあたしを知っている人がいない。
まるで一人っきりのようで寂しかった。
上条当麻と御坂美琴、数年後に実際自分を生んで親となる人たち。
自分の時代にいるときと変わらず、親子として接してくれる。
まだ、あたしという命は生まれてないはずなのに。
お人好しでお節介で世話好きで。
それが麻琴は嬉しかったし、ありがたかった。
二人から感じられる愛情に寂しさは消えた。
ならば、自分はそれに応えねばならない。
どうやって元の時代に帰るのかは皆目見当もつかない。
だからと言って立ち止まるわけにはいかない。
どんなに困難でも、誰かの笑顔のために立ち向かっていく少年の血を継いでいるのだ。
どんなに高くとも、異名の通り真っ直ぐに壁を乗り越えていく少女の血を継いでいるのだ。
この時代に突然飛ばされたことが不幸であるならば―――

(そんな不幸【げんそう】はぶち殺して、そんな不幸【ハードル】は乗り越えてやればいい)

どんなことにも真っ直ぐに、立ち塞がるものを壊して、乗り越えて、その先へ。
それが麻琴という少女だけの現実。
上条麻琴が上条麻琴であるための、自分だけの現実(パーソナル・リアリティ)なのだから。