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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/上条さんが…ちっちゃくなりました。/ReWrited/Part01 - (2010/05/09 (日) 09:13:27) の1つ前との変更点

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---- #navi(上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/上条さんが…ちっちゃくなりました。/ReWrited) &nowiki(){・8月15日 _Begins Night} 月は煌々と街を照らしている。それに抗うように街中の明かりはついている。現在20:00を回ったところ。夏休みというだけあって、多くの学生たちが出回っている。学生の中に、警備員(アンチスキル)の一員である教師がパトロールをしている。 そんな夏休みムードが街全体を包んでいる中、黒髪のツンツン頭は何かに追われて必死に逃げている。 「はぁっ。はぁっ。はぁ。…一体、俺は何をしたというんでせうか。御坂さぁぁぁぁん!」 『なんでわからないの?あんなところで鼻の下伸ばされたら誰だって嫌になるわよっ』 だぁぁぁぁ!不幸だっ!と言いながら、まだ反抗期も抜け切れていないガキ、常盤台中学のエース御坂美琴から、上条当麻は逃げている。周りの事は全く見えていないところは二人とも同じである。自分たちの事に夢中で周りの事は気にならなかったらしい。そのため、15学区の繁華街の街の明るさよりも目立っている2人は、通りを歩く人々に目を向けられていたこともわからなかっただろう。 上条は逃げ切れた。と思い、ぜいぜい言っている息を整えようとしている。上条がいる場所は、美琴とのやりとりが多かった鉄橋の上。2年前のある日に決闘をした河原が見える場所。上条は橋の欄干に手を伸ばそうとしたところで足の限界が来てしまい、その場に倒れてしまった。 「上条さんも2年前に比べて、運動量が落ちましたな。…不幸だ。」 上条は、うつ伏せになっている身体を仰向けにして、身体を起こすという動作をしている。敵から逃げ切れたと安堵しているのは気のせいだろうか。そこに、風が上条のツンツン頭を揺らす。家に帰ることを目標に、言った道を帰ろうとしたその時。高温、高輝度のレーザービームが上条の身体に襲いかかる。ただし、反射的に右手の幻想殺し〈イマジンブレイカー〉を前に突き出してレーザービームの様な光を消した。 「危ないじゃねえか!おまえは、いつでもだれでも構わずこんなことやってるのかよ。」 「んなわけないでしょうが!このウニウニっ!」 「ウニウニって?お前らしいセンスだな。あなたに出会って3年目でこんなあだ名がつきました。」 「あんたは!いつまでも私の事をこども扱いすんなぁぁぁぁ!」 美琴は自らの能力で作り出した高電圧のボールを上条に放り投げる。それを恒例の行事のように消してしまう上条。美琴は、怒りを込めている顔の表情とともに林檎のように真っ赤な色を呈していた。美琴はなぜ、上条にここまで怒っているかというと、話が長くなる。理由は単純であるのだが。ちなみに、上条当麻は高校3年生に補習と小萌先生の力で昇給することができたレベル0である。御坂美琴は高校1年生で、レベル5の超電磁砲(レールガン)。今では霧ヶ丘女学院に籍を置いている。彼女は、上条と同じ学校に行く気があったのだが、性格上――学校側のメンツを守ってほしいという願いを快く引き受けてしまった。――本当の願いをかなえられずにいた。 20:56…現在時刻を橋の向こう側の時計台が知らせていた。それでも、二人の喧嘩が終わるどころかヒートアップしているのだ。上条は、必死でこの事態を収める方法を探った。彼の生まれながら不幸が付きまとう運命により導き出された一つの答え… 「御坂さん!ゆるしてくだせえ!許して下せえ!上条さんは、もうダメになりそうです。」 美琴の前できれいな土下座の姿勢で両手を前に合掌させて、必死に許しを請いている。それを見た美琴は、アニメでみるいかにも悪人のような顔をして、上条のほうへ向いて言う。 「アンタ!私のスカートの中のぞかないでよ?ほんとにあんたはさぁ……今日は特別なんだから!」 ――現在9:04を過ぎたところである。3時間の長期の喧嘩が終わり、二人は橋の中心にあるベンチに座っている。ちなみに、このベンチは1年前位にできたのだという。今では、恋人たちのデートスポットにもなっているらしい。そんな場所で、二人はぐったりとしながら座っている。原因は、上条の不幸体質とフラグ立て体質。 「美琴…お前なんで怒ってるんだよ。俺ってそんなに変なことしたか?」 「ほんとにわかんないの?ニブスケっ!でも、今はゆるす!でも、明日になったらわかんないからぁ!」 小悪魔スマイルを浮かべる女子高生の美琴。上条はそんな仕草もどんな仕草も可愛いと思ってしまう。 俺、明日も許してもらえる方法知ってるからさ!とささやきながら美琴を優しく包んでやる。美琴の頭は上条の胸の上に、上条の右手は美琴の頭の上に置かれている。美琴の顔が赤くなっていくのがわかる。体温があがっていくのがわかる。この瞬間だけは神様も上条の不幸体質をかくまってくれているようだ。 「そうだ。どうせ、おまえは暇なんだろ?明日は。」 「だから?どうしたの?あれ?もしかして、あんた美琴センセーがいないと寝られないとか言うやつですかぁ?」と意地悪にこっちに目線を向けてくる美琴。ちなみに、この抱きついた状態の至近距離の見つめ合いは上条の不戦敗ゾーンだ。それでも、男の意地なのか目をそらそうとする。 「今日は、泊まるとか無しな。上条さんも最近は真面目に忙しいんですことよ。」 「わかったわよ。今日はやめとくわよ。でも、真っ先に電話をかけてくるのはどこのどちらさまでしたっけ?」 「でも、今日は悪い。ほんとにごめんな。」 二人は、それぞれの道を歩いて帰っていった。 ――現在10:12。上条当麻、とある学生寮に到着。すぐに管理人のいるロビーを後にしてボロいエレベータで自分の部屋がある階まで登っていく。エレベータを降りたところに赤い長髪の右目の下にバーコード模様の刺青を彫った不良神父が立っていた。 「やあ。上条当麻。この僕を待たせるなんてどういう気なんだよ。君を殺すことはいつでもできるんだよ?」 「悪いな。ステイル。インデックスの様子はどうなんだ?」 「どうやら、君の事を本気でブン殴ってやりたくなってきたが。イギリス紳士の名に懸けてそれはやめておこう。」 ステイルは、上条に穀つぶしのかつての居候について話した。その居候こと、インデックスはイギリス清教の本部で神裂達と共に暮らしているのだが、つい最近まで彼女は高熱を出して寝込んでいたらしい。それでも、彼女は幸せそうな生活を送っていることに上条はほっとしていた。そこに付け入るかのようにステイルは話を帰る。 「そう言えば、最大主教(アークビショップ)から君にお届けものがあってね。中身は、見ていないよ。君の右手の事に関するものだとさ。これでもし、君の右手の力が消えたら今までのうっ憤を晴らさせてもらうよ。」 うっせぇ。と上条は言いながらも受け取った小包を丁寧に開けてみる。ステイルは、それを見て、大主教はなかなかいいものを与えてくれた。と心の中でにやりと笑う。それがばれぬように、真面目な顔で上条に言う。 「絶対右手で触るんじゃないぞ。君の右手は幻想を消してしまうのだから。」 「わかった。サンキューな!ステイル。」 それじゃあ、僕は帰るとするよ。と煙草をくわえて火をつけながら去っていった。 上条は、自分の部屋に入った。そして、先ほどの小包を開けてみると、そこには小瓶が入っている。その中には、薬と、薬草らしきものが入っていた。それと一緒に手紙らしきものも入っていた。 この時点で、この後に起こる不幸を上条はまだ知らなかった。 ステイルが上条宅の前の廊下から姿を消し、上条が部屋に戻った時に時計は10:44を指していた。上条は今日の疲れがどっとでてしまいベッドにダイブした。が、ステイル=マグヌスから貰った小包には手紙らしきものが添えられている。書いた主は――インデックス。上条の家に2年前からつい最近までいた居候だ。穀つぶしの暴食シスターことインデックス。彼女が来たころから生活が急激に変化したことを思い出した。食費がかさんでしまい、自分が無理をしてご飯を抜いていたこと。風呂場に布団を敷いて寝ていたこと。自分が、入院していた時に頑張って看病してくれていたこと。いろいろなことを思い出す。しかし、上条は天井に向かってつぶやく。 「俺は、インデックスは大切な家族だといまでも思うよ。でもな、アイツはお前と違って大切な女性(ひと)になっちまってたんだよな。」 そう言って、小さく笑う。実は、心の奥底では虚しいとか物足りないとか思っている。最近になって、隣にいてくれる大切な女性(ひと)がどれだけ自分を心から思ってくれていたのか。そういうことを思うようになっている。鈍感だといわれる上条もやっと何かを見つけられそうな気がしている。――と物思いに耽っているとどこかから、とうまはやっぱりとうまなんだね。と皮肉たっぷりの笑顔の銀髪シスターに言われそうだ。 インデックスの手紙には、小包の中身とそれに関する記述が書いてある。そのほかに簡単ながら、日常の他愛のない出来事を報告している。上条は、小包を開けてみる。中には小さな瓶とケルト十字の小さな置物が入ってある。インデックスの手紙によると、「幻想殺し(イマジンブレイカー)の能力を希薄することができるから試してほしい」というものであった。上条は、半信半疑ながらも心の中では今までの不幸な人生をひたすら歩むことから卒業できたかと嬉しくて仕方がない。 手紙が述べている通りにリビングの4隅に瓶の中に入っていた幾何学模様の入った小さな円盤を置いた。そのあとにケルト十字を左手で持って、空間の中心に置く。これでセット完了。説明では、あとは何もしなくてよいと書かれていたので、従った。今日は夏休み。ただ、上条は受験生である。運がいいのか、小萌先生のスペシャルな補講が5日後に控えているの(上条ちゃんはバカだから補習なのですぅー。)だそうだ。 時計にふと目をやると、現在11:30を過ぎたところだ。上条は携帯を開いてメールを打ち出した。ま行の一番最初のところにある名前にカーソルを合わせて、そこに送るメールの本文を書き始めた。 ――美琴へ。夜遅くごめん。 18日の夜ってさ、予想だと快晴だから天体観測しに行かないか? 場所はどこでもいいんだけども。 光の速さで美琴からのメールが返ってきた。当麻にしては珍しいわね。どうしたの?というような、やや心配そうな雰囲気を漂わせる返信だった。ちなみに美琴たちも休みで。彼女は、明日1日をのんびり過ごしたいと思っていた。美琴は今最も大好きな彼とメールをしたことでとてもテンションを挙げている。 寮生活に慣れてしまった美琴は、昔のルームメイトに電話をかけた。彼女の後輩である白井黒子は、かつてのルームメイトで戦友である。 そんな彼女に今もいとおしい“お姉さま”から電話がかかってくる。今では、そんな電話もうれしくもなんともなくなっているようだ。 あの殿方、いや、類人猿の話しかしてくれないからだ。今日もそうなんだろうと仕方なさそうに電話に出る。 やはり、あのツンツン頭の類人猿の話だ。と思いながら、白井もさすがにこの乙女心全開の少女の行動にあきれているようだ。 しばらく色々と雑談を話したあとに、白井は、明日も風紀委員(ジャッジメント)の仕事が早くにあるので。と美琴に言い残し、電話を切った。 美琴はベッドの中に入って電話していたのだが、完全に寝たのは日付が変わってからだった。 ベッドの中に入ったもののメールでの興奮がなかなか冷めず、顔を真っ赤にしながらごにょごにょ口が活発に小さく動いていた。たまに、気持ちが高ぶりすぎてガッツポーズを決めてしまうほど。 この時点で美琴もまた、翌日起こってしまった不幸に巻き込まれるのは思いもよらなかっただろう。 ---- #navi(上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/上条さんが…ちっちゃくなりました。/ReWrited)
---- #navi(上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/上条さんが…ちっちゃくなりました。/ReWrited) 8月15日 _Begins Night 月は煌々と街を照らしている。それに抗うように街中の明かりはついている。現在20:00を回ったところ。夏休みというだけあって、多くの学生たちが出回っている。学生の中に、警備員(アンチスキル)の一員である教師がパトロールをしている。 そんな夏休みムードが街全体を包んでいる中、黒髪のツンツン頭は何かに追われて必死に逃げている。 「はぁっ。はぁっ。はぁ。…一体、俺は何をしたというんでせうか。御坂さぁぁぁぁん!」 『なんでわからないの?あんなところで鼻の下伸ばされたら誰だって嫌になるわよっ』 だぁぁぁぁ!不幸だっ!と言いながら、まだ反抗期も抜け切れていないガキ、常盤台中学のエース御坂美琴から、上条当麻は逃げている。周りの事は全く見えていないところは二人とも同じである。自分たちの事に夢中で周りの事は気にならなかったらしい。そのため、15学区の繁華街の街の明るさよりも目立っている2人は、通りを歩く人々に目を向けられていたこともわからなかっただろう。 上条は逃げ切れた。と思い、ぜいぜい言っている息を整えようとしている。上条がいる場所は、美琴とのやりとりが多かった鉄橋の上。2年前のある日に決闘をした河原が見える場所。上条は橋の欄干に手を伸ばそうとしたところで足の限界が来てしまい、その場に倒れてしまった。 「上条さんも2年前に比べて、運動量が落ちましたな。…不幸だ。」 上条は、うつ伏せになっている身体を仰向けにして、身体を起こすという動作をしている。敵から逃げ切れたと安堵しているのは気のせいだろうか。そこに、風が上条のツンツン頭を揺らす。家に帰ることを目標に、言った道を帰ろうとしたその時。高温、高輝度のレーザービームが上条の身体に襲いかかる。ただし、反射的に右手の幻想殺し〈イマジンブレイカー〉を前に突き出してレーザービームの様な光を消した。 「危ないじゃねえか!おまえは、いつでもだれでも構わずこんなことやってるのかよ。」 「んなわけないでしょうが!このウニウニっ!」 「ウニウニって?お前らしいセンスだな。あなたに出会って3年目でこんなあだ名がつきました。」 「あんたは!いつまでも私の事をこども扱いすんなぁぁぁぁ!」 美琴は自らの能力で作り出した高電圧のボールを上条に放り投げる。それを恒例の行事のように消してしまう上条。美琴は、怒りを込めている顔の表情とともに林檎のように真っ赤な色を呈していた。美琴はなぜ、上条にここまで怒っているかというと、話が長くなる。理由は単純であるのだが。ちなみに、上条当麻は高校3年生に補習と小萌先生の力で昇給することができたレベル0である。御坂美琴は高校1年生で、レベル5の超電磁砲(レールガン)。今では霧ヶ丘女学院に籍を置いている。彼女は、上条と同じ学校に行く気があったのだが、性格上――学校側のメンツを守ってほしいという願いを快く引き受けてしまった。――本当の願いをかなえられずにいた。 20:56…現在時刻を橋の向こう側の時計台が知らせていた。それでも、二人の喧嘩が終わるどころかヒートアップしているのだ。上条は、必死でこの事態を収める方法を探った。彼の生まれながら不幸が付きまとう運命により導き出された一つの答え… 「御坂さん!ゆるしてくだせえ!許して下せえ!上条さんは、もうダメになりそうです。」 美琴の前できれいな土下座の姿勢で両手を前に合掌させて、必死に許しを請いている。それを見た美琴は、アニメでみるいかにも悪人のような顔をして、上条のほうへ向いて言う。 「アンタ!私のスカートの中のぞかないでよ?ほんとにあんたはさぁ……今日は特別なんだから!」 ――現在9:04を過ぎたところである。3時間の長期の喧嘩が終わり、二人は橋の中心にあるベンチに座っている。ちなみに、このベンチは1年前位にできたのだという。今では、恋人たちのデートスポットにもなっているらしい。そんな場所で、二人はぐったりとしながら座っている。原因は、上条の不幸体質とフラグ立て体質。 「美琴…お前なんで怒ってるんだよ。俺ってそんなに変なことしたか?」 「ほんとにわかんないの?ニブスケっ!でも、今はゆるす!でも、明日になったらわかんないからぁ!」 小悪魔スマイルを浮かべる女子高生の美琴。上条はそんな仕草もどんな仕草も可愛いと思ってしまう。 俺、明日も許してもらえる方法知ってるからさ!とささやきながら美琴を優しく包んでやる。美琴の頭は上条の胸の上に、上条の右手は美琴の頭の上に置かれている。美琴の顔が赤くなっていくのがわかる。体温があがっていくのがわかる。この瞬間だけは神様も上条の不幸体質をかくまってくれているようだ。 「そうだ。どうせ、おまえは暇なんだろ?明日は。」 「だから?どうしたの?あれ?もしかして、あんた美琴センセーがいないと寝られないとか言うやつですかぁ?」と意地悪にこっちに目線を向けてくる美琴。ちなみに、この抱きついた状態の至近距離の見つめ合いは上条の不戦敗ゾーンだ。それでも、男の意地なのか目をそらそうとする。 「今日は、泊まるとか無しな。上条さんも最近は真面目に忙しいんですことよ。」 「わかったわよ。今日はやめとくわよ。でも、真っ先に電話をかけてくるのはどこのどちらさまでしたっけ?」 「でも、今日は悪い。ほんとにごめんな。」 二人は、それぞれの道を歩いて帰っていった。 ――現在10:12。上条当麻、とある学生寮に到着。すぐに管理人のいるロビーを後にしてボロいエレベータで自分の部屋がある階まで登っていく。エレベータを降りたところに赤い長髪の右目の下にバーコード模様の刺青を彫った不良神父が立っていた。 「やあ。上条当麻。この僕を待たせるなんてどういう気なんだよ。君を殺すことはいつでもできるんだよ?」 「悪いな。ステイル。インデックスの様子はどうなんだ?」 「どうやら、君の事を本気でブン殴ってやりたくなってきたが。イギリス紳士の名に懸けてそれはやめておこう。」 ステイルは、上条に穀つぶしのかつての居候について話した。その居候こと、インデックスはイギリス清教の本部で神裂達と共に暮らしているのだが、つい最近まで彼女は高熱を出して寝込んでいたらしい。それでも、彼女は幸せそうな生活を送っていることに上条はほっとしていた。そこに付け入るかのようにステイルは話を帰る。 「そう言えば、最大主教(アークビショップ)から君にお届けものがあってね。中身は、見ていないよ。君の右手の事に関するものだとさ。これでもし、君の右手の力が消えたら今までのうっ憤を晴らさせてもらうよ。」 うっせぇ。と上条は言いながらも受け取った小包を丁寧に開けてみる。ステイルは、それを見て、大主教はなかなかいいものを与えてくれた。と心の中でにやりと笑う。それがばれぬように、真面目な顔で上条に言う。 「絶対右手で触るんじゃないぞ。君の右手は幻想を消してしまうのだから。」 「わかった。サンキューな!ステイル。」 それじゃあ、僕は帰るとするよ。と煙草をくわえて火をつけながら去っていった。 上条は、自分の部屋に入った。そして、先ほどの小包を開けてみると、そこには小瓶が入っている。その中には、薬と、薬草らしきものが入っていた。それと一緒に手紙らしきものも入っていた。 この時点で、この後に起こる不幸を上条はまだ知らなかった。 ステイルが上条宅の前の廊下から姿を消し、上条が部屋に戻った時に時計は10:44を指していた。上条は今日の疲れがどっとでてしまいベッドにダイブした。が、ステイル=マグヌスから貰った小包には手紙らしきものが添えられている。書いた主は――インデックス。上条の家に2年前からつい最近までいた居候だ。穀つぶしの暴食シスターことインデックス。彼女が来たころから生活が急激に変化したことを思い出した。食費がかさんでしまい、自分が無理をしてご飯を抜いていたこと。風呂場に布団を敷いて寝ていたこと。自分が、入院していた時に頑張って看病してくれていたこと。いろいろなことを思い出す。しかし、上条は天井に向かってつぶやく。 「俺は、インデックスは大切な家族だといまでも思うよ。でもな、アイツはお前と違って大切な女性(ひと)になっちまってたんだよな。」 そう言って、小さく笑う。実は、心の奥底では虚しいとか物足りないとか思っている。最近になって、隣にいてくれる大切な女性(ひと)がどれだけ自分を心から思ってくれていたのか。そういうことを思うようになっている。鈍感だといわれる上条もやっと何かを見つけられそうな気がしている。――と物思いに耽っているとどこかから、とうまはやっぱりとうまなんだね。と皮肉たっぷりの笑顔の銀髪シスターに言われそうだ。 インデックスの手紙には、小包の中身とそれに関する記述が書いてある。そのほかに簡単ながら、日常の他愛のない出来事を報告している。上条は、小包を開けてみる。中には小さな瓶とケルト十字の小さな置物が入ってある。インデックスの手紙によると、「幻想殺し(イマジンブレイカー)の能力を希薄することができるから試してほしい」というものであった。上条は、半信半疑ながらも心の中では今までの不幸な人生をひたすら歩むことから卒業できたかと嬉しくて仕方がない。 手紙が述べている通りにリビングの4隅に瓶の中に入っていた幾何学模様の入った小さな円盤を置いた。そのあとにケルト十字を左手で持って、空間の中心に置く。これでセット完了。説明では、あとは何もしなくてよいと書かれていたので、従った。今日は夏休み。ただ、上条は受験生である。運がいいのか、小萌先生のスペシャルな補講が5日後に控えているの(上条ちゃんはバカだから補習なのですぅー。)だそうだ。 時計にふと目をやると、現在11:30を過ぎたところだ。上条は携帯を開いてメールを打ち出した。ま行の一番最初のところにある名前にカーソルを合わせて、そこに送るメールの本文を書き始めた。 ――美琴へ。夜遅くごめん。 18日の夜ってさ、予想だと快晴だから天体観測しに行かないか? 場所はどこでもいいんだけども。 光の速さで美琴からのメールが返ってきた。当麻にしては珍しいわね。どうしたの?というような、やや心配そうな雰囲気を漂わせる返信だった。ちなみに美琴たちも休みで。彼女は、明日1日をのんびり過ごしたいと思っていた。美琴は今最も大好きな彼とメールをしたことでとてもテンションを挙げている。 寮生活に慣れてしまった美琴は、昔のルームメイトに電話をかけた。彼女の後輩である白井黒子は、かつてのルームメイトで戦友である。 そんな彼女に今もいとおしい“お姉さま”から電話がかかってくる。今では、そんな電話もうれしくもなんともなくなっているようだ。 あの殿方、いや、類人猿の話しかしてくれないからだ。今日もそうなんだろうと仕方なさそうに電話に出る。 やはり、あのツンツン頭の類人猿の話だ。と思いながら、白井もさすがにこの乙女心全開の少女の行動にあきれているようだ。 しばらく色々と雑談を話したあとに、白井は、明日も風紀委員(ジャッジメント)の仕事が早くにあるので。と美琴に言い残し、電話を切った。 美琴はベッドの中に入って電話していたのだが、完全に寝たのは日付が変わってからだった。 ベッドの中に入ったもののメールでの興奮がなかなか冷めず、顔を真っ赤にしながらごにょごにょ口が活発に小さく動いていた。たまに、気持ちが高ぶりすぎてガッツポーズを決めてしまうほど。 この時点で美琴もまた、翌日起こってしまった不幸に巻き込まれるのは思いもよらなかっただろう。 ---- #navi(上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/上条さんが…ちっちゃくなりました。/ReWrited)

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