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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/5スレ目短編/473 - (2010/03/07 (日) 14:59:27) の最新版との変更点

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#asciiart(){{{ とある二人の年末年始 「寒いわねー」 大晦日の夜、御坂美琴は上条当麻の家でコタツに入っていた。 年越しそばを一緒に食べ、テレビを見ながら二人で年が明けるのを待つ。 「帰省しなくてよかったのか?」 当麻は年越しそばを片付けながら美琴に言った。 「んー、明日の午後から出発。一応元旦のうちに家に帰らないとね」 そっかとツンツン頭の少年はそっけなく答えた。 そのそっけなさが美琴はちょっと気に障ったのか 「む、なによ。そんなに可愛い彼女と一緒に過ごしたくなかったわけ?」 あごをコタツの上に乗せて唇を尖らせる。口からぶーっと言う音が聞こえそうだ。 当麻はちょっと苦笑しながら 「まさか。でも両親ってのはいいものだからさ。たまには会っておくべきじゃねえかな、と思ってな」 当麻の父親が息子のためを思って学園都市に入れた話はチラッと聞いた。 当麻もきっと家族が好きなんだろう。 「そうね。私もそう思うわよ」 そこで美琴は小さくため息をついて 「でもいいじゃない。当麻と一緒に一年の終わりと一年の始まりを迎えたかったんだから」 頬を膨らませ唇を尖らせたままちょっとだけそっぽを向く。心なしか頬が赤い。 「はいはい、ありがとうございます。かみじょーさんも嬉しいですよー」 洗物を済ませた当麻が戻ってきて美琴と向かい合うようにコタツに入る。 「ちょろっと」 当麻をジト目でにらみつけ、コタツの中で足に蹴りを入れる。 突然の不意打ちにたじろぎながら 「な、なんでせう?美琴お嬢様?」 「何でそこに座るのよ。当麻の位置はこっちでしょ」 右手で自分の横のあたりをバンバンとたたく。 そんなことかよ、と小さくため息をつき美琴の横へと移動する。 しかし、さすがにコタツの一つの辺に二人は狭い。 片足を突っ込んでみるがそれで一杯だ。とても両足が入るとは思えない。 「さすがにはいらねーぞ。これ」 「じゃあこうしましょう」 というと美琴はまだコタツに入ってないほうの左足を引っ張ると自分の左へと誘導した。 結果的に当麻が美琴を後ろから抱きしめるような格好になった。 そして、美琴は当麻に背中を預けると 「あー、これいいわ。あったかーい」 「俺は椅子兼毛布かよ!」 ならばとりゃー と両手で美琴を抱きかかえてのしかかる。 「にょわっ!重い重いー」 さらに当麻が体重を預けて密着した。 その重さに苦しんだフリをしているが美琴は嬉しそうだった。 当麻は美琴に覆いかぶさったまま 美琴の右肩の上から右手を伸ばしてコタツの上のみかんを取った。 そして今度は左手を左肩の上から伸ばして美琴の顔のちょうど顔の前でミカンの皮をむき始めた。 じっとその動作を美琴が見つめている。 皮をむき終り実を一房とったところで 「えい」 と美琴が指ごと口でみかんを食べた。 「あまーい。ほらほら次々ー。ちゃっちゃとする!」 なんか餌を待つ雛を思い出すなあ、と感じながらも また一房とる。そして美琴がそれを食べる。 今度は美琴の口の中にちょっとだけ指が入った気がしてどきどきするが、美琴はぜんぜん気にしていなかった。 結局、同じ事を数回繰り返して一つのミカンがなくなった。 今度は美琴がミカンの皮をむいた。すこし深く寄りかかるとちょうど当麻のあごの辺りが肩のあたりに載った。 そのあごの少し上にある口にむけて 「はい、あーん」 と差し出してきた。当麻は少し苦笑いを浮かべると 先ほどの美琴と同じようにその手から直接食べた。ちょっと指先が口の中に入った気がするが 美琴は気にした様子もなく、また一房ミカンを差し出してきた。 美琴の手から当麻の口へとミカンがすべて飲み込まれていったので 二人はそのまま特に言葉も出さずにコタツで過ごしていた。 そのまま少し時間がたった。 ごーん、と重くそれでいて冬の空気に響く音色が聞こえてきた。 「あー、除夜の鐘か」 「そうね。今年も終わりね」 「今年、か」 当麻は少し深くため息をついた。 美琴はちょっとだけ寂しそうにその横顔を見つめた。 当麻には本当にいろいろあった一年だった。出会いも別れも。 そして、いろいろ振り払うように声を上げた。 「まあ、終わりよければすべてよし!」 唐突に大声で当麻が叫んだ。ちょっと近所迷惑じゃね?って言う音量で。 「一年の計は元旦にありともいうけどねー。」 「そういえばまだ半年よ、半年」 「なにがだ?」 「私と当麻が出会ってから。」 あー、とちょっと生返事だ。その最初に出会った記憶がないため、当麻自身は8月の終わりごろに始めて出会った感覚なのだ。 つまり、まだ半年もたっていない。しかしそんな短い期間とは思えないほどの思い出が頭に浮かぶ。 「なんつーか、出会ってからの期間の内容があまりに濃かったからなあ……」 「そうねー。当麻何回死にかけたの?」 「うんざりするほど……」 げっそりとした顔になる。 なんかその顔がおかしく美琴はちょっと笑ってしまった。 「でもさ、当麻は最近『不幸だー』って言わなくなったじゃない。」 なぜかニヤニヤして美琴がいってきた。 当麻は軽い口調で 「美琴がいるときには絶対に言わないようにしてますよ。美琴といるときはかみじょーさんは幸せ者ですし」 といった。軽い口調に反して 両手に力を込めて美琴をぎゅっと抱きしめた。 久しぶりに顔が真っ赤になるのを美琴は感じていた。 そして 「私も幸せ者ね」 ごーん、ごーん、ごーん 除夜の鐘が響き渡っている。 テレビも時刻が23;59分となっていた。 「ねえ、当麻」 「なんだ?」 「さっきさ、終わりよければすべてよしって言ったわよね」 「一年の計は元旦にあり、とのお返事をいただきましたが」 変な顔をして答えてきた当麻に美琴はくすっと笑いかけると 23:59分55秒 美琴は当麻にくちづけをした。 そしてテレビから「あけましておめでとうございます」と言う声が響いた。 美琴はそっと唇を離すと 「これで両方満たしたわよね?」 といたずらっぽく言った。 }}} #back(hr,left,text=Back)
*とある二人の年末年始 #asciiart(){{{ 「寒いわねー」 大晦日の夜、御坂美琴は上条当麻の家でコタツに入っていた。 年越しそばを一緒に食べ、テレビを見ながら二人で年が明けるのを待つ。 「帰省しなくてよかったのか?」 当麻は年越しそばを片付けながら美琴に言った。 「んー、明日の午後から出発。一応元旦のうちに家に帰らないとね」 そっかとツンツン頭の少年はそっけなく答えた。 そのそっけなさが美琴はちょっと気に障ったのか 「む、なによ。そんなに可愛い彼女と一緒に過ごしたくなかったわけ?」 あごをコタツの上に乗せて唇を尖らせる。口からぶーっと言う音が聞こえそうだ。 当麻はちょっと苦笑しながら 「まさか。でも両親ってのはいいものだからさ。たまには会っておくべきじゃねえかな、と思ってな」 当麻の父親が息子のためを思って学園都市に入れた話はチラッと聞いた。 当麻もきっと家族が好きなんだろう。 「そうね。私もそう思うわよ」 そこで美琴は小さくため息をついて 「でもいいじゃない。当麻と一緒に一年の終わりと一年の始まりを迎えたかったんだから」 頬を膨らませ唇を尖らせたままちょっとだけそっぽを向く。心なしか頬が赤い。 「はいはい、ありがとうございます。かみじょーさんも嬉しいですよー」 洗物を済ませた当麻が戻ってきて美琴と向かい合うようにコタツに入る。 「ちょろっと」 当麻をジト目でにらみつけ、コタツの中で足に蹴りを入れる。 突然の不意打ちにたじろぎながら 「な、なんでせう?美琴お嬢様?」 「何でそこに座るのよ。当麻の位置はこっちでしょ」 右手で自分の横のあたりをバンバンとたたく。 そんなことかよ、と小さくため息をつき美琴の横へと移動する。 しかし、さすがにコタツの一つの辺に二人は狭い。 片足を突っ込んでみるがそれで一杯だ。とても両足が入るとは思えない。 「さすがにはいらねーぞ。これ」 「じゃあこうしましょう」 というと美琴はまだコタツに入ってないほうの左足を引っ張ると自分の左へと誘導した。 結果的に当麻が美琴を後ろから抱きしめるような格好になった。 そして、美琴は当麻に背中を預けると 「あー、これいいわ。あったかーい」 「俺は椅子兼毛布かよ!」 ならばとりゃー と両手で美琴を抱きかかえてのしかかる。 「にょわっ!重い重いー」 さらに当麻が体重を預けて密着した。 その重さに苦しんだフリをしているが美琴は嬉しそうだった。 当麻は美琴に覆いかぶさったまま 美琴の右肩の上から右手を伸ばしてコタツの上のみかんを取った。 そして今度は左手を左肩の上から伸ばして美琴の顔のちょうど顔の前でミカンの皮をむき始めた。 じっとその動作を美琴が見つめている。 皮をむき終り実を一房とったところで 「えい」 と美琴が指ごと口でみかんを食べた。 「あまーい。ほらほら次々ー。ちゃっちゃとする!」 なんか餌を待つ雛を思い出すなあ、と感じながらも また一房とる。そして美琴がそれを食べる。 今度は美琴の口の中にちょっとだけ指が入った気がしてどきどきするが、美琴はぜんぜん気にしていなかった。 結局、同じ事を数回繰り返して一つのミカンがなくなった。 今度は美琴がミカンの皮をむいた。すこし深く寄りかかるとちょうど当麻のあごの辺りが肩のあたりに載った。 そのあごの少し上にある口にむけて 「はい、あーん」 と差し出してきた。当麻は少し苦笑いを浮かべると 先ほどの美琴と同じようにその手から直接食べた。ちょっと指先が口の中に入った気がするが 美琴は気にした様子もなく、また一房ミカンを差し出してきた。 美琴の手から当麻の口へとミカンがすべて飲み込まれていったので 二人はそのまま特に言葉も出さずにコタツで過ごしていた。 そのまま少し時間がたった。 ごーん、と重くそれでいて冬の空気に響く音色が聞こえてきた。 「あー、除夜の鐘か」 「そうね。今年も終わりね」 「今年、か」 当麻は少し深くため息をついた。 美琴はちょっとだけ寂しそうにその横顔を見つめた。 当麻には本当にいろいろあった一年だった。出会いも別れも。 そして、いろいろ振り払うように声を上げた。 「まあ、終わりよければすべてよし!」 唐突に大声で当麻が叫んだ。ちょっと近所迷惑じゃね?って言う音量で。 「一年の計は元旦にありともいうけどねー。」 「そういえばまだ半年よ、半年」 「なにがだ?」 「私と当麻が出会ってから。」 あー、とちょっと生返事だ。その最初に出会った記憶がないため、当麻自身は8月の終わりごろに始めて出会った感覚なのだ。 つまり、まだ半年もたっていない。しかしそんな短い期間とは思えないほどの思い出が頭に浮かぶ。 「なんつーか、出会ってからの期間の内容があまりに濃かったからなあ……」 「そうねー。当麻何回死にかけたの?」 「うんざりするほど……」 げっそりとした顔になる。 なんかその顔がおかしく美琴はちょっと笑ってしまった。 「でもさ、当麻は最近『不幸だー』って言わなくなったじゃない。」 なぜかニヤニヤして美琴がいってきた。 当麻は軽い口調で 「美琴がいるときには絶対に言わないようにしてますよ。美琴といるときはかみじょーさんは幸せ者ですし」 といった。軽い口調に反して 両手に力を込めて美琴をぎゅっと抱きしめた。 久しぶりに顔が真っ赤になるのを美琴は感じていた。 そして 「私も幸せ者ね」 ごーん、ごーん、ごーん 除夜の鐘が響き渡っている。 テレビも時刻が23;59分となっていた。 「ねえ、当麻」 「なんだ?」 「さっきさ、終わりよければすべてよしって言ったわよね」 「一年の計は元旦にあり、とのお返事をいただきましたが」 変な顔をして答えてきた当麻に美琴はくすっと笑いかけると 23:59分55秒 美琴は当麻にくちづけをした。 そしてテレビから「あけましておめでとうございます」と言う声が響いた。 美琴はそっと唇を離すと 「これで両方満たしたわよね?」 といたずらっぽく言った。 }}} #back(hr,left,text=Back)

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