「上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/Plus&Minus/Part01」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/Plus&Minus/Part01」を以下のとおり復元します。
*Plus&Minus 1 Prologue ~物語の始まり~
#asciiart(){{{

ここは学園都市。
東京西部の開発によって出来たこの街は、総人口230万人の8割を占める『学生の街』であると共に、その優れた科学技術を用いて脳の開発を行っている『超能力の街』としても知られている。
もっとも、超能力研究の目的は『人間を超えた身体を手にすることで神様の答えに辿り着く』という若干オカルティックなものだが……。

11月13日、学園都市中に一端覧祭の気風が高まる中、1人の少年は第7学区を全力疾走していた。

「「「おらぁぁぁぁあああ―――――――――!!待てやあああああ――――――!!」」」

「だぁぁぁぁああああ――――――!!不幸だあああああ―――――――!!」

1人の少年―――上条当麻が夜の学園都市で恐怖の鬼ごっこをしているのには、いくつか理由が存在する。

① 一端覧祭の準備で遅くまで学校に残っていた
② そこからの(まさかの)補習
③ 同居人のシスターの為に、スーパーに食材調達!
④ …しに行こうと思ったら、スキルアウト6名ほどに囲まれている女子学生2名を発見
⑤ 以下省略

と慣れた(慣れたくはなかった)パターンである。

上条は路地裏の死角を利用してなんとか撒こうとするが、スキルアウト達も目を光らせながらどんどん迫ってくる。
……どうやら邪魔をされた事が、相当気に食わなかった様だ。

(チックショー!!こんなとこで上条さんの墓が建てられてたまりますか!!)

荒い息を押し殺して、上条は走って走って走りまくる。
それに応じるかの様に、鬼神化したスキルアウトの方も追うスピードを上げる。
こうして、恐怖の鬼ごっこはクライマックスを迎えようとしていた―――――


―――その頃、

「ねえ、初春…。今の何だったんだろうね……」

「少なくとも、私達を助けようとしての行為だとは思いますけど……」

「って言っても普通、何かしら方法を考えてから助けない?あれは何も考えてないでしょ……」

「まあ、そうですけど…。でも実際助けてくれたわけですし……」

「確かにね…。だけど、お礼言う暇がなかったなあ」

「そうですね。なんなら明日にでも書庫(バンク)にアクセスしてみて、該当する人物を探してみましょうか?」

「りょーかい!任せたよ初春!!」

女子学生2名、つまり初春飾利と佐天涙子は、名前も知らない男子学生に感謝しつつ帰路に着くのだった。

         ☆

所変わって、常盤台中学女子寮208号室。

「だあああああああ――――――!!!!何でアイツは電話にもメールにも出ないのよ――――!!」

自らのベッドの上で、自分のゲコ太携帯に絶叫している御坂美琴がいた。
勿論、理由はあのツンツン頭の少年に連絡を取りたいのだが、先程から機械的なアナウンスしか聞こえない為な訳で。

「ったく…、こっちからわざわざ誘ってやろうと思ってんのに何だってのよ…」

御坂美琴は、第3次世界大戦を通じて、とある決意をしていた。
それは、『後悔をしない様に生きる』。
と言うのも、美琴はつい先日に、自分の想い人を喪うという現実を身を以て知り、そしてそれに恐怖を覚えたからである。
戦争の後、彼の顔を初めて見たときには、正直泣きそうにもなった。
いつもと変わらない格好で、いつもと変わらないツンツン頭で、いつもと変わらない不幸っぷりな彼を見て、溢れかえる程の安心感がこみ上げてきたのが今でも思い出される。
しかし、美琴は安心すると同時に新たな恐怖も覚えた。
その恐怖とは、またアイツが自分の目の前から消えてしまうのではないかという不安。

そんな複雑な思いが脳内で交錯した結果、一端覧祭はアイツと一緒に回りたいという気持ちに後悔することの無い様行動している訳だ。  ………………………が

「ううぅぅぅ……、いやいやへこたれるんじゃない私!!今日中に誘うって決めたじゃない!!」

実を言うとこのセリフ、昨日も一昨日も口にしているのだが、当の本人は気づいていない。
……まだまだ先は長い、というか長すぎる様だ。

因みに白井黒子はというと、さっきからの愛しのお姉様のご奇行により

(ああぁぁぁぁぁああああ――――!!!!!お姉さばあああぁぁぁぁあああ―――――!!!いったい誰に連絡しているんですのおおぉぉぉぉおお――――!!!やっぱりあの殿方なんですの?!ああそうなのですねそうなんですのあの類人猿めがああぁぁぁああああああ――――――――――!!!!!!)

美琴、白井が各々の理由で絶賛大悶絶をしている中、学園都市の夜は更けていく……


―――――深夜

辺りは暗闇で支配され、光など一筋も見えない。
人気のない路地裏に身を潜めているその男は、おもむろに100円ライターで口にくわえた煙草に火を点けた。
闇が完全から不完全に切り替わった瞬間である。

「なあ、コソコソ隠れてないでさっさと姿を見せろよ。依頼人サ~ン?」

「……………………いつからだ?」

男が不敵な笑みを浮かべた瞬間、暗闇から別の男の声が聞こえた。
その声を聞いて、男の笑みは更に悪魔のものになっていく。

「煙草に火を点けるとっくの昔にだよ。お前の存在で大気が無駄に動いてたからな」

「……………………まあいい、依頼の話に移らせてもらおうか」

男が『依頼』と言う言葉に反応し、依頼人と呼ばれた男の目を見る。
まるで、早く内容を話せと言わんばかりである。
その目線を汲み取ったのか、続けて依頼人が口を開いた。

「人間5体の処分だ。多少の数の多さは目を瞑ってもらおう」

直後、男の足下に1枚の紙が落ち、アタッシュケースが転がされた。

「報酬と処分対象リストだ。そこそこ強い様だから頑張ってくれたまえ」

「強いねぇ……、俺の前に能力は無意味だっつうのになあ」

「期限は11月末だ。それまでには頼むぞ」

「はいはい、分かってま~す」

軽い返事をして、男はこの場を去ろうとする。
しかし、50m程歩いた所でまた声が聞こえた。

「最後に質問だ。見たところ貴様は単独で行動している様だが、他の暗部みたいに集団は作らないのかい」

「………俺はスキルアウトや暗部の野郎共とは違う」

一旦言葉が切られ、数十秒の沈黙が流れる。
そして、男が最後に発した言葉は――――――――

「俺は………………殺し屋(アサシン)だ」

男は闇に消えた。

}}}
#back(hr,left,text=Back)

復元してよろしいですか?

目安箱バナー