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 午後3:47、とある大型アミューズメントパーク内ゲームセンターにて。

 この第7学区の中に大きなゲームセンターができた。ちょうど半年前に大通りの一角にできたのである。アミューズメントパークとは名ばかりで半分以上は研究機関が入っている。
カラオケという名の音声分析が行われる部屋、バッティングセンターという名の力学研究所、とさまざまなものがある。ここは能力制限は行われていなかった。
そのため美琴も遠慮なく入ることができた。その中にあるパンチングマシンは目玉商品の一つである。その隣にキックバージョンも新しく設置されたようだ。
いま、そのパンチングマシンの前にいる3人の男女。というより、女友達とどちらかのきょうだいが一緒に遊んでいるように見える。
その機械のハイスコアを叩き出すたびにティロリロリンと効果音が流れる。その音が妙に安っぽいと思う。だが、それがいいと佐天はいう。天真爛漫な女の子、それが彼女。

 「今度は私の番ですね!真登くんのためにやっちゃうんだから!」とその研究教材の前に立つと佐天は身構える。そして、思いっきりターゲットに向かって右手を打ち出す。
そして、そのインパクトはその機械を少しだけ揺らす。それと同時に力量計算が始まり、スコアが発表される。おしくもハイスコアに2点ほど及ばなかった。

「うーーーー。くやしいなぁ。真登くんもやってみない?」
「うん。やります!」
「こんなアンタじゃ、これを超えるなんて無理よ。」
「ちょっくらやってやりますか。」
「ってアンタは人の話全く聞いてないでしょ。」
「いいじゃないですか。楽しそうですよ?」

 下條をからかった美琴は見事にスルーされてしまったことに腹を立てているが、佐天の一言にそれもどこにやら。今では、楽しそうに遊んでいる弟を見守る姉の顔になっている。
その二人を後ろに、上条…いや、下條は指定されている立ち位置から数メートル離れて身構える。右手を軽く握る。そして、息を整える。いつかの最強との戦いの時みたいに。
そして、ターゲットに向かって目線を合わせる。足はすでにその方向に向かっている。ここで、美琴は何かを思い出してひとりで顔を真っ赤にしているのは誰も知らない。

「―――歯をくいしばれ!最強!!俺の最弱はちっとばっか響くぞっ!そのふざけた幻想をぶっ殺す!」

 今ではきけなくなった言葉が出てきた。しかも、あの小さなツンツン頭から。その言葉と同時に繰り出された拳はものすごく2人の女子を魅了している。
重心を全て右手にかけて体を使って繰り出されるパンチはまさにヘビー級のものであった。美琴はその姿に昨日の夜まであった上条の姿を重ねた。
美琴が生まれて初めて父親以外にもっとも長く接してきた男子に。生まれて初めて自分を心の奥から愛したいと思った人に。昔の思い出が膨らんでくる。
おのずと涙があふれてくる。ただ、ここでは泣いてはいけないと思ったためそのぎりぎりで抑えた。だが、その時に下條のスコアが出たときに佐天が驚いた。
それに驚いた美琴はひとりで泣くことはやめた。

「すごいよ!ちょっとちょっとちょっと!なにこれぇ?ハイスコアじゃん!真登くんなにやったの?ちょっと、まってよ」
「え?これあんたが!?」
「やっちまった。昔のこと思い出して打ってしまった」
「昔って何やってたの?教えてよ。涙子お姉さんに内緒でおしえてくれない?ねぇねぇ」
「それは…ここに来る前にボクシング習ってたんですよ。ははは…」
「そうだったんだ」
「…はぁ。(よかった、こいつ自分がどうなってるのか忘れてるかと思った)」
「あ!御坂さん!次!」
「わかった。ちょっと、アンタこれ持っててよ?よっしゃ!」

美琴は高校生らしからぬはしゃぎっぷりで腕をぶんぶん振り回す。そして所定の位置に立つ。そして呼吸を整えて拳に力を込める。
勢いよく飛び出してパンチを打ち出す。そして、スコアが出るも下條には及ばなかった。
最後にプリクラをとって、ゲーセンを後にした。

「楽しかったわ。ありがとう、佐天さん」
「いいんですよ。私も楽しめたし、なにより、真登くんが楽しそうだったから」
「それじゃ、私はこっちなので失礼します。それじゃあ」
「じゃあね。佐天さん!」

 佐天はここから変える方向が違うため美琴と小さくなった上条の二人きりになった。ここから二人で上条の家に戻ることになるのだが、美琴は忘れ物を思い出す。
上条の家を直さなければいけないと業者に電話を入れるのを忘れてしまっていた。そのことを小さくなってしまった上条に言うと、文句は言わずにお前を信じると言った。
そこで、美琴はホテルをとることにした。美琴はここで部屋を一つだけとることにした。ツインで予約。2年もたてば少しは強引に行くことを覚えたのであろう。電話を取り出す。
美琴はこっそり手をつないでいる。鈍感な彼はいま、小さくなっている。本物だとは分かっているが姿かたちが幼い分緊張はない。むしろ自分の世話焼きスイッチが入る。
上条も小さくなってしまって不安なのか美琴の左手を強く握る。顔は大丈夫にしていてもそれは隠しきれなかった。心のよりどころは隣にいるひとりの少女に。
それを見た美琴は少しからかってやる。

「アンタって意外と今の状況怖いんでしょ?」
「んな…わけねーだろ。上条さんはいつでも不幸と戦っているんですよ?」
「そう…それじゃ、このアンタの右手はなに?」
「え…と…そうですね…あはははっはははは…言い返せねえ」
「よっしゃぁ☆こいつに初めて勝った!やりぃ!」
「お前ここまで勝負事持ってくるなんてすごい度胸だな」
「いいじゃないの。アンタにいつも負けてるんだから。一回くらいは勝たせてよ」
「わかった。わかったから。もう少し上条さんの純情ハートを大事に取り扱ってくださいの事よ」
「それじゃ、目を瞑って?いいから!これがアンタに向ける罰ゲーム!」
「え?いやな予感しかないぞ!」
「だから、目を瞑るの!は・や・く!」
「わかったから!瞑りゃいいんだろ?瞑りゃ!」

 美琴は心の準備をしている。上条は完全に覚悟を決めているようだった。その顔はとてもドキドキしているのは丸見えだ。美琴とは違うドキドキ感が襲う。
上条は感じる。美琴は自分を亡き者にするのかと。上条の心臓はだんだんと波を打っている。心臓の高鳴りと甘いにおいが合わさってくる。
別なところからもドクンドクンと音が聞こえてくる。

「――――ッ!おまえなにすんだよ!!上条さんをバカにするのはやめろー!」
「その上条さんはどこにいるのかしら?アンタは下條真登じゃなかったけ?」
「でも、俺はおれなんだよ。上条当麻なんだよ。なんですよ。なんでございますことよの三段活用!」
「あら、そうでしたか。アンタの名前は上条当麻って言うんだ。そしたら、うその嫌いな上条さんは大うそつきになったわよ?」
「う…そう言われてしまうと…」
「へぇー…だから、上条さんはバカだからバカって言ってるだけじゃない。あるがままを言ったまでよ♪ばかぁ…でも真登くんにはバカって言ってないわよ?」
「自分でもバカだって思うけどさ、さすがに誰かから言われると上条さんでも傷がつきますよ」
「だって、あんたはいつも傷ついてばっかり。私はアンタに傷ついてほしくないの」
「おれは、誰かの笑顔を守りたいから。それしかねえんだよ。今日がだめだったら明日を。明日がダメだったら明後日を素晴らしくすればいいじゃねえか。」
「あんたは私が守ってやらないと死んじゃうんだから」
「俺は、俺の意思で傷ついてる。自業自得なんだよ」
「お願い!私を傷つけたくないんでしょ?だったら…私のためにそんなことはやめてよ」
「でも!おれは、誰かを守るのに躊躇なんかいらないと思ってる。お前の笑顔を守るならどんな手段でも守ってやる。それは約束した」
「いらないわよ!そんな約束なんか!私はただ…ただ…アンタに…」
「俺にどうしてほしんだよ。お前がそんなに弱かったら俺が守るしかないだろ?」
「だって、あんたが好きなんだもん。しょうがないじゃん。アンタは何も返してくれないんだもん。」
「そうだったのか…悪い。熱くなっちまったな」
「わかればいいのよ。わかれば…というわけでホテル行くわよ?今日はアンタの家に帰ったところでどこで寝るのよ。美琴センセーに任せなさいよ!」
「そんじゃ、お言葉に甘えて。」

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 ここは、第7学区有数のホテルである。美琴の予約で満室にならないうちに部屋が取れた。なんとも見晴らしがよい場所である。思い出の橋も見える。
下條は疲れ切ったのかベッドに座りこんだ。その後ろから美琴は抱きついた。ぬいぐるみを抱くように。

「むぎゅぅ!」
「何すんだよ。恥ずかしいじゃねえか」
「間違えなくアンタなんだけど、アンタじゃないからいいの」
「俺は俺ですよ?」
「アンタって結構あったかいのね。このままでいてもいい?私最近冷え症になっちゃってさ」
「お前は、自分の能力で体温調節できんじゃねえのかよ」
「いいじゃないの。へるもんじゃなし!」
「わかったよ。好きにしろ」
「わーい。ありがと。真登っ!」
「……」
「うわぁ。照れてる照れてる☆」
「……やめろーーーーーーーーーーーーー!」
「やめなぁーい!」
「わかったよ。下條さんはくたくただというのに…」
「むぎゅっ!…ずっとこのままでいい?」
「あのさ、美琴お姉ちゃん!いや、美琴っ!今から下條真登ではなく上条当麻としてお前に言う…」

「こんな素晴らしい世界がお前によって俺に与えてくれるなら――俺は、この上条当麻は、その幻想を愛でてやる!!」

「…え?」
「元の姿になったらお前に面と向かって言えなくなるだろうしな。へへっ!」
「えへへ。とうまぁ。私どうすればいいの?どうしよう。にゃぁーーー。」

 時は、すでに7:30になる。ホテルのディナータイムは始まった。バイキング形式であったので、二人は一緒にレストランに入る。
バイキング形式であるのでトレイに皿を載せ、それぞれが食べたいものを載せていく。二人は全く正反対な乗せ方をしている。
上条は自分の食べたいものを食べたいだけの量を盛り付けている。対象に美琴はほとんど自分の食べたいものを少しずつ配置している。
二人が席について、相手のとったものを見ている。

「あんた、ちょっとすごい汚い盛り方してるわよ。どうしたらそんなになるわけ?」
「しょうがねえだろ?食いたいものを食えるんですから。貧乏学生上条さんはここぞという時を逃しません!」
「あんたってほんとにバカね。あとさ、今は下條さんじゃなかったかしら」
「そうでした。…ておまえ人の取ったもの食ってんじゃねえよ」
「それぐらい大丈夫でしょ?あんたってそういうところはよく見てるのね」
「そういうところってどこですかね。御坂さん?」
「自分で考えなさいよ。あ!これ貰うわね」
「また取ってくなよ。ええい!こうなったら上条さんの秘伝技使いますよ」
「どんなものが見れるか楽しみだわ。せいぜいこの美琴センセーを楽しませてくれないと」

 「そんじゃ、行きますかね。」と言いながらバイキングのほうに行ってしまった。美琴は、こいつの行動パターンはわかってる。と見破る自信は満々である。
ちなみにここのホテルのバイキングは皿は何枚でも使っていいということもあって下條(上条)は手ぶらで歩いて行った。…ふりをして美琴の後ろから抱きついてやる。
美琴はひゃんっ!とか言って顔が赤くなってきた。彼女はいつも電磁波センサーを稼働させて死角がない状態なのだが、今日はそれをしなかった。ホテルには想い慕う人と一緒だから。
彼女はそのせいで、下條の思惑にはまってしまう。周りの人間からしてみれば迷惑極まりない行動をしている下條と美琴。そして、美琴は肩をびくっとさせてそのあとさらに顔を赤くした。

 「…上条さんはへとへとなんですよ。だから、なんか食わせてくれー美琴タン」と棒読みで美琴の耳元で言う。上条はいたずらでやっているのだがそのターゲットは本気の言葉として受け止める。
上条は美琴の反応を見て面白がって鉄壁の理性を以ってしてさらにエスカレート?した攻撃を与える。さらに、美琴は俯いてしまった。下條は後悔してしまう。美琴を抱いていた身体を起こしてた。
「悪いな。御坂。悪ふざけ過ぎた。大丈夫か?こんなうまい飯さっさと冷めないうちに食べようぜ?」とにこやかに話してくる。自分が何をやったか知らん顔で。

「…ずるい…ずるいよ」
「え?俺なんかしましたっけ。」
「…あんたはいつも鈍感なのに、なんでこんな時に決め玉持ってくるのよ。卑怯じゃない。」
「んま、いいや。もうくっちまおうぜ?話の続きは部屋でな。」
「わかったわよ。」

 というわけで、晩御飯を食べ終わった二人は部屋に戻り、シャワーに入った。そのあと、寝る前に話をする。ツインベッドでしかも近いので話がしやすかった。
最初は無言だった美琴は少しずつ心を開き始めた。

「あんたさ、なんであんなこと言えちゃうわけ?しかも人前で…」
「俺もあんな事言えるなんてびっくりしたよ。自分で。」
「あんたも意外とうぶよね。というより、ウブ。」
「ウブって言うな。」
「だから、そういうふうにムキになるのがウブなのよ。」
「悪かったな。ったく。俺寝るからな。」

 美琴は自分のベッドからこっそり抜け出す。そして、そっぽを向いて寝ている小さな上条、下條の後ろから抱きついて彼を抱き枕のように抱く。
自分の抱いた抱き枕は暖かく、そして、アイツこと上条のにおいがする。ツンツン頭がたまに顔に触れてくすぐったい。安心しきってしまい彼氏じゃない男子の名前を言う。

「とぉまぁー。えへへ。とーまはわたしのもの!えへへ。もう逃がさないもん!」
「って、苦しいっての…何すんだよてめえは!」
「だって、…グスッ…手ぇ離したらどこかに行っちゃうかと思って。」
「泣き虫だな。お前って結構。泣いてていいぞ。気が済むまで。」
「ありがとう…グスッ…おやすみ。」
「ああ。」

下條、もとい小さくなってしまった上条にとってはとてもうれしい悪夢が襲っている。時計はすでに11:30を過ぎた。

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