「上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/25スレ目ログ/25-495」の編集履歴(バックアップ)一覧はこちら
「上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/25スレ目ログ/25-495」(2013/08/14 (水) 13:03:28) の最新版変更点
追加された行は緑色になります。
削除された行は赤色になります。
*想い 2
#asciiart(){{{
あれから白井とは一言しか話していない。
放課後になっても、白井と帰ることなく、一人で学園都市をさまよい歩く。
「み、御坂か・・・昨日はどうしたんだよ」
いつの間にか美琴の目の前には上条がいた。
会えて嬉しいはずなのに、胸が苦しい。
「・・・・・・昨日?」
「あ、ああ。何か走ってたけど何かあったのか?」
あれを見られてしまった。
『あんたが他の女と話してたのを見てムカついた』などと言える訳もなく、
「別に、何でもいいでしょ?」
今の美琴にできる精一杯の誤魔化しだ。
「いいってお前!」
「・・・文句であるの?」
「そういうわけじゃねぇ、また妹達の時のような事があったんじゃないかと。頼むよ。悩んでるんだったら、相談してくれよ」
(あんたにとって・・・それは)
「俺じゃあ、ダメか?」
そう言って上条は美琴へ手を向けるけども、
「やめてよ!!」
美琴はその手を振り払った。
「その言葉はとっても嬉しい。だけど、それはあんたにとっては普通のことで、誰にでもするような!」
上条の優しさを知っていながら。
自分だけを見てくれないのならいらないと、裏切った。
「・・・・・・ごめん。帰る」
裏切ったと自覚しているから。
上条の目が悲しそうに見えたから、逃げ出した。
「起きてくださいのお姉さま」
「・・・・・・おはよう」
急がなければ遅刻してしまう時間だ。
「・・・・・・おはようございますの、お姉さま」
一昨日、美琴が帰ってきてから様子がおかしかった。
『おはよう』と『ただいま』
昨日はその二言しか会話をしていない。
今度は何を抱えているのだろうか、相談してくれないのだろうか、と白井は考えていた。
「そろそろ起きないと遅刻なさってしまいますわよ」
「気分悪い。今日は休む」
すぐに噓だとわかった。
けれども学校を休むほど気が落ち込んでいることもわかっていた。
「・・・お姉さま、一体何を抱えているのかは黒子にはわかりませんの。しかし、私は、」
「うるさい!!」
今までに聞いたことのない。本気の怒りの声であり、今にも泣きそうだった。
「私にだってわかんないのよ、どうしたらいいか。もう・・・放っておいて」
そこまで苦しんでいるとわかっているのに、すぐそばに苦しんでいる美琴がいるのに。
何もしてやれない自身を恨んだ。
「・・・・・・わかりましたの。寮監様には私から言っておきますわ」
自分は、彼女を見守ることしかできない。
ならば、美琴が打ち明けてくれるまで待とうと決めた。
その時には、精一杯彼女の力になろうと。
「行ってきますの、お姉さま」
扉を占める直前、美琴の泣いている声が聞こえた。
それを聞いて、見守ると、そう決めたのにつぶやいてしまった。
「(・・・・・・お姉さま)」
(何やってんだろ)
昨日、上条へしてしまったことだけでない。
今朝の白井への八つ当たりも。
あの日、女性と話す上条を見たその時から、自らの心を制御ができない。
「それが『私』だからよ」
「・・・また、『ワタシ』?」
「そう、『ミコト』よ」
『もう一人の美琴』は『ミコト』と名乗った。
『美琴』の心の奥底の、消してしまいたい思いそのものだと。
「『私』は、あいつが好きだから。嫉妬した」
「・・・・・・うん」
どうせ隠しても無駄だと思い、認めた。
「で、『私』はどうするの?」
「それは・・・・・・」
『ミコト』の問いに『美琴』は答えられなかった。
「考えたってしょうがないじゃん。『私』じゃどうしようもないんだから、『ワタシ』になっちゃえばいいのよ」
「『ワタシ』に、なる?」
「そう、自分の心に従って、そうすれば、『あいつ』も『私』のもの」
「あいつが・・・私の・・・・・・」
それは悪魔の誘惑。
だけどもう、抗う力は残っていない。
『美琴』は『ミコト』を受け入れた。
その瞬間、暗い海へ沈むような感覚がした。
目を開けると、いつもの部屋の天井だった。
部屋がオレンジ色に染まっている。
もう下校時刻だろうか。
(・・・・・・)
上条がいない。
それだけで不安になって、部屋のドアを開けた。
}}}
#back(hr,left,text=Back)
*想い 2
#asciiart(){{{
あれから白井とは一言しか話していない。
放課後になっても、白井と帰ることなく、一人で学園都市をさまよい歩く。
「み、御坂か・・・昨日はどうしたんだよ」
いつの間にか美琴の目の前には上条がいた。
会えて嬉しいはずなのに、胸が苦しい。
「・・・・・・昨日?」
「あ、ああ。何か走ってたけど何かあったのか?」
あれを見られてしまった。
『あんたが他の女と話してたのを見てムカついた』などと言える訳もなく、
「別に、何でもいいでしょ?」
今の美琴にできる精一杯の誤魔化しだ。
「いいってお前!」
「・・・文句であるの?」
「そういうわけじゃねぇ、また妹達の時のような事があったんじゃないかと。頼むよ。悩んでるんだったら、相談してくれよ」
(あんたにとって・・・それは)
「俺じゃあ、ダメか?」
そう言って上条は美琴へ手を向けるけども、
「やめてよ!!」
美琴はその手を振り払った。
「その言葉はとっても嬉しい。だけど、それはあんたにとっては普通のことで、誰にでもするような!」
上条の優しさを知っていながら。
自分だけを見てくれないのならいらないと、裏切った。
「・・・・・・ごめん。帰る」
裏切ったと自覚しているから。
上条の目が悲しそうに見えたから、逃げ出した。
「起きてくださいのお姉さま」
「・・・・・・おはよう」
急がなければ遅刻してしまう時間だ。
「・・・・・・おはようございますの、お姉さま」
一昨日、美琴が帰ってきてから様子がおかしかった。
『おはよう』と『ただいま』
昨日はその二言しか会話をしていない。
今度は何を抱えているのだろうか、相談してくれないのだろうか、と白井は考えていた。
「そろそろ起きないと遅刻なさってしまいますわよ」
「気分悪い。今日は休む」
すぐに噓だとわかった。
けれども学校を休むほど気が落ち込んでいることもわかっていた。
「・・・お姉さま、一体何を抱えているのかは黒子にはわかりませんの。しかし、私は、」
「うるさい!!」
今までに聞いたことのない。本気の怒りの声であり、今にも泣きそうだった。
「私にだってわかんないのよ、どうしたらいいか。もう・・・放っておいて」
そこまで苦しんでいるとわかっているのに、すぐそばに苦しんでいる美琴がいるのに。
何もしてやれない自身を恨んだ。
「・・・・・・わかりましたの。寮監様には私から言っておきますわ」
自分は、彼女を見守ることしかできない。
ならば、美琴が打ち明けてくれるまで待とうと決めた。
その時には、精一杯彼女の力になろうと。
「行ってきますの、お姉さま」
扉を占める直前、美琴の泣いている声が聞こえた。
それを聞いて、見守ると、そう決めたのにつぶやいてしまった。
「(・・・・・・お姉さま)」
(何やってんだろ)
昨日、上条へしてしまったことだけでない。
今朝の白井への八つ当たりも。
あの日、女性と話す上条を見たその時から、自らの心を制御ができない。
「それが『私』だからよ」
「・・・また、『ワタシ』?」
「そう、『ミコト』よ」
『もう一人の美琴』は『ミコト』と名乗った。
『美琴』の心の奥底の、消してしまいたい思いそのものだと。
「『私』は、あいつが好きだから。嫉妬した」
「・・・・・・うん」
どうせ隠しても無駄だと思い、認めた。
「で、『私』はどうするの?」
「それは・・・・・・」
『ミコト』の問いに『美琴』は答えられなかった。
「考えたってしょうがないじゃん。『私』じゃどうしようもないんだから、『ワタシ』になっちゃえばいいのよ」
「『ワタシ』に、なる?」
「そう、自分の心に従って、そうすれば、『あいつ』も『私』のもの」
「あいつが・・・私の・・・・・・」
それは悪魔の誘惑。
だけどもう、抗う力は残っていない。
『美琴』は『ミコト』を受け入れた。
その瞬間、暗い海へ沈むような感覚がした。
目を開けると、いつもの部屋の天井だった。
部屋がオレンジ色に染まっている。
もう下校時刻だろうか。
(・・・・・・)
上条がいない。
それだけで不安になって、部屋のドアを開けた。
}}}
表示オプション
横に並べて表示:
変化行の前後のみ表示: