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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/27スレ目短編/635」(2014/09/15 (月) 19:49:46) の最新版変更点

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*俺とお前のキノコの話 #asciiart(){{{ 第21学区。学園都市でも珍しい山岳地帯であり、山頂付近には天文台がある事でも有名だ。 山から流れ出す豊富な水量を利用した貯水用のダムも数多くある事から、 「学園都市の水源」とも呼ばれている学区である。 そんな場所に、ある5人の少女達は意気揚々とやって来ていた。 「うおおおお! キノコ狩りじゃああああ!!!」 「そんな大声を出さないでくださいな。恥ずかしいですわよ?」 「あはは! 佐天さんがはしゃぎたくなる気持ちも分かるけどね」 「そうだなー。空気が綺麗だもんなー」 「うわ~! 春上さんと自然公園に来た時以来ですよ! 第21学区って!」 美琴達4人と土御門舞夏だ。 佐天が分かりやすく叫んでくれたように、彼女達はここにキノコ狩りに来ている。 学園都市にも四季はある。実りの秋・兼・食欲の秋である今は、山の幸の宝庫なのだ。 実は5人が足を踏み入れているこの場所は、ちょっと有名なキノコ園であり、 ここでしか生息していない珍しいキノコが多数あるという。 キノコ園の入り口に『安全で安心の菌糸培養』と書かれている事からも分かるように、 ここはキノコの研究施設でもあるのだ。 その過程で生まれた新種のキノコが、園内のあらゆる場所に生えている、という事らしい。 そんな所に生えている物を食べて、危険はないのだろうか。 しかもわざわざ『安全で安心』と謳っているのが何とも胡散臭く、 更にその下に手書きの張り紙で、「おいしいよ!」と吹き出しで言っているのが余計に怖い。 だがこの手の怪しい研修食材に耐性のある学園都市の住人達は、特に気にする様子もなく、 むしろ園内は賑わっていた。文化の違いって凄いね。 「なー、これって食べられるのかー?」 「見るからに毒々しいですわね…止めておいた方がよろしいのではありませんの?」 「ちょっと待ってください。今PDAを使って、このキノコ園のホームページから調べてみますから。  えーと……あ、『ドクナシドクツルタケ』ですね。大丈夫です、食べられますよ」 「本当なの初春!? こんなに見た目怪しいんだよ!?  ていうか、普通のドクツルタケより見た目ヤバイってどうなの!?」 「それ以前に、何なのその『トゲナシトゲトゲ』みたいなネーミングは…」 そんな訳でキノコを採り始めた5人だが、さっそく洗礼にあっていた。 流石(?)は学園都市オリジナルブランドのキノコである。 ワー、キャーと騒ぎながら、何だかんだとキノコ狩りを満喫する少女達。 そんな中、舞夏がこんな事を言ってきた。 「そう言えば、このキノコ園にはこんなウワサがあるのを知っているかー?」 「ウワサ?」 真っ先に食いついたのは、自称・都市伝説ハンターの佐天だった。が、 「そうだぞー。何でもここには、『本音茸』っていうキノコがあるらしいんだー」 「「「「ほんねだけ?」」」」 そのドラえもんの道具のような名前のキノコに、佐天以外の3人も同時に首をかしげた。 「何でも、香りはマツタケで味はシメジ(ホンシメジ)に近いらしいんだなー」 「……なにそれ美味しそう」 「佐天さんヨダレ出てますよ?」 「まるで人間に食べられる為に進化したみたいですわね」 「まぁ、進化って言っても学園都市が品種改良したキノコだからね」 「でも毒があるぞー」 「「「「ダメじゃん!!!」」」」 思わず4人で総ツッコミした。 「毒って言っても危険な物ではないぞー。ちょっと言語中枢が異常をきたすだけなんだなー」 「充分、危険でしょ。それ…」 美琴の指摘に、舞夏は「チッチッチ」と指を振る。 「本音茸はその名の通り、食べると本音で喋ってしまうようになるキノコなんだなー。  けど逆に言えば、それ以外はただ美味しいだけのキノコって事だぞー」 「ですが安全という訳にはまいりませんでしょう。解毒方法はありますの?」 「あるんだなこれがー」 「「「「あんのかよ!!!」」」」 思わず4人で総ツッコミした。 「解毒茸ってのかあるんだなー。  でもそれは超不味いらしいから、解毒以外では食べないらしいんだー」 「はー…何て言うか、随分と至れり尽くせりな―――って、どうしたの佐天さん?」 舞夏の説明に半分関心して半分呆れていた美琴だったが、ふと佐天を見ると、 「ふっふっふ…」と怪しげに笑っていた。 「ねぇ。つまりそれを食べると素直になって、大した危険もなく、しかも解毒も簡単…と、  要約するとそうなるんだよね?」 「そうだなー」 舞夏に確認すると佐天は、そのまま美琴の顔の見る。瞬間、美琴の背筋にゾクリとした物が走った。 「え、な、何? 何するつもりなの佐天さん…?」 「いんや~? べっつに~?」 明らかにオカシイ。絶対何かを企んでいる顔だ。 …いや、何かいう程不確かな物ではない。今まで佐天と付き合ってきた美琴には分かるのだ。 佐天が『何をさせようとしているのか』を。 「た、食べないからね! そんな怪しいキノコ!」 「そうですわよ! 魂胆見え見えですのよ佐天さん!」 なので美琴は先手を打った。ついでに白井も。 どうせ佐天の事だ。これを機に普段は素直になれない美琴から、 彼女の言う『あの馬鹿』について聞き出そうと目論んでいるに違いない。 佐天も「分かってますって。そんな事はしませんよ♪」と口では言っているが、 確実に分かってくれてはいないだろう。 「けど食べる食べないは別として、見分ける方法は確認しておいた方がいいですよね。  間違って採っちゃうかも知れませんから」 そう言って初春は、再びPDAの画面に目を移す。 「本音茸、本音茸……あっ、ありました。見た目はシイタケに似てるようですね」 「うわ~…紛らわしいわね……」 「でも色は真緑です」 「こっわっ!!?」 「ちなみに解毒茸は、マリオに出てくる1UPキノコみたいな見た目です」 「そっちも緑かい!」 ツッコミ疲れしそうになる美琴である。 美琴は「好きな色は緑」だと豪語しているが、 キノコの色としては、お世辞にも食欲を湧かせる物だとは言えない。 「で、でも何万本に一本しか生えないみたいですから、滅多に見る事は……」 「もしかしてコレ?」 「滅多に見る事はない」…初春が付け加えようとした矢先、 佐天の手には大量の緑のシイタケが採取されていた。何万本に一本ではなかったのか。 「……まるで超サイヤ人のバーゲンセールだな……」状態である。 「今すぐ捨ててらっしゃいなっ!」 「え~? せっかく採ったのに~…」 「そうですよ佐天さん! それに調べて分かった事ですが、  本音茸と見た目ソックリの『嘘八百茸』っていうのもあるんですよ!?  見分けがつかないくらい似ているみたいですから危険です!」 名前から、何となくその作用が想像できる。 きっと食べたら本音とは真逆の事を言ってしまう毒が含まれているのだろう。 ブーブーと文句を言う佐天。と同時に、 「けどめちゃくちゃ美味いんだろ? いらないんなら、俺にくれないか?」 と誰かが声をかけてきた。そこに立っていたのは、 「な、なな、なん、何でアンタがここにっ!!?」 「上条さんがここにいたら、何かおかしいですか?」 美琴が『あの馬鹿』と呼ぶ人物、上条であった。 美琴の質問を無意味にはぐらかす返事に、美琴はもう一度声を荒げる。 「アンタが何でこんな所にいるのかって聞いてんのよっ!!!」 「食うから。キノコ食うから」 どうやら上条もキノコ狩りにやって来たらしい。 しかしこれが偶然とも思えない。誰かが上条と引き合わせるために仕込んだに違いないだろう。 となれば、疑わしきは佐天である。今までも、彼女の策略にまんまとやられてきたのだから。 …と思ったのだが、佐天も上条の突然の登場に唖然としている。どういう事なのだろうか。 しかしその直後、 「おーいカミやん。何かいいのは見つかったかにゃー?」 「おやー? そこにいるのは兄貴じゃないかー。こんな所で会うなんてグウゼンだなー」 「んー? そういうお前は愛しの我が妹、舞夏じゃないかにゃー? いやー、ホントウにキグウだぜい」 「……………」 金髪サングラスのアロハシャツ男が現れた。 どうやらこの茶番を仕組んだのは佐天ではなく、土御門兄妹だったようだ。 しかもそれだけでなく、 「ええなぁええなぁ! 可愛い子がいっぱいおって、ボクのリビドーがえらい事になってますよー!」 青い髪をした、白井以上の変態もやってきた。白井は美琴一直線の変態なので何とか御しきれるが、 この男は女性なら誰でもOKという手広さなので始末に負えない。 「では類人e…上条さん。こちらのキノコは全て差し上げますので、どうかここはお引取りを」 「え、全部? 本当にいいのか? さっきは冗談半分だったんだけど…」 「構いませんわよ。こんな毒キノコ」 上条達とあまり関わりたくなく、更にキノコの処分も押し付ける為に、 白井は佐天の持っていたキノコを上条に渡す。 本人が欲しがっていたのだから、きまりが悪くなる事もないだろう。 佐天は「え~~~!? レアなのに、もったいないですよ~!」と文句を言っているが、 白井としては知ったこっちゃない。 「おーい土御門。例のキノコ、こんなに貰ったぞ」 「おーマジかー! さっすがカミやん。いつも、そうやって口説いてフラグ立てていたんだにゃー」 「縁起でもない事を仰らないでくださいまし!!!」 白井は、「上条に好意があるからキノコを渡した」と思われてはたまったものではないので、 速攻で全否定する。 「ほんなら、はよ食べようや。向こうに鍋もあるし」 どうやらこの三人組【デルタフォース】は、この毒々しい緑色のキノコがお目当てで来たらしい。 確かに、初春がネットで調べた時に「美味い」という情報はあったが、 しかしわざわざこんな、訳の分からない毒性のある物を食べたいと思うだろうか。 だがその事を追求された男達は、 「別に大した事じゃないだろ。それよか味だ味!」 「ボクらは正直【ほんのうのおもむくまま】に生きてるから、素直になってもなんも困らへんし」 「解毒茸は先に見つけておいたしにゃー」 だそうだ。 しかもソックリの嘘八百茸についても、「それはそれで面白いじゃん。罰ゲームみたいで」だそうだ。 大物なのか暢気なのか、それともただのアホなのか。 ついでに、 「ちなみに私も今から兄貴達のグループに入るぞー。だから御坂達とはここでさよならだなー」 と舞夏が離脱した。 彼女は元々、兄貴と別行動する事で効率よくキノコを探すという役割だったらしい。 つまり美琴達は舞夏に利用された、という形になるが、 美琴達4人も「楽しかったから別にいいや」と、誰も気にしていない。 「ああ、そう…じゃあ、ごゆっくり食べてください…」 美琴は白井同様その怪しいキノコを食べたくないので、キノコを持った上条達を見送る。 だがその時、佐天からの耳打ちで大きく揺さ振られる事となる。 佐天は美琴の耳元でこそこそっと小声で話した。 (いいんですか御坂さん?  上条さんが本音茸を食べたら、御坂さんの事をどう思ってるか聞き出せるかも知れませんよ?) ズガン!と頭に落雷したような衝撃が美琴を襲う。電撃使いである事とは関係なく。 それはちょっと聞くのが怖い。けれどもやっぱり聞いてみたい。 そんな複雑な乙女心である。 「ちょちょちょちょっと待って!」 気が付けば、上条を引き止めていた。 「? どしたん?」 「い…いやその……や、やっぱり私もそれ食べてみたいかな~、なんて……い…いいかしら…?」 「ああ、まぁ俺はいいけど…お前らは?」 「私は別にいいぞー。みんなで食べた方が面白そうだしなー」 「やっふう! 女の子が増えるんやったら、むしろ大歓迎やで~!」 「オレは舞夏がいいんなら何でもいいぜい」 まんまと佐天の策略に嵌る美琴。彼女が先程、何を企んでいたのかを忘れた訳ではあるまいに。 しかし美琴は上条から自分の事を聞き出すという誘惑に負けてしまい、それ所ではなさそうだ。 なので白井が美琴を制止させようとする。 「お姉様! お考え直してくださいまし! これは明らかに罠―――」 しかし美琴に罠だと伝えている途中、今度は初春が白井に耳打ちした。 (いいんですか白井さん? 御坂さんが本音茸を食べたら、  今まで知らなかった御坂さんの『あんな事』や『そんな事』が分かるかも知れないんですよ?) ズガン!と頭に落雷したような衝撃が白井を襲う。いつも食らっている美琴のビリビリとは関係なく。 それはちょっと聞くのが怖い。けれどもやっぱり聞いてみたい。 そんな複雑な変態心である。 「ちょちょちょちょっとお待ちくださいですの!」 気が付けば、美琴を引き止めていた。 園内には休憩をする為の食事処がいくつかある。その中の一つに鍋の店があり、注文した鍋の中に、 トッピングとして、採ってきたばかりのキノコを入れる事ができるのだ。(ただし自己責任) そんな訳で8人前の水炊きを注文した上条達だったのだが、 料理に関しては並々ならない拘りを持つ舞夏が中心【なべぶぎょう】となり、今はアク取りの最中だ。 そんな中、初春が美琴に耳打ちする。 (御坂さん。更に詳しく調べてみて分かったんですが、  本音茸と嘘八百茸には、実は見分け方があるみたいなんです) (へ、へぇ~…どんな?) 興味の無いフリをしながらも、しっかりと聞き耳を立てる美琴。 そんな美琴の態度も初春は慣れているので、もはやツッコまない。 (嘘八百茸の方は、ひだの部分がうっすらと黄緑がかってるそうなんです) (……それはまた、随分と微妙な違いね) (ですが熱を通すと真緑に変色してしまうので、  お鍋に入れたら本当に本音茸と見分けがつかなくなるみたいですよ) (うわ~…めんどくさそう……) (でも大丈夫です。事前に分けておきましたから。  確認しましたところ嘘八百茸は3本ありましたので、それだけは違うざるの中に―――) 「ほな、そろそろキノコ入れるでー」 初春が説明していた途中だったが、ボチャボチャボチャッ、と具材を投入する音が後ろから。 見ると青髪が、全てのキノコを鍋にぶち込んでいた。 全て、という事は勿論、初春が仕分けしておいた物も全てである。 「ちょ、な、何で全部鍋に入れてるんですかっ!?」 「え、何でて…そら食べる為やろ。流石に火ぃ通さな食われへんやん」 初春が慌てて青髪に詰め寄るが、時すでに遅し。 鍋の中のキノコは、見分けが付かない程に緑色一色であった。 鍋奉行中の舞夏が、 「勝手に入れるなー! 具には入れる順番って物があるんだぞー!」 と青髪に対し怒ったが、そんな事はどうでもいい。 ロシアンルーレット風の闇鍋…いや、緑鍋が完成してしまったのである。  ◇ 「じゃあ鍋も完成したし、いただくとしますか」 上条が両手を合わせて「いただきます」をしたのを合図に、他の者も箸を持つ。 美琴や白井は、本当は食べたくはないのだが、 先程引き止めてまで「やっぱり食べる」宣言をしてしまった手前、 この食欲が全然湧いてこない鍋に手をつけない訳には行かない。 嘘八百茸は3本。残り5本は本音茸である。 ちなみに解毒茸は、無駄に20本近くも採取した。たまたまいっぱい生えていたようだ。無駄に。 計8本…どうやら奇しくも、一人一本ずつはキノコを食べられるようだ。 それが良い事だったのか悪い事だったのかは別として。 (あ…あの馬鹿に本音茸が当たりますように!) (お姉様に本音茸を! そしてわたくしについてのお言葉を、お姉様のお口から直接!) (御坂さんに本音茸! 御坂さんに本音茸! てか、ついでに上条さんにも!) (これって裏ルートで買ったらウン十万円するんだよなぁ……  そんな高級キノコをただ同然で食べられるなんて、今日の上条さんはツイてるんじゃあ!?) それぞれ思惑をかかえながら、全員一斉にキノコを口に含む。 誰が嘘をついているかゲームの開催である。 口に含んだ瞬間、確かにマツタケのような独特の香りが鼻をくすぐり、 噛めば噛む程ホンシメジのような旨味が広がっていく。 正直、かなり美味い。が、今の美琴にはそれを味わう余裕は無い。 お高いキノコを早々に飲み込むと、周りに注意を払い始めた。 美琴は誰がどのキノコを食べたのかを推理する為に、それぞれの第一声を待っているのだ。 キノコの見分けがつかないのなら、食べた後の反応を見るしかない。すると、 「わたくしは類人猿…いえ、類人猿なんて言ったら失礼ですわね。  わたくしは当麻お兄様と美琴お姉様の恋を応援しておりますのよ?」 と白井が言ってきた。 (はい決定ー! 嘘八百茸食べた奴、一人目は黒子に決定ー!!!  てか、何とんでもない事を言ってんのよ黒子おおおおお!!!) 美琴は心の中でツッコミを入れる。声に出さなかったのは、自分もキノコを食べているからだ。 不用意な発言は、不必要な事まで言ってしまう危険がある。 ちなみに白井は、自分の発言に自分で鳥肌を立たせ、自分自身の首を絞めた。 「う~ん…評判通り、かなり美味いなー。  この味はさすがに、料理どうこうで出来るレベルじゃなさそうだー。素材が違いすぎるぞー」 土御門(舞夏) → 本音茸 「そうだにゃー。けどオレは、そんな舞夏を料理して食べちゃいたいぜい。性的な意味で」 土御門(元春) → 本音茸 「あ、そうだ。今日の初春のパンツは、解毒茸とおそろいで緑の水玉なんですよ!」 佐天 → 本音茸 「へぇ~…そらボクも見てみたいわ~。てか、何やったらおパンツの中身も見せてくれへん?」 青髪 → 本音茸 「ええ、いいですよ。じゃんじゃん見てください。  むしろそれ以上の事をしてくれてもいいんですぬふぇ~~~!!!」 初春 → 嘘八百茸 これで上条以外の全員がどちらのキノコを食べたのかが分かった。 というか、全員ヒドイ有様である。特に野郎二人。 しかし残りは本音茸1本に嘘八百茸に1本と、面倒な事態になってしまった。 果たして上条はどちらなのか。 「んー……俺は期待しすぎたのか、イマイチだわ。  やっぱ俺の体って、安い食材の方が美味く感じるようにできちまってんだな…」 分かりにくい! これは上条の本音なのか、それともその反対なのか。 他の6人に比べて、今ひとつ決定打に欠ける上条の証言。 しかしここで、本音茸を食べて正直になりすぎた佐天が、とんでもない事を言ってきた。 「ところで上条さんって、御坂さんの事は好きですか?  ちなみに御坂さんは上条さんの事が好きなんですけど」 「ぶーーーーーっ!!!?」 思わず、鍋の汁を噴出させる美琴。対して上条は少し困り顔をさせながら、 「美琴の事…? いや、大っ嫌いだけど…  つか、ここ最近は美琴の顔も見たくないって思ってたし、今日も会ってうんざりしたからな…」 美琴はその言葉に、目の前が真っ黒になった。…のだが。 「だって美琴って全然可愛くないし、特にたまに見せる笑顔とかめちゃくちゃブサイクだし…  まぁ女の子は顔が全てだけど、美琴って中身もひっどいもんな。  いっつも俺の事をスルーしてくるし、何かと味方になってくれないし…  でもいくら美琴が素敵じゃないからって、変態の上条さんは、  中学生に手ぇ出してもいいかなって思ってる」 何だか言っている事がおかしくないだろうか。 ふと上条の顔を見ると、何故か真っ赤になっている。 嘘八百茸は、食べると『本音とは真逆』の事を言ってしまう。 そして少し考えれば分かる事だが、不幸体質の上条が本音茸【あたり】を引く筈がないのだ。 つまり先程の言葉は上条の…… それを理解した瞬間、美琴も負けじと赤面する。 そしていつものように、「な、ななななに馬鹿な事言ってんのよ!!!」とでも言おうとする。 しかし思い出して欲しい。上条と白井と初春が嘘八百茸を食べた、という事は、 美琴が食べたのは本音茸の方だという事になる。 そう。美琴は、先程の上条の『嘘』に対し、『本音』を言ってしまったのだ。 上条への、本当の気持ちを。  ◇ さて、キノコ騒動の後は、大体いつも通りであった。 白井と青髪が血の涙を流し、上条を追いかけたり、 佐天や初春、そこに舞夏も加わって美琴をからかったり、 土御門が事の顛末を知り合いに片っ端からメールして、上条を処刑する者を募ったり… ただ一つだけ違う事があるとするならば、一組のカップルが誕生した、という事だろうか。 }}} #back(hr,left,text=Back)

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