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上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある子猫な超電磁砲/Part4」(2010/02/14 (日) 13:34:44) の最新版変更点

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---- #navi(上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある子猫な超電磁砲) 「ここら辺で良いんだよな?」  右手にシーソーと鉄棒、そして精々小学1.2年生までだろうと思われるサイズの滑り台。  簡単に表現するなら団地の敷地内によくある公園と言った所か、その場だけを見てしまうと学園都市らしからぬ光景だった。  公園は上条の寮から徒歩数分の場所にある、同じ学区ではあるが、本来なら美琴の行動範囲ではないはず。  との疑問を抱きながらもこの場では触れない事にした。  でもこの理由については聞いた所で美琴の口から話せる内容とは思えないのだが……。 「パッと見た感じ何もねぇけど、場所合ってんのか?」 「場所は間違いにゃいわ、でも何もにゃいってのはオカシイわね…」 「……ってことは誰かが拾ったとか?」 「……!?(いや…でも可能性があるとしたらそれしか…)」 「…どうした?」 「にゃ、にゃんでもないわよ!」 「じゃ、一通り探してみっか」  上条はそう言って、公園を右手の隅から探し始めた。  まずは目視、そして手探り…終いには木の枝で色んな所を突っついたりもしてみたが…捜し物は見つからなかった。  隅から隅まで探したが、結局"物"と呼べるのは割れたスコップとペットボトルのキャップのみだった。 「これだけ探してないんじゃ諦めるしかないんじゃねぇか? それに誰かが拾ったなら届けてくれているかも?」 「…心当たりがあるわ、あと一つだけ…これでにゃかったら諦めるわ」 「御坂さん……そういうのは早く言って下さいっ!」 「私を拾ってきたシスターよ、インデックスとか言うんだっけ?」  その後に本名ではにゃいでしょうけど、と付け足し上条に告げる。 「そういや、オマエを拾ってきたから…その場に落ちていた物を回収していても不思議じゃねぇな」  家で待ってりゃ腹が減ったと同時に帰ってくるだろうしな、と美琴に告げる。  辺りが徐々に朱に染まって行く中、上条は家路に付く…その様子を見る限り慌ててる様子はない。  寮の入口でお決まりの服装の土御門舞夏が清掃ロボットに乗って登場したが、ここは華麗にスルー。 「ただぁいま~…ってまだ帰ってないみたいだな」  ポケットに入っている携帯を取り出しインデックスに連絡する  呼び出し音が3回程鳴った所で応答があった。 「あーあーあーあー、……とーま?」  他にも何かガチャガチャ聞こえるが一応繋がってはいる。 「…そーだよって、それ以外にかかってくる相手いんのかよ?」 「いない……そうだそうだ!今日は小萌の家に泊まってくからご飯は気にしなくていいんだよ!」 「(何でこういう時にそうなるかなぁ…)今日は帰ってきなさい、それにちょっと御坂がオマエを探してんだよ」 「短髪が…? どういうよーけんなのか説明して欲しいかも」 「オマエ、御坂を拾ってくるとき一緒に何か拾わなかったか? 携帯とか…財布とか…コインとか」 「……それってもしかしてカエルのとか?」 「あ~多分それだ、で、それはオマエが持ってんだよな?」 「う~ん、いきなり鳴き始めたから放り投げちゃった…」 「……財布は?」 「それは持ってる!」 「そろそろ暗くなるだろうし、迎えに行くから!」  上条の方から電話を切り「ふぅ」と一息つく。 「どうだった…?」 「財布はあるってさ、携帯についてはご愁傷様です…」 「にゃにがどうにゃったらご愁傷様にゃのかよくわからにゃいけど…」 「放り投げちゃったとさ……」 「……連絡はどうすんのよ」  その後はいかにもらしい間が開いた、だが沈黙に耐えられなかった上条は……。 「……オマエ、濡れてたんじゃ風邪引くかもしんねぇし気分もワリィだろ?」 「そ、そんなことにゃいわよ、あ、アンタのにゃらだ、大丈夫っていうかにゃんというか…って聞け!!」  パチパチと怒りを表に出す美琴だが、現時点の最大出力はチクッとする程度。幻想殺しも必要がない。    上条は美琴を居間に降ろし、風呂場へ向かった。洗面器で美琴専用の風呂を作ろう等と考えているようだ。 「にゃによあの馬鹿…少しくらい聞いてくれたっていいじゃにゃい…」  美琴の方はというと肝心な事を聞いていない上条への不満を漏らしている。  その頃、風呂場では上条が必死に洗面器を洗っていた。シャッシャッという音が静かな家の中で響く。 「洗面器洗うのも楽じゃねぇな…」    その後も頑固な水アカに手こずりながらも、一〇分足らずで掃除は終了した。   「御坂、ちょっといいか!」  シーンとしている家の中では少し大きすぎる声で、居間の美琴を呼ぶ。 「にゃによ…?」 「風呂を用意したから、俺がインデックスを迎えに行ってる間入っとけよ」  美琴を軽く持ち上げ、洗面器横にちょこんと置く。 「洗濯物はこのカゴ、タオルはそこに置いておくから…」  アンタに洗濯物を任せられるハズないでしょ!と思った美琴であったが、ここは上条に甘えることにした。 「じゃ、行ってくるからな。何かあったらどっか狭いとこ隠れとけ」 「う、うん…」  上条が出発してすぐ、美琴は洗面器の簡易風呂に入る。そして入ってからとある事に気付いた…。 「(こ、これどうやって降りるのかしら…)」    美琴をネコとしても見ていた上条はこのくらいひとっ飛びだろうと考えていたのだろう。  だが美琴は降りれるワケがないと考えている、それもそうだ「体」のほとんどは人なのだから。  カゴという名の小物入れは目の前にあるのに、何故かタオルは低い位置に置いてある。 「(あの馬鹿が帰ってきたらどうすればいいのよ、今の状態の裸は見られたくない…)」  今の今まで美琴は自分がどうやったら元の大きさに戻れるのか…実は考えていなかった。  ただ今は元の体に戻りたいとしか考えていない、これは御坂美琴の悩みというより一女性としての悩みだ。 「(どうやったら…)」  考えるだけで時間は過ぎて行く……。  美琴は今、自分がどうやってここから降りるかということよりも"どうやったら元に戻れる"のかを考えていた。 1・最大出力の電撃を放ってみる 2・“あの時”のように考えてみる 3・あの馬鹿の右手でダメだったから素直に諦める  今ある選択肢はこの3ツのようだ、ちなみに“あの時”とは美琴がネコに変わってしまった時の事。  悩みに悩んだ彼女は自力で上条宅を調べ上げ、取り敢えず押しかけてみよう…という計画を立てた。  だがいざ近くに来ると……色々な事を考えてしまい、年頃の男女が二人きり…(ry なシーンを想像し勝手に漏電していた。  そこから少しの間の記憶が失われており、気付いたらネコになっていたというワケなのである。  事態を把握出来ずに慌てていると白いシスターが現れた、見覚えがあったので自分から直ぐ様SOSを出した。  しかしそのシスターは“全く驚くことなく”美琴を受け入れたのだ、今考えてみるとおかしい話でしかない。 「(……あのシスターなんか知ってるんじゃない?)」  そう「あのシスター」ことインデックスは全てを知っている。  ただそれを上条にも美琴にも告げていないだけであって、彼女は知っているのだ。  ここで美琴に決定的な選択肢が一つ出来た、その4「あのシスターに聞く」  そうこうしていると解錠される音がし、ドアが開く音が聞こえた。そして咄嗟に自分の状況に気付く……。 「(ヤバッ!)」  美琴は恐怖を全て捨て、洗面器からタオル(フェイスタオル)に向かい飛び降りた……。  しかしと言うべきか、それともやっぱりと言うべきか…痛かったのである。  タオルというクッションが無かったらという事を考えるだけで恐ろしい。    そこで美琴は上条の言葉を思い出す―――何かあったらどっか狭いとこ隠れとけ  タオルを巻きつけたまま、洗面器と壁の僅かな隙間に飛び込む…その時「我ながら馬鹿よね」と心で囁く。 「帰ったぞー、おーい御坂~!」  上条は真っ先に風呂場にある洗面器を確認するが、そこに美琴の姿はない……  しかし水面が揺れている事から上がってすぐというのは把握出来た。 「……どこ隠れてんだ?てか何で隠れてんだ? こんな事したから嫌われたとか…?」  上条は洗面器の前で腕を組み、勝手に分析を始めていた。インデックスは既に居間でスフィンクスと遊んでいる。 「(嫌ってないから嫌ってないから嫌ってないから!)」 「この洗濯物は…手洗い以外出来ねぇよな」 「(えっ? 洗濯物!?)ちょっと待ちにゃさいよアンタ!!」 「ん? 今御坂の声が…気のせいか?」 「…待てっつてんでしょ!!」    洗面器横の隙間から、タオル一枚に包まれた御坂美琴が飛び出してきた。  そりゃ、当然使えと言った物を使ってるのだから不思議でも何でもないはずなのだが  ……その光景は上条にとっては異様である。 「んなとこで何してたんだオマエ…」 「入ってる時にアンタが帰ってきたから…」 「そんな長い時間浸かってられるほど気持ちイイもんなのか?洗面器風呂」 「……それにアンタに見られたくにゃいし」 「安心しろ御坂、万が一何かを見てしまっても上条さんは何も感じませんから」 「……それってどういう事よ」 「どういう事って?そのままの意味だぞ、それ以外に何があるってんだ?」 「こういう場合ってね、にゃにも感じないとか言われる方がショックにゃのよね…」    美琴がパチパチし始めた、当然超能力者と言われる程の威力はないであろう。  だがさっきまでの静電気級とはワケが違った、電撃と呼べる物を放とうとしていたのだ。 「ちょ、ちょっと待ってください御坂さん!! 今、上条さんは水で作業をしようとしているんですよ?」 「んにゃの関係にゃい……」 「本当に困るから許して!!」  そう言って上条は美琴の頭の上に右手を置く、これだけでスッと大人しくなった。  その理由として幻想殺しの効果に+αが加わっている、これは美琴限定なのだが…。 「ほれほれ…アナタは今可愛い子猫ちゃんですよぉ~」 「……」 「(た、助かった~)と、取り敢えずですね。この制服を洗濯しなきゃいけないのでそれまで……」 「私がやるから、あ、アンタは向こうに行ってなさいよ……」 「ま、まだご乱心な美琴様…お、桶をここに置いておきますから……」  と言って風呂場を後にする上条、ネコになっても御坂は御坂だと心で思うのであった…。  美琴の方は何故この桶を風呂に使わなかったのか疑問だったが、言葉には出さず心に閉まった。  そして居間に戻った上条だが、インデックスがさっさとご飯を出せと言わんばかりにジト目で見つめてくる。 「不幸だ…」  いつもの一言を残しキッチンへ向かう、インデックスの食料は基本的に何でも良いのだ。  美琴の食べれる物について真剣に考えている上条は取り敢えず野菜を刻んでみる事にした。  イメージとしては肉団子的な物を想像、一人暮らし歴が長いのでそれなりに料理は出来るのである。   「…筍の水煮、椎茸、ニラ…取り敢えずこんなもんでいいか」  刻んだ材料を鶏ひき肉に投入し、軽く味付け…そしてつなぎの片栗粉を加えよく練り上げる。   「ふぅ、これで後は茹でるだけっと…」  その時、風呂場の方からタオルを見に纏った美琴が出てきた。  どうやら洗濯物は終わったらしい、両手に服を抱えて現れた。 「ドライヤーあるから、インデックスに頼んで乾かしてもらってくれ」 「うん…分かった」  しかしその横顔は心なしか思いつめているように感じた。上条にとっては出来るだけ見たくない表情だった……。 「これ乾かして欲しいんだけど…」 「お安いごようなんだよ!」  ドライヤーのスイッチを入れた次の瞬間、制服が一気に吹っ飛んでいった。  下着は美琴が譲れないとばかりに抱えてるので幸い無事だったが…。 「飛びすぎかも…」 「ちゃんと押さえてやらにゃいからでしょうが!」 「おなかがへってると頭が働かないんだよ!」   結局、乾かし終わる前に上条が夕食を持って居間に来てしまった。 「ちゃんと乾かせたか?」 「あ、当たり前じゃない!」 「何で短髪は意地を張ってるの?」 「うっ……」 「……飯食う前にやっちゃうから、さっさと服をよこせ!」  上条は下着以外の服(短パン含む)を全て完璧に乾かして美琴に渡した。   「じゃ、俺は一旦出てくから御坂は着替えちゃえよ」  終わったら呼べよ、と一言残し上条は何故か外まで出て行った。  美琴は仕方なく下着は取り敢えず放っておいて、服を見に纏う。  やはり短パンだけじゃ落ち着かないというのが正直な所らしいが当然言葉には出さない。 「あの馬鹿が外に居る間に聞いて起きたいことがあるんだけど…」 「?」  インデックスはクエスチョンマークを顔にしたような表情をする。 「アンタは何か知ってるんじゃにゃいかって思ったのよ、私が小さくにゃった事に関して…」 「……バレたんなら仕方ないかも、聞かれたら隠す理由もないから話すけど――― ―――実はその現象を治すのはとっても簡単な事なんだよ、でもとっても重い行為をする必要がある」 「簡単で重い行為…?」 「そうなんだよ、その行為はやっちゃえば一瞬、だけど本人達の気持ちが一番大事。誓の意味もある行為だからね」 「そ、それってまさか―――」 「―――キスをすれば短髪は元に戻れるんだよ」 「にゃ、にゃに馬鹿な事言ってるのよ! あ、あ、アイツ何かとキスにゃんか出来るわけにゃい!!!」 「その調子じゃ短髪は一生そのままの姿で過ごす事になるだろうねぇ~」 「そ、それが困るから相談してるんじゃにゃい!」 「だからね、それしか解決の方法はないんだよ。“そっち”の人間にこんなことを言っても無駄と思うけど それ以外の可能性はゼロなんだよ、とーまの右手が効かなかった時点でこれは絶対、神様でも変えられない事」 「……少し考えさせてちょうだい」 「とーまが寝てる時に勝手にしても姿は元に戻る、これが一番簡単だと思うんだよ。短髪にそれを実行出来る勇気があれば…の話だけど」  美琴は自分が元に戻る方法を聞かされた、しかも方法はたったひとつ…“上条当麻”とキスをする。  これは想像以上に重く、簡単なようで簡単ではない……美琴からしたら当然嫌な事じゃない。  でもその行為を面と向かってする場合は相手の気持ちも聞く必要がある、  無理やりするくらいなら元に戻れなくて良い。  美琴はそう考えていた。  そして自分が元に戻る事……それは上条当麻とのこれから先にも影響する事だということを意味していた。 「(重すぎるわよね~全く)」  美琴が一人で考え悩む中、インデックスはどうやら上条を呼びに行くようだ。  席を立ち、僅かな時間ではあるがスフィンクスと二人きりの空間が作られた。  実は美琴、ネコが大好きなのである。ただ体から発せられる微量な電磁波をネコが嫌って寄り付かない。  しかし今回はワケが違う、自分もネコなのだからどうにかなるだろう…  という事でこの際思う存分ネコと戯れたい気持ちなのである。 「ちょっと失礼するわよ…」  美琴はスフィンクスのお腹の辺りに腰を落とす、普通の人間がやっては  ネコを下敷きにしてしまう恐れがあるが、今の美琴なら問題はない。  それに今回は電磁波も出てない様子でスフィンクスは快く美琴をお腹の前に置いている  というよりご飯の問題で元気が無いとも言えるのだが…。 「ったく、どんだけ人を外で待たせるんですか~?」 「おなかへったから早くいただきますをするんだよ!って短髪!?」 「少し冷めてっから温めてくるぞ…って御坂…オマエ何やってんだ?」  二人から驚きの声が飛ぶのも無理はない、あの御坂美琴がネコ撫で声でスフィンクスと二人だけの世界に入り込んでいるのだから……。 「可愛い…可愛すぎるわ…ホレホレ~いい子いい子、夢だったのよね~ネコとこうして遊ぶというか戯れるのが」 「あの~御坂さん?」 「にゃによ~用があるなら後…で……あ、アンタいつからそこに……」 「えーっと……ついさっきから」  不穏な空気を感じたインデックスとスフィンクスは共に首をかしげながらやれやれと言った感じで席をはずす。 「……忘れにゃさい、今すぐに!」 「い、今見たものだけは…む、無理ですっ!」 「私が元に戻ったら覚えときにゃさい……」  取り敢えずこの場はやり過ごした上条だったが、美琴が元に戻ったらの事を考えてゾッとした……。 「とーま!」  争いの空気が通りすぎるとインデックスが睨んでくる、目的はただ一つ……。 「よし!少し遅くなったけど、ご飯の時間だぞ~」 「ごはん♪ごはん♪ごはーん♪」 「御坂にはこれを作ったから、食べてくれ」  そこには小さい器に入った肉団子のスープがあった、団子は一口サイズにカットされており。  何故か小さいスプーンまでもが用意されていたのだ。 「ここに居る間はこんなもんしか出せないけど……。おかわりだけは自由だからな!」  美琴は無言でスプーンを進める、隣で騒ぐインデックスの横でただ静かに……。  上条はお口に合いませんでしたか?と言いたかった所なのだが、美琴のスープはすでに無くなっている。 「……」  そっぽを向いて器だけを差し出す美琴、その頬はほんのり赤くなっている。  上条がイマイチ状況が理解出来なかったが、すぐにおかわりを用意し美琴の元へ届ける。 「ほらよっ」 「あ、ありがと……」  上条と美琴が向かい合う形の右側に、インデックスが家の食料を全て食べ尽くす勢いで箸を進める左側。  食事をしているのに変わりはないのだが、テーブルの右側と左側では雰囲気が全く異なっていた。  結局はインデックスが全て食べ尽くし、お腹いっぱいで食事を終えたというよりは料理が無くなったから食事を終えただけと言った感じだ。  美琴が何やらそっぽを向きながら横目でチラチラと上条を見る 「あの…その…美味しかった」 「光栄です、ハイ」  ギコチないやり取りではあったが、二人は正直な気持ちをお互いにぶつけた。  食事が終わり、インデックスがテレビに噛り付く中、上条は直ぐに寝る態勢に入ろうとしていた。 「インデックス、寝る時はテレビ消せよ。あ、後…御坂はベッドの上でもスフィンクスの横でも好きな所で寝て良いぞ」 「ちょっとアンタはどこ行くのよ、そっちはお風呂場よ…?」 「あ…俺は風呂場で寝てんだよ。カギかけちゃうから用があんなら今のうちに…」 「アンタと一緒じゃダメにゃの……?」 「……んとよく聞こえなかったんですけど…」 「だから…アンタと一緒に寝ちゃダメにゃのって聞いてるのよ」  インデックスはテレビを見ているから聞こえないフリをしているのか?  それとも事情を知っているから聞こえないフリをしているのか?  どっちかは定かでないがこの二人の会話を聞いて口を出していないのは事実である。 「つまり御坂美琴さんは、この上条当麻と一緒に寝るとおっしゃっているわけ…ですか?」 「好きな所で寝て良いって言ったじゃにゃい……」  ネコはネコと言えど、御坂美琴である事も確かだ。元の姿を思い出してしまい上条はドキドキしている。  つまり無理矢理ネコと決めつけて、理性を働かせる以外に方法はない……上条が美琴に返す言葉はもう決まっている。 「わ、分かった……今日だけだからな、今日だけ」 「……う、うん。ありがと」  いつの間にかインデックスはベッドの上で横になっていた。上条が心配になるくらいこっちの事に干渉してこない。  でもそれに越したことはない、と自分の中で納得し寝床(風呂場)へ向かう。 「んで、御坂さんはどちらでご就寝に?」  上条は浴槽の中で寝るのか、外で寝るのかを美琴に尋ねた……のだが。   「アンタと一緒だって言ったじゃにゃい…」  潤んだ瞳を見て上条は首を縦に振らざるを得なかった……。 「免責一、スペースがスペースなのでナニがあっても上条さんは一切の責任を負いません…以上!おやすみなさい!!」  当然寝れるワケがない、息遣いまで聞こえるし耳を澄ませば胸の鼓動まで聞こえそうな至近距離  少し動いた際に唇と唇が触れてしまう可能性もある。  相手はネコなのだが御坂美琴でもある、これを頭の中でかき消そうとしても簡単に消える物ではないし  相手がネコだと最初から思っているならばここまで意識はしないだろう。  美琴は夕食前にインデックスに言われた言葉を思い出していた――寝てる時に勝手にしても姿は元に戻る。 「(これじゃ、コイツの気持ちもわかんないし、意味ないわよね…私がコイツを勝手に利用して勝手に元に戻るだけ…)」  二人とも目を閉じて数時間経過するが、実は眠れていないのだ。というより眠れない。  上条にしても美琴にしても今日は色々な事があり肉体的にも、精神的にも  疲れているというのに……お互いが意識し合ってしまい最悪の結果をもたらしている。 「(さ、さすがにソロソロ寝たわよね……)」 「(あ~OK出すんじゃなかった…不幸だ……)  上条が寝るのを待っていた美琴は、胸元まで移動し体を預ける……上条が腕さえおろせば抱き抱える形になる。  しかし上条も寝てはいない、目を開けて確認は出来ないが美琴が移動したのは嫌でも分かった。 「(よりにもよってそんな所に…腕がおろせないぞこれじゃ……いや、でも寝ちゃってるなら……)」  様々な事を考えた結果、上条は腕をおろすことにした。その結果がどうなろうと知らないくらいの気持ちで……。 「(……!? こ、これって、だ、抱かれてる……?)」  思わず声が漏れそうになったが、必死に耐えている。 「(抱き心地が物凄くいい…って相手はネコだ、相手はネコ……いや、ネコだから良いのか)」 「(なん・・・で? なんでこんなに強く抱きしめるのよコイツ…ズルいっ)」  二人はお互いが起きている事も知らずに…そして夜は更け二人は眠りに吸い込まれる……。 とある子猫な超電磁砲 一日目終了 ---- #navi(上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/とある子猫な超電磁砲)

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