とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

Part1

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だれでも歓迎! 編集


上条当麻は朝から腹をすかせていた。

何故ならば、今朝は何を食べようかなーと思い冷蔵庫を開けてみれば中身は空っぽで、
仕方がないので近くのコンビニに朝飯を買いに行こうと思いきや、度重なる不況の煽りを受けて
近所に唯一そこだけしかなかったコンビニは閉店に追いやられ、結局寮から少し離れた場所にある
コンビニに行かざるを得ない状況になってしまい、この有様である。

上条(はぁ……、朝から不幸だ。早起きは三文の得ってよく言うけど、ありゃウソだな。っつーか、俺の場合だけか?
    あぁ……、何かまだ不幸な事が起こりそうな気がする。二度ある事は三度あるってよく言うし……)

打ち止め「ねえねえ、朝からこの世の終わりを迎えたような顔してどこへ行くの?ってミサカはミサカは尋ねてみたり」

上条(い、いや!流石に考えすぎだ考えすぎ。もっとポジティブにいかなきゃな!うーん、今日の朝飯は何にしよっかなー)

打ち止め「ちょっ、いくら何でもスルーは酷すぎるかも!ってミサカはミサカは不機嫌そうに頬を膨らませてみたり」

上条「……ん?ありゃ、打ち止めじゃねーか。どーしたんだ、こんな朝早くかr……はっ!
    ま、まさかまたトラブルに巻き込まれてるのか?すまん、協力するから少しだけ時間をくれ。
    流石に朝飯抜いた状態でトラブルを対処しろってのは流石の上条さんでもきついと言うか」

打ち止め「あなたは一体何を口走ってるの?ってミサカはミサカはあなたの被害妄想癖に少し同情してみたり
      それからミサカはただ遊びに行こうと思ってただけだよ、ってミサカはミサカは誤解を解いてみる」

上条「……えっ?な、なんだ良かったー。それじゃ、俺は急いでるからまたな……って。何故私の服の裾を掴んでるんでせうか?」

打ち止め「ふっふふーん、ってミサカはミサカはいいカモもとい遊び相手を見つけてほくそ笑んでみたり」

上条「……あ、遊び相手?……や、やっぱり二度ある事は三度ある……ってか。不幸だ……」

上条「で、具体的に何をして遊びたいんだ?」

打ち止め「んーとね、特に何にも考えてないんだよ、ってミサカはミサカは
      「やっちゃった☆」と言わんばかりに拳をコツンと頭に当ててみたり」

上条「ノープランかよ!」

打ち止め「あ、あははー。そ、そうだ遊園地!ってミサカはミサカは苦しまぎれに提案してみたり」

上条「遊園地?そういや最近新しいテーマパークがオープンしたって土御門達が言ってたっけなあ」

打ち止め「そ、そう!その新しくできた遊園地に行ってみたいかも!ってミサカはミサカははしゃいでみたり」

上条「遊園地か……。そういや俺遊園地って行った事ねーな」

打ち止め「それじゃあ是非行くべきかも!ってミサカはミサカは強引にあなたの腕を引っ張ってみる」

上条「まあそれはいいんだけど……。
    もしお前と一緒にいるところを知り合いに見られでもしたら何やら色々とあらぬ誤解を受けそうだ……」

打ち止め「?よく分からないけど、要するに誤解を解ければいいんだよね、ってミサカはミサカはあなたに確認を取ってみる
      それなら、いっそ兄妹って事にしちゃえばいいんじゃない?ってミサカはミサカは王道パターンの解答をしてみる」

上条「兄妹か……、それならあr……いや、駄目だ!もし土御門とかにこの光景を見られでもしたら、
    「何だかんだ言ってカミやんも俺と同類だったんじゃないかにゃー」とか言われるに決まってる!」

打ち止め「あなたは一体何を口走ってるの?ってミサカはミサカは少々本気であなたの頭を心配してみる」

上条「うーん……、そ、そうだ!従兄弟!従兄弟ならまだセーフだろ!
    これならアイツらに見つかっても変な事言われる心配はない……かな?」

打ち止め「よく分からないけど、あなたが納得したんならそれでいいよ、
      ってミサカはミサカは身体は子供でも頭脳は大人なのであなたに同調してあげる」

上条「……なんか小馬鹿にされているような気がするんですが」

打ち止め「気のせいじゃないかな?ってミサカはミサカはさらっと流してみたり。
      それじゃああなたの事は何て呼べばいいの?お兄ちゃんって呼べばいいかな?
      ってミサカはミサカは成人男性が喜びそうなキーワードを発してみる」

上条「それじゃあ結局何の解決もしてねーじゃねーか!せめて別のにしてくれ!」

打ち止め「えー?お兄ちゃんってばわがままだなー、ってミサカはミサカはいわゆる妹キャラを演じてみたり」

上条「演じなくていい!もっと他のがあるだろ、例えば……「当麻さん」とか「当麻くん」とか
    ……いや、これでも結局のところ、あらぬ誤解を避けては通れないような気がする……」

打ち止め「おにーちゃーん?ってミサカはミサカは女性の必殺技と言われる上目遣いで攻撃してみる」

上条(うっ!?……はっ!いかんいかん!俺は何を考えてるんだ!
    これじゃ土御門と本当に同類じゃないか!これは違う!違うんだ!
    俺が好きなのはあくまでも年上の管理人さんキャラであって、妹属性は―)


美琴「……アンタは、年端のいかない女の子に何を言わせてるのかしら……?」

◆         ◇         ◆         ◇         ◆

御坂美琴は朝から胸を躍らせていた。

何故ならば、彼女が毎週立ち読みしている週刊漫画雑誌は本来月曜日に店に並ぶのだが、
彼女が生活する寮からは少し離れてはいるものの、彼女の寮がある第七学区内のとあるコンビニで
月曜日に並ぶはずの漫画雑誌が一日早く店に並んでいるという何とも耳寄りな情報を挟んだので、
本来学生にとっては休日である日曜日にも関わらず、彼女はその目的のコンビニへ向かっていた。

美琴(ほんっといい穴場を見つけたわー。教えてくれた土御門には感謝しなきゃね。
    「密室×密室探偵」、先週は凄くいいところで終わっちゃったからなー。
    まさかバーロウ=新二だなんて……すごい展開よねー。一体これからどうなるのかしら!
    あーもう、まだ読んでもいないのにすっごくウキウキしちゃってるわあたし!)

と、彼女が読んでいる漫画雑誌の中でも特に毎週楽しみにしている推理漫画の今後の展開を
あれやこれやと考えながら歩いていると、彼女のわずか数メートル先に、よく見慣れた、そして
彼女が淡い恋心を抱いている少年の姿が見えた。

美琴(……ッ!な、何でアイツがこんな朝早くからいんのよ!
    タイミング悪いっていうか良いっていうか……って違う違う!そんなんじゃないんだからっ!
    あーもう!「密室×密室探偵」も読みたいけど、アイツとも話したいって言うか!
    で、でも漫画はいつでも読めるけど、アイツとはいつでも会えるわけじゃないし……)


美琴が顔を真っ赤にしながら、誰に言うのかも分からない言い訳を必死に考えていると、
彼女の耳に聞き捨てならない単語が飛び込んできた。

◆         ◇         ◆         ◇         ◆

上条「―というわけでございまして、上条さんには悪意と言うか、やましい気持ちは一切なかったんでございますよ」

美琴「本当かしら?あやしいもんだわ……まあ、いいけど。だけど次似たような事があったら本気でぶっ飛ばすから」

上条(ううっ……、やっぱり不幸だ……。結局朝飯は食えずじまいだし、朝からビリビリに殺されかけるし……)

美琴「何か文句でも?」

上条「い、いえっ!!滅相もない!!何も文句なんてないのでございますよ!!?」

打ち止め「ねえ、そろそろいいかな?ってミサカはミサカは痴話喧嘩の仲裁をしてみたり」

美琴「ち、ちわっ!!?ななな何を言ってるのアンタは!!一体何処でそんな言葉を覚えたのよ!!」

打ち止め「ふふーん、ミサカはミサカネットワークを通していろんな情報を知る事ができるんだよ、
      ってミサカはミサカは胸を張って威張ってみたり」

美琴「そんな情報まで仕入れなくてもいいのよ!大体アンタまだ子供でしょうが!!」

上条「はいはい、もうそれはいいから。ところで御坂、お前こんなとこで何してんだ?」

美琴「な、何って……。……さ、散歩よ、散歩」

上条「……って事は、お前今ヒマなんだな?」

美琴「暇というか、そうじゃないと言うか……その……」

上条「そーかそーか!打ち止め、美琴おねーさまが遊んでくれるってよ!
    それでは上条さんはこれから用事があるので失礼させてもらいますね!!」

美琴「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!アンタ責任放棄する気!?」

上条「いやー用事がなければ上条さんも遊んであげたいんですけどねー!
    流石に朝飯食わないと上条さんも元気が出ないって言うか―……はっ!」

美琴「ほほう……?朝ごはんを食べにねぇ……?」

上条「い、いや、違うんでございますよ?上条さんは朝飯を食うだけが今日の目的じゃないと言いますか、
    今日は他にも色々と用事がありまして忙しいと言いますかその」

美琴「じゃあ、今日の予定を、一時間刻みに、事細かーく説明してもらえるかしら?」

◆         ◇         ◆         ◇         ◆

上条・美琴・打ち止めの三人は近所のファミレスに来ていた。

「支払いは当然アンタよね?」と、ゴゴゴ……とか、バチバチ……とか効果音が聞こえそうなくらい
どす黒いオーラを放つ美琴の前に上条は為す術もなく、結局ここでの代金は上条持ちという事になった。
美琴は既に朝食を済ませていた為、彼女の目の前には紅茶しか置かれていないが、
隣の席に座る打ち止めの目の前には期間限定メニューのジャンボマロンパフェが置かれていた。

上条「っつーか、実際のところ御坂は暇なんだろ?だったら俺が遊んでやるより、よっぽどいいんじゃねーか?」

美琴「暇って言っても……。大体、アンタが最初に頼まれたんだからその責任は果たすべきでしょ」

上条「でも、知り合いに見られたらあらぬ誤解を生みそうだし……。大体、お前もキレてたじゃねーか」

美琴「そ、それはっ!アンタがこの子に「おにーちゃーん」とか呼ばせてたからでしょ!」

上条「だから呼ばせてねーって!コイツが勝手に勘違いして呼んでただけだってさっきも説明したじゃねえか!」

上条と美琴がぎゃあぎゃあと騒いでいる横で、打ち止めはジャンボマロンパフェを最後まで食べ終え、
クリームで汚れた口の周りを紙ナプキンを丁寧に拭った後、

打ち止め「じゃあ、みんなで一緒に行けばいいんじゃない?ってミサカはミサカはまたまた痴話喧嘩に割って入ってみたり」

上条・美琴「「え?」」

打ち止め「遊ぶなら人数が多い方が楽しいかも、ってミサカはミサカは少し気分が高揚している二人の説得を試みたり」

上条「……まあ、それが一番無難なとこかもな。御坂はどうなんだ?」

美琴「えっ、あ、アタシ?アタシはその……別に……、別に、いいけど」

打ち止め「それじゃあ決まりだね!ってミサカはミサカは色んな意味でワクワクしてみたり
      そうと決まれば早く行こう!ってミサカはミサカは二人の腕を強引に掴んでみる」

美琴「ちょ、ちょっと!!」

上条「ちょっ、まだ俺全部食ってないって!」


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