とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

14-23

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kinsho_second

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だれでも歓迎! 編集
 その頃、一足先に帰っていた土白は土御門の部屋で、浜面が撮影した一方通行VSフィアンマのVTRをチェックしていた。


「映像は荒いけど撮るところは撮ってくれるぜい」
「おお、こんなシーンがあったたんだー」

などと二人で話していてふとカレンダーを見た。
十月頃にやる一端覧祭はあと八ヶ月。年がら年中遊びほうけるのはまだまだ先らしい。

「一端覧祭といえばさー、去年は確かメイド喫茶やったよねー」
「そうだにゃー、特に月夜のメイドはきれいだったにゃー」
「今年はこれだけ販売するわけにもいかないし……今度は男の子たちに頑張って貰おうかなー」
「いや、カミやんのフラグをこれ以上増やすわけにはいかんぜい」

カミやんとフラグ、この単語で土御門は大変なことを思い出した。

「しまったァァァああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
「わわわわわっ!?どうしたの元春!?」

土御門はすぐに落ち着きを取り戻すと、

「カミやんのアンハッピーバレンタインはこれからだぜい」

そう断言した。

「どういう意味?」
「カミやんのフラグは海外にも数え切れず、追い掛け回す勇気を持たない女の子もいる……」
「うん、確かにそうだね」
「そういう女の子はにゃー……、宅配便やら扉の前においたりするんだぜい!!」


「でも、上条君達の新居を知っている人ってほとんどいないと思うよ。」
「あ、言われてみればそうだにゃー。って言う事はそれらのチョコは…」
「隣を見てみれば分かるんじゃない?」
「一応、見てみるぜよ。」

土白は今は誰も住んでない隣の家を見てみた。
そして、土白が見たものは想像以上の事態になっていた。

「「な、なにこれ…」」

土白は隣のドアのポストから地面にあふれている150以上のバレンタインチョコを見て呆然としていた。

「こ、これはどうすれば良いのにゃー?」
「う~ん、これを上条君に全部渡すとしても上条君が困るし、逆に渡さなくてもその人たちが可哀想だし…」
「それもこれもカミやんがいけないんだけどにゃー。」
「そうだよね。でも、本当にこれはどうすれば良いの?」

土白はこの状態をどうすれば良いのか考え始めた。


と、そんなところにまたまた宅配業者がゾロゾロやってくる。

「わわわわわっ!?どうするの元春!!」
「くぅっ、いつもならカミやんの住所を教えて仕返ししてやるが、ホワイトデーのお返しを手伝うことになるにゃー!!」

実は土御門、中学生時代の上条のホワイトデーのお返しを何度も手伝っている。
それは何故かと言うと、…………何というか放っておけないのだ。
上条は量が多すぎてバレンタイン翌日からお返しを作る事になる。年々と上条のフラグは倍単位で増えていき、お返しの量も自分の食費を削らなければならないほどだ(実際上条はその一ヶ月を塩と砂糖と水で生活していた)。
なぜそこまで体を張る必要があるんだ?と土御門は聞いたことがある。そしたら上条は、

「もらっらお返しをする。それが常識だろ?」

と迷わず答えた。その日あたりからは青ピ含む三人は更に仲良くなったという話がある。
だがそれは今は放っておこう。今は現実逃避をしている暇はないのだ。

「うー……どうするの?元春?」
「えーい、待て待て待て……」

そんなことを言ってる間に、一人の男がやってきた。この寮の管理人である。

「マズい!!」

だが管理人は待ってくれなかった。

「そこの部屋の人なら引っ越しましたけど?」

この瞬間土御門は塩と砂糖と水だけの生活になるのを覚悟した。


「え、そうなんですか。じゃあ、これはどうすれば良いのでしょうか?」

宅配便の人は寮の管理人の言葉をきいてどうすれば良いのか考えていた。

「なら、そこに居る二人が引っ越した場所を知っているから。二人に運んでもらうのはどうだろうか?」
「そうなのですか?ならお二人さん、これを運ぶの手伝ってもらって良いですか?」

宅配便の人は寮の管理人がそういってので土白に頼んでみる事にした。

「別に良いぜよ。」
「ならお願いします!!私はこれから他のところに宅配しなければいけないので。」

土御門はどの道、塩と砂糖と水だけの生活がよぎなくされることを覚悟しているので運ぶ事を承諾した。
そして、宅配便の人はその後他の宅配のため、どこか行ってしまった。
また寮の管理人は話が終わると、どこか行ってしまった。

「で、頼まれたのは良いけどこれどうやって運ぶの?って元春、誰に電話掛けてるの?」
「ああ、結標ぜよ。あいつの『座標移動』なら簡単に持ち運び出来るからにゃ-♪ ……月夜?」
「……淡希ちゃんなら許す。淡希ちゃんだったら元春なんて全くの守備範囲外だし、元春とはただの仕事仲間だし、私の友達だから」

一体いつの間に月夜と結標が仲良くなったのか知りたくなった土御門だが、それ以前に自分の恋人のやきもち焼きのレベルに少しだけ頭が痛くなった。
気を取り直して土御門は当麻のチョコの処理を結標に依頼することに。

「もしもし結標、ちょっと頼みたい事が…」
『あのさ土御門、私のデートをジャマするつもりなわけ?』
「え?ちょっとまて、デートってお前彼氏いたのかにゃー!?」
『いるわよ。だから、私に今日だけは私に頼まないで。それじゃあ。』
「結標、ちょっと待て!彼氏の名前だけでも…」ブツッ

結標は今彼氏が一緒にいるという理由で電話を切った。


「おにょれあのショタコンめ……。しっかしこれで一番頼れる奴が使えないとなるとちと困るぜい」
「あれ? 黒子ちゃんは? あの子もテレポーターなんだから頼めば」
「白井ちゃん一人で運ばせるには距離も遠いし、量もある。あの子一人に負担を掛けるのは俺としても心苦しいぜよ」

 黒子の『空間移動』の最大の飛距離は81.5m、質量は130.7kgに対して結標の『座標移動』の最大の飛距離は800m以上、質量は4520kg。
 確かに黒子に何度も『空間移動』をしてもらえれば済む話なのだが、それでは黒子に申し訳ないので頼めない土御門だった。

「じゃあ絹旗ちゃんと井ノ原くんは? あの二人なら体力あるし往復の運搬だって苦にならないよ」
「その二人も却下ぜよ。井ノ原弟は第四位のレーザー喰らって傷こそ回復はしてるがダメージは残っててとても無理ですたい。絹旗に至ってはそれ以前の問題にゃー」
「それってどうゆうこと?」
「他人のカミやんへのバレンタインチョコを運ぶなんてこと、カミやん限定のシスコンのあの子が認めるわけが無いぜよ。それこそここにあるチョコ全部ダメにするに決まってるぜい」

 腕力&体力に定評のある絹旗と真夜も諸事情により却下された月夜はめげずに次のアイディアを出す。

「ならシェリーさんのゴーレムに運んでもらうのは? あれなら大きいから早く終わると思うよ」
「……月夜、あんなデカブツを学園都市で堂々と動かしたら大パニックぜよ。それこそ職質の嵐に見舞われちまうぜい」
「そっかー。残るはインデックスちゃんにここで全部食べてもらうくらいしか思いつかないけどダメだよね。上条くんって律儀だから貰ったチョコも責任持って全部食べそうだもん」

 月夜のダメ元のアイディアを聞いた土御門、少しの間だけ思索に耽ることに。

(確かに去年まではカミやんのチョコは八割がカミやん、残る二割は俺と青ピが食べ切ったが今年は違うぜよ。あの暴食シスターが居るのをすっかり忘れてたぜい)
(カミやんは今年も律儀に全部のホワイトデーにお返しするだろうから送ってきた相手の名前と住所はこちらで控えとけば問題無いしにゃー♪ 残るはカミやんだ)
(本人がウンと言わないとこれは使えんからにゃー。ま、そうなったらそうなったで俺のコネが利く業者にでも頼んで新居二号に全部送っちまえばいい話ですたい)

 月夜の心配そうな視線を他所に土御門は早速、当麻の了承を得るべく当麻に電話を掛ける。
 ちなみに当麻のホワイトデーのお返しについては初春辺りにでも一度相談しようかと思っていたりする土御門であった。



『ん?なんだ土御門?編集終わったから見に来いとか?』
「似てるけど違うぜい、カミやんの前の部屋にチョコが溜まってるんだにゃー」
『……そっちもか』
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