とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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小ネタ しゅっちょう!!



「えっと、洗面セットいれた、保険証いれた、バスタオルもいれた………よし!」
 上条はふぅと息をつくと、ハンガーに掛けてあったスーツに袖を通す。
「じゃぁ美琴、上条さんは出張に行ってきますので、留守番よろしくな」
「………も、もう行っちゃうの?」
 美琴は荷物を抱えた上条の傍までやってくると寂しそうな顔で呟く。
「そんな顔すんなよ。たった2日だろ?日曜の夜には帰ってくるんだしよ」
「でも……」
「まぁ、なんだ。麻美の事、よろしく頼むな」
 上条は幼稚園に行っている愛娘を思いつつ、美琴の頭をくしゃくしゃと撫でる。
「うん。それは、まかせといて」
 えへへ、と頬を緩ませ、嬉しそうに喉を鳴らす。
「ん。じゃぁ、行ってくる」
 そんな美琴の様子に満足すると、上条は玄関に向かい綺麗に磨かれた革靴を履く。
「ね、ねぇ、当麻……」
「ん?まだ何かあんのか?」
 上条はトントンと靴を鳴らし、しっかりと履けている事を確認する。
 相変わらず美琴はもじもじとしていた。
「あ、分かった。土産だな?任せとけって、しっかり買ってくるよ」
「………」
「?………ご当地ゲコ太か?」
「ちがっ………違うわよ」
 真っ赤になって叫ぶ美琴に、上条は首をひねる。
「お土産はいいから、帰ってきたら………」
「帰ってきたら?」
「た、ただいまの………き、ききききす、して?」
「ああ。キスでもなんでもしてやるよ。じゃぁな」
 上条は美琴の頬に口づけると、鞄を持って出かけて行った。
「ふ、ふ、ふ、ふにゃぁぅうぁ!?」
 遊びに来た初春が玄関で棒立ちの美琴を発見するのは、お昼になってからだった。


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