とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

統括理事長の計画(遊びとお仕置き)

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匿名ユーザー

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うってかわって学園都市外周部

そこには男女二人の魔術師が立っていた。といっても外見は一般人と代わらない服装をしている。
「どう?ターゲットおよびその仲間が行きそうな場所は頭に入ってるかしら?」
「ああ、入っている。すべての場所に術式を仕掛けるのか?やつらの行動パターンを調べて場所を絞り込むべきではないのか?」
「確かに絞り込めれば幸いだけどね。魔術師連中なら組織だって動いていたりするからわかりやすいのだけど、・・・・・・相手は学生。しかも異能の力は打ち消すらしいから・・・相対しない攻撃方法しか選べないのよ。」
「なるほど。異能を打ち消すか・・・確かに厄介だ、だが術式起動後の二次災害ならば通るというわけか?」
「それもわからないわ。仲間連中がターゲットを守る可能性もある。だからこそ的を絞らず、各地に設置しかく乱と陽動も考えて幾多の罠を仕掛けるのよ」
「なるほど、だから俺が選ばれたというわけか。隠密術式と時限術式に特化したこの俺を」
「ええ、そうゆうことよ。それと仕掛けた場所は後のことを考えて地図に明記しておく事、・・・いいわね」
「わかった」
「ではまずあの厄介なセキュリティーを突破しなければね」

その言葉を最後に二人組はその場を離れ、人混みの中に紛れてゆく。彼らが持っていたのであろう紙が空に舞い粉々に散った。
そこにはこう記されていた。

第一目的:『幻想殺し(イマジンブレイカー)』上条当麻の抹殺
第二目的:『上条勢力』の削減
第三目的:『禁書目録(インデックス)』の奪取
第四目的:『学園都市』の警備体制調査

そしてこの下には上条当麻とインデックス並びに上条勢力の主だった戦力の顔写真が添付されていた。
その面々には『一方通行』『超電磁砲』『必要悪の協会メンバー』『グループ』『元アイテム』である。

だが彼らは知らない。
自分たちが嫉妬の怨嗟に巻き込まれる事を
自分たちが狙ってはいけない場所を狙ってしまい、あっけなく敗れる事を。
自分たちが侵入することも一人の男の計画の内である事を。

「ようやく進入してきたか。ではこの事を彼らに知らせるか。フフ、楽しませてもらうぞ『イマジンブレイカー』。そして悔いるのだな、デートに明け暮れて仕事をおろそかにした自分を『土御門元春』。フフフ」

統括理事長の『遊び』と『お仕置き』という計画に。


土御門・一方通行・浜面は生徒指導室の扉の前まで来ていた。

「土御門元春・一方通行・浜面仕上、入りますにゃー」

この声とともに扉を開けたのだが、ゴリラ(災誤)は真剣な表情で電話で会話をしている。

「闇咲、いったい何があったにゃー」
「なに、警備員詰所かららしいのだが・・・話を途切れ途切れ聴いていると、どうやら侵入者らしい。しかも何らかの能力を使ったとの事だ」
「にやー、能力?・・・魔術師だとしたら厄介なことになると思うんだけどにゃー」
「もし魔術師ならば、われわれにも出動要請があるかもしれないな」
「てェー事は何かァ・・・説教は無しッてかァ」
「にゃー、この流れからするとそうなりそうだにゃー!」

そんな話をしていると災誤が電話をきり三人に気づいた。

「んあーすまん、せっかく呼び出したのだが・・・これから警備員として出動せねばならなくなった。闇咲先生、後をお願いします」
「ええ、わかりました。気をつけて」

災誤は生徒指導室を後にするのだった。
そんな中二つの違う音色が部屋に響いた。闇咲と土御門の携帯である。


『やあ土御門。恋人との甘い生活、十二分に堪能しているようだね。そんな君に私からささやかなプレゼントだ』
「プレゼント……てめぇまさかわざと侵入者を入れやがったな」
『何だもう知っていたのか、つまらん。だがまあ、ここ最近のお前はだらけ切っていたからな。責任はそちらにもあると思いたまえ』

 土御門に連絡を入れたきたアレイスターの口調にはそこはかとなく嫌味が込められていたが、事実なだけに何も言い返せない土御門。
 そんな土御門にアレイスターは侵入者の狙いを教えるという優しさを見せる。

『奴らの目的は幻想殺し、禁書目録の二人がメインらしいな。上条勢力もいくらか減らしたいようだ。もちろん土御門、お前も奴らのターゲットだ』
「……なあアレイスター、あまり考えたくないんだが上条勢力に超電磁砲、ネセサリウス、俺達グループ、それに元アイテムも含まれたりしてないよな?」
『成程、恋人にかまけていても腑抜けにはなっていないようだ。まあそうゆうことだから頑張りたまえ』

 土御門は抗議しようとしたがアレイスターにその手のことは無駄だと理解してるので止めて、電話を切ろうとするが、

『だが悲観することも無い。奴らが掴んでいるネセサリウスの魔術師達だがどうも数は少ないらしい。あの少女に感謝するのだな』

 最後にアレイスターが言い残した言葉に気を取られているうちに先に電話を切られてしまうのだった。



「成程な、魔術師が二名、学園都市に侵入したと」
『はい。カメラで監視してますけどその魔術師さん達、色々な所へ移動してるようなんです。どう思われますか? 闇咲さん』
「おそらくは陽動の為に使用する時限術式の設置だろう。それで? 私はどのように動けばいいんだ? 初春」

 闇咲に電話をかけてきたのは初春だが、彼女の喋り方のせいかあまり緊張感が伝わってこない。
 しかし行動に関してはいたってまともなのでその点は闇咲も安心している。

『えっとですね、闇咲さんにはその魔術師さんが設置した時限術式の解除をお願いします。後で魔術師さん達が立ち寄った場所の位置を転送しますので』
「了解した。しかし私一人でやるのか? 広範囲ともなるとさすがに」
『それなら心配無用です。建宮さん、五和さん、対馬さんにも協力を要請してひゃんっ! か、火織お姉ちゃんダメです! 今はハグ、き、禁止ですっ!』

 建宮たち天草式学園都市支部のメンバーが動くのに女教皇の神裂の名前が挙がらなかったことに納得した闇咲だった。
 ちなみに浦上は美琴と黒子の護衛に付いてもらっている。

『え、えっと、そ、そうゆうわけですので後のことはお願いします。闇咲さん、シェリーさん、天草式学園都市支部の皆さんがここに居るという情報は掴ませていませんので安心して下さい』
「それは助かる。しかし相変わらず君のこうゆう時の手腕は目を見張るものがあるな」
『私の取り柄なんてこれくらいですから。これで役に立てなかったらそれこそ申し訳が立ちませんよ。私は教会に居ますかシェ、シェリーさん! ゴスロリ衣装なら後で着ま』

 最後まで言い終える前に初春からの電話は切れたが、教会で起こってるであろうことを考えると初春に同情を禁じ得ない闇咲なのであった。
 なお、隠密術式を使っているはずの魔術師の位置を把握出来たのは神裂のお陰で、彼女にしてみればまだまだ構成が甘いとのことである。


 そうしてほぼ同じタイミングで電話を終えた土御門と闇咲は顔を見合わせた後で、闇咲が動き出す。

「すまない三人とも。魔術師が現れたので私もここを離れることになった。土御門、君は上条達と共にここに残っててくれ」
「了解。……つーか出られそうに無い気がするけどな。新入生共の相手をしなくちゃならんだろうし。そっちこそ大丈夫か?」
「問題無いさ。初春のお陰で私、シェリー、それに天草式の皆は自由に動ける。まあ神裂とシェリーは当てには出来んだろうがな」

 アレイスターの言っていた少女が初春だと分かっていた土御門、それに伴い神裂とシェリーが彼女の護りに入ることも、微妙に戦力外ということも理解した。
 報告を終えた闇咲が生徒指導室を出ようとした時、言い残したことで土御門のシリアスモードが一旦解除されることに。

「続きは全てが終わってからだからそのつもりでな」
「ちょ、ちょっと待つにゃー! ここは流れ的に指導はお流れってのが相場ってもんですたい! ……まさか学校に残れって言ったのは」
「もちろん入学式の件の指導をする為に決まってるだろう? 土御門、君は当たり前のことを聞くのだな」

 ドサクサに紛れて入学式での指導を無かったことにしようとした土御門、しかし現実は全くもって甘くなど無い。

「はっ、ンなもンばっくれるに決まってンだ」
「私は生徒を信じている。もちろん一方通行、君もだ。何、時間はそんなに取らせないさ。だから待っていてくれるな?」
「……わーったよ(クソッ、コイツはやっぱり苦手だぜ)」

 無条件に信頼してくる人間に弱いのか、一方通行は素直に闇咲の言うことを聞いたので仕方なく土御門と浜面も従うことに。
 闇咲が居なくなった生徒指導室、残された三人が動き出す。

「んじゃ俺達は教室に戻ろうぜい♪ カミやん達と合流するのが先決だからにゃー」
「けどよ、もし魔術師がうちの学校に侵入したらどうすんだよ?」
「ンなこたァ言わなくても分かンだろ? 俺達で返り討ちにする、それだけのことだァ」



 こちらはネセサリウス学園都市支部の拠点でもある教会、そこにはインデックスとステイル、神裂とシェリー、そして初春が居た。
 魔術師が侵入したという事態なのにも関わらず緊張感皆無なのはいつものように神裂とシェリー、二人がかりで初春を愛でているからに他ならない。

「よーっし、これも可愛い可愛い♪ 飾利にプレゼント決定だな」
「まだやるんですか~? これで五着目ですよ……。というよりも私達は何もしなくていいんですか?」
「何を言ってるのですか、飾利。貴女は私の考えた計画を闇咲たちに報告したという立派な仕事を終えたでは無いですか。シェリー、次は超ミニのメイド服でいきましょう」

 そう、闇咲に指示した作戦を立案したのは魔術側に入って日が浅い初春では無く、経験豊富な聖人サマの神裂だった。
 初春に伝えさせた理由は自分が言うよりも初春に言わせた方が素直に聞く者が意外と多いからというものだったりする(特に建宮)。

「それにインデックスを狙うというのなら無闇に動かない方が得策だよ。僕の顔はあちら側には割れているんだろう? だったら敢えて移動せずに待ち構えていた方がやりやすいのさ」
「時限式の術式解除はおうまや天草式のみんなに任せれば問題ないんだよ。そのせいでわたしたちが何もしないで終わりそうな予感はするかも」

 インデックスとステイル、二人はまだ恋人ではないが自然に寄り添っているのでバレンタイン以降、関係は進展しているようだ。
 初春が着替えに行っている間、手持ち無沙汰状態の神裂がインデックスを手招きして一着の服を渡す。

「インデックス、貴女も暇でしたらこの服に着替えて下さい。私が貴女に似合う服を選んできましたから」
「あ、ありがとうなんだよ……。でもかおり、ステイルが居る前で着替えるのは死ぬほど勇気がいるんだよ……」
「いや、何もここで生着替えをしろとは言ってませんから……。飾利が着替え終わった後であちらの部屋に着替えに行けばいいですよ。ステイルが楽しみにしてるようですよ?」
「そっ、そんなこと……は、あるけど……」

 ステイルが顔を髪の色並みに真っ赤にしてるのを見たインデックス、早くこの服を着たいを思ったのは彼の為なのか服に興味があるのか、それは本人にしか分からないことだった。
 魔術師侵入という事態にも関わらず、教会はいたって平和そのものだった。



 場所は変わって友愛高校の当麻のクラスの教室、残っていた当麻達による新入生撃退法会議だが全く進んでいなかった。
 理由はここに居る面子の殆どが作戦を考えるのが苦手で、半蔵もこの癖だらけの面子を纏めるにはまだまだだったからである。


「またわたし忘れられてる」

『空気女』姫神秋沙、土御門たちの後をこっそり付いて行ったのだが、皆彼女に気づくことなく大忙しな状況になってしまっている。

「フフフ、もう馴れたけどね・・・」


そんな姫神の前を全速力(とまでは行かないが)走り去って行く土御門・一方通行・浜面。

「にゃー、しかし魔術師と新入生を同時に相手しなければいけないとはにゃー」
「まッたくだァ。急いで上条らと合流しないとなァ、護衛役の建宮も借り出されてるはずだからなァ」
「にゃーそういえばそうだな・・・初春さんの頼みは最優先に動いちまうからにゃー」
「え?じゃあ急がないといけないじゃねか・・・滝壺ーーーーーー今行くぞーーーーーー!」


「叫ぶなァァァァ、新入生共に見つかるだろうがァァァァ!」
「す、すまん」
「にゃーそういうアクセラこそ声が大きいぜい」

まるで怒鳴り漫才をしているかのごとく走って、教室へ辿り着いた三人


そこで待っていたのは、にらめつけて来る上条たちだった。

「……ナンだよその目は」
「滝壺サン、現状報告どうぞ」

上条が呼ぶと奥から滝壺が出てきて、

「さっきの叫び声で、レベル4の集団がこっちに向かってきている」
「「「「「責任とってもらいまひょか?」」」」」
「「……すいません(ン)でした(ァ)……」」
「俺悪くないからにゃー、責任とる必要ないにゃー」
「……元春」
「にゃ?なんぜよ月夜?」
「連帯責任」
「理不尽だにゃー!!」



「ちなみに滝壺サン、具体的な敵情はわかる?」
「体晶はないけど木山先生の特訓である程度は。」

「で、どうなンだ?」

一方通行が尋ねる。
その答えは
驚愕に値するものであった。


「ざっと2クラス分くらい。あと一人レベル5が混じってる気がする。」

上条たちの目が一方通行に注がれる。
「な、なンだよォ?」

「アクセラ、てめえのせいで……」
「にゃー、貴様があんな公衆の面前でひどい振りかたするからだぜい」

「あれだって十分丁重なつもりだったんだけどよォ。」

「「「「「「「あれのどこが!?」」」」」」」
「とりあえず迎え撃とうぜ。」

「そうだにゃー。とりあえず作戦会議だぜい。」
「おィ、そんな猶予あンのかァ?」

一方通行のもっともな疑問に対しては黒髪の美少女が答える。

「大丈夫。このクラスへのルートは全部厚さ80センチの氷の壁20枚で封鎖してるから。10分くらいは持つと思うよ。」

*1)))))


「……月夜、『氷結光線(レーザースノウ)』いけるかにゃー? 」
「OK元春。元春にてを出すようなら……、私が全員カキ氷にしてやるぅぅぅううううううううううううう!!!」
「まて白雪、その技マジでそうなりかねないからやめてくれよ?上条さんも砕けてしまった人は元に戻せませんからね?」
「わかってるよ上条君、砕くんじゃなくて削るんでしょ?」
「いや!?それもダメですからね!?」

上条が白雪とギャグトークしていると……。

「……カミやん?人の彼女といちゃいちゃするもんじゃないぜい?」

軽く嫉妬された。

「いちゃいちゃしてるように見えるか!!人殺しはいけませんってお説教してるだけでせうよ!?」
「まあいいぜい。とにかくその後カミやん、一方通行、浜面囮でそのままがんばってご帰宅してにゃー」
「「「作戦でもなんでもねェェェえええええええええええええええええええええ!!!!!!」」」

ガタンッ!!と座っていた椅子から立つが、土御門がまあまあと止めて、

「作戦でもなんでもないぜい。青ピとか巻き込まれた被害者だし、それ巻き込んだのカミやんだし、位置ばれたの二人のせいだし」
「「「ふざけんなァァァああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」」」

そのとき、ドカーン!!と扉が吹っ飛んだ。

「さあ、幕は開かれたぜい?」
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注釈

*1 (((((つ、月夜サン恐ろしいっ