血気盛んな新入生達は何の前口上も述べずに、壊れた扉から突入するが全員が全員、動きを止めてしまう。
土白はそんな新入生達を見て、楽しげにハイタッチをする。
土白はそんな新入生達を見て、楽しげにハイタッチをする。
「まさかここまでハマるなんてビックリだよ♪」
「があっ、く、くそっ……! か、体が凍りついてう、動けねぇ……」
「君達さぁ、私達がこうして教室に居る時点で待ち伏せしてるって思わなかった? 罠が仕掛けられてるって考えるのが妥当だよ」
「お前らが来てるってのは滝壺ちゃんのお陰で丸分かりぜよ。中の様子をうかがうってことも然り。だから芝居を打って仲間割れしたと見せかけたんだにゃー♪」
「があっ、く、くそっ……! か、体が凍りついてう、動けねぇ……」
「君達さぁ、私達がこうして教室に居る時点で待ち伏せしてるって思わなかった? 罠が仕掛けられてるって考えるのが妥当だよ」
「お前らが来てるってのは滝壺ちゃんのお陰で丸分かりぜよ。中の様子をうかがうってことも然り。だから芝居を打って仲間割れしたと見せかけたんだにゃー♪」
新入生達の動きを止めたのは月夜の冷気を放出させ徐々に凍らせる新技、さしずめ粉塵氷結といった所である。
当麻達は土御門の先ほどまでの自分達を見捨てるような発言が嘘だということに驚いていたが、月夜だけは彼の嘘を見抜いていた、まあ恋人だから当然といえば当然だが。
当麻達は土御門の先ほどまでの自分達を見捨てるような発言が嘘だということに驚いていたが、月夜だけは彼の嘘を見抜いていた、まあ恋人だから当然といえば当然だが。
「カミやん達には悪いと思ったが敵を欺く為にはまず味方からってのが世界の常識だからにゃー♪ けどカミやんが月夜といちゃついてたのにむかついたのはマジだけどな」
「……こ、これで迎撃出来たって思ってんなら、あ、甘いぜ……。侵入ルートは」
「そんなことはお前さん達ごときに言われるまでも無く承知してるぜよ。浜面! 半蔵! 窓側は任せたぜい♪」
「……こ、これで迎撃出来たって思ってんなら、あ、甘いぜ……。侵入ルートは」
「そんなことはお前さん達ごときに言われるまでも無く承知してるぜよ。浜面! 半蔵! 窓側は任せたぜい♪」
土御門の指示をすぐに理解した浜面と半蔵は拳銃を上着から抜くと、窓から侵入してきた新入生達を容赦なく撃った。
「ま、当然だな。扉だけが侵入ルートじゃない、窓も立派な侵入ルートだ。浜面、そんなバツの悪そうな顔するな。俺達は正当防衛してんだぞ」
「いや、そうなんだけどよ、いくらゴム弾によるダメージは少ないっていっても高い所から落下してんだぜ。少しは悪いって思うのが普通だろ……」
「お前はそうゆう所は甘いよな、ホント。けどあいつ等は全員がレベル4なんだろ? だったら落下した所で……うわぁ、最悪」
「いや、そうなんだけどよ、いくらゴム弾によるダメージは少ないっていっても高い所から落下してんだぜ。少しは悪いって思うのが普通だろ……」
「お前はそうゆう所は甘いよな、ホント。けどあいつ等は全員がレベル4なんだろ? だったら落下した所で……うわぁ、最悪」
窓側からの侵入者を撃退してる浜面と半蔵、ふと窓の外に目をやった半蔵がもの凄く嫌そうな顔をして声を上げた。
何事かと思った当麻達も外を見ると、そこには多くの新入生達が待ち構えていたのだ。
何事かと思った当麻達も外を見ると、そこには多くの新入生達が待ち構えていたのだ。
「こ、これはいくら何でも……。こっから飛び降りてやり過ごすってのは無理だな。その時点でタコ殴り確定だし」
「そっちだけじゃない。昇降口、校門、裏門にも新入生らしい能力者が居るのを感じる」
「逃げ場無しやん! どないするん? つっちー」
「そっちだけじゃない。昇降口、校門、裏門にも新入生らしい能力者が居るのを感じる」
「逃げ場無しやん! どないするん? つっちー」
青ピに言われるまでも無く土御門は考えていた、今回の件の収拾方法について。
(魔術師達の方は学校の外に居る連中に任せて大丈夫だろう。問題はこいつ等だ、逃げてやり過ごしても結局同じことの繰り返しになる)
(徹底的にやって大人しくさせる、これが一番だ。それに逃げたら闇咲に怒られるしな。けどここじゃ狭すぎる……。結標にでも頼むか)
(徹底的にやって大人しくさせる、これが一番だ。それに逃げたら闇咲に怒られるしな。けどここじゃ狭すぎる……。結標にでも頼むか)
新入生相手に逃げるという選択肢を捨てた土御門、立場をいうものを教え込ませる為に叩き潰すことを決意すると結標に電話をかける。
しかし結標の携帯は電源が切られているらしく、本人と繋がらなかったので座標移動の使用を諦めると、
しかし結標の携帯は電源が切られているらしく、本人と繋がらなかったので座標移動の使用を諦めると、
「しゃーない、正面突破するしか無さそうぜよ。アクセラ、いっちょ道を作ってくれるかにゃー♪」
「了解だァ。そン代わり、ルートは俺が勝手に決めさせてもらうぜェ。……ンじゃ、てめェらしっかり付いてこいよォ!」
「了解だァ。そン代わり、ルートは俺が勝手に決めさせてもらうぜェ。……ンじゃ、てめェらしっかり付いてこいよォ!」
一方通行に頼んで教室からの逃走ルートを作ってもらうように頼み込むと、一方通行は楽しそうに了解した。
月夜に凍らされた新入生達を加減無しに吹き飛ばすと、片方の扉の前に居た新入生達も蹴散らすと教室を飛び出した。
廊下に居た者達も吹き飛ばしながら突き進む一方通行の後に続く当麻達、どこへ向かうのかは先陣を切っている一方通行しか分からない。
月夜に凍らされた新入生達を加減無しに吹き飛ばすと、片方の扉の前に居た新入生達も蹴散らすと教室を飛び出した。
廊下に居た者達も吹き飛ばしながら突き進む一方通行の後に続く当麻達、どこへ向かうのかは先陣を切っている一方通行しか分からない。
――――――――――
さて、土御門が連絡を取ろうとした結標だが今は翔太と一緒に行動しているがデートという色っぽい話では無い。
二人は今、過去に翔太の能力で焼かれたことの恨みを抱いている新入生達と体育館裏で相対していた。
二人は今、過去に翔太の能力で焼かれたことの恨みを抱いている新入生達と体育館裏で相対していた。
結標は呆れ果てていた、目の前の翔太を狙っている新入生達のあまりにも下卑た態度と物言いに。
付き合い始めてまだ二ヶ月ほどではあるが翔太が相手を悪戯に傷つける人間でないと分かっているので、結標は新入生達に尋ねる。
付き合い始めてまだ二ヶ月ほどではあるが翔太が相手を悪戯に傷つける人間でないと分かっているので、結標は新入生達に尋ねる。
「あんた達、翔太に燃やされたって言ったわよね? 何かしたんでしょ?」
「そいつがさっさと金を渡さねぇのが悪いんだ! そうすりゃ痛い目にだって遭わさずに済んだってのによぉ!」
「挙句に勝手にパニくって能力暴走させて俺らを焼きやがったんだ! 素直に金くれりゃ万々歳だって、へ? な、何でグギャッ!!」
「そいつがさっさと金を渡さねぇのが悪いんだ! そうすりゃ痛い目にだって遭わさずに済んだってのによぉ!」
「挙句に勝手にパニくって能力暴走させて俺らを焼きやがったんだ! 素直に金くれりゃ万々歳だって、へ? な、何でグギャッ!!」
翔太が狙われた理由があまりにも身勝手なものだったので結標は最後に喋っていた新入生を座標移動まで自分の所まで引き寄せると警棒で顎を殴った。
結標の実力を目の当たりした翔太狙いの新入生達、嘗めきった態度を止めて全員で結標に襲い掛かるが翔太が手を広げて自分達の間に割って入ってきた、震えながらも。
結標の実力を目の当たりした翔太狙いの新入生達、嘗めきった態度を止めて全員で結標に襲い掛かるが翔太が手を広げて自分達の間に割って入ってきた、震えながらも。
「や、ややや止めろ! あ、淡希に手をあげたらぼ、僕が許さないぞ! 淡希は……僕が守るっ!」
勇気を出した翔太の行動に翔太狙いの新入生達は呆気に取られ、結標は地面に蹲ってプルプル震え出した。
ただし結標が震えてるのは恐怖とかではなく、単に翔太の行動が彼女の萌えのツボに入っただけのことである(もちろん鼻血も噴いている)。
ただし結標が震えてるのは恐怖とかではなく、単に翔太の行動が彼女の萌えのツボに入っただけのことである(もちろん鼻血も噴いている)。
(やばい翔太超カッコカワイイ♪ とりあえず胸ではさみたい、というか揉ませたい♪ むしろ今日で私の全部を翔太に捧げたい♪)
震えてる結標に駆け寄って心配する翔太を見た翔太狙いの新入生達、月結がいちゃついてるように見えたらしく逆上して襲い掛かる。
しかしこんな状態でも結標は翔太以外には冷静で、襲い掛かってきた連中を座標移動でグラウンドまで飛ばしたが、すぐに戻ってくるだろうと予感していた。
しかしこんな状態でも結標は翔太以外には冷静で、襲い掛かってきた連中を座標移動でグラウンドまで飛ばしたが、すぐに戻ってくるだろうと予感していた。
「だ、大丈夫? 淡希。ご、ごめんね、僕のせいで変なことにま、巻き込んで、そ、それに血まで……」
「しょ、翔太はそ、そんなこと気にしなくて、いいの。私とあなたは恋人同士、なんだから。それとこの血は何ていうか私のじ、自業自得で」
「しょ、翔太はそ、そんなこと気にしなくて、いいの。私とあなたは恋人同士、なんだから。それとこの血は何ていうか私のじ、自業自得で」
結標が鼻血塗れの表情という美女台無しな状態ながらもいい雰囲気を出していたその時、翔太に電話がかかってきた。
画面を見ると、相手は昨日の特訓の時に番号を交換した真夜だった。
画面を見ると、相手は昨日の特訓の時に番号を交換した真夜だった。
「も、もしもし井ノ原くん? ご、ごめん、悪いんだけどあ、後で掛け直して」
『取り込み中だったか、すまないな。だが時間はあまり取らせないから聞いてくれるかい? 君の能力の件だ』
「き、木山先生? ど、どうして井ノ原くんの携帯でせ、先生が? ……僕の能力、ですか? き、聞かせてください!」
『取り込み中だったか、すまないな。だが時間はあまり取らせないから聞いてくれるかい? 君の能力の件だ』
「き、木山先生? ど、どうして井ノ原くんの携帯でせ、先生が? ……僕の能力、ですか? き、聞かせてください!」
真夜の携帯でどうして木山が出ているのか気になった翔太だが、それ以上に自分の能力についてのことが気になり、事態が事態なだけに聞く決意をした。
木山の内容は翔太に関しての苦い記憶ばかりで泣きたくなるようなものだったが、全てを言い終えた後で木山が言う。
木山の内容は翔太に関しての苦い記憶ばかりで泣きたくなるようなものだったが、全てを言い終えた後で木山が言う。
『君が能力を暴走させたのはおそらく恐怖で心が支配された時だろう。被害を見れば自分の能力に怯えるのも分かる。だがそれでは一生そのままだ』
「じゃ、じゃあ、どうすれば……」
『恐れるなとは言わない。その恐れを超える強い信念を持つことだ。そうすればやがて恐れも消え、自分の能力にも自信が持てるだろう』
「じゃ、じゃあ、どうすれば……」
『恐れるなとは言わない。その恐れを超える強い信念を持つことだ。そうすればやがて恐れも消え、自分の能力にも自信が持てるだろう』
木山の言っていることを翔太は理解し、そして自分の中で『淡希を絶対に守る!』という信念を打ち立てる。
まだ完璧とはいえないが、それでも一歩前に進めたような気がした翔太は木山に礼を言う。
まだ完璧とはいえないが、それでも一歩前に進めたような気がした翔太は木山に礼を言う。
「木山先生、あ、ありがとうございます! 僕、何だか少しだけじ、自信が持てそうです!」
『そうかい。なら最後に一つアドバイスだ。月詠、昨日のピンポイント攻撃は一先ず忘れろ』
「ええっ!! じゃ、じゃあどうしたら」
『予め的を大きめに設定するんだ。そうすれば緻密なコントロールに気を取られていた分、炎の威力の制御も出来るはずだ』
『そうかい。なら最後に一つアドバイスだ。月詠、昨日のピンポイント攻撃は一先ず忘れろ』
「ええっ!! じゃ、じゃあどうしたら」
『予め的を大きめに設定するんだ。そうすれば緻密なコントロールに気を取られていた分、炎の威力の制御も出来るはずだ』
木山は翔太に【火炎地獄(デビルフレイム)】についての助言を送った後で『後で保健室に来るといい』と言い残して電話を切った。
自分の信念を決め、強い意志を固めると翔太は結標に対して自分なりの誓いを口にする、プロポーズまがいの。
自分の信念を決め、強い意志を固めると翔太は結標に対して自分なりの誓いを口にする、プロポーズまがいの。
「淡希は……、淡希は僕がずっとずっとまもるッッッ!!」
すると翔太はスクッと立ち上がり、向かってくる秀才不良達が走ってきた。
翔太は秀才不良達に手をかざすと、
翔太は秀才不良達に手をかざすと、
燃やした。
「どォらァ!!」
一方通行がドアを蹴破り、その後に息切れしてついて来るいつもの面々。
だが白雪は飛んでいるから、滝壺はおぶられているから別であるが。
それに行き着いた先は……。
だが白雪は飛んでいるから、滝壺はおぶられているから別であるが。
それに行き着いた先は……。
「屋上でせうか?」
「あァまぁココだったら壊す物も柵ぐらいしかねェしな」
「あァまぁココだったら壊す物も柵ぐらいしかねェしな」
壊す前提なのか?と読者諸君は思うかも知れないが皆その気なので成るほどと頷いてしまう。
「さァてと、ひと暴れしますかァ」
一方通行は伸びると……………屋上から飛んだ。
「アクセラ!!何やってんだ!?」
「オレは違う方面から始末しとくぜェ!!さっきのでちったァぶっ飛んだが、まだまだうようよ居るからなァ!!」
「オレは違う方面から始末しとくぜェ!!さっきのでちったァぶっ飛んだが、まだまだうようよ居るからなァ!!」
ヒャッホウ!!と一方通行はうれしそうに叫ぶと、どこかに走っていった。
「アクセラめ……もうちょっとこっちの計画を聞け」
「そういうけど土御門、お前どんな計画立ててんの?」
「あんましないにゃー。とりあえずこっちの目的が何かと錯乱させて、こっから自由行動。
まあアクセラのとった行動は、俺にしちゃあGJだけどにゃー」
「……あっそ」
「そういうけど土御門、お前どんな計画立ててんの?」
「あんましないにゃー。とりあえずこっちの目的が何かと錯乱させて、こっから自由行動。
まあアクセラのとった行動は、俺にしちゃあGJだけどにゃー」
「……あっそ」
当麻達が屋上に到着する数分前、友愛高校には美琴、黒子、そして浦上が向かっていた。
「あ、あの~、う、浦上様? どうして私達と目的地が同じなのでしょうか?」
「ふーん、黒子ちゃんは私が一緒だと迷惑なんだ? それってつまり門限破るような約束をしてるってこと?」
「めめめめめ滅相もございません! この黒子が常盤台寮三英傑の一人、浦上様の前でそのような不埒なことなど考えたりしませんの!」
「ふーん、黒子ちゃんは私が一緒だと迷惑なんだ? それってつまり門限破るような約束をしてるってこと?」
「めめめめめ滅相もございません! この黒子が常盤台寮三英傑の一人、浦上様の前でそのような不埒なことなど考えたりしませんの!」
今までは常盤台寮で恐怖の対象は寮監だけだったが、今年の一月から寮監補佐として働いてる対馬と浦上も恐怖の対象となっており、寮内では主に三英傑と呼ばれている。
ちなみに友愛高校で寮生活を送っていた元・常盤台生徒も当然のごとく彼女達三英傑の強さと恐ろしさを知っており、ちょっとしたトラウマになっているのだ。
ちなみに友愛高校で寮生活を送っていた元・常盤台生徒も当然のごとく彼女達三英傑の強さと恐ろしさを知っており、ちょっとしたトラウマになっているのだ。
「ゴメンね美琴ちゃん、付いて来ちゃって」
「仕方ないですよ。学園都市、しかもこの学区に魔術師が侵入してるんですから。浦上さんは私達の護衛、ちゃんと理解してます」
「ありがと。本当なら貴女たちに護衛なんて必要ないと思うけど初春ちゃんが念の為って言うもんだから」
「仕方ないですよ。学園都市、しかもこの学区に魔術師が侵入してるんですから。浦上さんは私達の護衛、ちゃんと理解してます」
「ありがと。本当なら貴女たちに護衛なんて必要ないと思うけど初春ちゃんが念の為って言うもんだから」
美琴は浦上が護衛する理由をよく理解していた。
確かに自分は学園都市第三位、そこいらの相手には負けない自信はあるがそれを過信していいような相手では無いのだ、魔術師は。
万が一があって自分が人質になって当麻の足手まといになるのは絶対に嫌、故に素直に浦上の護衛を受け入れたのだ。
確かに自分は学園都市第三位、そこいらの相手には負けない自信はあるがそれを過信していいような相手では無いのだ、魔術師は。
万が一があって自分が人質になって当麻の足手まといになるのは絶対に嫌、故に素直に浦上の護衛を受け入れたのだ。
(本当はもし美琴ちゃんに傷でも付いたら上条さんが逆上して何しでかすか分からないからってのも理由だけど……黙っとこう)
「お姉様、浦上様、○○様の高校が見えて来ました……何ですの? あれは」
「お姉様、浦上様、○○様の高校が見えて来ました……何ですの? あれは」
友愛高校の校門が見えるとそこには当麻達を逃がすまいとする新入生達が校門前を固めていたのだ。
三人はすぐさま理解した、これは絶対に当麻(上条さん)絡みだと。
三人はすぐさま理解した、これは絶対に当麻(上条さん)絡みだと。
「女だけじゃなく男も混じってる……つまり当麻を倒そうって奴らの集まりね。だったら問答無用で片付けても大丈夫よね?」
「お、お姉様っ! いけませんわ、そのようなお考えは! ここは一応相手の言い分を」
「てめぇ確か上条のオンナの超電磁砲じゃねーか! ちょうどいいじゃねーか、こいつを人質にしちまおうぜ!」
「あーあ、これは言っても聞かない子達ばっかりだね。だったら遠慮なく倒しても大丈夫そうかな♪ 黒子ちゃんも準備準備」
「お、お姉様っ! いけませんわ、そのようなお考えは! ここは一応相手の言い分を」
「てめぇ確か上条のオンナの超電磁砲じゃねーか! ちょうどいいじゃねーか、こいつを人質にしちまおうぜ!」
「あーあ、これは言っても聞かない子達ばっかりだね。だったら遠慮なく倒しても大丈夫そうかな♪ 黒子ちゃんも準備準備」
予想は当たってもすぐさま実力行使などはジャッジメントの黒子に出来るわけが無かったが、美琴に対する敵意と浦上の命令(?)で金属矢を手に構える。
美琴は体に電撃を纏い、浦上は布にくるんで持ち歩いていたドレスソードを抜くと、校門の前に居る友愛高校の新入生達へと疾駆したのだった(黒子は遠慮がちに続いて)。
美琴は体に電撃を纏い、浦上は布にくるんで持ち歩いていたドレスソードを抜くと、校門の前に居る友愛高校の新入生達へと疾駆したのだった(黒子は遠慮がちに続いて)。
――――――――――
屋上に居た当麻達が各々自由に行動しようとしたその時、校門前から激しい電撃を目にした。
それから一分間、その電撃は休む事無く放ち続けられ、ようやく収まると当麻宛に電話が掛かってきた。
それから一分間、その電撃は休む事無く放ち続けられ、ようやく収まると当麻宛に電話が掛かってきた。
『もしもし当麻? 何か変な連中が校門を通せんぼしてたからサクっと……う、浦上さん! ち、血があちこちに付いてますけど大丈夫ですか?』
『これ? 大丈夫大丈夫♪ これ相手の返り血だから。安心して、病院行くほどの怪我は負わせてないから』
『ですが浦上様。黒子は気のせいか怪我では病院のお世話にならなくても別の件で病院のお世話が必要な気がしますの……』
『これ? 大丈夫大丈夫♪ これ相手の返り血だから。安心して、病院行くほどの怪我は負わせてないから』
『ですが浦上様。黒子は気のせいか怪我では病院のお世話にならなくても別の件で病院のお世話が必要な気がしますの……』
美琴からの電話で聞こえてきた黒子と浦上の声、ならびに会話内容を聞いてちょっとした頭痛を覚えながらも当麻は美琴たちに今の状況を伝えるのだった。
美琴たちが校門に到着した頃、上条たちを狙う新入生たちで固められている裏門に一人の男が立っていた。
だがその男は新入生たちに気づかれる事なく、彼らの横を通り過ぎ、友愛高校敷地内に入っていったのである。
だがその男は新入生たちに気づかれる事なく、彼らの横を通り過ぎ、友愛高校敷地内に入っていったのである。
そう、その男こそ件の魔術師『ハイドマン』(コードネーム)
時限術式を友愛高校を除いた場所に仕掛け終え、最後にターゲットである『幻想殺し』の通う学校に来たのである。
ハイドマンは胸元から一枚の栞を取り出すとそこへ向けて話し出した。
ハイドマンは胸元から一枚の栞を取り出すとそこへ向けて話し出した。
「聞こえるか、クレイウーマン?」
『聞こえてるわ、ハイドマン。なにかしら?』
「上条当麻とその仲間が行くであろう場所は一通り仕掛け終えた。後は奴の学校だけだ。すでに敷地内なので30分もすれば仕掛け終わる」
『了解よ。仕掛け終えたら順次、術式を発動させて爆発させなさい。同時に『粘土人形(クレイドール)』を使って『禁書目録』の捜索及び警備体制を調べるわ』
「では30分後に再び連絡する」
『ええ』
『聞こえてるわ、ハイドマン。なにかしら?』
「上条当麻とその仲間が行くであろう場所は一通り仕掛け終えた。後は奴の学校だけだ。すでに敷地内なので30分もすれば仕掛け終わる」
『了解よ。仕掛け終えたら順次、術式を発動させて爆発させなさい。同時に『粘土人形(クレイドール)』を使って『禁書目録』の捜索及び警備体制を調べるわ』
「では30分後に再び連絡する」
『ええ』
だが、この通信が仇となる結果を生んでしまうのだった。
裏門の新入生たちの中に『音呼集(サウンドカレクト)』という能力者がいた為、彼らに協力させられる事になったのである。
裏門の新入生たちの中に『音呼集(サウンドカレクト)』という能力者がいた為、彼らに協力させられる事になったのである。
「魔術師が学園都市に! それホントか!」
『本当よ。だから浦上さんが一緒なんじゃない。ていうか当麻、何でアンタは知らないのよ?』
『本当よ。だから浦上さんが一緒なんじゃない。ていうか当麻、何でアンタは知らないのよ?』
当麻は自分達が新入生達に狙われてることを伝えた後で美琴から魔術師が学園都市に侵入してることを聞かされて驚いた。
念の為の補足だが当麻は青ピと半郭に、美琴は黒子に、それぞれ聞かれないように距離を置いて話している。
念の為の補足だが当麻は青ピと半郭に、美琴は黒子に、それぞれ聞かれないように距離を置いて話している。
「土御門、一応聞くけどお前知ってただろ? 魔術師が侵入してたってこと」
「……すまんカミやん。けど既にこっちで手は打っちまってるから伝える必要も無いって思ったんだ。仮にここに乗り込んだら返り討ちにするだけだからな」
「……すまんカミやん。けど既にこっちで手は打っちまってるから伝える必要も無いって思ったんだ。仮にここに乗り込んだら返り討ちにするだけだからな」
何か釈然としないものを感じていた当麻だったが、土御門の言うことにも納得出来たのでこれ以上の追求をしようとは思わなかった。
土御門との会話を終えた当麻は、美琴たちと落ち合う約束をする。
土御門との会話を終えた当麻は、美琴たちと落ち合う約束をする。
「じゃあ美琴、俺達は屋上に居るから。白井の空間移動があるからすぐに来られるよな?」
『それはいいんだけどさ、当麻。昇降口の所にも何かウジャウジャ居るんだけどそれ、片付けていいでしょ♪』
「できればお手柔らかに蹴散らしてくれると上条さん的にはとても助かるんですけど……そこは美琴さんに任せますのことよ」
『それはいいんだけどさ、当麻。昇降口の所にも何かウジャウジャ居るんだけどそれ、片付けていいでしょ♪』
「できればお手柔らかに蹴散らしてくれると上条さん的にはとても助かるんですけど……そこは美琴さんに任せますのことよ」
当麻の頼みの返答として電話越しの“チュッ♪”というキス音が聞こえてきた当麻はそれを肯定を受け取り電話を切った。
「さて、こっからは各々自由に生意気な新入生共をボッコボコにするわけだけどチーム分けはしとくぜい。浜面&滝壺&半蔵&郭、俺&月夜、最後にカミやん&青ピぜよ」
「ちょっと待て土御門! 何で男で唯一の足手まといの青ピと俺が組むんだよ! 変態で敵は倒せないんだぞ!」
「カミやん何て友達甲斐の無いことを! ボクかてやる時はやるんやで! つっちーもフォローしてや!」
「ちょっと待て土御門! 何で男で唯一の足手まといの青ピと俺が組むんだよ! 変態で敵は倒せないんだぞ!」
「カミやん何て友達甲斐の無いことを! ボクかてやる時はやるんやで! つっちーもフォローしてや!」
青ピは確かに友達だ、しかし戦闘において彼が活躍できるわけがないので当麻にとってはお荷物以外の何物でもないのだ。
そこへ土御門がフォローと言う名のある種のトドメを青ピに刺す。
そこへ土御門がフォローと言う名のある種のトドメを青ピに刺す。