とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

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小ネタ 8月9日



「えっと…御坂さん? この状況は一体なんなんでしょう?」
 出会ってからずっと顔を伏せながら抱きついてきた状態のままの美琴に困惑する上条。
「うっさい…今日はそういう日だから仕方ないの」
「そ、そういう日ってどういう日だ?十字教でもこんな変わったことはしない気がするけど…」
 美琴の言葉にますます訳のわからなくなる上条。
そんな上条に耐え切れなくなり、美琴は顔を上げる。
「今日は8月9日でしょ? それでハ、ハグの日になってるらしくって親しい人にはこういうことするんだって佐て…友達が言ってたから」
 美琴は顔を真っ赤にしながら説明するが、鈍感男上条当麻には通用しない。
「だからってそんな顔真っ赤にするほど嫌なら無理にしなくてもいいんじゃないのか?」
「別に嫌なんて言ってないじゃない!っていうか私だけがしててもハグになんないでしょうが!」
「はい?」
「だからアンタもしないとハグになんないでしょって言ってんの」
「俺もしないとダメなの!?というかこういうのはそもそも恋人同士だとかがな…」
「たかが行事なんだから、ちょっとするくらいで怖気づいてんじゃないわよ。それに外国人だったらこんなもん挨拶よ、挨拶」
 嫌じゃないとはしても、どうみたっていっぱいいっぱいな子が何を言ってるんでしょう、と上条は思ったがこれ以上食い下がると次は電撃が飛んできそうなので覚悟を決めることにする。
「分かったよ…じゃ、いくぞ」
「う…き、きなさい!」
 とてもこれから抱き合う二人の会話ではなかったが、それでも上条の両手は美琴の背中へと回され彼女を力強く抱きしめる。
「うぁ……」
 そんな声と共に美琴が上条の胸へと顔を埋めてしまう。
 力を入れすぎたかと勘違いした上条は心配そうに声をかける。
「わ、悪い。痛かったか?」
「ん、大丈夫…」
 いつもよりか細い美琴の声が返ってくる。
 そんな普段と違う美琴に少々心を動かされる上条だったが、
 その美琴の声が徐々に聞いたことのある不穏な声に変わっていき、違う意味で上条はドキリとさせられる。
「ふ…ふ…ふにゃ……」
「御坂!? お前、まさかこの状態で漏電する気じゃないだろうな!?」
 漏電、という言葉に反応して少しばかり自我を取り戻した美琴が顔を上げて、しないわよ!と怒鳴るが状態が悪かった。
 抱き合っているため上条の顔がとても近い。頭から湯気でも出てくるんじゃないかというようにさらに美琴の顔が赤くなっていく。
「ち、近っ…ふ……ふ…ふにゃーーー」
「やっぱりするんじゃねぇかあぁ!!!」
 美琴の意識が途切れ、その代わりだというようにでも美琴の髪がバチバチと踊る。
 なんだかんだで反応し、電撃を放出する美琴の髪を右手で抑えた上条が叫ぶ。
「くそぅ…結局最後はビリビリなんじゃねぇか。少しでも可愛いとか思っちゃった俺はなんなんだ……不幸だー!!」


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