とある魔術の禁書目録 自作ss保管庫

上条さんと美琴のいちゃいちゃSS/14スレ目短編/248

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プロポーズ?



正月も開けた1月上旬。美琴は上条の部屋に居た。
年末に寮に帰省届けを提出してから、実家には戻らず上条の部屋で寝泊まりしていたのだ。
美琴が部屋に泊まることを反対していた上条だったが、今では特に何も言わなくなった。
2人が付き合い始めてもう1年の時間が流れている。
美琴は1年前は短かった髪も背中まで伸び、スタイルも美鈴には及ばないもののかなり均整のとれたものに成長している。
今は肩にタオルをかけパジャマを濡らさないようにしながら、ベッドにもたれて雑誌を読んでいる。

この部屋の主である上条は今入浴中だ。
奇跡的に進級を果たした上条は、平和な生活を送っている。
変わったことといえば身長が178cmまで伸び、補習を受けなくてすむ程度に勉強が出来るようになったこともそうだろう。


ガチャ、と扉が開く音が聞こえ上条が居間に戻って来た。
「あれ、もう出たの?」

上条が上下ジャージで部屋に戻ってきた。
ちなみに美琴は今花柄のかわいらしいパジャマを着ている。
これは、寮から持って来たわけではない。
見れば1年前はなかったものが沢山ある。
ゲコ太のぬいぐるみや、ゲコ太のランチョンマットのような美琴の趣味が反映されたものだけでなく、美琴用のお茶碗や箸、歯ブラシ、パジャマなどの着替えを入れておける棚やケース。
何も知らない人が見れば、同棲しているような空間が出来上がっていた。
実際は同棲はしていない2人だが、美琴は常盤台を卒業したと同時にここに住むと以前上条に言ったことがある。

その時は何言ってんだ?と一蹴されイラッと来たので超電磁砲を3連発を食らわした。
美琴としてはかなり勇気を出して言ったのである。後日、あれでも足りないと言った美琴に上条は戦慄を覚えるしかなかった。
「あー、ちょっとな。」
「ちょっと、何よ…。って当麻、顔青いわよ。どうしたの?」
よく見ると上条は震えていた。
風呂上がりなのにおかしいと思っていると、
「使ってる途中でお湯が出なくなった。」
目の前で不幸だ。と呟く上条を見て、悪いと思いつつも笑ってしまう。
「っ…フフっ、ほんとっク、不幸ね当麻は。…ップクク」
「笑うなよ…」
「だってっ、今年に入ってから当麻の家の給湯器が壊れたのもう3回目よ?…ップクク、しかも全部当麻が使ってる時だし」
苦しそうに顔を歪めながら笑いを我慢する美琴。

「あー、もう、笑いたきゃ笑え!!どーせ上条さんは不幸ですよーだ。」
そう言って部屋の角で膝を抱えて座り込む上条。
どうやら拗ねてしまったようだ。
「ゴメンゴメン、そんなとこにいたら風邪引いちゃうから、こっち来てコタツに入りなさいよ。」
笑いをこらえつつも美琴はご機嫌をとるためにも優しい言葉をかける。
渋々動いた上条は美琴を後ろから抱きしめるように座り、コタツに入る。

「つめてっ」
「え?」
上条の小さな悲鳴を受けて、美琴は振り返った。
どうやらまだ髪が濡れていたようだ。
「まだ髪濡れてるじゃねーか。ちょっと待ってろ、ドライヤー持ってくるから。」
「ありがと…」
洗面所に向かった上条は櫛とドライヤーを持って戻って来た。
手を伸ばして受け取ろうとするが、上条はそれを渡さなかった。
「座っとけよ。」
そう言いながら結んでいたドライヤーのコードをはずし、コンセントに挿す。自分も美琴の後ろに座ってドライヤーのスイッチを入れる。
「当麻、出来るの?」
「それなりには…な。」
髪を梳かしつつ、ドライヤーの風を当てていく。
(くすぐったいな)
きれいな茶色の髪が風に舞って、上条の手をくすぐる。
「こうしてると、ほんとにお嬢様みたいね。」
「そうか?」
「そうよ。私らしくないかもしれないけどね…」
何か思うところがあったのか俯きがちに美琴が呟く。
「確かにお嬢様ではないけど…」
「けど、何?」
さらに小さくなる美琴。
声もやっと上条に届くくらいになってしまっている。
「………何でも無い。」
何でも無いと言われれば聞きたくなるのが人の性。美琴も例外ではない。振り返って問いつめる。
「何よ、ちゃんと言いなさいよ…」
多少ネガティブになっている美琴。
対して上条は顔が少し赤くなっている。
「何でもねえったら。」
「何でも無いわけないじゃない。いいから話しなさい。」
「―――みたいだなって思ったんだよ。」
「えっ?」
「~~~~~っだから、お姫様みたいだなって思ったんだよ!!」
上条の顔は真っ赤だ。
対照的に美琴はしかめっ面になる。
「確かに電撃姫とか呼ばれてるけど、さ…」
『常盤台の電撃姫』という通り名がついているのも知ってはいたが、望んで付いたものでもない。
その事を意識させられ、俯いてしまう。
そんな様子に気づいていないのか上条が続ける。
「そーゆーのじゃなくてだな……。なんて言うか、『お嬢様』って自分で何か始めたり、戦ったりするイメージがあんまり無いんだよな…。そりゃ、お前や白井みたいな例外もいるだろうけど。でも、俺が知ってる『お姫様』は譲れないもののために自分を犠牲にして戦っていた奴しかいないんだよ。それがそのままお前に当てはまるな。ってずっと思ってたのが理由の1つ。それで、もう1つだけど……」


俯いていた美琴の頬に温かい手があたる。
何だろう?と美琴が思っていると

―――チュっ

唇がスッと涼しく感じる。唇が触れただけのキス。
驚いて顔を上げれば、真っ赤な、でも笑顔の上条の顔が目の前にある。
瞳に写る自分の顔が負けず劣らず真っ赤になっているのが分かる。

「その、何だ、普通の童話とかの『お姫様』っているだろ?ハッピーエンドを迎えるためには『王子様』がそばにいる。つまり、それは『王子様』にとってのハッピーエンドにも『お姫様』は必要なんだ。だから、上条さんとしてはずっとそばにいてくれるって意味で『お姫様』って言ったんだよ。」


―――あぁ、何という日だろう。
人ってこんなにも幸せな気分になれるのね…。
目の前のアイツがこんなにも嬉しい気持ちにさせてくれた。
顔が真っ赤なんだけど凄く真剣に目を見て話してくれた。
そんなところも大好きなんだ、私。
でも、1つだけ気になる。

「ねぇ、当麻。今のってさ――――」