「上条当麻ァァああああ!!」
「うおっ!やめろ、海原!いや、エツァリ!」
「あなたに名前なんか呼ばれたくありませんよ!覚悟しろォおおお!」
「だっああああ!不幸だああああああ!」
「うおっ!やめろ、海原!いや、エツァリ!」
「あなたに名前なんか呼ばれたくありませんよ!覚悟しろォおおお!」
「だっああああ!不幸だああああああ!」
エツァリはトラウィスカルパンテクウトリの槍を使わず、バットを持って上条を追いかけて行った
上条は逃げながら説得していたが、一方通行と土御門は帰ってきてからでいいかと考え追わなかった
ちなみにエツァリのあの姿を見た女生徒達は少し怖くなっていた。
上条は逃げながら説得していたが、一方通行と土御門は帰ってきてからでいいかと考え追わなかった
ちなみにエツァリのあの姿を見た女生徒達は少し怖くなっていた。
そのころ、バスケ組、朝予告したとおり黒子が白子と赤見を連れて青ピ応援に来ていた
「○○様ー!がんばってくだしまし!」
「「師匠ー、がんばれー!」」
「おう!がんばるでー!」
「「師匠ー、がんばれー!」」
「おう!がんばるでー!」
三人の応援に青ピはかなりのやる気を出して練習に励んでいた
(くそっ、あの三人、応援するのはいいが少しやかましいな……。だがまあ、青髪がやる気を出してるんだ。我慢するか)
黒子と白子と赤見の応援が騒々しいと思っていた災誤だったが、青ピが奮起するのならばと敢えて何も言わなかった。
ちなみにチヤホヤされてる青ピに少し嫉妬を覚えた災誤だが、何とか理性で抑え込んでいる。
ちなみにチヤホヤされてる青ピに少し嫉妬を覚えた災誤だが、何とか理性で抑え込んでいる。
「行くで災誤センセ! 今日こそボクはあんたを超える! どりゃーーーーっ!」
「ぬっ、うおっ! 昨日よりはやるようだが……この程度で俺を超えることなど出来やせんわーーーーっ!」
「へっ? う、うぎゃーーーーーーっ! ぎゃんっ!」
「ぬっ、うおっ! 昨日よりはやるようだが……この程度で俺を超えることなど出来やせんわーーーーっ!」
「へっ? う、うぎゃーーーーーーっ! ぎゃんっ!」
青ピの当たりは昨日よりは強いと感じた災誤だが、彼にしてみればまだまだだったので青ピを思いっきり吹っ飛ばした。
少々長めの滞空の後、青ピは体育館の床に激突し気絶すると、青ピ応援団からの大クレームが巻き起こる!
少々長めの滞空の後、青ピは体育館の床に激突し気絶すると、青ピ応援団からの大クレームが巻き起こる!
「コラーーーーッ! おっさんかゴリラか判断に迷うそこの先生ーーーっ! ボクらの師匠に何してんねん!」
「そうですわよ! 類人猿のくせに師匠に対するあの仕打ち、師匠が許しても白子は許しませんわよ!」
「落ち着きなさいな二人とも。○○様は進んであの動物園から逃げてきたヒトもどきにぶつかっているのです。○○様のことを思うのならここは見守るのが筋ですわよ」
「「はいっ!!」」
(落ち着け、落ち着け俺……! 一人はジャッジメント、後の二人は朝陽センパイの教え子……。ここは我慢してその分を青髪にぶつければいいだけのことだ)
「そうですわよ! 類人猿のくせに師匠に対するあの仕打ち、師匠が許しても白子は許しませんわよ!」
「落ち着きなさいな二人とも。○○様は進んであの動物園から逃げてきたヒトもどきにぶつかっているのです。○○様のことを思うのならここは見守るのが筋ですわよ」
「「はいっ!!」」
(落ち着け、落ち着け俺……! 一人はジャッジメント、後の二人は朝陽センパイの教え子……。ここは我慢してその分を青髪にぶつければいいだけのことだ)
見た目はともかく中身は大人な災誤、青ピ応援団のクレームに対しても決して自分を見失わない、こめかみに血管が浮き出ていたとしても。
その溜まったフラストレーションを起き上がってきた青ピで晴らすことを決意すると、青ピの特訓を再開させるのだった。
その溜まったフラストレーションを起き上がってきた青ピで晴らすことを決意すると、青ピの特訓を再開させるのだった。
――――――――――
「なあ姫神……。これって球技大会の練習、なんだよな?」
「その通り。服部くんと浜面に。決して。私の存在感を。見失わないようにする。とっても大事な。特訓」
「とっても大事な特訓で……何で第一五学区の繁華街に来てんだよっ! 単にお前が羽伸ばしたいだけじゃグギャッ!」
「その通り。服部くんと浜面に。決して。私の存在感を。見失わないようにする。とっても大事な。特訓」
「とっても大事な特訓で……何で第一五学区の繁華街に来てんだよっ! 単にお前が羽伸ばしたいだけじゃグギャッ!」
青ピとあと一人のメンバー以外、つまり浜面と半蔵と姫神は第一五学区のとある繁華街に来ていた。
姫神の存在を常に感じ取るにはという課題を受けて、姫神自らがここでの特訓を申し出たのだ。
姫神の存在を常に感じ取るにはという課題を受けて、姫神自らがここでの特訓を申し出たのだ。
「浜面の反抗。それだけは絶対に。認めない。それにここほど。私の存在を感じ取る特訓に。適した場所は。無い」
「いたた……。人をヘッドクラッシュで殴っておいてよくもまあ平然と……。けどここで姫神の存在を感じ取れりゃ本番なんて余裕になるぜ!」
「確かにな。人混みの中で姫神の存在を感じ取ることが出来れば……って浜面、姫神どこだ?」
「いたた……。人をヘッドクラッシュで殴っておいてよくもまあ平然と……。けどここで姫神の存在を感じ取れりゃ本番なんて余裕になるぜ!」
「確かにな。人混みの中で姫神の存在を感じ取ることが出来れば……って浜面、姫神どこだ?」
いつの間にか姫神の存在を見失ったことに慌てる浜面と半蔵、そこで半蔵の携帯が鳴ったので出てみると相手は姫神だった。
『服部くん。今から1時間以内に。私の存在を感じ取って。もちろん浜面も。サボリは認めない。私は常に見てるから』
「見てるからって……まさか俺達の近くに居るってのか?」
『近くというのは正しくない。私は。ちゃんと二人の視界に入る所に居る。というわけでスタート♪』
「見てるからって……まさか俺達の近くに居るってのか?」
『近くというのは正しくない。私は。ちゃんと二人の視界に入る所に居る。というわけでスタート♪』
一方的に電話を切られた半蔵は一応周囲を見渡すが、やはり姫神の姿は見えなかったのでため息を吐いた。
そこへ浜面が状況説明を求めてきたので簡潔に説明すると、浜面が予想通りにげんなりとした。
とりあえず浜面と半蔵は人の多いとある繁華街、しかも自分達からそれほど離れていないであろう姫神を探すのだった。
そこへ浜面が状況説明を求めてきたので簡潔に説明すると、浜面が予想通りにげんなりとした。
とりあえず浜面と半蔵は人の多いとある繁華街、しかも自分達からそれほど離れていないであろう姫神を探すのだった。
――――――――――
一方、当麻とエツァリの追いかけっこを見送った一方通行と土御門は練習を始めようとすると、そこに翔太が合流した。
翔太は早速練習に取り掛かろうとしていたが、ショチトルと目が合ってしまったので少しだけ後回しにすることに。
翔太は早速練習に取り掛かろうとしていたが、ショチトルと目が合ってしまったので少しだけ後回しにすることに。
(うわぁ綺麗な人だなぁ……。見た感じ、日本人に見えないけど海外から来た能力者なのかな?)
「土御門、この少年は何者だ? 小学生が同級生というわけでもないだろう」
「あー、翔太はこれでも高校二年生ぜよ。そんでもって結標の恋人でもあるんだぜい。ついでに結標の居候先の小萌先生の甥っ子にゃー」
「土御門、この少年は何者だ? 小学生が同級生というわけでもないだろう」
「あー、翔太はこれでも高校二年生ぜよ。そんでもって結標の恋人でもあるんだぜい。ついでに結標の居候先の小萌先生の甥っ子にゃー」
ショチトルの容赦の無い発言に落ち込んでる翔太を無視して、土御門は翔太の紹介を済ませる。
土御門から翔太についての説明を聞き終えたショチトル、しかし相手が土御門ということもあってすぐには信用出来なかった。
土御門から翔太についての説明を聞き終えたショチトル、しかし相手が土御門ということもあってすぐには信用出来なかった。
「誰が高校生で淡希の恋人だ?」
「いや、だからお前さんの目の前に居るこの翔太が高校生で結標の恋人ぜよ。なぁ? アクセラ」
「テメェの信じたくねェ気持ちは分かる、紹介したのが土御門だしなァ。けどこれもれっきとした現実ってやつだ、受け入れろ」
「いや、だからお前さんの目の前に居るこの翔太が高校生で結標の恋人ぜよ。なぁ? アクセラ」
「テメェの信じたくねェ気持ちは分かる、紹介したのが土御門だしなァ。けどこれもれっきとした現実ってやつだ、受け入れろ」
一方通行からの証言を聞いても、やはり翔太の見た目のせいもあって完璧に信じ切れなかったショチトルは、
「どうにも信じ切れないな。では練習後、直接本人に聞くとしよう。少年、後で淡希に真偽のほどを答えてもらう。お前も来るんだ、いいな?」
翔太の事情などお構いなしに一方的に約束を取り付けると野球の練習へと向かうのだった、エツァリのことはすっぱり忘れて。
「え? え? ど、どうゆうことなの? 土御門くん。あの人、淡希とも二人とも知り合いみたいだけど……。そ、それより後で付き合わないとダメなのかな?」
「さっきの女はショチトルって言う名前で結標とは友人、俺と一方通行とは知り合いぜよ。練習後の件は俺も付いてってやるぜい、スンナリ片付けたいしな」
「淡希と友人? そうだったんだ、後でちゃんと自己紹介しないと失礼だよね……。それとありがとう、付いて来てくれるって言ってくれて」
「たまには俺だってこうゆう親切をしたい気分なんですたい♪ つーわけで練習おっ始めるにゃー!!」
「さっきの女はショチトルって言う名前で結標とは友人、俺と一方通行とは知り合いぜよ。練習後の件は俺も付いてってやるぜい、スンナリ片付けたいしな」
「淡希と友人? そうだったんだ、後でちゃんと自己紹介しないと失礼だよね……。それとありがとう、付いて来てくれるって言ってくれて」
「たまには俺だってこうゆう親切をしたい気分なんですたい♪ つーわけで練習おっ始めるにゃー!!」
ショチトルの疑念を晴らす為に練習後も翔太に付き合うことにした土御門、ただの親切か別の思惑があるのか、それは本人しか分からない。
そしてエツァリを忘れたショチトルみたく、土御門も一方通行も翔太も当麻のことを忘れて練習へと向かうのだった。
そしてエツァリを忘れたショチトルみたく、土御門も一方通行も翔太も当麻のことを忘れて練習へと向かうのだった。
――――――――――
友愛高校正門前、昨日と同じく井ノ原ツインズはパス回しの練習の為に人通りの多い校外へと向かおうとしていた。
「じゃあ今日も頑張ろう真昼さん。他の皆のことは白雪さんが受け持ってくれるから安心して練習に集中出来るよ」
「そうだな♪ 何か俺たち、普通にイチャイチャしてるっぽいから少しだけ……ん?」
「どうかした? 真昼さん」
「いや、あっちから来るのって……」
「そうだな♪ 何か俺たち、普通にイチャイチャしてるっぽいから少しだけ……ん?」
「どうかした? 真昼さん」
「いや、あっちから来るのって……」
すぐに外に出て練習しようとしていた井ノ原ツインズの目に飛び込んできたのは、一人でやって来た美琴だった。
美琴が気付くよりも先に二人は駆け寄り、真夜が彼女に挨拶をした。
美琴が気付くよりも先に二人は駆け寄り、真夜が彼女に挨拶をした。
「こんにちは御坂さん。今日も上条の応援?」
「こ、こんにちは、い、井ノ原、さん……」
「苗字じゃなくて名前でいいぜ、それだとどっちがどっちか分かんねーし。俺は真昼、こっちが真夜。改めてよろしくな美琴」
「は、はい、こちらこそお願いします真昼さん、真夜さん。あの、少し聞きたいことがあるんですけど」
「こ、こんにちは、い、井ノ原、さん……」
「苗字じゃなくて名前でいいぜ、それだとどっちがどっちか分かんねーし。俺は真昼、こっちが真夜。改めてよろしくな美琴」
「は、はい、こちらこそお願いします真昼さん、真夜さん。あの、少し聞きたいことがあるんですけど」
気さくな真昼に面食らう美琴、後にこの双子、特に真昼と親しくなるのだがそれは少し未来の話。
美琴は事情は敢えて話さず、吹寄がどこに居るのかを井ノ原ツインズに尋ねた。
美琴は事情は敢えて話さず、吹寄がどこに居るのかを井ノ原ツインズに尋ねた。
「吹寄さんならバレーに参加してるから体育館だよ。体育館の場所は分かる?」
「大丈夫、だと思います。あの、それとこのことは当麻には」
「言わないよ、ていうか言えないんだ。俺達これから外で練習するから。仮に上条に会ってもこのことは言わないから安心していいよ」
「あ、ありがとうございますっ! で、でも当麻の応援も本当のことですから! お二人も練習、頑張って下さいね」
「大丈夫、だと思います。あの、それとこのことは当麻には」
「言わないよ、ていうか言えないんだ。俺達これから外で練習するから。仮に上条に会ってもこのことは言わないから安心していいよ」
「あ、ありがとうございますっ! で、でも当麻の応援も本当のことですから! お二人も練習、頑張って下さいね」
物分りの良い井ノ原ツインズに感謝しつつ、美琴は吹寄の居る体育館へと向かうのだった。
井ノ原ツインズは美琴を微笑ましく見送った後で校外へと練習に向かうのだが、自分達が当麻の今日一番の不幸の引き金になったとは気付いていない。
井ノ原ツインズは美琴を微笑ましく見送った後で校外へと練習に向かうのだが、自分達が当麻の今日一番の不幸の引き金になったとは気付いていない。
――――――――――
その頃、エツァリに追い回されてる当麻は必殺シュートの練習中の月夜の所に転がり込んだ。
「うおー! 白雪さん、助けてください!!」
「ちょ、ちょっとなに! どうしたの上条君! っていうかあれ誰!?」
「あれは海原だ! 今は訳ありで素顔だけど、ともかく助けてー!」
「ちょ、ちょっとなに! どうしたの上条君! っていうかあれ誰!?」
「あれは海原だ! 今は訳ありで素顔だけど、ともかく助けてー!」
白雪は大会の禁止事項のことを考慮しながら練習をしていたので、突然の上条の乱入で禁止事項は忘れてしまった
そのかわりそこにいい的があると感じた白雪は上条の助けを快く受けるのだった
ちなみに白雪の禁止事項は「キーパーの禁止」、「相手選手への能力の使用の禁止」、「飛行の禁止」である
そのかわりそこにいい的があると感じた白雪は上条の助けを快く受けるのだった
ちなみに白雪の禁止事項は「キーパーの禁止」、「相手選手への能力の使用の禁止」、「飛行の禁止」である
「ちょうどいいね、助けてあげるよ上条君♪」
「おー! ありがとうございます白雪様ー!」
「じゃあ、行くよー、とりゃぁー!」
「おー! ありがとうございます白雪様ー!」
「じゃあ、行くよー、とりゃぁー!」
そして白雪は必殺シュートをエツァリに向けて放った
「上条当麻ぁああ、って何ですかあれは? こっちに来る?――――ぐわっ!?」
それを食らったエツァリは死にはしなかったものの、ボールがあった瞬間、吹っ飛ぶと同時に全身が固まってしまった
その後、上条が右手で溶かしたが気絶しており、白雪と上条で保健室に連れて行くのだった
ちなみに白雪はこの結果におおいに満足していた
その後、上条が右手で溶かしたが気絶しており、白雪と上条で保健室に連れて行くのだった
ちなみに白雪はこの結果におおいに満足していた
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
バレーの練習場に着いた美琴は、先ほど電話で土御門に聞いておいた情報を持ち、吹寄と話を着けようとしていた
ちなみに美琴は上条の電撃を撃つなという忠告は一切覚えていなかった
ちなみに美琴は上条の電撃を撃つなという忠告は一切覚えていなかった
「おや? 貴女が一人とは意外ですね、御坂」
「美琴姉さん、どうしたんですか? 当麻兄さむぐっ」
「美琴姉さん、どうしたんですか? 当麻兄さむぐっ」
美琴を出迎えたのはジャージ姿の神裂と佐天、神裂は当然ながらジャージのファスナーを全開にし、下にはいつもの感じでTシャツを着込んでる。
もはやエロスとしか例えようのない神裂の着こなしにたじろぎつつも、自分のことをいつもの調子で呼ぶ佐天の口を塞ぐ。
もはやエロスとしか例えようのない神裂の着こなしにたじろぎつつも、自分のことをいつもの調子で呼ぶ佐天の口を塞ぐ。
「涙子あんたねぇ……。昨日はちゃんとよそ行き(?)用で接してたのにまたいつもの調子に戻しちゃダメでしょ!」
「ぷはっ。それなら大丈夫ですよ♪ あたし達の話なんて誰も聞いていませんから」
「佐天の言う通りです。しかし私は未だに理解出来ません。どうして貴女と上条当麻は飾利達義妹トリオの関係を伏せるのです? 可愛いのに勿体無いですよ、特に飾利がですけど!」
「あー……。それはあくまで私達の問題ですから……。飾利達が可愛いのは認め……じゃなくて!」
「ぷはっ。それなら大丈夫ですよ♪ あたし達の話なんて誰も聞いていませんから」
「佐天の言う通りです。しかし私は未だに理解出来ません。どうして貴女と上条当麻は飾利達義妹トリオの関係を伏せるのです? 可愛いのに勿体無いですよ、特に飾利がですけど!」
「あー……。それはあくまで私達の問題ですから……。飾利達が可愛いのは認め……じゃなくて!」
学園都市随一の有名人の上琴、その二人に両親公認の義妹が三人も出来たとなればパニックは必至、故に事情を知らない人間の前では隠しているのだ。
神裂のシスコン(初春限定)パワーに圧された美琴だが、何とか落ち着きを取り戻して吹寄のことを尋ねる。
神裂のシスコン(初春限定)パワーに圧された美琴だが、何とか落ち着きを取り戻して吹寄のことを尋ねる。
「吹寄なら休憩中です。私と佐天もこれから飲み物を買いに行きますからゆっくり話すといいでしょう」
「そうですか。出来ることなら本当にゆっくりして下さいね。たとえばそう、三十分くらいとか」
「あの、御坂……。たかだか飲み物を買う位で三十分もかかるわけがさ、佐天?」
「分かりました美琴姉さん。三十分は無理でも出来る限りゆっくり行きますからやるべきことは終わらせて下さいねー♪」
「そうですか。出来ることなら本当にゆっくりして下さいね。たとえばそう、三十分くらいとか」
「あの、御坂……。たかだか飲み物を買う位で三十分もかかるわけがさ、佐天?」
「分かりました美琴姉さん。三十分は無理でも出来る限りゆっくり行きますからやるべきことは終わらせて下さいねー♪」
美琴の決意みたいなものを感じ取った佐天は神裂を押しながら体育館を後にし、美琴を心の中で応援することに(目的は知らないまま)。
何だか佐天に気を遣わせてしまって悪いと思った美琴、義妹のアシストを無駄にしない為にも本当の目的を達成する為に動き出す。
何だか佐天に気を遣わせてしまって悪いと思った美琴、義妹のアシストを無駄にしない為にも本当の目的を達成する為に動き出す。
「さて、早速当麻のことを悪く言う吹寄って女を」
「あー、美琴ちゃんだ~♪ 久しぶりだねー、私のこと覚えてる?」
「あ、た、確か茜川、赤音さん……ですよね? バレンタインの時の」
「あー、美琴ちゃんだ~♪ 久しぶりだねー、私のこと覚えてる?」
「あ、た、確か茜川、赤音さん……ですよね? バレンタインの時の」
美琴の出鼻を早速挫いてくれたのはバレンタインの第二学区の件で知り合い、一緒に行動していた赤音だった。
ちなみに神裂の特訓でそれなりに余裕があるのは赤音だけで、吹寄に野原、他のバレーメンバーは息も絶え絶えの状態である。
ちなみに神裂の特訓でそれなりに余裕があるのは赤音だけで、吹寄に野原、他のバレーメンバーは息も絶え絶えの状態である。
「覚えててくれてよかった~。私ね、美琴ちゃんのことは月夜ちゃんから色々聞いてたからお話したいって思ってたんだよー」
「そ、そうなんですか、あ、ありがとうございます、茜川さん。あの、ところで吹寄さんはどちらに?」
「吹寄さん? 神裂コーチの練習がハードなせいですっごく疲れててね、ちょっとお話は今は無理かな」
「(……何でこの人は余裕なの?)そ、そうですか。じゃ、じゃあ待たせてもらっていいですか?」
「全然オッケーだよー。その間は私と色々お話しよーね♪ そ・れ・と。私のことは赤音って呼んでね」
「そ、そうなんですか、あ、ありがとうございます、茜川さん。あの、ところで吹寄さんはどちらに?」
「吹寄さん? 神裂コーチの練習がハードなせいですっごく疲れててね、ちょっとお話は今は無理かな」
「(……何でこの人は余裕なの?)そ、そうですか。じゃ、じゃあ待たせてもらっていいですか?」
「全然オッケーだよー。その間は私と色々お話しよーね♪ そ・れ・と。私のことは赤音って呼んでね」
吹寄と話し合い(会話だけにあらず)に来た美琴だったが、何故か赤音に捕まってしまいほのぼのトークをする羽目に。
しかしそのほのぼのトークで赤音と打ち解け、さらに今朝の当麻との約束を思い出すことになろうとは美琴は夢にも思わなかった。
しかしそのほのぼのトークで赤音と打ち解け、さらに今朝の当麻との約束を思い出すことになろうとは美琴は夢にも思わなかった。
――――――――――
その頃、土御門率いる野球組は今日も今日とて洒落にならないハードな特訓を繰り広げていた。
特に情報屋は吹寄の件もあることから、土御門とのマンツーマン特訓を受けている真っ最中である。
特に情報屋は吹寄の件もあることから、土御門とのマンツーマン特訓を受けている真っ最中である。
「おーい情報屋ー、さっさと起き上がるぜよ。その程度のウェイトでへばってたら話にならないぜい」
「む、む、無理……。両手両足に50kgのウェイト、つ、付けて運動……ふ、不可能……」
「なんぜよなんぜよだらしのない。しゃーない、ウェイトの重量軽くしてやるかにゃー」
「む、む、無理……。両手両足に50kgのウェイト、つ、付けて運動……ふ、不可能……」
「なんぜよなんぜよだらしのない。しゃーない、ウェイトの重量軽くしてやるかにゃー」
土御門はぶつくさ言いながらも情報屋に取り付けられたウェイトの重さを50kgから30kgへと変えてやった。
苦しそうながらも立ち上がった情報屋、すでにこの時点で息も絶え絶えである。
苦しそうながらも立ち上がった情報屋、すでにこの時点で息も絶え絶えである。
「息を整えるついでにお前さんに伝えることがあるぜよ。試合中は【思考漏洩】でバッターに囁き続けろ。情報屋の能力は相手を動揺させるのにもってこいだぜい♪」
「あ、ああ、そ、それもそう……な、なあ土御門。お、俺をキャッチャーに指名したのって頭使うからじゃ無くて……」
「その通りにゃー♪ ささやき戦法でバッターを撹乱させる為だぜい。使える手はどんどん使うべきだからにゃー」
「あ、ああ、そ、それもそう……な、なあ土御門。お、俺をキャッチャーに指名したのって頭使うからじゃ無くて……」
「その通りにゃー♪ ささやき戦法でバッターを撹乱させる為だぜい。使える手はどんどん使うべきだからにゃー」
土御門の嘘に呆気に取られた情報屋だが、頭を使うなら自分よりも知恵の回る土御門の方が適任だと思い至り納得した。
ちなみにささやき戦法とは、簡単に言うならバッターに話しかけて注意を逸らすとか集中力を乱すといった感じである。
その際、土御門は情報屋に相手の深いプライベートなことは囁かないように強く言い聞かせた。
ちなみにささやき戦法とは、簡単に言うならバッターに話しかけて注意を逸らすとか集中力を乱すといった感じである。
その際、土御門は情報屋に相手の深いプライベートなことは囁かないように強く言い聞かせた。
「囁くのはあくまで相手が軽くあたふたする程度のことだけにしろよ。情報屋、お前さんはどうもこの機会に相手のプライベート根掘り葉掘り聞きかねないしな」
「わ、分かってるって。スポーツでそこまでやる俺じゃないけどさ、もし俺がそうゆうことしたらどうするつもりなんだ?」
「初春ちゃんと神裂ねーちんを」
「し、ししししししません! 絶対にしません! 神様にも魔王にも誓ってしません! お願いだからあの二人は勘弁して下さい!」
「わ、分かってるって。スポーツでそこまでやる俺じゃないけどさ、もし俺がそうゆうことしたらどうするつもりなんだ?」
「初春ちゃんと神裂ねーちんを」
「し、ししししししません! 絶対にしません! 神様にも魔王にも誓ってしません! お願いだからあの二人は勘弁して下さい!」
行動に移したのは初春と神裂だがアイディアは土御門が出した一月の情報屋脅し、本人のトラウマが酷かったことに反省する土御門だった。
情報屋がトラウマから復活するのを気長に待った土御門は早速きつい練習を課す。
情報屋がトラウマから復活するのを気長に待った土御門は早速きつい練習を課す。
「じゃー全速力でベースランニング20周、はりきっていってみるにゃー♪ 途中で歩いたら最初っからだからそのつもりでいるんだぜい」
「んなっ! そ、そんなの絶対」
「文句ばっか垂れてないでさっさとやれ。さもないと初春ちゃんを」
「んなっ! そ、そんなの絶対」
「文句ばっか垂れてないでさっさとやれ。さもないと初春ちゃんを」
初春の名前を出した途端に「ぎゃーーーーっ!」と泣き叫びながらベースランニングを始めた情報屋を見て、土御門は彼の操作方法を見つけたような気持ちに。
(にしてもカミやん遅いな。海原一人にやられるとは思えないがまさかということもある。情報屋がベースランニングを終えた後で捜しに行くか)
ここでようやくエツァリに追われて一向に帰って来ない当麻の心配をし始めた土御門なのであった。
なお、情報屋に付けられたようなウェイトは重さは違えど他のメンバーも付けており、一方通行は5kgで翔太たち残りのメンバーは20kgである。
しかし虚弱が服を着て歩いている一方通行は5kgでもヒィヒィ言っており、学園都市最強の称号は嘘なのではと思う醜態を晒している。
なお、情報屋に付けられたようなウェイトは重さは違えど他のメンバーも付けており、一方通行は5kgで翔太たち残りのメンバーは20kgである。
しかし虚弱が服を着て歩いている一方通行は5kgでもヒィヒィ言っており、学園都市最強の称号は嘘なのではと思う醜態を晒している。
――――――――――
その頃、当麻と月夜は気絶したエツァリを保健室まで運び終え、彼をベッドへと放り投げた。
乱暴に扱われたにもかかわらず目を覚まさないエツァリの素顔を当麻と月夜は物珍しそうに眺めることにした。
乱暴に扱われたにもかかわらず目を覚まさないエツァリの素顔を当麻と月夜は物珍しそうに眺めることにした。
「ねえ上条君。私、彼の素顔を始めて見たかも」
「アーそういえば俺も初めてだな、海原・・・じゃなくてエツァリの素顔をこうして見る事が出来るとは、出会った頃は思いもしなかった」
「え?上条君も始めて?・・・でも元春から『海原光貴』に変装していた彼を魔術を破って倒したのは君だって聞いてるんだけど?」
「いや正確にはちがうんだ。あの時は本物の海原が監禁場所から脱出して、エツァリのほうから正体を明かしてきたんだ。変装魔術が壊れたのは目から下だったし、本格的に戦ったのもビルとビルの間の建設現場で暗かったから顔なんて判別できなかった」
「そうだったんだ、でもどうやって彼を倒したの?」
「いや、俺が倒したわけじゃないですよ」
「え?上条君が倒したわけじゃない?どういう事?」
「あれはエツァリの自滅に近かったんだよ、あの時は」
「誰が自滅したですって上条当麻!」
「アーそういえば俺も初めてだな、海原・・・じゃなくてエツァリの素顔をこうして見る事が出来るとは、出会った頃は思いもしなかった」
「え?上条君も始めて?・・・でも元春から『海原光貴』に変装していた彼を魔術を破って倒したのは君だって聞いてるんだけど?」
「いや正確にはちがうんだ。あの時は本物の海原が監禁場所から脱出して、エツァリのほうから正体を明かしてきたんだ。変装魔術が壊れたのは目から下だったし、本格的に戦ったのもビルとビルの間の建設現場で暗かったから顔なんて判別できなかった」
「そうだったんだ、でもどうやって彼を倒したの?」
「いや、俺が倒したわけじゃないですよ」
「え?上条君が倒したわけじゃない?どういう事?」
「あれはエツァリの自滅に近かったんだよ、あの時は」
「誰が自滅したですって上条当麻!」
当麻が戦いの顛末を説明しようとしたとき、エツァリが起き抜けに声をかけてきた。
「うげっ・・・もう目を覚ましたのかオマエ」
「えぇ・・・目を覚ましたらあなたの口から私が自滅したと発言・・・最悪の目覚めですよ」
「えぇ・・・目を覚ましたらあなたの口から私が自滅したと発言・・・最悪の目覚めですよ」
トラウィスカルパンテクウトリの槍を取り出して当麻へ向けようとする。
「まてまて!事実だろうが!あの時オマエ、その槍の魔術で建造途中の鉄骨を切り裂いてたろうが!」
「問答無用っ!!」
「問答無用っ!!」
エツァリはトラウィ(以下略)で当麻に斬りつけたが、彼自身がベッドの上ということもあって簡単に避けられてしまう。
ならばとエツァリは金星の光をトラウィ(以下略)に反射させて当麻を攻撃しようとするが、
ならばとエツァリは金星の光をトラウィ(以下略)に反射させて当麻を攻撃しようとするが、
「やめんかボケーーーーーーーーーっ!!」
「なっ! 何をするんですかっ! これ作るのって思ったよりも面どウゴッ!」
「なっ! 何をするんですかっ! これ作るのって思ったよりも面どウゴッ!」
当麻の【幻想殺し】の方が速く、トラウィ(以下略)は完膚無きまでに壊されてしまう。
自分のやろうとしていたことを全く反省していない様子のエツァリの頭に拳骨を落とした後で当麻は彼を叱り始める。
自分のやろうとしていたことを全く反省していない様子のエツァリの頭に拳骨を落とした後で当麻は彼を叱り始める。
「こんな所でそんな物騒なモン振り回すんじゃねーよ! 一歩間違えてたら俺の解体ショーが始まってただろうがっ!」
「完璧な解体ショーとはいきませんよ。あなたの右手だけは綺麗な形を保ってるでしょうから。まったくもって厄介なイタッ!」
「少しは反省しろバカ! 大体ウチの高校に来たのって球技大会に参加する為だろ? 俺に文句があるのなら野球でかかって来いよ。それなら文句は無いからさ」
「……あなたに言われると納得したくなるのが不思議ですね。いいでしょう、今までの不満を全て野球でぶつけてあげますよ。そこで御坂さんを本当に任せるに値するのかも試させて頂きます」
「完璧な解体ショーとはいきませんよ。あなたの右手だけは綺麗な形を保ってるでしょうから。まったくもって厄介なイタッ!」
「少しは反省しろバカ! 大体ウチの高校に来たのって球技大会に参加する為だろ? 俺に文句があるのなら野球でかかって来いよ。それなら文句は無いからさ」
「……あなたに言われると納得したくなるのが不思議ですね。いいでしょう、今までの不満を全て野球でぶつけてあげますよ。そこで御坂さんを本当に任せるに値するのかも試させて頂きます」
ここに当麻とエツァリの休戦が確立される、熱い握手と共に。
その際、エツァリにトラウィ(以下略)を自分を含めて人に向けないようにすることも約束された(エツァリ曰くトラウィ(以下略)のスペアはまだあるらしい)。
一つの問題を片付けた当麻だが、月夜が黙っていることを不思議に思い彼女の方を見ると、気分が悪そうに口元を押さえていた。
その際、エツァリにトラウィ(以下略)を自分を含めて人に向けないようにすることも約束された(エツァリ曰くトラウィ(以下略)のスペアはまだあるらしい)。
一つの問題を片付けた当麻だが、月夜が黙っていることを不思議に思い彼女の方を見ると、気分が悪そうに口元を押さえていた。
「だ、大丈夫か? 白雪。顔色も青いし口元を押さえて……まさかつわギャンっ!」
「つ、次、変なこと言ったら上条くんの耳と鼻と口を氷で塞ぐからね。わ、私が気分悪くなったのは、か、上条くんが解体された姿をイメージ……うぷっ」
「つ、次、変なこと言ったら上条くんの耳と鼻と口を氷で塞ぐからね。わ、私が気分悪くなったのは、か、上条くんが解体された姿をイメージ……うぷっ」
的外れな結論を言おうとして月夜に氷のグローブで殴られた当麻、顎をさすりながらも月夜と同じく自分が解体された姿をイメージしてしまい二の舞状態で気分が悪くなった。
何故かエツァリも二人につられて当麻の解体された姿をイメージし、二人と同じく気分が悪くなってしまう。
人間(当麻)の解体された姿をグロテスクにイメージしたせいで気分が悪くなった当麻、月夜、エツァリの三名は練習に参加出来ない状態なので保健室で休むことに。
何故かエツァリも二人につられて当麻の解体された姿をイメージし、二人と同じく気分が悪くなってしまう。
人間(当麻)の解体された姿をグロテスクにイメージしたせいで気分が悪くなった当麻、月夜、エツァリの三名は練習に参加出来ない状態なので保健室で休むことに。