とある右手の番外編(パラレルワールドストーリー)2
「待って……、待ってよォ……。ううっ……グスッ……うっ……」
「ん……あ……夢?……でも……どうして……どうして……うっ……クスン……」
時々見る「あの人」の夢。
でも、夢の中のあの人は私を絶対に『美琴』と呼んではくれない。
自分の夢なのに……。どうしてなの?
私が気付かなきゃいけないコトって何?……教えてよ……私の大好きな上条さん……。
でも、夢の中のあの人は私を絶対に『美琴』と呼んではくれない。
自分の夢なのに……。どうしてなの?
私が気付かなきゃいけないコトって何?……教えてよ……私の大好きな上条さん……。
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「あ、居た居た、おーい、御坂ァ~」
「ハァ……また……」
また……アイツだ……。
ここんトコ、顔を合わせる度に声をかけてくる。
最近、ちょっとウザく感じるようになってる……。
ここんトコ、顔を合わせる度に声をかけてくる。
最近、ちょっとウザく感じるようになってる……。
「ハァ、ハァ……あ、あのさ……」
「……毎日毎日、何の用なのよ!?……これで大したことじゃなかったら……(バチバチバチッ)」
「うっ……い、いや……あの……そのッ……」
「サッサと言いなさいよッ!!!(バチバチバチバチバチッ)」
「ちょっと……聞きたいことがあってだな……」
「ふーん……(パチッ……)」
「ちょっとだけ……付き合ってくれないか?」
「ちょっとだけよ。……私も忙しいんだから……」
「あ、ああ……分かった……」
「それで、聞きたいコトって何なのよ?」
「実はさ……あの……その……さ……」
「何よ、もう!!男ならハッキリしなさいよッ!!!」
「うっ……」
「ホントにもう……。これじゃ、話にならないわ。私、帰る!!」
「えっ!?……あっ……ちょっと待ってくれよ!?」
「だったら、ハッキリ言うのね。今のアンタを見てると、イライラしてくるわ!!!」
「ぐっ……」
「何よ!?……何も言い返せないの?……ハァ……ホント、どうしようも無いヤツよね……アンタって……」
「……」
「(ホント……『あの人』に比べたら……。私……こんなのが好きだったのか……。何か自己嫌悪に陥りそうだわ……)」
「……なァ……」
「えっ!?」
「なァ……オレって……そんなにダメなのか?」
「ハァ?」
「あ……いや……今のオレって……そんなにダメなのか?……って……」
「ハァ~~~~~~」
「なっ……何だよッ!?……そのスゲェ溜息は……」
「アンタって……ホンットに……バカね!!!」
「うっ……」
「自分が一番分かってるんじゃないの!?それをわざわざ人に聞いて確かめるなんて……。ホンットに、信じられないくらいの大バカよッ!!」
「クッ……」
「じゃ、もう良いわよね?」
「ううっ……」
「そうそう……ついでだから言っとくわ。しばらく私には声をかけないで」
「えっ!?」
「正直、今のアンタは『ウザい』のよ!……分かった!?」
「うっ……ううっ……」
「……じゃあね」
「……クッ……ううっ……そっ……」
「えっ!?」
「……そっ、そんなに違うってのかよッ!?……そんなに今のオレは、違う世界のオレとは比べものにならないくらいダメだって言うのかっ!?」
「……フッ……」
「なっ……何だよッ!?……今、鼻で笑いやがったなっ!?」
「そりゃ、笑うわよ。……アンタがあの『上条さん』と比べものにならないくらいダメなのか?ですって。……冗談じゃないわッ!!!!!」
「えっ!?(ギクッ!!)」
「比べものなんかになる訳無いじゃない!!!……いいえ、比べること自体が『上条さん』に失礼よッ!!!!!」
「なっ……何だとっ!?」
「『あの人』は本当に優しかった。……混乱しまくって、泣き出してしまった私を……何にも言わずに、優しく抱き締めてくれて……『待ってるからな』って言ってくれた……。……逃げ出そうとした私を、全力で止めてくれた。そんな『優しさ』と『強さ』が同居してた。……そして……私や……あの銀髪シスターに、これから進む道を教えてくれた……。そんなことが……今のアンタに出来ると思ってんのッ!?」
「うっ……ううっ……」
「お笑い種ね……どうせ、アッチの世界でも、アッチの世界の私に散々言われ続けて来たんでしょ?」
「あ……う……」
「で、帰って来てみたら……全部、変えられてた……。今の自分がどれだけダメなのか?ってコトを思い知らされるほどに……ね」
「う……うるせえ……」
「その顔じゃあ、銀髪シスターにまで愛想尽かされた……かな?」
「おっ……オマエッ……どうして、それをっ!?」
「へェ……ホントに愛想尽かされたんだ……そりゃ、そうよね。『あの人』が相手じゃ、そうなるわよね……」
「ぐぅっ……」
「悪いけど、何がそんなに違うのかってのは、自分で考えなさい。今の私はそれをアンタに教えるほど、アンタに期待してないから……じゃね」
私はそう言うと、その場を足早に立ち去った。
ああ……もう……イライラする!!!
何でアイツはあんなにバカなのよッ!!!!!
ああ……もう……イライラする!!!
何でアイツはあんなにバカなのよッ!!!!!
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「あー、居た居た。やっと見つけたんだよ。短髪~」
「アンタねぇ……私には御坂美琴って名前があるって何度言えば分かるのよ。あのバカはすぐに『ビリビリ』って言うし……」
「それはいいから、……ハイ、これ」
「えっ!?……何これ?……カギじゃない?」
「そうだよ。とうまの部屋のカギ。私はもう必要ないから、短髪が持ってて」
「必要ないって……?」
「私はイギリスに帰ることにしたんだよ。もう一度魔術の勉強をしたいから……。『あの人』が言ってくれたように……」
「あ……でも……だからって、私に渡すこと無いじゃない!?」
「そうかな?短髪にはこれからそれが必要になると思うけど?」
「何でそうなるのよッ!?」
「……とうまのこと……頼めないかな?」
「えっ!?……でも……私は……」
「うん……。でも……でもね……今のとうまが悪い訳じゃない……『あの人』が凄すぎたんだよ……」
「それは……分かる気もする……『あの人』は……」
「でも……短髪は、コッチの世界のとうまと『あの人』達のような関係を築かなきゃいけないんでしょ?」
「あ……それは……でも……無理よ……私は……」
「短髪……」
「私は……アイツなんかより……『あの人』を……」
「うん……分かるよ……私もそうだから……。……でも、……でもね……」
「え?」
「でも……だからこそ、私は『あの人』に応えたいんだよ。私が成長することで……応えたい……そう思うんだよ……」
「アンタ……」
「短髪が帰った後、一杯『あの人』と話をしたの。全部は話してくれなかったけど……」
「そ、そうなんだ……羨ましいな……」
「短髪?……」
「私も、もっと話がしたかったな……うっ……ううっ……」
「……短髪……そうだよね……。そうなっちゃうんだよね……でも……」
「え?……でも……?」
「ずっと言ってたよ。最初っから今のオレじゃないんだって。成長したから今のオレになれたんだって」
「成長したから……なれた……か……」
「そこを勘違いしちゃいけないんだよ……。この世界のとうまはまだ成長してないんだって……それを分かってあげないとダメなんだよ……」
「それは……そうだけど……でも……」
「うん……分かるよ……分かるんだよ……短髪の気持ち。私もそうだから……」
「……アンタも……『あの人』のこと……」
「うん……好きだよ。……でも、……それを超えなきゃいけないんじゃないのかな?……それが私と短髪の『試練』なんだから……」
「あ……でも、……私は……私の気持ちは……もう、『あの人』にしか……」
「私だってそうだよッ!……会えるなら……今すぐにでも……会いたいよ……」
「……それは……私だってっ!!……私……だって……でも……」
「『あの人』と、『右手』が言ってた……。『神様は超えられない試練をお与えになることはない』って……」
「……うん……でも……今の私には……まだ……その言葉は……重いよ……」
「……そう……私にとっても……そう……重いんだよ……」
「……でも……」
「……そう……でも……なんだよ……」
「……超えなきゃ……いけないんだな……」
「……超えないと……分からないことが……あるから……」
「……うん……」
「……」
「……」
「ね……短髪……短髪のこと……みことって呼んでイイ?」
「……うん……じゃあ、私もアンタのこと……インデックスって呼ぶね……」
「じゃあ……行くね……」
「うん。……元気でね……インデックス……カギ……ありがと……」
「またね……、みこと……。とうまのこと……お願いだよ……」
「出来るかどうか……分からないけど……やってみるね……」
「……ありがとう……じゃあ」
「私……頑張ってみる……ね……」
「うん……私も……頑張るんだよ……」
「うん……またね……また……会おうね……」
「うん……必ずだよ……」
そう言うと、インデックスはポニーテールを無造作に束ねた際どい格好をしたサムライガールと一緒に歩いて行った。
私は、インデックスの背中を見送った後、いつもの自動販売機に向かって駆け出していた。
私は、インデックスの背中を見送った後、いつもの自動販売機に向かって駆け出していた。
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走りながら私は考える。
私がしなきゃならないコトって何だろう?
私が今やらなきゃならないコトって、一体何だろう?
今は、全然分からない。
私がしなきゃならないコトって何だろう?
私が今やらなきゃならないコトって、一体何だろう?
今は、全然分からない。
でも……、立ち止まってる訳にはいかない。
答えが分からないのなら、探さなきゃダメ。
きっかけでもイイ。ヒントでもイイ。
それを探さなきゃダメ。
その為には……私はアイツに会わなきゃいけない。
会って話をしないといけない。
それだけは分かった。
ただ……何を話さなきゃならないかまでは分からないけれど……。
答えが分からないのなら、探さなきゃダメ。
きっかけでもイイ。ヒントでもイイ。
それを探さなきゃダメ。
その為には……私はアイツに会わなきゃいけない。
会って話をしないといけない。
それだけは分かった。
ただ……何を話さなきゃならないかまでは分からないけれど……。
アイツのためなんかじゃない。
私のため。私が『あの人』に応えるために……私は前に進む。
今の私がしなきゃならないコトがなんなのかは分からないけれど……。
目の前にハードルがあることだけは間違いない。
なら……それを飛び越えるだけ。
今までそうしてきたように……。それはこれからも変わらない!!!
私のため。私が『あの人』に応えるために……私は前に進む。
今の私がしなきゃならないコトがなんなのかは分からないけれど……。
目の前にハードルがあることだけは間違いない。
なら……それを飛び越えるだけ。
今までそうしてきたように……。それはこれからも変わらない!!!
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「ハァ……不幸だ……」
「何がそんなに不幸なのかしら?」
「え゛!?」
『バリバリバリバリッ……バッチーン』
『パキィィィイン』
「くぉっ……」
「へェ……そっちは一応健在なんだ……」
「てっ、……テメェ……いきなり何しやがるッ!?」
「な~によォ~、いつもやってることじゃない?……それとも久しぶりに美琴様から攻撃して貰って、感激してるのかしら~?」
「だっ……誰が感激なんかするかよッ!?……第一、オレにはもう関わらないんじゃなかったのか?」
「アンタから声をかけるのをやめてって言っただけよ。別にアンタに関わらないって言った訳じゃないわ」
「オマエ……何か嫌味が倍増してないか?」
「アンタ見てるとムカつくんだもん。しょうがないじゃない」
「どーせ、オレはダメダメですよ……。向こうの世界の『上条さん』とやらに比べたらな」
「あ~らら~……ちょろ~ッと見ない間に、随分イジケたものね……ホント情け無いわ」
「うっ……うるせぇ……。クソッ……何の因果でこんな目に……」
「あ~ヤダヤダ……。イジケた男なんて、ホンット関わるもんじゃないわね」
「だったら……関わらなきゃイイだろうがよッ!?」
「んなこと言ってるから、アンタはいつまで経ってもダメダメなのよッ!!!いい加減気付け、このドバカァ~~~ッ!!!!!」
『バチバチバチッ……ドォオオンッ!!!』
『パキィィィイン』
「ぐわっ……」
「何やってんのよ~。これくらいの電撃なら、今まで余裕でかわしてきたはずじゃない?……それが何?……今の必死の形相は……?いつもの余裕はドコに行ったのかしらねぇ~?」
「て……ッテンメェ……人が下手に出てりゃあ……付け上がりやがってぇ……」
「アラ~?……やっと本気になったのかしら?……それじゃあ、その『本気』って奴を見せて貰おうかしら?」
「ああ、見せてやるよッ!!オレの本気って奴をなっ!!!」
「それじゃあ、コッチもそろそろ本気で行かせて貰うゎよッ!!!」
「えっ!?」
『バリバリバリッ……ズッドォォオオオンッ!!!』
『パキィィィイン』
「くぁっ……」
「まだまだァッ!!!」
「イイッ!?」
『バリバリバリッ……バッチィィイイインッ!!!』
『パキィィィイン』
「ヘッ……この程度かよッ!?」
「なっ……何ですってぇ~!?」
「アッチの御坂は……オレに当てたぜ」
「えっ!?」
「アッチの世界の御坂はな、オレに電撃を当てたって言ってんだよッ!!!」
「クッ……」
『ダンッ!!!(動揺した!?……このスキに右手で掴んじまえば……)』
「……ホント……バカよね……(パリパリッ……ビビビビビビ)」
「えっ!?」
『ジャキィィイインッ!!!』
「ううッ……」
「動けば……串刺しになるわよ」
「クッ……」
「多方向からの砂鉄剣……。簡単なコトよね。防御も右手、攻撃……と言うには無理があるけど、私の能力を止められるのも右手。だったら、その右手の動きだけを見ていればイイ。その右手で捌き切れない攻撃を仕掛ければイイ。単純よね……」
「う……ううっ……」
「今までは、頭に血が上っていたから分からなかった。冷静じゃないから対応出来なかった。アンタが私の電撃を簡単に消してしまうのが悔しかったから……だから、アンタに電撃を当てることしか考えてなかった……」
「クッ……クソッ……」
「動かないでッ!!!……動いたら、ホントに刺すわよッ!!!!!」
「う……あっ……」
「分かった?……これが、今のアンタと私の実力の差ってヤツよ。……ホント、バカよ……真っ正面から……うっ……突っ込んでくることしか……えっ……知らない……なんて……えくッ……」
「えっ!?……御坂?」
「動くなって言ってんでしょうがッ!!!……ヒック……何で……ヒック……何でよォ……ううっ……ヒック……何でアンタはそんなに大バカなのよッ!?」
「御坂……オマエ……泣いて……」
「当たり前じゃないっ!!……泣きたくもなるわよッ!!!……ううっ……ヤダ……涙が止まらない……」
「み……御坂……さん?」
『ザアアアァァァァァ……』
(あ……砂鉄剣が……)
「何でよォ……何でアンタは……何で『あの人』じゃないのよォッ!!!!!」
「お……オイ……」
「何でそんなにバカなのよッ!?……何でそんなに鈍感なのよッ!?……人を助けておいて……うっ……後は全然知らん顔……えくッ……だなんて……ヒクッ……助けられた方の身にもなってみなさいよッ!!!!!……うっ……ううっ……うわぁぁぁああああああん……」
「お、オイ……御坂……」
「うわぁぁぁぁあああああ……」
「……お……同じコトを……言われたよ……」
「ひっ……ヒクッ……えっ……えくっ……」
「アッチの御坂にも……同じコトを言われた……。『どうせ、責任取ってないんでしょ?』って……」
「う……ううっ……えっ……えくッ……ヒクッ……うっ……」
「なァ……それって……そんなにヒドいことなのか?」
「(……えっ!?……)」
「それって、そんなにヒドいことなのかなって?……オレは……ただ目の前で泣いている人を助けたかっただけなんだけどな……」
「(……こっ、……コイツはぁ……)」
「目の前で泣いている人の『不幸』を消してあげたら……それでイイんじゃないのかよ?」
「(プルプル)……あ……アンタは……アンタってヤツは……(プルプル)」
「ヘッ!?……あ……あの……み、……御坂さんっ!?」
「(プルプル)……だ~か~ら~……(プルプル)……それに気付けって言ってんでしょうがぁぁぁああああ!!!……コノッ、ドバカァ~~~!!!!!」
私はそう叫びながら『常盤台中学内伝 おばーちゃん式ナナメ四五度からの打撃による故障機械再生法』をこのバカの頭に叩き込む。
『バキィィィッ!!!!!』
「ゴガァァッ!?」
『ゴロゴロゴロゴロ……ゴンッ!!!』
『ガタガタッ……ガチャンッ!』
私に『ちぇいさーキック(略称)』を叩き込まれたこのバカは、そのまま転がっていつもの自販機に頭から突っ込んだ。
そのショックで何か出て来たみたい……。
後で拾っとこ。
そのショックで何か出て来たみたい……。
後で拾っとこ。
「……ッたく……どうしようも無いバカで……、どうしようも無い鈍感で……、いつもスルースキルが『レベル5』で……、『不幸だー』って言ってる割には自分勝手に色んな事件に首突っ込んで……、その度に入院して、人に心配させて……、その度に関わった女にフラグ立てて……、そのくせ一切回収しようとしないし……、助けた相手の気持ちにだって気付きもしない……」
「イテテテテ……」
「何でこんなバカのことを、私は好きになっちゃったのよぉぉぉおおおおお~~~~~ッ!!!!!!!」
「イテテ……ヘッ!?……おっ……おまっ……オマエッ……今……何て……?」
「あっ……!!!……(ポンッ!!……//////////)」
「おっ……オレのことが……好きッ!?」
「言うなっ……バカァ~~~ッ!!!」
『バチバチバチッ……ドォォオオオオンッ』
『パキィィィイン』
「うっ……うわぁ……ハァ、ハァ、ハァ、ハァ……何なんだよッ、一体!?」
「……ううっ……悪い?」
「ヘッ!?」
「……私が……アンタのこと……好きになっちゃ……悪い訳?」
「えっ!?……あ……あの……いや……その……そういうコトじゃなくて……」
「だったら何なのよッ!?その反応はッ!!!」
『バリバリバリバリッ……ズドォォオオオオオンッ』
『パキィィィイン』
「おっ……落ち着けッ……御坂ッ……たっ……頼むから……」
「ハア、ハア、ゼー、ゼー、ハア、ハア……」
「……しっかし、……どんな告白だよ?……電撃と共に『好きだ』なんて……」
「だからっ……それを言うなっつってんでしょうがぁぁぁあああああ!!!!!」
『バリバリバリバリッ……ドゥォォオオオオオンッ』
『パキィィィイン』
「ヒッ……ヒエエエエエエ……たっ……頼むから……電撃と共に……告白するのだけはやめて……。オレ……死んじゃうから……当たったら……マジ死んじゃうから……」
「べっ……別に……告白してる訳じゃないわよ……。ただ……ちょっと……本音が漏れちゃっただけで……(ゴニョゴニョ)」
「ヘッ!?……本音って?……オレのことを……『好き』……って言うのが……本音?」
「だからっ……それを言うなって言ってんのよッ!!この、ドバカァァァアアアアア!!!!!」
『バリバリバリバリッ……ドゥォォオオオオオンッ』
『パキィィィイン』
「ヒッ……ヒエエエエエエ……(一体、どうすりゃイイんだよ……オレ……?)」
「そっ……それに……今の私には……アンタより、もっと好きな人が……出来たから……」
「えっ!?……オレより……もっと……好きな人?」
「……うん……」
「だっ……誰だよッ……それっ!?」
「……何で……なんでアンタに……そんなコト言わなきゃならない訳?」
「……きっ……気になるじゃねェかよ……。今さっき『好きだ』って言われたのに……それ以上に『好き』な人が居るなんて……」
「フンッ……べっ……別に……アンタに告白した訳じゃないって言ってるでしょう!?……なんなら……もう一発……(バチバチバチッ)」
「わぁぁあああ……待った、待った、待った、待って下さい、お願いします~。もう言いません、言いませんから……」
「わっ……分かればいいのよッ!……(//////////)」
「ふ……不幸だ……」
「……」
「……ハァ……」
「……」
「……」
「……ゎ……」
「……ヘッ!?」
「私がアンタ以上に好きになった人って言うのは……別の世界から来た『上条当麻』さん……。私やインデックスが『あの人』って呼んでる人よ……」
「……あ……」
「インデックス……イギリスに帰るそうね。……さっき……会ったわ……」
「……あっ、ああ……」
「……『あの人』に影響されて……『あの人』に応えるために……」
「えっ!?」
「あんな……ただ自分を守ってくれる人に……甘えることしか知らなかった子を……あんな風に変えちゃうなんて……自分から一歩前に進もう……なんて選択をさせちゃうなんて……」
「……あ……う……」
「アンタに出来るのっ!?」
「ううっ……」
「出来る訳無いわよね……ううん、アンタだけじゃない……私にだって出来ないわよ……。でも……『あの人』は……それを普通にやっちゃう人なのよッ!!」
「ぐっ……」
「それが、アンタと『あの人』の差。……それが、アンタと『あの人』の違いなのよ……」
「……う……ううっ……」
「分かるでしょ?……今のアンタがどれだけダメダメで……どれだけ不甲斐ないか……」
「……」
「……『あの人』と比べたら……アンタなんて……アンタなんて……」
「……」
「でもさ……」
「えっ!?」
「言われちゃったんだ……私……『あの人』に……」
「……言われたって……何を?……」
「寮まで送って貰う時に『美琴』って呼んでって……甘えたのよ……。そしたら……」
「……そしたら……?」
「……『呼べない』って……『呼んじゃいけない』って……言われちゃった……ううっ……うっ……」
「お……オレなら……」
「えっ!?」
「オレなら……呼んでやるけどな……」
「……バカ……」
「ヘッ!?」
「ホンットに何にも分かってないのね……アンタってバカは……」
「そっ……そんなに……そんなにバカバカって連呼しなくったってイイだろっ!?」
「バカだから、バカだって言ってんでしょうが……ホンットにバカなんだから……ホント……こんなのが『あの人』みたいに成長するのかしら?……ハァ……」
「どうせ、上条さんはおバカですよォ~だ……」
「ホントに、どうしようも無いわね。この期に及んで、これだけ言われて……まだそんな風にしか言えないなんて……。……『あの人』はね……『オマエはコッチの世界でコッチのオレとそういう関係を結んでいかなきゃダメなんだ』……って、言ってくれたのよ……」
「えっ!?」
「辛かったわよ……苦しかったわよ……本気で泣きそうになったわよッ!!!……『あの人』に名前で呼んで欲しくって!!……『美琴』って呼んで欲しくって!!!……でも……それは、絶対に叶わない夢なんだって……教えられて……。……その上、私が進まなきゃならない道まで……教えてくれて……」
「あ……うう……」
「アンタみたいに、その場の優しさだけで人が救えると思ったら……大間違いよッ!!!」
「くうッ……」
「……ア~ア……ホントに……もう会えないのかなぁ……『あの人』に……」
「……御坂……」
「……会いたい……うっ……会いたいよォ……くっ……上条さん……会いたいよォ~~……うわぁぁぁぁあああああん……」
「……あ……お……オイ……御坂……」
「うぇぇぇぇぇええええええええええええん……」
「……くっ……うっ……御坂ッ!!!」
「キャッ!?」
(えっ!?……なっ、なっ、何ッ!?……何が……起こったのっ!?……あ……私……コイツに……抱き締められてる……?)
「ゴメン……こんなことしか出来なくて……こんなことしか思いつかない……バカだから……オレ……」
「……ホント……バカよ……」
「……だけど……だけどさ……オマエに泣かれたら……オレ……どうしてイイか……分かんないんだよ……」
「えっ!?」
「オマエの涙は見たくないんだ……オマエには……御坂にはいつも……笑っていて欲しいんだ……」
「……」
「オマエの笑顔をみると……オレ……ホッとするって言うか……嬉しいって言うか……さ……」
「……バカ……」
「ああ……バカでイイよ。オレはどうしようも無い大バカ野郎さ……。でもな……そんなバカでも『オマエの笑顔を守ってやりたい』って思っちゃ……ダメか?」
「えっ!?(ドキッ!!)」
「オマエの笑顔を守りたい……って、そう思っちゃ……ダメか?」
「……アンタ……」
「……御坂……」
「……あ……」
「……みさ……あ?……」
「ちょろっと~……アンタ……何しようとしてんのよ?」
「ふえッ!?」
「どさくさに紛れて……何しようとしてんのかって……聞いてんのよッ!!!!!」
「あ……あの……そ……それはぁ……」
「キス……しようとしたでしょ?」
「えっ!?(ギクッ!!!)」
「私のファーストキスを……奪おうとしたでしょっ!!!」
「……めっめめっめっ滅相もない……。こっここっここここ硬派の上条さんが……そっそそっそんなこと……」
「じゃあ何?……私を抱き締めて……顔をこれだけ近づけて……ゆっくり目を閉じてさあ……」
「あっ……いや……だから……ですね……その……(ダラダラダラダラ……)」
「イイ雰囲気になったからって……調子に乗ってんじゃないわよッ……このドバカァァァアアアアア!!!!!!!」
『パッチィィィイイイイイン!!!!』
「ホンットに……いくらイイ雰囲気になったからって……いきなりキスしようとするっ!?……そっ……そりゃあ……私もちょっとは……イイかな……って……思っちゃったりもした……けどさ……(ゴニョゴニョ)……」
「……そう思ったんなら……この一発は……無いんじゃないでせうか?」
(アイツが指差したほっぺには、私の赤い手形がシッカリとついている……ホンットに……バカなんだからッ!!!)
「あのねぇ……女の子にとって……キスは……特にファーストキスって言うのは……本ッ当に神聖なモンなんだからねっ!!!……告白もされないまま、許すと思ったら……大間違いなんだからねっ!!!」
「あ……うう……」
「……」
「……いたひ……」
「……バカ……」
「……うっ……ううっ……」
「……でも……」
「ヘッ!?……でも……って?」
「一応……私の笑顔を守りたい……って言ってくれたんだし……泣いてる私を抱き締めて……止めてくれたのは……認めなきゃ……ね……」
「お……オイ……御坂……?」
「ギリギリ……合格よ……。但し……ホントにギリギリだけど……ね」
「なっ……何のコトだよッ!?」
「アンタを『あの人』並に鍛え直すってコト。……その素材としちゃあ……まだまだ不満が残るけど……一応ギリギリ合格。ってコトよ……」
「えっ!?……そっ、それって……どういう?」
「そのままよ。……アンタをもう一度一から鍛え直して……私が満足出来る『あの人』並にアンタを教育し直してあ・げ・る♪」
「なっ……何ィィイイイッ!?」
「ねっ……イイでしょっ!?」
「なっ……なっなななななっ何勝手に決めてんだよッ!?……第一オレは、オマエのことを……」
「あッらぁ~……どさくさに紛れて、学園都市に7人しかいないレベル5の第3位……御坂美琴様のファーストキッスを奪おうとしたのは……ドコのどなたでしたっけぇ~?」
「うぐっ……」
「アンタは……私の笑顔を守りたいのよねッ!?」
「あ……あ……ハイ……」
「私の泣き顔は見たく無いのよねっ!?」
「……ハイ……」
「さっき、どさくさに紛れて……私のファーストキスを奪おうとしたわよねっ!?」
「……ううっ……ハイ……」
「これだけのことをしておいて……まさか……私の言うことが聴けない……何て言わないわよねぇ~……」
「……あ……その……だから……それとこれとは……」
(バチバチバチバチッ……ジャラジャラジャラジャラ……)
「ハイ……仰る通りに……させて戴きます……です……」
「んっ……宜しい……エヘッ♪」
「エヘッ♪……じゃねェだろ……はぁ……不幸だ……」
「な~によォ~……何か文句でもある訳?」
「めっめめっめっ滅相もない……」
「イイじゃない?こんな美少女がアンタのことを鍛え直してあげるって言ってるんだから。有り難く受けとけばイイのよッ!」
「美少女って……自分で言うか?」
「な~によォ~……何か文句があるの?」
「い……いやぁ~……オマエの……御坂のことは……確かに……カワイいと……思うけどさ……」
「ヘッ……!?(ポンッ!!!……//////////)」
「ん?……どうした?……熱でもあるのか?……顔……真っ赤だぞ?」
「……このバカは……こっから……ココから……鍛え直さなきゃ……いけないのか……?」
「あ……あの……御坂さん?……何をそんなに……震えておられるんでせうか?」
「アンタはねェ……まず、その鈍感さとォ……フラグ体質をどうにかしなさいよッ!!!!!……このドバカァァァアアアアア!!!!!!!」
『バチバチバチッ……ドドドドドォォオオオオンッ!!!!!』
「ふっ……不幸だァ~~~ッ!!!!!」
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(……もう……ホンットに苦労させられそう……)
(ねェ……インデックス……今は、本当にどうしたらイイのか分からないけれど……とりあえずは……これでもイイよね?)
(今度……もし……『あの人』に会える時が来たら……その時、私は……どんな顔で会うことが出来るのかな?)
(インデックス……アンタは、その時……どんな顔をして『あの人』に会うのかな?)
(私とコイツの時間はまだ始まったばかり……だもんね……)
(第一、告白も何もしていないんだし……『好きだ』とは言っちゃったけど……アレは……ちょっと違うし……)
(上条さん……私の一番好きな人……それはまだ……変わりそうにありません……)
(でも……貴方に応えたいから……今度会う時に……貴方の目を真っ直ぐに見たいから……私は前に進みます)
(見守っていて下さいね……上条さん……あのメールが……消せるように……なるまでは……私が世界で一番好きな人……)